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【国際】OECD、ジェンダー不平等の分析報告書を発表。課題は教育、雇用、政治

 経済協力開発機構(OECD)は5月9日、ジェンダー不平等に関する分析を実施した報告書を発表した。女性は社会的、経済的なあらゆる場面で課題に直面しており、OECD加盟国全体でさらなる取り組みが必要と勧告した。

 今回の発表は、OECD加盟国におけるジェンダー不平等に関する分析を行った論文33本を分析したもの。育児休暇、賃金の透明性、柔軟な労働機会、女性管理職比率の増加等、一定の成果が得られた政策があったことを評価。しかし、女性の賃金や生涯年収、年金の低さ、女性の起業や自営業に対する障壁、無償の介護や家事における女性の割当の多さ、政治や政府のリーダーに女性が少ないこと等、大きな課題があると報告した。

 教育面では、科学、技術、工学及び数学(STEM)のようなより良い仕事の機会が期待できる教育分野に対する女子の進学率の低さを指摘。2020年のOECD加盟国の平均では、ICT分野の新大学生の女子の割合は20%だった。

 労働面では、女性の雇用率の低下、週あたりの労働時間の減少、労働市場におけるジェンダーギャップにより女性の賃金は男性より低い。公務員の約60%が女性だが管理職に占める女性の割合は40%未満であり、女性の起業や自営業をする際の課題も大きい。貯蓄や収入が低い女性は、新型コロナウイルス・パンデミックやロシアによるウクライナ侵攻等による影響を男性よりも受けやすく、OECD加盟国の平均では、女性は男性よりも約2倍の時間を介護や家事に費やしていることも報告した。

 同報告書では、ジェンダーの不平等への関心は、環境、エネルギー、原子力、貿易等、より多くの政策分野に波及しており、既存の格差を解消するために大胆なアクションの必要性を訴えた。具体的には、ジェンダーに基づく偏見とステレオタイプの撲滅、女性の労働市場への参加支援、有給・無給労働における男女間給与格差解消に向けた支援、政策意思決定における女性リーダーの関与の促進、ジェンダーに関する情報の集約等を訴えた。

【参照ページ】All OECD countries need to step up efforts to boost gender equality

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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