欧州環境NGOのZero Waste Europe(ZWE)とRethink Plastic Alliance(RPa)は7月10日、EUでのケミカルリサイクルの法規制に関する提言を発表した。サーキュラーエコノミー化の推進でケミカルリサイクルへの期待が高まる中、ケミカルリサイクルに孕む課題にも留意する必要を説いた。
プラスチック汚染の問題で、サーキュラーエコノミーへ関心が高まる中、マテリアルリサイクルが持つ品質劣化の問題を克服できるケミカルリサイクルに大きな注目が集まっている。しかし両団体は、ケミカルリサイクルにも、純度の高い廃棄材料が必要となることや、ケミカルリサイクルのプロセスにおいて、環境や健康への悪影響に関する懸念があることを指摘。法規制の上で、予防原則の観点の立ち、検討すべき7つのステップを整理した。
- 廃棄物関連法でのケミカルリサイクル技術の定義の調整
- 廃棄物処理優先順位でのケミカルリサイクル技術の法的ステータスの明確化
- 汚れや劣化した耐久財由来のプラスチックにケミカルリサイクル原材料を限定
- 工場でのケミカルリサイクルの環境・健康影響評価
- ケミカルリサイクルの気候変動影響の測定手法の確立
- 再生素材の質に関する定性・定量基準の策定
- バージンプラスチックよりもカーボンフットプリントが低いケミカルリサイクルにEU助成を限定
今回の提言は、ケミカルリサイクル技術がまだ不確実という前提に立ち、過渡な期待や、マテリアルリサイクルを阻害しないようにする狙いがあるとみられる。一方、ケミカルリサイクル技術は、近年大きく進化しているも事実。今回の提言を受け入れるためには、規制水準をどの技術に標準を合わせるのかが
難しい議論となる。
【参照ページ】Chemical Recycling legislation should take a precautionary approach to ensure prevention measures remain at the core of the EU’s Circular Economy promises
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