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【国際】IPCC、「1.5℃特別報告書」発表。1.5℃気温上昇でも災害拡大、迅速な異次元アクション必要

 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は10月8日、産業革命前からの気温上昇を1.5℃に抑えた場合の状況や社会への影響を整理した報告書「1.5℃特別報告書」を公表した。IPCCは、10月1日から6日まで韓国・インチョンで第48回総会を開催し、「1.5℃特別報告書」を受諾した。1.5℃は、パリ協定の中で国際社会が目指すべきとしたハイレベル目標。1.5℃特別報告書は、2015年に開催された国連気候変動枠組条約(UNFCCC)パリ会議(COP21)の場で、IPCCに作成が要請され、40ヶ国91人の専門家が執筆作業に加わった。

 同報告書は、世界の平均気温は産業革命前からすでに1℃情報しており、現状は2100年に3℃上昇するペース。このままいくと2030年から2052年に1.5℃上昇に達すると予測した。1.5℃上昇に留めるためには、2030年までに二酸化炭素排出量を2017年比49%以上削減し、2050年までに二酸化炭素の純排出量をゼロにすることが必要だとした。そのため、政府、企業、NGO等にこれまでとは次元の違う対応を早急に実施しなければならないと結論づけた。

 執筆した科学者は、1.5℃上昇でも熱帯地方を中心に高い確率で深刻な熱波が発生すると言及。また、高地、東アジア、北米東部では嵐の勢力がさらに強まる確率も中程度あるとした。異常気象による最高気温も現状より3℃ほど上がる見込み。それでも2℃上昇よりは事態は改善しており、2℃上昇では異常気象による最高気温は4度上昇し、2100年時点での海面上昇は1.5℃に抑えたほうが約10cm低くできる。結果1,000万人が水没から逃れられる。サンゴ礁への影響では、2℃上昇では世界のほぼ全てのサンゴが死滅するのに対し、1.5℃上昇では70%から90%に抑えられる。

 同報告書は、1.5℃目標を達成するためのエネルギー移行の予測も発表。炭素貯蔵・回収(CSS)技術等の二酸化炭素除去策を展開したとしても、石炭は2050年までに2010年比74%から95%削減、石油も31%から78%削減しなければならない。

 同報告書発表を受け、CDPのNicolette Bartlett気候変動担当ディレクターは「世界経済は脱炭素化が急務。強靭な建物や気候変動適応も避けられない」とコメント。国連責任投資原則(PRI)も、投資ポートフォリオの市場変革リスクは高まっていることがさらに明白になったと表明し、研究プログラム「Inevitable Policy Response(IPR)」を新たに発足した。

【参照ページ】Summary for Policymakers of IPCC Special Report on Global Warming of 1.5°C approved by governments
【報告書】Global Warming of 1.5 °C

 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は10月8日、産業革命前からの気温上昇を1.5℃に抑えた場合の状況や社会への影響を整理した報告書「1.5℃特別報告書」を公表した。IPCCは、10月1日から6日まで韓国・インチョンで第48回総会を開催し、「1.5℃特別報告書」を受諾した。1.5℃は、パリ協定の中で国際社会が目指すべきとしたハイレベル目標。1.5℃特別報告書は、2015年に開催された国連気候変動枠組条約(UNFCCC)パリ会議(COP21)の場で、IPCCに作成が要請され、40ヶ国91人の専門家が執筆作業に加わった。

 同報告書は、世界の平均気温は産業革命前からすでに1℃情報しており、現状は2100年に3℃上昇するペース。このままいくと2030年から2052年に1.5℃上昇に達すると予測した。1.5℃上昇に留めるためには、2030年までに二酸化炭素排出量を2017年比49%以上削減し、2050年までに二酸化炭素の純排出量をゼロにすることが必要だとした。そのため、政府、企業、NGO等にこれまでとは次元の違う対応を早急に実施しなければならないと結論づけた。

 執筆した科学者は、1.5℃上昇でも熱帯地方を中心に高い確率で深刻な熱波が発生すると言及。また、高地、東アジア、北米東部では嵐の勢力がさらに強まる確率も中程度あるとした。異常気象による最高気温も現状より3℃ほど上がる見込み。それでも2℃上昇よりは事態は改善しており、2℃上昇では異常気象による最高気温は4度上昇し、2100年時点での海面上昇は1.5℃に抑えたほうが約10cm低くできる。結果1,000万人が水没から逃れられる。サンゴ礁への影響では、2℃上昇では世界のほぼ全てのサンゴが死滅するのに対し、1.5℃上昇では70%から90%に抑えられる。

 同報告書は、1.5℃目標を達成するためのエネルギー移行の予測も発表。炭素貯蔵・回収(CSS)技術等の二酸化炭素除去策を展開したとしても、石炭は2050年までに2010年比74%から95%削減、石油も31%から78%削減しなければならない。

 同報告書発表を受け、CDPのNicolette Bartlett気候変動担当ディレクターは「世界経済は脱炭素化が急務。強靭な建物や気候変動適応も避けられない」とコメント。国連責任投資原則(PRI)も、投資ポートフォリオの市場変革リスクは高まっていることがさらに明白になったと表明し、研究プログラム「Inevitable Policy Response(IPR)」を新たに発足した。

【参照ページ】Summary for Policymakers of IPCC Special Report on Global Warming of 1.5°C approved by governments
【報告書】Global Warming of 1.5 °C

 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は10月8日、産業革命前からの気温上昇を1.5℃に抑えた場合の状況や社会への影響を整理した報告書「1.5℃特別報告書」を公表した。IPCCは、10月1日から6日まで韓国・インチョンで第48回総会を開催し、「1.5℃特別報告書」を受諾した。1.5℃は、パリ協定の中で国際社会が目指すべきとしたハイレベル目標。1.5℃特別報告書は、2015年に開催された国連気候変動枠組条約(UNFCCC)パリ会議(COP21)の場で、IPCCに作成が要請され、40ヶ国91人の専門家が執筆作業に加わった。

 同報告書は、世界の平均気温は産業革命前からすでに1℃情報しており、現状は2100年に3℃上昇するペース。このままいくと2030年から2052年に1.5℃上昇に達すると予測した。1.5℃上昇に留めるためには、2030年までに二酸化炭素排出量を2017年比49%以上削減し、2050年までに二酸化炭素の純排出量をゼロにすることが必要だとした。そのため、政府、企業、NGO等にこれまでとは次元の違う対応を早急に実施しなければならないと結論づけた。

 執筆した科学者は、1.5℃上昇でも熱帯地方を中心に高い確率で深刻な熱波が発生すると言及。また、高地、東アジア、北米東部では嵐の勢力がさらに強まる確率も中程度あるとした。異常気象による最高気温も現状より3℃ほど上がる見込み。それでも2℃上昇よりは事態は改善しており、2℃上昇では異常気象による最高気温は4度上昇し、2100年時点での海面上昇は1.5℃に抑えたほうが約10cm低くできる。結果1,000万人が水没から逃れられる。サンゴ礁への影響では、2℃上昇では世界のほぼ全てのサンゴが死滅するのに対し、1.5℃上昇では70%から90%に抑えられる。

 同報告書は、1.5℃目標を達成するためのエネルギー移行の予測も発表。炭素貯蔵・回収(CSS)技術等の二酸化炭素除去策を展開したとしても、石炭は2050年までに2010年比74%から95%削減、石油も31%から78%削減しなければならない。

 同報告書発表を受け、CDPのNicolette Bartlett気候変動担当ディレクターは「世界経済は脱炭素化が急務。強靭な建物や気候変動適応も避けられない」とコメント。国連責任投資原則(PRI)も、投資ポートフォリオの市場変革リスクは高まっていることがさらに明白になったと表明し、研究プログラム「Inevitable Policy Response(IPR)」を新たに発足した。

【参照ページ】Summary for Policymakers of IPCC Special Report on Global Warming of 1.5°C approved by governments
【報告書】Global Warming of 1.5 °C

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 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は10月8日、産業革命前からの気温上昇を1.5℃に抑えた場合の状況や社会への影響を整理した報告書「1.5℃特別報告書」を公表した。IPCCは、10月1日から6日まで韓国・インチョンで第48回総会を開催し、「1.5℃特別報告書」を受諾した。1.5℃は、パリ協定の中で国際社会が目指すべきとしたハイレベル目標。1.5℃特別報告書は、2015年に開催された国連気候変動枠組条約(UNFCCC)パリ会議(COP21)の場で、IPCCに作成が要請され、40ヶ国91人の専門家が執筆作業に加わった。

 同報告書は、世界の平均気温は産業革命前からすでに1℃情報しており、現状は2100年に3℃上昇するペース。このままいくと2030年から2052年に1.5℃上昇に達すると予測した。1.5℃上昇に留めるためには、2030年までに二酸化炭素排出量を2017年比49%以上削減し、2050年までに二酸化炭素の純排出量をゼロにすることが必要だとした。そのため、政府、企業、NGO等にこれまでとは次元の違う対応を早急に実施しなければならないと結論づけた。

 執筆した科学者は、1.5℃上昇でも熱帯地方を中心に高い確率で深刻な熱波が発生すると言及。また、高地、東アジア、北米東部では嵐の勢力がさらに強まる確率も中程度あるとした。異常気象による最高気温も現状より3℃ほど上がる見込み。それでも2℃上昇よりは事態は改善しており、2℃上昇では異常気象による最高気温は4度上昇し、2100年時点での海面上昇は1.5℃に抑えたほうが約10cm低くできる。結果1,000万人が水没から逃れられる。サンゴ礁への影響では、2℃上昇では世界のほぼ全てのサンゴが死滅するのに対し、1.5℃上昇では70%から90%に抑えられる。

 同報告書は、1.5℃目標を達成するためのエネルギー移行の予測も発表。炭素貯蔵・回収(CSS)技術等の二酸化炭素除去策を展開したとしても、石炭は2050年までに2010年比74%から95%削減、石油も31%から78%削減しなければならない。

 同報告書発表を受け、CDPのNicolette Bartlett気候変動担当ディレクターは「世界経済は脱炭素化が急務。強靭な建物や気候変動適応も避けられない」とコメント。国連責任投資原則(PRI)も、投資ポートフォリオの市場変革リスクは高まっていることがさらに明白になったと表明し、研究プログラム「Inevitable Policy Response(IPR)」を新たに発足した。

【参照ページ】Summary for Policymakers of IPCC Special Report on Global Warming of 1.5°C approved by governments
【報告書】Global Warming of 1.5 °C