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【インドネシア】政府、2060年カーボンニュートラル目標を国連に提出。再エネを大規模導入

 インドネシア政府は7月、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局に対し、2060年カーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)目標を正式に提出した。インドネシアでは、ジョコ・ウィドド大統領が3月に2070年カーボンニュートラルを宣言。しかし、その後、国内の環境NGO等からも「中国が2060年目標なのに遅すぎる」と批判が沸騰。結果、10年前倒しした。

 インドネシア政府の発表によると、インドネシアの経済発展は2030年から2040年にピークを迎え、2050年から2060年にかけては成長がなだらかになると予測。排出削減についても、この予測を基にしているという。

 インドネシア国営電力PLNは5月、ウィドド大統領の指示に基づき、エネルギー鉱物資源省と海洋投資調整省のもとで、2055年までに石炭火力発電を全廃する計画を発表。中間目標として、2030年までに石炭火力発電所とガス化石炭火力発電所の合計3基(1.1GW)を廃止するとした。2055年までには、残り49GWの石炭火力発電所が廃止となる。

 一方で、インドネシア国内では、従来の政策の流れから、石炭火力発電所117基の建設が計画されており、2020年の時点で、11.8GWが建設中。新設される石炭火力発電所の設備寿命を考慮すると、2060年や2065年にも大規模な石炭火力発電所が稼働している計算となり、排出量は年間1億700万t。環境NGOは5月、政策に矛盾があると指摘していた。

 今回の発表では、2060年カーボンニュートラルを新たに目標設定した一方、2030年目標に関しては、何も対策を講じなかった場合(BAU)の比で29%削減、国際支援を受けた場合には同41%削減するという目標を据え置いた。

 インドネシアの現行計画では、2060年には、再生可能エネルギー比率85%、原子力発電15%を目指すという。バッテリーや水素燃料電池の技術活用も進める。CCUS(炭素・回収・利用・貯留)も活用する考え。

 8月には、PLNとアラブ首長国連邦(UAE)ノマスダールが、東南アジア最大の浮体式太陽光発電プロジェクトを発表。設備容量は145MWで、2022年11月の商業運転開始を目指す。融資銀行は、三井住友銀行、ソシエテ・ジェネラル、スタンダードチャータード等。

【参照ページ】INDONESIA Long-Term Strategy for Low Carbon and Climate Resilience 2050
【参照ページ】Menteri LHK: Kepentingan Nasional Menuju Netral Karbon 2060 Tanggung Jawab Bersama

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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