中国IT大手ファーウェイ(華為技術)は6月25日、英ケンブリッジ州の地方議会から、研究開発・製造拠点を建設する認可を得たと発表した。施設の規模は約5万m2で、400人の現地雇用する計画。投資金額は12億米ドル(約1,300億円)。
ファーウェイは、2018年にケンブリッジに約2km2の土地を取得していており、同社の第1フェーズ計画を承認した形。第1フェーズでは、主に光デバイスおよびモジュールの研究、開発、製造が行われる。
同社は、今回の投資を通じ、世界のデータセンターやネットワークインフラに最高峰のオプトエレクトロニクス技術を提供すると宣言。また、将来的には、オプトエレクトロニクス事業のグローバル本社にしていく考えを示した。
一方で、英国家サイバーセキュリティ・センター(NCSC)は、ファーウェイ製品を国内のサイバーセキュリティ上における高リスク製品(High Risk Vendors)として指定している。
【参考】【アメリカ】政府、海外企業によるファーウェイへの半導体提供禁止検討。TSMCは新規受注停止(2020年5月19日)
【参考】【イギリス】国家サイバーセキュリティ・センター、ファーウェイ製品の新たなリスク警告(2018年7月27日)
また、イギリスのボリス・ジョンソン首相は今年1月末に、同社の5Gネットワーク参入を「部分的に容認する」と宣言したばかり。同社の市場占有率を35%以下にすると決めたジョンソン首相だが、国家安全保障の理由で同社製品を排除する姿勢を示すアメリカ政府や、イギリス与野党から反感を招いており、イギリス政府は今も同社への対応を検討している最中である。
こうした渦中での発表であったためか、同社はプレスリリースで、「オプトエレクトロニクスにおける主導的地位をイギリスで確立し、イギリスの技術を世界規模で促進することを目指している」と述べた。
今後の、同社に対するイギリス政府の方針は、EU離脱後におけるアメリカとの関係に大きな影響を及ぼしかねないとの見方が広がっている。
また、中国政府が6月30日に「香港国家安全維持法」を施行したことで、英中関係は悪化。イギリス政府は、中国政府の行為を、1984年の「中英共同声明」に対する明白かつ深刻な違反であると非難し、今後のファーウェイとの契約も含め、中国との関係性を再考するよう圧力がかかっていくことが、予想されている。
【参照ページ】Huawei to Build an Optoelectronics R&D and Manufacturing Centre in Cambridge
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