英金融当局のFCA(金融行為規制機構)は12月17日、企業年金基金に対し、重要なESG課題を投資運用で考慮すべきとする規定改正を実施した。また、企業年金基金を監督する独立ガバナンス委員会(IGC)もしくはガバナンス諮問委員会(GAA)に対し、年金基金の運用資産に適用されるESGポリシーやスチュワードシップを評価し、報告することを義務化した。2020年4月6日に施行され、その次の決算後のアニュアルレポートの中で報告しなければならない。
今回の決定は、2017年6月の英国会法律委員会の勧告に基づくもの。企業年金基金を所管する英労働年金省も2018年9月、同勧告に基づき、IGCがESGポリシーを監督できるようにする法改正を行っていた。また、EUの第2次株主権利指令(SRD II)でも、スチュワードシップに関する株主エンゲージメントと透明性を高めるためのポリシー開示を実施することも定めており、その内容も反映させた。
今回の規定改正では、加入者が2人以上の年金基金のうち、投資運用益を主要目的とする年金基金を対象としている。同改正に伴い、企業年金基金は、独立ガバナンス委員会(IGC)、もしくは組織体が簡素なガバナンス諮問委員会(GAA)を、2020年4月6日までに設置することも義務化された。
FCAはすでに、事前設定した4ファンドを投資アドバイスすることなく年金加入者に提供していく制度「Investment Pathways」を決定している。IGCは、同制度の運用についても2020年8月1日までチェックする義務を追う。チェックで懸念が出た場合は、企業年金基金は懸念に対応しなければならない。
【参考】【イギリス】金融当局FCA、一定の企業にTCFD情報開示義務化。金融のグリーンウォッシングも防止(2019年10月21日)
【参照ページ】PS19/30 Independent Governance Committees: extension of remit
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