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【EU】投資運用大手、6月末期限の初年度PAI声明公表で追加指標3つ以上開示は3分の1弱

 EUサステナブルファイナンス開示規則(SFDR)に基づくPAI(主要な悪影響)声明で、任意の追加指標の開示まで実施した大手運用会社は、3分の1弱に留まっていたことがわかった。

 SFDRは、第4条で、従業員500人以上のEU域内市場で事業展開する市場関係者に対し、PAI声明の年次公表を義務化している。2021年4月に公表されたテクニカル基準規則(RTS)案では、PAIの開示指標は、義務指標が14、任意指標が31定められており、義務指標全てと、追加指標2つ(環境領域と社会領域から各1つずつ)以上を選択して、開示することが義務化されている。従業員500人未満の市場関係者は、声明の年次公表が義務ではないが、発表しない場合にはその理由の説明の開示をしなければならない。

 初回となる2022年度の実績発表は2023年6月30日が期限となっていたため、6月後半に公表が相次いだ。2年目となる2023年度の実績発表も2024年6月30日が期限となっており、RTSが示すフォーマットに基づく内容を盛り込むことも義務化される。但し、RTSを制定する改正SFDR委託規則の制定作業が大幅に遅れており、最終確定が2023年終盤から2024年初旬となる見込み。それに伴い2年目の開示ルールも変更になる可能性もある。そのため、初年度の今回は既発表のRTS案を視野に入れながら、各運用会社が独自に開示内容を定める状況となった。

 英メディア「Responsible Investor」によると、EU域内に拠点をおく、もしくはEU域内で事業展開する運用大手30社のうち、3分の1弱が3つ以上の追加指標を開示していた。具体的には、ダンスケ・バンク・アセット・マネジメント、PGGM、M&Gインベストメンツ、ティー・ロウ・プライス、KLP等が開示していた。しかし、開示した追加指標数は全体で6項目が最多だった。

 選択された追加指標では、環境領域では、二酸化炭素排出量削減目標の未設定が断トツで最多だった。社会領域では、比較的分散し、人権方針の未設定が最多、次いで腐敗防止方針の未設定、深刻な人権課題の特定数、サプライヤー行動規範の未設定と続いた。

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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