台湾集中保管結算所(TDCC:証券保管振替機関に相当)は5月4日、同機関が2019年3月から運営しているオンラインサービス「IRプラットフォーム」上で、ESG評価機関大手からデータ提供を受け、同時に表示できるようにしていく構想を発表した。早ければ7月から展開したい考え。
TDCCは、台湾での国連責任投資原則(PRI)やESG投資の推進のため、投資情報プラットフォームにESG情報を追加していく構想を描いている。IRプラットフォームの開設では、議決権行使助言世界大手ISS及びESG評価機関大手サステイナリティクスがパートナーとなり支援。2019年6月には、ISSとの新たなパートナーシップを発表し、TDCCのオンライン議決権行使システム「STOCKVOTE」で、台湾証券取引所の上場企業へ議決権を行使する際に、ISSのクライアント機関投資家が直接同システム上でサービスが受けられる仕組みをスタートした。
今回発表の新アクションでは、IRプラットフォームに、「E&S情報開示の質スコア」を表示。同時にISS ESG、FTSE Russell、Sustainalytics(サステイナリティクス)のESGスコアも提供していくことを目指す。MSCIについても現在協議が進められている。また、アニュアルレポートや株式総会アジェンダ等の法定開示書類も同プラットフォームに表示できるようにしていく。
TDCCは4月30日、ブラックロック、ISS、台湾取締役学会等を招待したフォーラムを主催。PRIも提唱しているアクティブオーナーシップを推進していくことが台湾でも重要と話した。同時に台湾企業も株主との対話を増やし、ESGパフォーマンスを向上させることが重要となると展望を語った。
同フォーラムでTDCCは、機関投資家向けの「責任投資サービス」の青写真を披露。ESG投資を容易にするためのESG観点での投資機会や投資リスクを把握しやすくするためのESGスコア・プラットフォームを構築していくと発表した。
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