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【日本】経産省、クライメート・イノベーション・ファイナンス戦略2020発表。グリーンよりトランジション

 経済産業省は9月16日、「クライメート・イノベーション・ファイナンス戦略2020」を発表した。バックキャスティングの観点からカーボンニュートラルを実現する技術だけに着目する世界の動きを忌避し、日本政府としては積み上げ型の低炭素技術を推進していく姿勢を強調したものとなった。

 今回の戦略は、2月に発足した「環境イノベーションに向けたファイナンスのあり方研究会」の成果をとりまとめたもの。今回の研究会では、グリーンファイナンスの分野において、2050年までに脱炭素化を実現することを基準とするEUタクソノミーのみが国際的な一般基準となることを警戒し、日本が強みとする重工業での省エネ技術「トランジション(移行)技術」を国際的に打ち出していくことが議論の中心となった。

 今回発表された戦略では、省エネに資する技術を「トランジション」、脱炭素化を実現する技術を「グリーン」、脱炭素に向けた新たな技術を「イノベーション」と指し、特にトランジションを重視していく姿勢を示した。背景には、国際的にグリーンを重視する姿勢となると、日本が官民が培ってきた高効率石炭火力発電や省エネ型製鉄の海外展開がしづらくなるため、なんとか気候変動ファイナンスの領域でも、日本の既存の技術が追い風となるようにしたいという期待感が滲み出ている。

 またイノベーションの領域では、2050年までに技術確立を目指す分野として、炭素回収・活用・貯蔵(CCUS)と水素への投資呼び込みを目指すスケジュールを示した。

 国際的にもトランジションの概念は進んでおり、グリーンボンドの国際基準策定NGO気候債券イニシアチブ(CBI)も9月8日にトランジションとグリーンの概念を整理したドキュメントを発表したばかり。経済産業省の思惑通り、日本が定義するトランジションが普及していくかは、国際資本市場協会(ICMA)やCBIに参加している金融機関やNGO、さらには気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク(NGFS)に参加している各国の金融当局から理解が得られるかに掛かっている。

【参考】【国際】CBI、グリーンとトランジションの基準を設定。トランジションボンドの発行に弾みか(2020年9月10日)

【参照ページ】「クライメート・イノベーション・ファイナンス戦略2020」を取りまとめました

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 経済産業省は9月16日、「クライメート・イノベーション・ファイナンス戦略2020」を発表した。バックキャスティングの観点からカーボンニュートラルを実現する技術だけに着目する世界の動きを忌避し、日本政府としては積み上げ型の低炭素技術を推進していく姿勢を強調したものとなった。

 今回の戦略は、2月に発足した「環境イノベーションに向けたファイナンスのあり方研究会」の成果をとりまとめたもの。今回の研究会では、グリーンファイナンスの分野において、2050年までに脱炭素化を実現することを基準とするEUタクソノミーのみが国際的な一般基準となることを警戒し、日本が強みとする重工業での省エネ技術「トランジション(移行)技術」を国際的に打ち出していくことが議論の中心となった。

 今回発表された戦略では、省エネに資する技術を「トランジション」、脱炭素化を実現する技術を「グリーン」、脱炭素に向けた新たな技術を「イノベーション」と指し、特にトランジションを重視していく姿勢を示した。背景には、国際的にグリーンを重視する姿勢となると、日本が官民が培ってきた高効率石炭火力発電や省エネ型製鉄の海外展開がしづらくなるため、なんとか気候変動ファイナンスの領域でも、日本の既存の技術が追い風となるようにしたいという期待感が滲み出ている。

 またイノベーションの領域では、2050年までに技術確立を目指す分野として、炭素回収・活用・貯蔵(CCUS)と水素への投資呼び込みを目指すスケジュールを示した。

 国際的にもトランジションの概念は進んでおり、グリーンボンドの国際基準策定NGO気候債券イニシアチブ(CBI)も9月8日にトランジションとグリーンの概念を整理したドキュメントを発表したばかり。経済産業省の思惑通り、日本が定義するトランジションが普及していくかは、国際資本市場協会(ICMA)やCBIに参加している金融機関やNGO、さらには気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク(NGFS)に参加している各国の金融当局から理解が得られるかに掛かっている。

【参考】【国際】CBI、グリーンとトランジションの基準を設定。トランジションボンドの発行に弾みか(2020年9月10日)

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 経済産業省は9月16日、「クライメート・イノベーション・ファイナンス戦略2020」を発表した。バックキャスティングの観点からカーボンニュートラルを実現する技術だけに着目する世界の動きを忌避し、日本政府としては積み上げ型の低炭素技術を推進していく姿勢を強調したものとなった。

 今回の戦略は、2月に発足した「環境イノベーションに向けたファイナンスのあり方研究会」の成果をとりまとめたもの。今回の研究会では、グリーンファイナンスの分野において、2050年までに脱炭素化を実現することを基準とするEUタクソノミーのみが国際的な一般基準となることを警戒し、日本が強みとする重工業での省エネ技術「トランジション(移行)技術」を国際的に打ち出していくことが議論の中心となった。

 今回発表された戦略では、省エネに資する技術を「トランジション」、脱炭素化を実現する技術を「グリーン」、脱炭素に向けた新たな技術を「イノベーション」と指し、特にトランジションを重視していく姿勢を示した。背景には、国際的にグリーンを重視する姿勢となると、日本が官民が培ってきた高効率石炭火力発電や省エネ型製鉄の海外展開がしづらくなるため、なんとか気候変動ファイナンスの領域でも、日本の既存の技術が追い風となるようにしたいという期待感が滲み出ている。

 またイノベーションの領域では、2050年までに技術確立を目指す分野として、炭素回収・活用・貯蔵(CCUS)と水素への投資呼び込みを目指すスケジュールを示した。

 国際的にもトランジションの概念は進んでおり、グリーンボンドの国際基準策定NGO気候債券イニシアチブ(CBI)も9月8日にトランジションとグリーンの概念を整理したドキュメントを発表したばかり。経済産業省の思惑通り、日本が定義するトランジションが普及していくかは、国際資本市場協会(ICMA)やCBIに参加している金融機関やNGO、さらには気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク(NGFS)に参加している各国の金融当局から理解が得られるかに掛かっている。

【参考】【国際】CBI、グリーンとトランジションの基準を設定。トランジションボンドの発行に弾みか(2020年9月10日)

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 今回の戦略は、2月に発足した「環境イノベーションに向けたファイナンスのあり方研究会」の成果をとりまとめたもの。今回の研究会では、グリーンファイナンスの分野において、2050年までに脱炭素化を実現することを基準とするEUタクソノミーのみが国際的な一般基準となることを警戒し、日本が強みとする重工業での省エネ技術「トランジション(移行)技術」を国際的に打ち出していくことが議論の中心となった。

 今回発表された戦略では、省エネに資する技術を「トランジション」、脱炭素化を実現する技術を「グリーン」、脱炭素に向けた新たな技術を「イノベーション」と指し、特にトランジションを重視していく姿勢を示した。背景には、国際的にグリーンを重視する姿勢となると、日本が官民が培ってきた高効率石炭火力発電や省エネ型製鉄の海外展開がしづらくなるため、なんとか気候変動ファイナンスの領域でも、日本の既存の技術が追い風となるようにしたいという期待感が滲み出ている。

 またイノベーションの領域では、2050年までに技術確立を目指す分野として、炭素回収・活用・貯蔵(CCUS)と水素への投資呼び込みを目指すスケジュールを示した。

 国際的にもトランジションの概念は進んでおり、グリーンボンドの国際基準策定NGO気候債券イニシアチブ(CBI)も9月8日にトランジションとグリーンの概念を整理したドキュメントを発表したばかり。経済産業省の思惑通り、日本が定義するトランジションが普及していくかは、国際資本市場協会(ICMA)やCBIに参加している金融機関やNGO、さらには気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク(NGFS)に参加している各国の金融当局から理解が得られるかに掛かっている。

【参考】【国際】CBI、グリーンとトランジションの基準を設定。トランジションボンドの発行に弾みか(2020年9月10日)

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