自社のサステナビリティ関連データのマネジメントニーズがある企業にとって、とても興味深いレポートが公表されている。米国ワシントンに本拠を置く環境・サステナビリティ分野のプロフェッショナルネットワーク、NAEM(National Association for Environmental Management)は4月7日、企業らによるサステナビリティ関連ソフトウェアの活用状況を詳細に分析した購入担当者向けガイド、"2015 EHS and Sustainability Software Buyers Guide"を公開した。
同レポートはEHS(環境・健康・安全)・サステナビリティに関する企業のデータマネジメントニーズやそのためにソフトウェアに費やした費用、ソリューションの選び方や運用上の課題などについてまとめたもので、無料で閲覧することが可能だ。
上記レポートの公表にあたり、サステナビリティソフトウェアの大手、Enablon社はレポート内で取り上げられている最も興味深いトレンドとして下記5つを挙げている。
- EHSリスクの自己評価は依然として重要
- 最もニーズの高い機能はインシデント管理
- 重要なのは使いやすさ
- 購入担当者が求めているのは企業全体に導入可能なシステム
- 購入担当者のシステム比較検討数は減少傾向に
1. EHSリスクの自己評価は依然として重要
2015年のレポートでは回答者の84%は、他業界の企業と同程度かそれよりも高いEHSリスクがあると自己認識しており、EHSリスクが高いと認識している企業ほど積極的にソフトウェアを活用する傾向にある。EHS、サステナビリティとリスク管理の統合は進んでおり、その統合を反映したソフトウェアソリューションの必要性が高まってきている。
2. 最もニーズの高い機能はインシデント管理
ソフトウェアに求められている上位5つの機能のうち3つはインシデント管理に関するもので、インシデントのトラッキング(88%)、報告(82%)、調査(82%)となっている。これらのニーズは、職業上の安全と健康に関する法規制への対応などコンプライアンス上の必要性からくるものだ。
3. 重要なのは使いやすさ
購入担当者の96%が「使いやすさ」を重要な要件として挙げており、EHS・サステナビリティソフトウェアの重要な評価基準となっている。また、購入者は更新のしやすさや柔軟性の高さも重要な要件として挙げている。
4. 購入担当者が求めているのは企業全体に導入可能なシステム
購入担当者の53%は企業のグローバルオペレーション全体で適用可能なソリューションを求めており、売上が10億米ドルを超える企業に限ってはその値は64%まで高まる。購入担当者らは環境やサプライチェーン、製品スチュワードシップといった幅広い領域のサステナビリティリスクに対応するために、どのようにソフトウェアを活用するか、大きな展望を描く必要性に迫られている。
5. 購入担当者のシステム比較検討数は減少傾向に
現在、新規にシステム導入を検討している担当者らのソフトウェア比較検討数は平均5つとなっており、既にシステムを導入している担当者らの比較検討数(8)よりも少なくなっている。これは、一部のプロバイダーによるEHSソフトウェア市場の独占が始まっているシグナルの可能性があり、その原因としては、購入担当者の多くがピンポイントのソリューションではなくより包括的なソリューションを求めているという点が考えられる。
今やグローバル企業のサステナビリティ戦略推進にはデータマネジメントが欠かせなくなっており、その中核としてサステナビリティ専門のソフトウェアソリューションを活用する企業も増えてきている。他社の動向も含めてソフトウェア選びや活用のポイントを知りたい方は、ぜひ下記からダウンロードしていただきたい。
【レポートダウンロード】2015 EHS and Sustainability Software Buyers Guide
【企業サイト】Enablon
【団体サイト】NAEM
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら