ビジネスの国連持続可能な開発目標(SDGs)推進国際NGOのWorld Benchmarking Alliance(WBA)は11月17日、世界主要企業の人権格付「CHRB(Corporate Human Rights Benchmark:企業人権ベンチマーク)」の2020年結果を発表した。最高スコアを獲得したのはユニリーバとEni。今年も対象となった日本企業が増加した。
【参考】【国際】CHRB、WBAへの吸収合併計画を公表。CHRB企業評価作業も外部アウトソース(2019年8月22日)
CHRBは2016年から毎年格付結果を発表している。対象となる企業は、人権問題の多い農作物、アパレル、資源採掘、情報通信系電子機器関連業種で時価総額と売上が大きい上場企業が選ばれ、今年から新たに自動車業界が対象に加わり合計229社。昨年の200社から増加した。日本企業では、2016年の初回からイオンとファーストリテイリングが対象。2019年からは、キリンホールディングス、アサヒグループホールディングス、サントリー食品インターナショナル、ソニー、パナソニック、日立製作所、東京エレクトロン、キヤノン、ENEOSホールディングス、村田製作所、国際石油開発帝石(INPEX)、任天堂、日本製鉄、セブン&アイ・ホールディングス、ファミリーマート、京セラ、HOYA、キーエンスが加わり、さらに今年、自動車業界からトヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車、三菱自動車、スズキ、SUBARUが対象となった。
CHRBを構成しているのは、機関投資家側は英AVIVA Investors、スウェーデン・ノルデア銀行、蘭APG、蘭ESG投資推進VBDO。人権NGO側は、ビジネス・人権資料センター(BHRC)、人権ビジネス研究所(IHRB)、EIRIS財団。さらに、英国際開発省(UKAID)、オランダ外務省、スイス連邦政府も資金援助をし、国連財団やWorld Benchmarking Allianceも支援している。
評価手法は、「ガバナンスとポリシー」「人権尊重と人権デューデリジェンス」「救済と苦情処理メカニズム」「人権慣行」「深刻な申立への反応」「透明性」の6つの観点で構成。国連グローバル・コンパクト(UNGP)やOECD多国籍企業行動指針(OECDガイドライン)、国連ビジネスと人権に関する指導原則等が参考にされている。UN評価手法開発では、2016年まで2年以上かけ、約400機関以上のステークホルダーから意見を得た。今年の調査では、2月中旬から3月末まで、企業のホームページや報告書、またはCHRBのツール「CHRB Disclosure Platform」上で人権に関する情報を提供するよう企業に通知され、初期評価について企業側に抗弁の機会も与えられた。
今回初めて評価対象となった自動車メーカーについては、6つの観点全てでの評価が行われた。一方、既存の農作物、アパレル、資源採掘、情報通信系電子機器関連業種では、新型コロナウイルス・ウイルスで特に重要視された3つの観点「経営層のコミットメント」「人権デューデリジェンス」「救済へのアクセス」に絞られて評価され、総合点の満点が低くなった。3つの観点は、いずれも国連とビジネスに関する指導原則(UNGP)の規定内容に該当する。
農作物、アパレル、資源採掘、情報通信系電子機器関連業種で、26点満点で23点以上を獲得したのは、ユニリーバ、Eni、リオティント、アディダスのみ。ファーストリテイリングは19.5と大きくスコアを伸ばした。
日本企業 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 |
---|---|---|---|---|---|
ファーストリテイリング | 10-19% | 10-19% | 20-30% | 40-50% | 19.5(26点満点) |
イオン | 20-29% | 20-29% | 10-20% | 20-30% | 13.5(26点満点) |
キリンホールディングス | – | – | – | 20-30% | 12.0(26点満点) |
アサヒグループホールディングス | – | – | – | 20-30% | 10.5(26点満点) |
ソニー | – | – | – | – | 9.5(26点満点) |
日立製作所 | – | – | – | 10-20% | 8.5(26点満点) |
東京エレクトロン | – | – | – | 10-20% | 8.5(26点満点) |
キヤノン | – | – | – | 10-20% | 8.0(26点満点) |
ENEOSホールディングス | – | – | – | 10-20% | 7.0(26点満点) |
パナソニック | – | – | – | – | 6.5(26点満点) |
村田製作所 | – | – | – | 10-20% | 5.5(26点満点) |
任天堂 | – | – | – | 10-20% | 5.5(26点満点) |
サントリー食品インターナショナル | – | – | – | 0-10% | 5.5(26点満点) |
国際石油開発帝石(INPEX) | – | – | – | 10-20% | 5.0(26点満点) |
セブン&アイ・ホールディングス | – | – | – | 10-20% | 5.0(26点満点) |
ファミリーマート | – | – | – | 0-10% | 4.5(26点満点) |
HOYA | – | – | – | 0-10% | 2.5(26点満点) |
京セラ | – | – | – | – | 2.5(26点満点) |
日本製鉄 | – | – | – | 10-20% | 2.5(26点満点) |
キーエンス | – | – | – | 0-10% | 1.0(26点満点) |
自動車メーカーは、フォードが40-50%のバンドとなり首位。その他、欧米勢でも20-30%以上のバンドが7社あった。一方、日本企業はいずれも下位に低迷した。
日本企業 | 2020 |
---|---|
本田技研工業 | 10-20% |
マツダ | 10-20% |
トヨタ自動車 | 10-20% |
SUBARU | 10-20% |
三菱自動車 | 0-10% |
日産自動車 | 0-10% |
スズキ | 0-10% |
【参照ページ】Total Ranking
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ビジネスの国連持続可能な開発目標(SDGs)推進国際NGOのWorld Benchmarking Alliance(WBA)は11月17日、世界主要企業の人権格付「CHRB(Corporate Human Rights Benchmark:企業人権ベンチマーク)」の2020年結果を発表した。最高スコアを獲得したのはユニリーバとEni。今年も対象となった日本企業が増加した。
【参考】【国際】CHRB、WBAへの吸収合併計画を公表。CHRB企業評価作業も外部アウトソース(2019年8月22日)
CHRBは2016年から毎年格付結果を発表している。対象となる企業は、人権問題の多い農作物、アパレル、資源採掘、情報通信系電子機器関連業種で時価総額と売上が大きい上場企業が選ばれ、今年から新たに自動車業界が対象に加わり合計229社。昨年の200社から増加した。日本企業では、2016年の初回からイオンとファーストリテイリングが対象。2019年からは、キリンホールディングス、アサヒグループホールディングス、サントリー食品インターナショナル、ソニー、パナソニック、日立製作所、東京エレクトロン、キヤノン、ENEOSホールディングス、村田製作所、国際石油開発帝石(INPEX)、任天堂、日本製鉄、セブン&アイ・ホールディングス、ファミリーマート、京セラ、HOYA、キーエンスが加わり、さらに今年、自動車業界からトヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車、三菱自動車、スズキ、SUBARUが対象となった。
CHRBを構成しているのは、機関投資家側は英AVIVA Investors、スウェーデン・ノルデア銀行、蘭APG、蘭ESG投資推進VBDO。人権NGO側は、ビジネス・人権資料センター(BHRC)、人権ビジネス研究所(IHRB)、EIRIS財団。さらに、英国際開発省(UKAID)、オランダ外務省、スイス連邦政府も資金援助をし、国連財団やWorld Benchmarking Allianceも支援している。
評価手法は、
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ビジネスの国連持続可能な開発目標(SDGs)推進国際NGOのWorld Benchmarking Alliance(WBA)は11月17日、世界主要企業の人権格付「CHRB(Corporate Human Rights Benchmark:企業人権ベンチマーク)」の2020年結果を発表した。最高スコアを獲得したのはユニリーバとEni。今年も対象となった日本企業が増加した。
【参考】【国際】CHRB、WBAへの吸収合併計画を公表。CHRB企業評価作業も外部アウトソース(2019年8月22日)
CHRBは2016年から毎年格付結果を発表している。対象となる企業は、人権問題の多い農作物、アパレル、資源採掘、情報通信系電子機器関連業種で時価総額と売上が大きい上場企業が選ばれ、今年から新たに自動車業界が対象に加わり合計229社。昨年の200社から増加した。日本企業では、2016年の初回からイオンとファーストリテイリングが対象。2019年からは、キリンホールディングス、アサヒグループホールディングス、サントリー食品インターナショナル、ソニー、パナソニック、日立製作所、東京エレクトロン、キヤノン、ENEOSホールディングス、村田製作所、国際石油開発帝石(INPEX)、任天堂、日本製鉄、セブン&アイ・ホールディングス、ファミリーマート、京セラ、HOYA、キーエンスが加わり、さらに今年、自動車業界からトヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車、三菱自動車、スズキ、SUBARUが対象となった。
CHRBを構成しているのは、機関投資家側は英AVIVA Investors、スウェーデン・ノルデア銀行、蘭APG、蘭ESG投資推進VBDO。人権NGO側は、ビジネス・人権資料センター(BHRC)、人権ビジネス研究所(IHRB)、EIRIS財団。さらに、英国際開発省(UKAID)、オランダ外務省、スイス連邦政府も資金援助をし、国連財団やWorld Benchmarking Allianceも支援している。
評価手法は、
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ビジネスの国連持続可能な開発目標(SDGs)推進国際NGOのWorld Benchmarking Alliance(WBA)は11月17日、世界主要企業の人権格付「CHRB(Corporate Human Rights Benchmark:企業人権ベンチマーク)」の2020年結果を発表した。最高スコアを獲得したのはユニリーバとEni。今年も対象となった日本企業が増加した。
【参考】【国際】CHRB、WBAへの吸収合併計画を公表。CHRB企業評価作業も外部アウトソース(2019年8月22日)
CHRBは2016年から毎年格付結果を発表している。対象となる企業は、人権問題の多い農作物、アパレル、資源採掘、情報通信系電子機器関連業種で時価総額と売上が大きい上場企業が選ばれ、今年から新たに自動車業界が対象に加わり合計229社。昨年の200社から増加した。日本企業では、2016年の初回からイオンとファーストリテイリングが対象。2019年からは、キリンホールディングス、アサヒグループホールディングス、サントリー食品インターナショナル、ソニー、パナソニック、日立製作所、東京エレクトロン、キヤノン、ENEOSホールディングス、村田製作所、国際石油開発帝石(INPEX)、任天堂、日本製鉄、セブン&アイ・ホールディングス、ファミリーマート、京セラ、HOYA、キーエンスが加わり、さらに今年、自動車業界からトヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車、三菱自動車、スズキ、SUBARUが対象となった。
CHRBを構成しているのは、機関投資家側は英AVIVA Investors、スウェーデン・ノルデア銀行、蘭APG、蘭ESG投資推進VBDO。人権NGO側は、ビジネス・人権資料センター(BHRC)、人権ビジネス研究所(IHRB)、EIRIS財団。さらに、英国際開発省(UKAID)、オランダ外務省、スイス連邦政府も資金援助をし、国連財団やWorld Benchmarking Allianceも支援している。
評価手法は、「ガバナンスとポリシー」「人権尊重と人権デューデリジェンス」「救済と苦情処理メカニズム」「人権慣行」「深刻な申立への反応」「透明性」の6つの観点で構成。国連グローバル・コンパクト(UNGP)やOECD多国籍企業行動指針(OECDガイドライン)、国連ビジネスと人権に関する指導原則等が参考にされている。UN評価手法開発では、2016年まで2年以上かけ、約400機関以上のステークホルダーから意見を得た。今年の調査では、2月中旬から3月末まで、企業のホームページや報告書、またはCHRBのツール「CHRB Disclosure Platform」上で人権に関する情報を提供するよう企業に通知され、初期評価について企業側に抗弁の機会も与えられた。
今回初めて評価対象となった自動車メーカーについては、6つの観点全てでの評価が行われた。一方、既存の農作物、アパレル、資源採掘、情報通信系電子機器関連業種では、新型コロナウイルス・ウイルスで特に重要視された3つの観点「経営層のコミットメント」「人権デューデリジェンス」「救済へのアクセス」に絞られて評価され、総合点の満点が低くなった。3つの観点は、いずれも国連とビジネスに関する指導原則(UNGP)の規定内容に該当する。
農作物、アパレル、資源採掘、情報通信系電子機器関連業種で、26点満点で23点以上を獲得したのは、ユニリーバ、Eni、リオティント、アディダスのみ。ファーストリテイリングは19.5と大きくスコアを伸ばした。
日本企業 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 |
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ファーストリテイリング | 10-19% | 10-19% | 20-30% | 40-50% | 19.5(26点満点) |
イオン | 20-29% | 20-29% | 10-20% | 20-30% | 13.5(26点満点) |
キリンホールディングス | – | – | – | 20-30% | 12.0(26点満点) |
アサヒグループホールディングス | – | – | – | 20-30% | 10.5(26点満点) |
ソニー | – | – | – | – | 9.5(26点満点) |
日立製作所 | – | – | – | 10-20% | 8.5(26点満点) |
東京エレクトロン | – | – | – | 10-20% | 8.5(26点満点) |
キヤノン | – | – | – | 10-20% | 8.0(26点満点) |
ENEOSホールディングス | – | – | – | 10-20% | 7.0(26点満点) |
パナソニック | – | – | – | – | 6.5(26点満点) |
村田製作所 | – | – | – | 10-20% | 5.5(26点満点) |
任天堂 | – | – | – | 10-20% | 5.5(26点満点) |
サントリー食品インターナショナル | – | – | – | 0-10% | 5.5(26点満点) |
国際石油開発帝石(INPEX) | – | – | – | 10-20% | 5.0(26点満点) |
セブン&アイ・ホールディングス | – | – | – | 10-20% | 5.0(26点満点) |
ファミリーマート | – | – | – | 0-10% | 4.5(26点満点) |
HOYA | – | – | – | 0-10% | 2.5(26点満点) |
京セラ | – | – | – | – | 2.5(26点満点) |
日本製鉄 | – | – | – | 10-20% | 2.5(26点満点) |
キーエンス | – | – | – | 0-10% | 1.0(26点満点) |
自動車メーカーは、フォードが40-50%のバンドとなり首位。その他、欧米勢でも20-30%以上のバンドが7社あった。一方、日本企業はいずれも下位に低迷した。
日本企業 | 2020 |
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本田技研工業 | 10-20% |
マツダ | 10-20% |
トヨタ自動車 | 10-20% |
SUBARU | 10-20% |
三菱自動車 | 0-10% |
日産自動車 | 0-10% |
スズキ | 0-10% |
【参照ページ】Total Ranking
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