Sustainable Japan | 世界のサステナビリティ・ESG投資・SDGs

【アメリカ】エクソンモービル、2度シナリオ分析報告書公表。石油採掘投資は必要。リスクほぼない

 エネルギー世界大手米エクソンモービルは2月2日、2040年までのエネルギー展望報告書「2018 Outlook for Energy: A View to 2040」を発表した。同報告書は毎年発表されている。同時に、気候変動による情報開示を求めた2017年の株主総会決議に基づき、2℃シナリオに関する分析報告書も発表した。分析報告書では、石油採掘分野への新規投資がなければ、2℃目標下でも必要となる石油ガス需要を満たせないと説明。気候変動への規制が強化されても同社ビジネスには「ほとんどリスクがない」と言明した。

 同報告書では、通常のエネルギー需要予測とは別に、2℃シナリオ下でのエネルギー需要の変化を見通した。2040年までにエネルギー燃料需要は毎年0.5%増加する中、石炭は毎年2.4%減、石油は0.4%減、天然ガスは0.9%増、原子力は3%増、再生可能エネルギーは4.5%増と分析。減少幅の大きい石炭は累積で2040年までに需要が半減する。しかし、石油に関しては、石油の需要減以上に、現行の油田産油能力の自然減により、石油供給量は現在の日量9,500万バレルから、2040年に1,700万バレルに減少すると予測。2℃シナリオ下でも、最低でも5,300万バレルの石油需要があるため、石油採掘への新規投資は必要と見方を示した。そのため、同社の資源埋蔵量には「ほんんどリスクはない(face little risk)」とした。また、石油は、エネルギーミックス、輸送、化学産業の分野で引き続き主導的な役割を果たすとの見方も示した。

 電気自動車市場の進展については、乗用車等の軽量車両を中心に台頭してくる可能性があるものの、車両数が増加するため石油需要は横ばいからやや減少と予測。一方、トラック等の重量車両、航空機、船舶での石油需要は増えるため、輸送分野の石油需要は2040年までに30%増と算出した。

 同社のダレン・ウッズ会長兼CEOは、気候変動緩和に向けた今後の取組として、炭素回収・貯蔵(CCS)技術の開発、バイオ燃料の推進を挙げた。また報告書の中では、二酸化炭素排出量が比較的少ない天然ガスや石油化学製品の軽量化にも可能性を示した。
 
 エクソンモービルは、2℃目標下においても石油採掘への投資は必要だとして同社のビジネスの正当性を示した。一方、通常のエネルギー展望報告書では、2℃シナリオとは異なる需要見通しを立てており、同社が2℃シナリオとは異なるシナリオを中心に据えていることも浮き彫りともなった。

【参照ページ】ExxonMobil Releases Energy & Carbon Summary and Outlook for Energy
【報告書】2018 Outlook for Energy: A View to 2040
【報告書】2018 Energy & Carbon Summary

 エネルギー世界大手米エクソンモービルは2月2日、2040年までのエネルギー展望報告書「2018 Outlook for Energy: A View to 2040」を発表した。同報告書は毎年発表されている。同時に、気候変動による情報開示を求めた2017年の株主総会決議に基づき、2℃シナリオに関する分析報告書も発表した。分析報告書では、石油採掘分野への新規投資がなければ、2℃目標下でも必要となる石油ガス需要を満たせないと説明。気候変動への規制が強化されても同社ビジネスには「ほとんどリスクがない」と言明した。

 同報告書では、通常のエネルギー需要予測とは別に、2℃シナリオ下でのエネルギー需要の変化を見通した。2040年までにエネルギー燃料需要は毎年0.5%増加する中、石炭は毎年2.4%減、石油は0.4%減、天然ガスは0.9%増、原子力は3%増、再生可能エネルギーは4.5%増と分析。減少幅の大きい石炭は累積で2040年までに需要が半減する。しかし、石油に関しては、石油の需要減以上に、現行の油田産油能力の自然減により、石油供給量は現在の日量9,500万バレルから、2040年に1,700万バレルに減少すると予測。2℃シナリオ下でも、最低でも5,300万バレルの石油需要があるため、石油採掘への新規投資は必要と見方を示した。そのため、同社の資源埋蔵量には「ほんんどリスクはない(face little risk)」とした。また、石油は、エネルギーミックス、輸送、化学産業の分野で引き続き主導的な役割を果たすとの見方も示した。

 電気自動車市場の進展については、乗用車等の軽量車両を中心に台頭してくる可能性があるものの、車両数が増加するため石油需要は横ばいからやや減少と予測。一方、トラック等の重量車両、航空機、船舶での石油需要は増えるため、輸送分野の石油需要は2040年までに30%増と算出した。

 同社のダレン・ウッズ会長兼CEOは、気候変動緩和に向けた今後の取組として、炭素回収・貯蔵(CCS)技術の開発、バイオ燃料の推進を挙げた。また報告書の中では、二酸化炭素排出量が比較的少ない天然ガスや石油化学製品の軽量化にも可能性を示した。
 
 エクソンモービルは、2℃目標下においても石油採掘への投資は必要だとして同社のビジネスの正当性を示した。一方、通常のエネルギー展望報告書では、2℃シナリオとは異なる需要見通しを立てており、同社が2℃シナリオとは異なるシナリオを中心に据えていることも浮き彫りともなった。

【参照ページ】ExxonMobil Releases Energy & Carbon Summary and Outlook for Energy
【報告書】2018 Outlook for Energy: A View to 2040
【報告書】2018 Energy & Carbon Summary

 エネルギー世界大手米エクソンモービルは2月2日、2040年までのエネルギー展望報告書「2018 Outlook for Energy: A View to 2040」を発表した。同報告書は毎年発表されている。同時に、気候変動による情報開示を求めた2017年の株主総会決議に基づき、2℃シナリオに関する分析報告書も発表した。分析報告書では、石油採掘分野への新規投資がなければ、2℃目標下でも必要となる石油ガス需要を満たせないと説明。気候変動への規制が強化されても同社ビジネスには「ほとんどリスクがない」と言明した。

 同報告書では、通常のエネルギー需要予測とは別に、2℃シナリオ下でのエネルギー需要の変化を見通した。2040年までにエネルギー燃料需要は毎年0.5%増加する中、石炭は毎年2.4%減、石油は0.4%減、天然ガスは0.9%増、原子力は3%増、再生可能エネルギーは4.5%増と分析。減少幅の大きい石炭は累積で2040年までに需要が半減する。しかし、石油に関しては、石油の需要減以上に、現行の油田産油能力の自然減により、石油供給量は現在の日量9,500万バレルから、2040年に1,700万バレルに減少すると予測。2℃シナリオ下でも、最低でも5,300万バレルの石油需要があるため、石油採掘への新規投資は必要と見方を示した。そのため、同社の資源埋蔵量には「ほんんどリスクはない(face little risk)」とした。また、石油は、エネルギーミックス、輸送、化学産業の分野で引き続き主導的な役割を果たすとの見方も示した。

 電気自動車市場の進展については、乗用車等の軽量車両を中心に台頭してくる可能性があるものの、車両数が増加するため石油需要は横ばいからやや減少と予測。一方、トラック等の重量車両、航空機、船舶での石油需要は増えるため、輸送分野の石油需要は2040年までに30%増と算出した。

 同社のダレン・ウッズ会長兼CEOは、気候変動緩和に向けた今後の取組として、炭素回収・貯蔵(CCS)技術の開発、バイオ燃料の推進を挙げた。また報告書の中では、二酸化炭素排出量が比較的少ない天然ガスや石油化学製品の軽量化にも可能性を示した。
 
 エクソンモービルは、2℃目標下においても石油採掘への投資は必要だとして同社のビジネスの正当性を示した。一方、通常のエネルギー展望報告書では、2℃シナリオとは異なる需要見通しを立てており、同社が2℃シナリオとは異なるシナリオを中心に据えていることも浮き彫りともなった。

【参照ページ】ExxonMobil Releases Energy & Carbon Summary and Outlook for Energy
【報告書】2018 Outlook for Energy: A View to 2040
【報告書】2018 Energy & Carbon Summary

ここから先は有料登録会員限定のコンテンツとなります。有料登録会員へのアップグレードを行って下さい。

 エネルギー世界大手米エクソンモービルは2月2日、2040年までのエネルギー展望報告書「2018 Outlook for Energy: A View to 2040」を発表した。同報告書は毎年発表されている。同時に、気候変動による情報開示を求めた2017年の株主総会決議に基づき、2℃シナリオに関する分析報告書も発表した。分析報告書では、石油採掘分野への新規投資がなければ、2℃目標下でも必要となる石油ガス需要を満たせないと説明。気候変動への規制が強化されても同社ビジネスには「ほとんどリスクがない」と言明した。

 同報告書では、通常のエネルギー需要予測とは別に、2℃シナリオ下でのエネルギー需要の変化を見通した。2040年までにエネルギー燃料需要は毎年0.5%増加する中、石炭は毎年2.4%減、石油は0.4%減、天然ガスは0.9%増、原子力は3%増、再生可能エネルギーは4.5%増と分析。減少幅の大きい石炭は累積で2040年までに需要が半減する。しかし、石油に関しては、石油の需要減以上に、現行の油田産油能力の自然減により、石油供給量は現在の日量9,500万バレルから、2040年に1,700万バレルに減少すると予測。2℃シナリオ下でも、最低でも5,300万バレルの石油需要があるため、石油採掘への新規投資は必要と見方を示した。そのため、同社の資源埋蔵量には「ほんんどリスクはない(face little risk)」とした。また、石油は、エネルギーミックス、輸送、化学産業の分野で引き続き主導的な役割を果たすとの見方も示した。

 電気自動車市場の進展については、乗用車等の軽量車両を中心に台頭してくる可能性があるものの、車両数が増加するため石油需要は横ばいからやや減少と予測。一方、トラック等の重量車両、航空機、船舶での石油需要は増えるため、輸送分野の石油需要は2040年までに30%増と算出した。

 同社のダレン・ウッズ会長兼CEOは、気候変動緩和に向けた今後の取組として、炭素回収・貯蔵(CCS)技術の開発、バイオ燃料の推進を挙げた。また報告書の中では、二酸化炭素排出量が比較的少ない天然ガスや石油化学製品の軽量化にも可能性を示した。
 
 エクソンモービルは、2℃目標下においても石油採掘への投資は必要だとして同社のビジネスの正当性を示した。一方、通常のエネルギー展望報告書では、2℃シナリオとは異なる需要見通しを立てており、同社が2℃シナリオとは異なるシナリオを中心に据えていることも浮き彫りともなった。

【参照ページ】ExxonMobil Releases Energy & Carbon Summary and Outlook for Energy
【報告書】2018 Outlook for Energy: A View to 2040
【報告書】2018 Energy & Carbon Summary