Sustainable Japan | 世界のサステナビリティ・ESG投資・SDGs

【国際】ペプシコ、リジェネラティブ農業を2030年までに全面展開。農家25万人以上の生計改善

 食品世界大手米ペプシコは4月20日、リジェネラティブ農業を2030年までに大規模に展開していく新たな原材料戦略「ポジティブ農業」を発表した。同社は2040年までにバリューチェーン全体での二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)と、2030年までの40%減を宣言をしており、ポジティブ農業戦略はその一環。

 今回発表した戦略では、リジェネラティブ農業を2030年までに、同社の現状の農業フットプリントとほぼ同等の面積となる700万エーカー(約28,000km2)で展開。これにより、2030年までに二酸化炭素排出量を300万t以上削減できると見込んでいる。さらに、原材料調達のサステナビリティ調達を2030年までに100%にまで引き上げるとともに、農家25万人以上の生計改善も掲げた。

 具体的なアクションとしては、過去10年間展開してきた持続可能な農家プログラム(SEP)を継続し、60ヶ国以上の原材料調達国の農家と協働。例えば、米国では、2021年末までに50万エーカーでリジェネラティブ農業を展開する。同社は、実証農家を世界中で増やし、参加農家でグローバル規模でナレッジをシェアできる場も整備済み。これにより2020年だけで、リジェネラティブ農業を80%以上実践している農家が350事業者以上増えた。

 リジェナラティブ農業を通じて収量を上げるためのイノベーションも加速する。すでに英国の「ウォーカーズ」ブランドでは、CCm Technologiesと提携し、じゃがいもの皮から栄養豊富な肥料を生産できる「サーキュラーじゃがいも」の開発にも成功。これによりじゃがいも栽培での二酸化炭素排出量を70%低減できるという。「クエーカー」ブランドでは、オート麦の収量拡大を図る「Opti-Oat」イニシアチブを展開し、100万以上の農家データポイントからデータを収集し、農家への改善に役立てている。

 農家25万人の生計改善では、サプライチェーンの中でも最も社会的に脆弱な農家コミュニティに焦点を当て、小規模農家、女性、マイノリティの支援を強化する。現地活動では、米国際開発庁(USAID)、米州開発銀行(IDB)、ケア・インターナショナル、アメリカ合衆国学校農業クラブ連盟(National FFA Organization)、National Black Growers Councilと連携する。

 サステナビリティ調達100%では、じゃがいも、ホールコーン、オート麦、オレンジ等の直接調達作物だけでなく、第三者から調達している植物油や穀物でも100%にまで引き上げる。現在、同社の農業サプライチェーンは60ヶ国10万人に及ぶという。すでに2020年末までには、サステナビリティ調達100%達成が、28ヶ国にまで到達。世界全体で直接調達では87%にまで上昇した。さとうきびでは、2020年までにBonsucro認証100%という目標も達成。パーム油調達ではRSPO認証取得率が99%以上となった。

 同社は、国際的なリジェネラティブ農業のスタンダード作成も積極的に参加していく姿勢を示しつつ、スタンダード確立までには自社独自の手法でゴールと進捗状況の開示を進めていくと発表。指標には、土壌健康状態と肥沃度、二酸化炭素固定量、水系の健康状態、生物多様性、農家生計の5つ。水消費に関しては、世界自然保護基金(WWF)等のエンゲージメントを強化していく方針を示した。

【参照ページ】PepsiCo Announces 2030 Goal to Scale Regenerative Farming Practices Across 7 Million Acres, Equivalent to Entire Agricultural Footprint

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 食品世界大手米ペプシコは4月20日、リジェネラティブ農業を2030年までに大規模に展開していく新たな原材料戦略「ポジティブ農業」を発表した。同社は2040年までにバリューチェーン全体での二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)と、2030年までの40%減を宣言をしており、ポジティブ農業戦略はその一環。

 今回発表した戦略では、

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 食品世界大手米ペプシコは4月20日、リジェネラティブ農業を2030年までに大規模に展開していく新たな原材料戦略「ポジティブ農業」を発表した。同社は2040年までにバリューチェーン全体での二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)と、2030年までの40%減を宣言をしており、ポジティブ農業戦略はその一環。

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 食品世界大手米ペプシコは4月20日、リジェネラティブ農業を2030年までに大規模に展開していく新たな原材料戦略「ポジティブ農業」を発表した。同社は2040年までにバリューチェーン全体での二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)と、2030年までの40%減を宣言をしており、ポジティブ農業戦略はその一環。

 今回発表した戦略では、リジェネラティブ農業を2030年までに、同社の現状の農業フットプリントとほぼ同等の面積となる700万エーカー(約28,000km2)で展開。これにより、2030年までに二酸化炭素排出量を300万t以上削減できると見込んでいる。さらに、原材料調達のサステナビリティ調達を2030年までに100%にまで引き上げるとともに、農家25万人以上の生計改善も掲げた。

 具体的なアクションとしては、過去10年間展開してきた持続可能な農家プログラム(SEP)を継続し、60ヶ国以上の原材料調達国の農家と協働。例えば、米国では、2021年末までに50万エーカーでリジェネラティブ農業を展開する。同社は、実証農家を世界中で増やし、参加農家でグローバル規模でナレッジをシェアできる場も整備済み。これにより2020年だけで、リジェネラティブ農業を80%以上実践している農家が350事業者以上増えた。

 リジェナラティブ農業を通じて収量を上げるためのイノベーションも加速する。すでに英国の「ウォーカーズ」ブランドでは、CCm Technologiesと提携し、じゃがいもの皮から栄養豊富な肥料を生産できる「サーキュラーじゃがいも」の開発にも成功。これによりじゃがいも栽培での二酸化炭素排出量を70%低減できるという。「クエーカー」ブランドでは、オート麦の収量拡大を図る「Opti-Oat」イニシアチブを展開し、100万以上の農家データポイントからデータを収集し、農家への改善に役立てている。

 農家25万人の生計改善では、サプライチェーンの中でも最も社会的に脆弱な農家コミュニティに焦点を当て、小規模農家、女性、マイノリティの支援を強化する。現地活動では、米国際開発庁(USAID)、米州開発銀行(IDB)、ケア・インターナショナル、アメリカ合衆国学校農業クラブ連盟(National FFA Organization)、National Black Growers Councilと連携する。

 サステナビリティ調達100%では、じゃがいも、ホールコーン、オート麦、オレンジ等の直接調達作物だけでなく、第三者から調達している植物油や穀物でも100%にまで引き上げる。現在、同社の農業サプライチェーンは60ヶ国10万人に及ぶという。すでに2020年末までには、サステナビリティ調達100%達成が、28ヶ国にまで到達。世界全体で直接調達では87%にまで上昇した。さとうきびでは、2020年までにBonsucro認証100%という目標も達成。パーム油調達ではRSPO認証取得率が99%以上となった。

 同社は、国際的なリジェネラティブ農業のスタンダード作成も積極的に参加していく姿勢を示しつつ、スタンダード確立までには自社独自の手法でゴールと進捗状況の開示を進めていくと発表。指標には、土壌健康状態と肥沃度、二酸化炭素固定量、水系の健康状態、生物多様性、農家生計の5つ。水消費に関しては、世界自然保護基金(WWF)等のエンゲージメントを強化していく方針を示した。

【参照ページ】PepsiCo Announces 2030 Goal to Scale Regenerative Farming Practices Across 7 Million Acres, Equivalent to Entire Agricultural Footprint

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