英サステナビリティ・コンサルティングは、企業のESG評価機関の評価ランキングを発表した。機関投資家の間で、CDP、ISS-ESG、Sustainalytics(サステイナリティクス)、S&P Global ESGのデータの評価は高い一方、FTSEやMoody's ESGの評価が低いことが明らかとなった。
今回のレポートは、英コンサルティング大手ERMが3月23日に発表した「Rate the Raters 2023」。同レポートは、1987年創業のSustainAbilityが、2010年に初発行し、2018年に2回目が、2019年に3回目が、2020年に4回目が発行されていた。SustainAbilityは2019年にERMが買収することが決定。そのERMも2021年5月にプライベートエクイティ大手KKRがマジョリティ出資を決めている。
【参考】【国際】機関投資家のESG評価機関の評判。サステナリティクスが人気高い。FTSEは評価最低(2020年3月9日)
今回の調査は2022年に実施。企業のサステナビリティ実務家1,400社と、投資実務家450人に調査票を送付。そのうち企業実務家104人と投資実務家33人が回答した。回答率は高くない。調査対象は29カ国で20セクターと多く、回答の多様性も考慮された。
評価対象は、MSCI、FTSE4Good、S&P Global ESG、Sustainalytics、ISS-ESG、CDP、EcoVadis、RepRisk、ブルームバーグ、Refinitive、Moody's ESG、Sustainable Fitch、JUST Capitalの13社。
結果は「品質」と「有用性」の2つで発表された。投資家の回答では、「品質」については、首位がISS-ESGで65点、2位がCDPで64点、3位がSustainalyticsで59点。「有用性」では、首位がCDPで56点、2位がISS-ESGで52点、3位がSustainalyticsで42点。
企業の回答では、「品質」については、首位がCDPで80点、2位がS&P Global ESGで53点、3位がSustainalyticsで46点。「有用性」では、首位がCDPで71点、2位がSustainalyticsで51点、3位がMSCIで49点だった。
前回との比較では、ISS-ESGの投資家評価が大幅に向上。一方、信用格付に重きを置いているMoody's ESGやSustainable Fitchの評価は低調だった。一方、回答状況では、Sustainablyticsが最も高く74%で、抜群の知名度を誇った。FTSER4Goodは、投資家と企業の双方で、有用性に関する設問で「有用でない」との回答が最多となり、前回と同様だった。
【参照ページ】New ERM report ranks ESG ratings agencies and urges action to maintain business and investor trust
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