コンサルティング世界大手米マッキンゼーは8月26日、アパレル業界での二酸化炭素排出量の重要性と方策を示したレポートを発表した。同レポートは、アパレル業界サステナビリティNGOのGlobal Fashion Agenda(GFA)と共同作成した。
【参考】【国際】アパレル大手90社のサーキュラーエコノミー・コミットメント、進捗達成率21%到達(2019年7月14日)
マッキンゼーによると、アパレル業界は2018年に二酸化炭素を21億t排出しており、世界全体の排出量の4%を占める。今後毎年2%ずつ排出量が増加すると見立てると2030年の排出量は27.4億t。これをパリ協定での1.5℃目標との整合性をもたせるためには、11億tにまで16億t分も削減する必要が出てくる。
二酸化炭素の排出源は、原料生産が38%で最多。他には、製品使用が20%、ウェット加工が15%、製糸が8%、生地生産6%、最終加工4%の順。輸送、小売、廃棄も各々3%を占めている。アパレル大手では、生産までを全て外部委託していることも多く、サプライヤーでの排出量が全体の61%と非常に大きい。
排出削減のためのコストでは、全体の排出量の55%まではコスト削減にもつながるもので、着手がしやすい。具体的には、過剰生産の削減、返品率の低減、商品の修理や修繕、商品レンタル、梱包資材での再生素材活用、店舗省エネ等が、コスト削減に繋げられるとした。またコスト削減につながる排出削減施策では、ブランド企業によるサーキュラーエコノミー型のビジネスモデルに転換によるものが多く、総排出量を現状でも21億tから17.7億tへと削減できる効果があると試算した。
また消費者でのアパレル廃棄物を削減する行動変容や、機関投資家による投資先企業へのエンゲージメントも重要施策と位置づけた。
【参照ページ】Fashion on climate
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