EU加盟国閣僚級のEU理事会は5月17日、ロシア関連メディア4社のEU域内での放送を禁止する措置を決定した。プロパガンダ、情報操作、干渉活動を行っているとみなした。
今回対象となったのは、「ボイス・オブ・ヨーロッパ」「RIAノーボスチ」「イズベスチヤ」「ロシイスカヤ・ガゼータ」の4メディア。EU理事会は、これらのメディアは、ロシアの指導者の直接的または間接的な支配下にあり、ウクライナに対するロシア侵略戦争と近隣諸国の不安定化を推進・支援する上で不可欠かつ重要な役割を果たしていると言及した。
EU理事会は、今回の措置は、EU基本権憲章に反するものではないと主張。対象となる報道機関と当該スタッフが、EU域内で放送以外の調査やインタビュー等の活動を行うことを妨げるものではないと表明した。
さらにEU理事会は5月27日、「ボイス・オブ・ヨーロッパ」と、同メディアの重要人物アルテム・マルチェフスキイ氏とヴィクトル・メドヴェチュク氏に対する経済制裁も決定した。資産凍結、渡航禁止の他、EU市民やEU企業は制裁対象者との資金のやりとりが禁止される。
同時にEU理事会は、ロシアに対し、人権侵害に関する責任者を対象とした制裁措置を新たに新設し、ロシア連邦連邦刑務所局と19の自然人を制裁リストに入れた。深刻な人権侵害や虐待、市民社会や民主的な反対勢力への弾圧、民主主義と法の支配の弱体化等が適用対象となる。
同措置は、2月にロシアの野党政治家アレクセイ・ナヴァルニー氏が、シベリアの刑務所で非業の死を遂げたことを受け、EUのジョゼップ・ボレル外務・安全保障政策上級代表が提案したもの。制裁リストに入ると、資産凍結、渡航禁止の他、EU市民やEU企業は制裁対象者との資金のやりとりが禁止される。
今回の新制度では、ロシアで人権侵害を犯している人々や団体に、資金、技術、物質的な支援を提供したり、その他の形で関与したり、関連したりしている人々も対象とすることができる。弾圧に使用される可能性のある機器や、主に情報セキュリティや電気通信の監視・傍受に使用されることを目的とした機器、技術、ソフトウェアの輸出に対する貿易制限も導入できる。
【参照ページ】Russia’s war of aggression against Ukraine: Council bans broadcasting activities in the European Union of four more Russia-associated media outlets
【参照ページ】Information manipulation in Russia’s war of aggression against Ukraine: EU lists two individuals and one entity
【参照ページ】Russia: EU sets up new country-specific framework for restrictive measures against those responsible for human rights violations, and lists 20 persons
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