英教育省は4月19日、新型コロナウイルス・パンデミックによる休校措置で、給食が提供できなくなった学生を対象とした給食バウチャー制度に、英小売大手が自主的に参画を表明したことを発表した。英国では、スーパーマーケットも「給食」を提供する形で子供の栄養を支える。
英国では、パンデミックの影響で、数多くの学校が休校または通学する学生を大幅に減らす措置を採っている。英国でも通常学校は、欠席の学生や休校中には健康面での懸念があり給食を自宅に届けることはしていない。しかし今回は緊急事態と判断し、社会的支援を必要としている家庭の学生に対しては、自宅にいながら給食を受け取ることができるる制度を政府として設けた。費用も中央政府負担とする。
まず政府は、各学校向けに、学校による給食の自宅配達、自治体政府による給食の自宅配達、民間企業による給食の自宅配達のいずれかの措置を検討するよう要請。要点をまとめたガイダンスを通知した。そのため学校側は、給食委託会社との協議や自治体行政との調整に入っている。しかしそれでも給食委託会社や自治体でも給食を生産、配達できないことを想定し、同時に小売企業で給食を受け取ることができる給食バウチャーの仕組みも構築した。
給食バウチャーの仕組みを提案したのは、フランスに本社を置く企業福利厚生制度向けの食事補助サービス提供大手エデンレッド。今回の仕組みでは、まずエデンレッドから各学校に、エデンレッド利用のアカウント開設メールを送付。学校側がアカウントを「有効化」すると、エデンレッドのウェブサイト上で、対象学生1人当たり毎週15ポンド分のバウチャーを購入し、各家庭にEメールや郵送で送付できるようになる。受け取った各家庭は、スーパーマーケットでバウチャーを差し出せば、給食が受け取れる。バウチャー制度により、教育省から直接スーパーマーケットに支払をできるようにすることで、学校側の負担を最小化した形。
給食提供に賛同したスーパーマーケットは4月20日までに、ウェイトローズ、マークス&スペンサー、セインズベリー、テスコ、モリソンズ、アズダ、アルディで、小売大手が勢揃いした。教育省は、各家庭からアクセスしやすい場所で給食提供が可能になるよう幅広いスーパーマーケットに協力を呼びかけている。
【参照ページ】Coronavirus (COVID-19): free school meals guidance for schools
【参照ページ】Aldi joins Free School Meal voucher scheme
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