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【金融】2017年 世界グリーンボンド市場の概況 〜発行額首位は米国、2位中国〜

 グリーンボンド基準策定国際NGO気候債券イニシアチブ(CBI)は1月10日、2017年の世界のグリーンボンド発行統計レポート「Green Bond Highlights 2017」を発行しました。CBI基準に適合するグリーンボンド発行額は世界全体で1,555億米ドル(約17兆円)。国別では米国が424億米ドルで首位でした。

【参考】【金融】2016年 世界グリーンボンド市場の概況 〜世界のトレンドと発行首位中国の状況〜(2017年2月24日)

 CBIのグリーンボンド基準では、調達資金使途の95%以上をCBIが定める環境関連用途に用いる必要があります。また発行時にセカンドオピニオンと呼ばれる第三者評価を受けなければなりません。CBIには「CBIグリーンボンド認定」制度がありますが、同認定を受けていないグリーンボンドもCBIが情報収集しているため、CBIがCBI基準に適合すると判断すれば統計に加えられています。

 2017年の発行額は1,555億米ドルで、2016年の872億米ドルから56%増加するという大躍進を遂げました。CBIは、昨年の「Green Bond Highlights 2016」発表時には、2016年の発行額を816億米ドルとしていましたが、米ファニーメイ(連邦住宅抵当公庫)のグリーンMBS(不動産担保証券)が新たにグリーンボンドとして認められる等の変更があり、872億米ドルに修正しました。2017年の発行数は、世界37ヶ国237発行体で1,500件を超えました。そのうち146発行体は、2017年に初めてグリーンボンドを発行しています。


(出所)CBI

 発行体種別毎の発行額では、ファニーメイが発行したグリーンMBSによりMBS(黄色)が大きく伸長。また、事業会社(紫)の発行額も2016年を超えました。2017年にはグリーンボンド国債(オレンジ)の発行が、フランス、フィジー、ナイジェリアと相次ぎました。開発金融機関の発行額は多少減少しています。


(出所)CBI

 国別発行額では、米国が424億米ドルでトップ。そのうちファニーメイ発行のグリーンMBSだけで56%の249億米ドルを占め、世界全体でも発行額トップの発行体となりました。米国発行額2位は、ニューヨークMTA(メトロポリタン・トランスポーテーション・オーソリティ)の42億米ドルです。世界2位は中国の225億米ドル。中国は中国開発銀行(46億米ドル)、北京銀行、中国工商銀行(ICBC)等、銀行のグリーンボンド発行が多いことが特徴。また、中国はCBI基準に適合しないものの中国版グリーンボンド・ガイドラインに立脚したグリーンボンド発行も合わせると364億米ドルとなります。世界3位は、グリーンボンド国債(107億米ドル)が牽引したフランスで221億米ドル。以降、4位ドイツ、5位国際機関、6位スペイン、7位スウェーデン、8位インド、9位メキシコ、10位カナダ。またマレーシアでは、グリーン・イスラム金融商品も誕生しました。一方、日本はトップ10に入れませんでした。


(出所)CBI

 使途別では、前年同様再生可能エネルギーが首位で33%。次いで、グリーンビルディング(29%)、輸送インフラ(15%)、水マネジメント(13%)の順。このうち、グリーンビルディングの割合は大きく伸びていることがわかります。

 2018年の発行額については、CBIは2,500億から3,000億米ドルと予想。トレンドとしては地方政府発行のグリーンボンド地方債が大きく伸びるとしています。

【参照ページ】2017 GB Issuance: USD155.5bn: New Record! All the 2017 numbers that count in our Green Bond Highlights report: Plus our Seven Super Trends and 2018 green bonds forecast!
【レポート】Green Bond Highlights 2017

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 グリーンボンド基準策定国際NGO気候債券イニシアチブ(CBI)は1月10日、2017年の世界のグリーンボンド発行統計レポート「Green Bond Highlights 2017」を発行しました。CBI基準に適合するグリーンボンド発行額は世界全体で1,555億米ドル(約17兆円)。国別では米国が424億米ドルで首位でした。

【参考】【金融】2016年 世界グリーンボンド市場の概況 〜世界のトレンドと発行首位中国の状況〜(2017年2月24日)

 CBIのグリーンボンド基準では、調達資金使途の95%以上をCBIが定める環境関連用途に用いる必要があります。また発行時にセカンドオピニオンと呼ばれる第三者評価を受けなければなりません。CBIには「CBIグリーンボンド認定」制度がありますが、同認定を受けていないグリーンボンドもCBIが情報収集しているため、CBIがCBI基準に適合すると判断すれば統計に加えられています。

 2017年の発行額は1,555億米ドルで、2016年の872億米ドルから56%増加するという大躍進を遂げました。CBIは、昨年の「Green Bond Highlights 2016」発表時には、2016年の発行額を816億米ドルとしていましたが、米ファニーメイ(連邦住宅抵当公庫)のグリーンMBS(不動産担保証券)が新たにグリーンボンドとして認められる等の変更があり、

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 グリーンボンド基準策定国際NGO気候債券イニシアチブ(CBI)は1月10日、2017年の世界のグリーンボンド発行統計レポート「Green Bond Highlights 2017」を発行しました。CBI基準に適合するグリーンボンド発行額は世界全体で1,555億米ドル(約17兆円)。国別では米国が424億米ドルで首位でした。

【参考】【金融】2016年 世界グリーンボンド市場の概況 〜世界のトレンドと発行首位中国の状況〜(2017年2月24日)

 CBIのグリーンボンド基準では、調達資金使途の95%以上をCBIが定める環境関連用途に用いる必要があります。また発行時にセカンドオピニオンと呼ばれる第三者評価を受けなければなりません。CBIには「CBIグリーンボンド認定」制度がありますが、同認定を受けていないグリーンボンドもCBIが情報収集しているため、CBIがCBI基準に適合すると判断すれば統計に加えられています。

 2017年の発行額は1,555億米ドルで、2016年の872億米ドルから56%増加するという大躍進を遂げました。CBIは、昨年の「Green Bond Highlights 2016」発表時には、2016年の発行額を816億米ドルとしていましたが、米ファニーメイ(連邦住宅抵当公庫)のグリーンMBS(不動産担保証券)が新たにグリーンボンドとして認められる等の変更があり、

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 グリーンボンド基準策定国際NGO気候債券イニシアチブ(CBI)は1月10日、2017年の世界のグリーンボンド発行統計レポート「Green Bond Highlights 2017」を発行しました。CBI基準に適合するグリーンボンド発行額は世界全体で1,555億米ドル(約17兆円)。国別では米国が424億米ドルで首位でした。

【参考】【金融】2016年 世界グリーンボンド市場の概況 〜世界のトレンドと発行首位中国の状況〜(2017年2月24日)

 CBIのグリーンボンド基準では、調達資金使途の95%以上をCBIが定める環境関連用途に用いる必要があります。また発行時にセカンドオピニオンと呼ばれる第三者評価を受けなければなりません。CBIには「CBIグリーンボンド認定」制度がありますが、同認定を受けていないグリーンボンドもCBIが情報収集しているため、CBIがCBI基準に適合すると判断すれば統計に加えられています。

 2017年の発行額は1,555億米ドルで、2016年の872億米ドルから56%増加するという大躍進を遂げました。CBIは、昨年の「Green Bond Highlights 2016」発表時には、2016年の発行額を816億米ドルとしていましたが、米ファニーメイ(連邦住宅抵当公庫)のグリーンMBS(不動産担保証券)が新たにグリーンボンドとして認められる等の変更があり、872億米ドルに修正しました。2017年の発行数は、世界37ヶ国237発行体で1,500件を超えました。そのうち146発行体は、2017年に初めてグリーンボンドを発行しています。


(出所)CBI

 発行体種別毎の発行額では、ファニーメイが発行したグリーンMBSによりMBS(黄色)が大きく伸長。また、事業会社(紫)の発行額も2016年を超えました。2017年にはグリーンボンド国債(オレンジ)の発行が、フランス、フィジー、ナイジェリアと相次ぎました。開発金融機関の発行額は多少減少しています。


(出所)CBI

 国別発行額では、米国が424億米ドルでトップ。そのうちファニーメイ発行のグリーンMBSだけで56%の249億米ドルを占め、世界全体でも発行額トップの発行体となりました。米国発行額2位は、ニューヨークMTA(メトロポリタン・トランスポーテーション・オーソリティ)の42億米ドルです。世界2位は中国の225億米ドル。中国は中国開発銀行(46億米ドル)、北京銀行、中国工商銀行(ICBC)等、銀行のグリーンボンド発行が多いことが特徴。また、中国はCBI基準に適合しないものの中国版グリーンボンド・ガイドラインに立脚したグリーンボンド発行も合わせると364億米ドルとなります。世界3位は、グリーンボンド国債(107億米ドル)が牽引したフランスで221億米ドル。以降、4位ドイツ、5位国際機関、6位スペイン、7位スウェーデン、8位インド、9位メキシコ、10位カナダ。またマレーシアでは、グリーン・イスラム金融商品も誕生しました。一方、日本はトップ10に入れませんでした。


(出所)CBI

 使途別では、前年同様再生可能エネルギーが首位で33%。次いで、グリーンビルディング(29%)、輸送インフラ(15%)、水マネジメント(13%)の順。このうち、グリーンビルディングの割合は大きく伸びていることがわかります。

 2018年の発行額については、CBIは2,500億から3,000億米ドルと予想。トレンドとしては地方政府発行のグリーンボンド地方債が大きく伸びるとしています。

【参照ページ】2017 GB Issuance: USD155.5bn: New Record! All the 2017 numbers that count in our Green Bond Highlights report: Plus our Seven Super Trends and 2018 green bonds forecast!
【レポート】Green Bond Highlights 2017

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