米保健福祉省の食品医薬品局(FDA)は4月3日、病院での使用が許可される医療用具のリストを更新。中国内で中国基準で生産された医療用マスク「KN95」を米国内病院で使用することを認めるEUA(緊急使用許可)を出した。KN95マスクに認可を出したの初めて。
米国では、同省の国立労働安全衛生研究所(NIOSH)が定めた基準「N95規格」を通過したN95マスクが、病院内で一般的に使われている。米化学大手3Mは中国N95規格のマスクを生産しており、新型コロナウイルス・パンデミック後に生産規模も大幅に増やしていたが、それでも供給が間に合わず、品不足が深刻化。同様だが基準が多少異なる中国基準「KN95規格」マスクの輸入・使用を認める形となった。
今回、使用が認められたのは、中国の比亜迪精密製造(BYD Precision Manufacture)、福建康臣日用品(Fujian Kang Chen Daily Necessities)等。4月11日版のリストでは、25社以上の中国企業にKN95許可が出されている。その中には、海外企業の中国法人も含まれる。
今回の認可に至っては紆余曲折があった。米疾病管理対策センター(CDC)は早くから、N95マスクが品不足になった場合、KN95マスクは代用品となるという見解を示していた。しかしFDAは、4月2日まで、KN95に許可を出さなかったため、米国内ではKN95マスクの輸入を控える動きが続いていた。
日本でも、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長が、自身のツイッターで「出来ました。世界最大マスクメーカーBYD社と提携し、SB用製造ライン設立。5月から納品、月産3億枚(医療用高機能N95を1億枚、一般用サージカルを2億枚)。政府マスクチームと連携を図り、医療現場をはじめ、一人でも多くの人々にSBは無利益でマスクを供給します」とツイート。BYDからのマスク調達を受けると発表していた。だが、BYDはN95マスクは生産しておらず、正しくはKN95マスクと思われる。厚生労働省は4月10日、KN95をN95マスクと同等に扱うよう通知した。
BYDは、中国のバッテリー大手。しかし、新型コロナウイルス・パンデミック発生以降、マスク生産事業に進出。3月13日には、マスク日量500万枚、消毒液30万本の生産能力を持つ世界最大の工場を完成させていた。
【参照ページ】リスト
【参照ページ】FDA通知
【参照ページ】BYD OPENS WORLD’S LARGEST FACE MASK MANUFACTURING PLANT
【参照ページ】N95 マスクの例外的取扱いについて
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