中国生態環境部は6月30日、2021年から固体廃棄物の輸入を全面的に禁止すると発表した。中国政府は2018年から廃プラスチックを含む固体廃棄物の輸入禁止を導入していたが、例外申請については維持。しかし2021年からは例外申請についても禁止し、一切の申請を受理しないと伝えた。
中国は2018年の禁止措置導入以降、輸入量減少が順調に進み、2020年1月から5月の固体廃棄物輸入量は前年同期比45.3%減の322.6万tとなった。2020年下半期からは、上半期と同様のルールを継続しつつ、金属スクラップも含めた輸入量をさらに削減すると表明した。
中国は、金属スクラップの輸入大国だったが、2019年7月に金属スクラップの規制が強化。それに伴い、2019年の輸入量は銅スクラップが前年比38.4%減、アルミニウムスクラップが10.9%減となった。
中国の国家市場監督管理総局(SAMR)は1月、関係者のロビー活動の末、新たな高品質なリサイクル用の銅とアルミニウムについては、7月1日から輸入品目区分を「廃棄物」ではなく「資源」と扱うこととしたため、今回発表の規制強化の対象とはならない模様。しかし、6月下旬になっても税関コードが発行されておらず、関係者の間では、不安が広がっている。
中国では、2020年9月1日に「固体廃棄物における環境汚染防止対策法」が施行され、2020年末までの輸入ゼロに向けた法体系が確立する。同法には、輸入固体廃棄物の性質の鑑別、違法輸入固体廃棄物の返送や法的措置の明示、不正対策強化、罰則強化等が盛り込まれている。
中国は2017年までは毎月約30万tの固体廃棄物を輸入してきたが、2018年からの規制強化で20万tにまで減少。2019年からはさらに約12万t、2020年からは7万tレベルにまで下がっている。2021年からはこれがゼロになる。廃棄物を中国輸出に頼ってきた事業者は、ますます他国もしくは自国での処理が必要となる。
【参照ページ】全国固废进口量今年前5月同比近减半 明年全面禁止进口
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