世界保健機関(WHO)は6月17日、新型コロナウイルス感染症の治療薬として期待されていた抗マラリア薬ヒドロキシクロロキン(HCQ)について、「連帯トライアル」プログラムでの臨床試験を中止したと発表した。致死率を下げる有効性が確認されないと判断した。
ヒドロキシクロロキンについては、WHOの「連帯トライアル」プログラムにより、フランス等世界各国で臨床試験が実施されていたが、有効性が確認できなかった。また英国での臨床試験でも同様に確認されなかった。現在、ヒドロキシクロロキンでの治療を続けている人は計画通りに最後まで実施するか、途中で中止するかは医師の判断に任せる。
米食品医薬品局(FDA)も6月15日、新型コロナウイルス感染症の治療薬としてクロロキンとヒドロキシクロロキンに出していた緊急使用許可(EUA)を取り消すと発表した。同様に治療に効果がない一方、心臓に深刻な副作用が出る可能性があると判断した。米国では、生物医学先端研究開発局からの要請に基づき、FDAは3月28日からリン酸クロロキンとヒドロキシクロロキンにEUAを出していた。
またFDAは同日、最新の非臨床の研究結果に基づき、治療薬レムデシビルと、リン酸クロロキンもしくはヒドロキシクロロキンの併用は、レムデシビルの効果を弱めるため推奨しないと発表。従来の見解を変更することを伝えた。
ヒドロキシクロロキンに対しては、世界保健機関(WHO)は5月25日、「連帯トライアル」プログラムでの臨床試験を一時停止した後、6月3日に悪影響はないとして同プログラムが再開されたばかりだった。
【参照ページ】“Solidarity” clinical trial for COVID-19 treatments
【参照ページ】Coronavirus (COVID-19) Update: FDA Revokes Emergency Use Authorization for Chloroquine and Hydroxychloroquine
【参照ページ】Coronavirus (COVID-19) Update: FDA Warns of Newly Discovered Potential Drug Interaction That May Reduce Effectiveness of a COVID-19 Treatment Authorized for Emergency Use
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