IT世界大手米グーグルは1月14日、インターネット上のプライバシー強化のため、ウェブブラウザー「Chrome」で、サードパーティー・クッキーのサポートを今後2年以内に廃止すると発表した。同社は2019年8月、プライバシー強化のための検討計画「Privacy Sandbox」を打ち出していた。
クッキーは、主に、利用者が閲覧しているウェブサイトの「ファーストパーティー・クッキー」と、第三者の広告主や広告サーバーから送られる「サードパーティ・クッキー」がある。今回廃止対象となるは「サードパーティ・クッキー」で、これにより過去の閲覧履歴からユーザーに対しバナー広告を出し分ける「リターゲティング広告」が機能しなくなる。サードパーティ・クッキーの廃止では、アップルがSafariブラウザで先行導入している。アップルは、2017年にITP(Intelligent Tracking Prevention)で、サードパーティ・クッキーを24時間以内に削除する機能を導入。2018年からはITP2.0に移行し。サードパーティ・クッキーを即時削除する運用を開始した。
EUの一般データ保護規則(GDPR)では、クッキー情報も個人情報と規定。個人がクッキー情報に対し管理できるようにすることをインターネットサービス事業者は義務化されたため、活用の自由度が減ってきていた。同社の「Privacy Sandbox」では、個人のプライバシー保護とインターネット情報の充実を両立させる方策を模索すると宣言。その際、大規模なクッキーのブロックは、指紋等のリスクの高い手法を個人に強いていくため適切でないとすると指摘。また、広告に資金源を依存しているウェブサイトは多く、広告モデルが失われると、インターネット空間の流通情報が損なわれることにも懸念を示していた。そのため、新たな「業界水準」を設定し、現状から変化させる必要性を訴えていた。
今回の発表では、指紋での個人認証に依存しない新たな技術を開発することで、クッキーに変わる技術を打ち出していくと表明。但し具体的な手法については言及せず、2020年後半にリリースすると述べるに止めた。また、同業他社に対しても、クッキー離れを進めるグーグルのアクションに参加するよう要請した。
サードパーティ・クッキー廃止では、影響を回避するための抜け道探しも始まっている。しかし、アップルとグーグルは、回避策を潰しにいく対応を加速させている。
【参照ページ】Building a more private web: A path towards making third party cookies obsolete
【参照ページ】Building a more private web
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