Sustainable Japan | 世界のサステナビリティ・ESG投資・SDGs

【イギリス】ウェイトローズ、テスコ、マグロ製品のMSC認証取得を強化

tuna

 イギリスの大手スーパーマーケットチェーンが持続可能な漁業の導入を拡大している。4月29日、大手スーパーマーケットチェーンのテスコが、すでに実施している持続可能な漁法で獲られたマグロの販売を強化すると発表した。次いで5月6日、大手スーパーマーケットチェーンのウェイトローズが、2017年末までに店頭のツナ缶全てについてサステナビリティ認証を取得させると発表した。背景には、昨年秋から国際環境NGOグリーンピースが仕掛けたマグロ乱獲撲滅キャンペーンが影響しているという。

 テスコが4月9日に発表した新方針は、海洋管理協議会(MSC)認証を取得した魚製品を店頭に並べていくというものだ。海洋管理協議会は1997年にロンドンで設立されたNGOで、「持続可能な漁業」認証の運営を行っている世界的な機関。テスコは2012年から持続可能な漁業の強化に取り組んできており、既に店頭のマグロ切り身及びサンドイッチ・パスタ・サラダの具として使われているツナは全て環境被害の少ない「一本釣り漁法」で獲られた製品となっている。今回の発表はこの施策を拡大するもので、冷凍食品ツナでもMSC認証を目指し、全てのマグロ食品について「一本釣り漁法」またはMSC認証を取得した製品のみにする。同時にイギリスで人気の高いタラ、ニシンの加工食品についてもMSC認証を取得した製品を同社の656店舗で販売を開始する。

 またウェイトローズが5月6日に発表した内容は、ツナ缶全てを2017年末までに「一本釣り漁法」またはMSC認証を取得した製品のみにするというもの。テスコに比べ対象範囲が狭いが、2017年末までという期限を設けた。ウェイトローズのPBブランドのツナ缶はすでに2009年から「一本釣り漁法」のものとなり、2013年からはMSC認証を取得したツナ缶も導入されており、今日までにテスコと同様、サンドイッチ、パスタなど同社のPBブランドのマグロ製品は全て持続可能な漁法で獲られたものとなっている。今回はそれを他社ブランドまで含めた全店頭製品にまで広げるというものだ。

 テストとウェイトローズが、マグロ漁法の持続可能性への関心を高めている背景には、グリーンピースが昨年10月に開始したキャンペーンがある。グリーンピースは、世界最大のツナ缶メーカーであるタイの「タイ・ユニオン・グループ」及び同社子会社でヨーロッパに販路を持つJohn West社が、「集魚装置(Fish Aggregating Devices:FADs)」と呼ばれる漁法を用いていると代替的なキャンペーンを開始した。集魚装置とは、回遊している魚を大規模な装置で一箇所に誘き寄せ、網などで一網打尽に漁獲する手法だ。一本釣り漁法に比べ、非常に効率が良いが、網には幼魚やイルカなどを無差別に捕獲してしまうため、環境負荷や漁業資源管理の点で問題視されている。太平洋上のマグロ漁では盛んに用いられており、マグロ以外の漁も利用が確認されている。John Westはグリーンピースが開催した2015年のマグロ漁業評価報告で最下位となっており、同社は5年前に2016年末までに100%持続可能なマグロ漁に変更すると誓約していたにも関わらず、98%以上のマグロが未だに破壊的な方法で収穫されていると警告していた。

 John Westブランドのツナ缶はイギリスで最も人気の高く、スーパー各社の主力商品ではあるが、ウェイトローズはすでにJohn Westに対して漁法を改めなければ2018年以降は製品を店頭には置けないことを通告したという。グリーンピースは、イギリス四大スーパーの一角を占めるセインズベリーに対しても同様の対応を要求していく構えだ。John Westはオーストラリアでは、MSCや国際環境NGOのWWFと連携し、持続可能な漁法を用いたツナ缶の生産に乗り出し、オーストラリア販売のツナ缶の43%はすでに持続可能なものとなっている。しかしながら、John Westのスポークスマンは、一本釣り漁法のツナ缶では購買者が求める低価格を維持できないとも話している。

 持続可能な漁業の分野では、同じくイギリス四大スーパーマーケットチェーンのマークス&スペンサーも、人権観点からの持続可能な漁業強化を表明していた。持続可能な漁業に向けて、漁業関係者だけでなく、商社、加工業者、小売業者などサプライチェーン上の全ての企業に責任が問われる時代となってきた。

【参照ページ】Tesco – leading on sustainable seafood
【参照ページ】Waitrose makes major sustainability commitment for canned tuna products
【参照ページ】Waitrose Joins Tesco in Threatening to Can John West Over Broken Tuna Sustainability Pledge

 イギリスの大手スーパーマーケットチェーンが持続可能な漁業の導入を拡大している。4月29日、大手スーパーマーケットチェーンのテスコが、すでに実施している持続可能な漁法で獲られたマグロの販売を強化すると発表した。次いで5月6日、大手スーパーマーケットチェーンのウェイトローズが、2017年末までに店頭のツナ缶全てについてサステナビリティ認証を取得させると発表した。背景には、昨年秋から国際環境NGOグリーンピースが仕掛けたマグロ乱獲撲滅キャンペーンが影響しているという。

 テスコが4月9日に発表した新方針は、海洋管理協議会(MSC)認証を取得した魚製品を店頭に並べていくというものだ。海洋管理協議会は1997年にロンドンで設立されたNGOで、「持続可能な漁業」認証の運営を行っている世界的な機関。テスコは2012年から持続可能な漁業の強化に取り組んできており、既に店頭のマグロ切り身及びサンドイッチ・パスタ・サラダの具として使われているツナは全て環境被害の少ない「一本釣り漁法」で獲られた製品となっている。今回の発表はこの施策を拡大するもので、冷凍食品ツナでもMSC認証を目指し、全てのマグロ食品について「一本釣り漁法」またはMSC認証を取得した製品のみにする。同時にイギリスで人気の高いタラ、ニシンの加工食品についてもMSC認証を取得した製品を同社の656店舗で販売を開始する。

 またウェイトローズが5月6日に発表した内容は、ツナ缶全てを2017年末までに「一本釣り漁法」またはMSC認証を取得した製品のみにするというもの。テスコに比べ対象範囲が狭いが、2017年末までという期限を設けた。ウェイトローズのPBブランドのツナ缶はすでに2009年から「一本釣り漁法」のものとなり、2013年からはMSC認証を取得したツナ缶も導入されており、今日までにテスコと同様、サンドイッチ、パスタなど同社のPBブランドのマグロ製品は全て持続可能な漁法で獲られたものとなっている。今回はそれを他社ブランドまで含めた全店頭製品にまで広げるというものだ。

 テストとウェイトローズが、マグロ漁法の持続可能性への関心を高めている背景には、グリーンピースが昨年10月に開始したキャンペーンがある。グリーンピースは、世界最大のツナ缶メーカーであるタイの「タイ・ユニオン・グループ」及び同社子会社でヨーロッパに販路を持つJohn West社が、「集魚装置(Fish Aggregating Devices:FADs)」と呼ばれる漁法を用いていると代替的なキャンペーンを開始した。集魚装置とは、回遊している魚を大規模な装置で一箇所に誘き寄せ、網などで一網打尽に漁獲する手法だ。一本釣り漁法に比べ、非常に効率が良いが、網には幼魚やイルカなどを無差別に捕獲してしまうため、環境負荷や漁業資源管理の点で問題視されている。太平洋上のマグロ漁では盛んに用いられており、マグロ以外の漁も利用が確認されている。John Westはグリーンピースが開催した2015年のマグロ漁業評価報告で最下位となっており、同社は5年前に2016年末までに100%持続可能なマグロ漁に変更すると誓約していたにも関わらず、98%以上のマグロが未だに破壊的な方法で収穫されていると警告していた。

 John Westブランドのツナ缶はイギリスで最も人気の高く、スーパー各社の主力商品ではあるが、ウェイトローズはすでにJohn Westに対して漁法を改めなければ2018年以降は製品を店頭には置けないことを通告したという。グリーンピースは、イギリス四大スーパーの一角を占めるセインズベリーに対しても同様の対応を要求していく構えだ。John Westはオーストラリアでは、MSCや国際環境NGOのWWFと連携し、持続可能な漁法を用いたツナ缶の生産に乗り出し、オーストラリア販売のツナ缶の43%はすでに持続可能なものとなっている。しかしながら、John Westのスポークスマンは、一本釣り漁法のツナ缶では購買者が求める低価格を維持できないとも話している。

 持続可能な漁業の分野では、同じくイギリス四大スーパーマーケットチェーンのマークス&スペンサーも、人権観点からの持続可能な漁業強化を表明していた。持続可能な漁業に向けて、漁業関係者だけでなく、商社、加工業者、小売業者などサプライチェーン上の全ての企業に責任が問われる時代となってきた。

【参照ページ】Tesco – leading on sustainable seafood
【参照ページ】Waitrose makes major sustainability commitment for canned tuna products
【参照ページ】Waitrose Joins Tesco in Threatening to Can John West Over Broken Tuna Sustainability Pledge

 イギリスの大手スーパーマーケットチェーンが持続可能な漁業の導入を拡大している。4月29日、大手スーパーマーケットチェーンのテスコが、すでに実施している持続可能な漁法で獲られたマグロの販売を強化すると発表した。次いで5月6日、大手スーパーマーケットチェーンのウェイトローズが、2017年末までに店頭のツナ缶全てについてサステナビリティ認証を取得させると発表した。背景には、昨年秋から国際環境NGOグリーンピースが仕掛けたマグロ乱獲撲滅キャンペーンが影響しているという。

 テスコが4月9日に発表した新方針は、海洋管理協議会(MSC)認証を取得した魚製品を店頭に並べていくというものだ。海洋管理協議会は1997年にロンドンで設立されたNGOで、「持続可能な漁業」認証の運営を行っている世界的な機関。テスコは2012年から持続可能な漁業の強化に取り組んできており、既に店頭のマグロ切り身及びサンドイッチ・パスタ・サラダの具として使われているツナは全て環境被害の少ない「一本釣り漁法」で獲られた製品となっている。今回の発表はこの施策を拡大するもので、冷凍食品ツナでもMSC認証を目指し、全てのマグロ食品について「一本釣り漁法」またはMSC認証を取得した製品のみにする。同時にイギリスで人気の高いタラ、ニシンの加工食品についてもMSC認証を取得した製品を同社の656店舗で販売を開始する。

 またウェイトローズが5月6日に発表した内容は、ツナ缶全てを2017年末までに「一本釣り漁法」またはMSC認証を取得した製品のみにするというもの。テスコに比べ対象範囲が狭いが、2017年末までという期限を設けた。ウェイトローズのPBブランドのツナ缶はすでに2009年から「一本釣り漁法」のものとなり、2013年からはMSC認証を取得したツナ缶も導入されており、今日までにテスコと同様、サンドイッチ、パスタなど同社のPBブランドのマグロ製品は全て持続可能な漁法で獲られたものとなっている。今回はそれを他社ブランドまで含めた全店頭製品にまで広げるというものだ。

 テストとウェイトローズが、マグロ漁法の持続可能性への関心を高めている背景には、グリーンピースが昨年10月に開始したキャンペーンがある。グリーンピースは、世界最大のツナ缶メーカーであるタイの「タイ・ユニオン・グループ」及び同社子会社でヨーロッパに販路を持つJohn West社が、「集魚装置(Fish Aggregating Devices:FADs)」と呼ばれる漁法を用いていると代替的なキャンペーンを開始した。集魚装置とは、回遊している魚を大規模な装置で一箇所に誘き寄せ、網などで一網打尽に漁獲する手法だ。一本釣り漁法に比べ、非常に効率が良いが、網には幼魚やイルカなどを無差別に捕獲してしまうため、環境負荷や漁業資源管理の点で問題視されている。太平洋上のマグロ漁では盛んに用いられており、マグロ以外の漁も利用が確認されている。John Westはグリーンピースが開催した2015年のマグロ漁業評価報告で最下位となっており、同社は5年前に2016年末までに100%持続可能なマグロ漁に変更すると誓約していたにも関わらず、98%以上のマグロが未だに破壊的な方法で収穫されていると警告していた。

 John Westブランドのツナ缶はイギリスで最も人気の高く、スーパー各社の主力商品ではあるが、ウェイトローズはすでにJohn Westに対して漁法を改めなければ2018年以降は製品を店頭には置けないことを通告したという。グリーンピースは、イギリス四大スーパーの一角を占めるセインズベリーに対しても同様の対応を要求していく構えだ。John Westはオーストラリアでは、MSCや国際環境NGOのWWFと連携し、持続可能な漁法を用いたツナ缶の生産に乗り出し、オーストラリア販売のツナ缶の43%はすでに持続可能なものとなっている。しかしながら、John Westのスポークスマンは、一本釣り漁法のツナ缶では購買者が求める低価格を維持できないとも話している。

 持続可能な漁業の分野では、同じくイギリス四大スーパーマーケットチェーンのマークス&スペンサーも、人権観点からの持続可能な漁業強化を表明していた。持続可能な漁業に向けて、漁業関係者だけでなく、商社、加工業者、小売業者などサプライチェーン上の全ての企業に責任が問われる時代となってきた。

【参照ページ】Tesco – leading on sustainable seafood
【参照ページ】Waitrose makes major sustainability commitment for canned tuna products
【参照ページ】Waitrose Joins Tesco in Threatening to Can John West Over Broken Tuna Sustainability Pledge

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 イギリスの大手スーパーマーケットチェーンが持続可能な漁業の導入を拡大している。4月29日、大手スーパーマーケットチェーンのテスコが、すでに実施している持続可能な漁法で獲られたマグロの販売を強化すると発表した。次いで5月6日、大手スーパーマーケットチェーンのウェイトローズが、2017年末までに店頭のツナ缶全てについてサステナビリティ認証を取得させると発表した。背景には、昨年秋から国際環境NGOグリーンピースが仕掛けたマグロ乱獲撲滅キャンペーンが影響しているという。

 テスコが4月9日に発表した新方針は、海洋管理協議会(MSC)認証を取得した魚製品を店頭に並べていくというものだ。海洋管理協議会は1997年にロンドンで設立されたNGOで、「持続可能な漁業」認証の運営を行っている世界的な機関。テスコは2012年から持続可能な漁業の強化に取り組んできており、既に店頭のマグロ切り身及びサンドイッチ・パスタ・サラダの具として使われているツナは全て環境被害の少ない「一本釣り漁法」で獲られた製品となっている。今回の発表はこの施策を拡大するもので、冷凍食品ツナでもMSC認証を目指し、全てのマグロ食品について「一本釣り漁法」またはMSC認証を取得した製品のみにする。同時にイギリスで人気の高いタラ、ニシンの加工食品についてもMSC認証を取得した製品を同社の656店舗で販売を開始する。

 またウェイトローズが5月6日に発表した内容は、ツナ缶全てを2017年末までに「一本釣り漁法」またはMSC認証を取得した製品のみにするというもの。テスコに比べ対象範囲が狭いが、2017年末までという期限を設けた。ウェイトローズのPBブランドのツナ缶はすでに2009年から「一本釣り漁法」のものとなり、2013年からはMSC認証を取得したツナ缶も導入されており、今日までにテスコと同様、サンドイッチ、パスタなど同社のPBブランドのマグロ製品は全て持続可能な漁法で獲られたものとなっている。今回はそれを他社ブランドまで含めた全店頭製品にまで広げるというものだ。

 テストとウェイトローズが、マグロ漁法の持続可能性への関心を高めている背景には、グリーンピースが昨年10月に開始したキャンペーンがある。グリーンピースは、世界最大のツナ缶メーカーであるタイの「タイ・ユニオン・グループ」及び同社子会社でヨーロッパに販路を持つJohn West社が、「集魚装置(Fish Aggregating Devices:FADs)」と呼ばれる漁法を用いていると代替的なキャンペーンを開始した。集魚装置とは、回遊している魚を大規模な装置で一箇所に誘き寄せ、網などで一網打尽に漁獲する手法だ。一本釣り漁法に比べ、非常に効率が良いが、網には幼魚やイルカなどを無差別に捕獲してしまうため、環境負荷や漁業資源管理の点で問題視されている。太平洋上のマグロ漁では盛んに用いられており、マグロ以外の漁も利用が確認されている。John Westはグリーンピースが開催した2015年のマグロ漁業評価報告で最下位となっており、同社は5年前に2016年末までに100%持続可能なマグロ漁に変更すると誓約していたにも関わらず、98%以上のマグロが未だに破壊的な方法で収穫されていると警告していた。

 John Westブランドのツナ缶はイギリスで最も人気の高く、スーパー各社の主力商品ではあるが、ウェイトローズはすでにJohn Westに対して漁法を改めなければ2018年以降は製品を店頭には置けないことを通告したという。グリーンピースは、イギリス四大スーパーの一角を占めるセインズベリーに対しても同様の対応を要求していく構えだ。John Westはオーストラリアでは、MSCや国際環境NGOのWWFと連携し、持続可能な漁法を用いたツナ缶の生産に乗り出し、オーストラリア販売のツナ缶の43%はすでに持続可能なものとなっている。しかしながら、John Westのスポークスマンは、一本釣り漁法のツナ缶では購買者が求める低価格を維持できないとも話している。

 持続可能な漁業の分野では、同じくイギリス四大スーパーマーケットチェーンのマークス&スペンサーも、人権観点からの持続可能な漁業強化を表明していた。持続可能な漁業に向けて、漁業関係者だけでなく、商社、加工業者、小売業者などサプライチェーン上の全ての企業に責任が問われる時代となってきた。

【参照ページ】Tesco – leading on sustainable seafood
【参照ページ】Waitrose makes major sustainability commitment for canned tuna products
【参照ページ】Waitrose Joins Tesco in Threatening to Can John West Over Broken Tuna Sustainability Pledge