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【国際】TSFDとTIFDが合併。社会関連財務情報開示タスクフォース。機関投資家の支持がカギ

 社会関連財務情報開示タスクフォース(TSFD)と不平等関連財務情報開示タスクフォース(TIFD)の双方の準備組織は4月13日、運営してきた双方のタスクフォースを合併すると発表した。1つのタスクフォースに一本化する。

 TSFDは、世界大手企業のサプライチェーン・インクルージョン・イニシアチブ「Business for Inclusive Growth(B4IG)」が2022年6月の理事会で構想を発表。経済協力開発機構(OECD)の協力を得、ESGの「S」観点での開示フレームワーク策定に向け、タスクフォース発足準備を進めてきた。

 TSFDでは、OECD多国籍企業行動指針、OECD Framework for Measuring Well-Being and Progress(OECDウェルビーイング・進捗測定フレームワーク)、Observatory on Social Mobility and Equal Opportunity(社会動員と機会平等のための観測)の3つのガイドラインに基づく開示を対象としている。

 B4IGの加盟企業は、ユニリーバ、ダノン、ロレアル、ヘンケル、マース、キューリグ・ドクターペッパー、プレタ・マンジェ、パネラブレッド、ケリング、エネル、BASF、ソルベイ、ミシュラン、ヴェオリア、Sodexo、シュナイダーエレクトリック、ヴァンシ、マイクロソフト、セールスフォース、JABホールディングス、JPモルガン、BNPパリバ、アクサ、アムンディ、アクセンチュア、キャップジェミニ、エデルマンと、日本企業では日立製作所とリコーが加盟している。

【参考】【国際】WBCSD、不平等対処イニシアチブBCTI発足。若年スキル・ミスマッチではUNICEFと共同提言(2021年7月16日)

 TIFDは、Predistribution Initiative(PDI)、Rights CoLab、アルゼンチン国際協力ネットワーク(RACI)、南部不平等研究センター(SCIS)の4団体が2021年7月に発足。同11月には国連開発計画(UNDP)も暫定事務局に加わった。これまでに、ラウデス財団、フォード財団、オミダイア・ネットワーク、Tipping Point Fund on Impact Investing(TPT)の4団体が活動資金を拠出している。

 TIFDでは、不平等是正に焦点を当てた開示を促進しようとしているが、まだ輪郭が固まっていない。活動資金の調達を行いながら少しずつ議論を深めてきた状態。NGO関係の参画が多く、企業や投資家はまだ主要なプレイヤーになっていない。

 TSFDとTIFDは、気候関連財務開示タスクフォース(TCFD)と自然関連財務開示タスクフォース(TNFD)の成功を受け、各プレイヤーが同様の名称を使って初めた自発的の動き。双方とも、TCFDとTNFDとの相互運用性を確保できるように設計していくことを決めている。

 今回の合併では、続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)や、ローマ教皇フランシスコが設立した包摂的な資本主義のための協議会(CIC)からも賛同を得たことをアピール。今後は主要な機関投資家が積極的に参画するかが鍵を握る。統合したタスクフォースの詳細は、今後発表される予定。

【参照ページ】Joint Statement on Convergence Between TIFD and TSFD

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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