Sustainable Japan | 世界のサステナビリティ・ESG投資・SDGs

【国際】国連グローバル・コンパクト、企業実務家向けSDGs指南書発表。取組設定、報告、経営陣説得等

 国連グローバル・コンパクト(UNGC)は9月21日、ニューヨークで「国連グローバル・コンパクト・リーダーズ・サミット2017」を開催した。世界70ヶ国以上から約800人の企業経営者、政府関係者等が参加し、国連持続可能な開発目標(SDGs)やパリ協定目標の達成に向け企業が取るべき行動やパートナーシップの在り方について議論が交わされた。UNGCは2000年に当時のコフィ・アナン事務総長の呼びかけで発足したが、国連グローバル・コンパクト・リーダーズ・サミットも同じくコフィ・アナン事務総長が2004年に発足。毎年秋にニューヨークで開催されている。

 今年のリーダーズ・サミットでは、企業が活用すべき3つのガイダンスが発表された。一つ目は、企業がSDGsの分野でリーダー的存在になるための指南書「Blueprint for Business Leadership on the SDGs」。「SDGsの優先順位付け」ー「行動」ー「学習」の3つのサイクルを回し、企業がSDGs達成に向けたのインパクトを向上させていくことを説いている。また、リーダーとなるため5つの要素として「意図的」「野心的」「一貫性」「協働的」「説明可能」を挙げ、事業活動の結果をただSDGsの視点でまとめるのではなく、意志のあるアクションを要求した。そして、SDGsの17目標それぞれについて、3つのサイクル、5つの要素を実現するためのポイントがまとめられている。

 二つ目は、企業のSDGs関連報告に関する指南書「Business Reporting on the SDGs」。SDGsの17目標、169ターゲットのそれぞれについて、企業が報告、情報開示すべき内容をまとめている。これにより、企業が抽象的にSDGsを意識するという段階に留まらず、具体的な貢献と成果を明確にすることを狙う。169ターゲットの具体的な取組事項にも言及しており、これによりSDGsに基づくアクション設定や優先順位付けを行う企業には非常に役に立つものとなっている。このガイダンスは、UNGCとGRIの戦略提携により発足した2年間のイニシアチブ「アクション・プラットフォーム」の場で検討され、PwCが活動をサポートしている。作成には企業30社以上も協力した。2018年1月には、さらに詳細のガイダンス内容をまとめた「A Practical Guide to Defining Priorities and Reporting」が公表される予定。

 三つ目は、企業のサステナビリティ担当者が、地球規模課題に取り組むべき理由を自社経営陣に対して説得するための指南書「The Breakthrough Pitch」。経営陣に対して刺さるポイントの付き方の解説や、英語だがパワーポイントのテンプレートも用意されている。

 また会場では、2017年のSDGsパイオニアとして10人が選出された。

  • 母子の健康:MOBicure Integrated Solutions共同創業者(ナイジェリア)
  • 先住民のエンパワーメント:Toks Restaurant Group CSR上級副社長(メキシコ)
  • エネルギー管理・サステナビリティ:シュナイダーエレクトリック南米社長(ブラジル)
  • 法による統治:レクシスネクシス 法による統治発展ヘッド(米国)
  • 女性のデジタルエンパワーメント:マイクロソフト MD(バングラデシュ)
  • リサイクル・廃棄物:bio-bean創業者兼副会長(英国)
  • 低炭素投資パートナーシップ推進:トタル会長兼CEO(フランス)
  • モバイル技術での難民支援:Turkcell Iletisim Hizmetleri CEO(トルコ)
  • ブロックチェーン技術:AID:Tech共同創業者兼CEO(英国)
  • サステナブルビジネス戦略・オペレーション:アヤラ・コーポレーション会長兼CEO(フィリピン)

 さらに会場では、SDGsに向けた革新的なアイデアを形にする若手社員の1年間のプログラム「Breakthrough Innovation Challenge」に参加した世界7社の活動報告のプレゼンテーションもあった。7社は、日本の富士ゼロックスと住友化学の他、ネスレ、エネル、イベルドローラ、ナチュラ、ブラスケム。富士ゼロックスからは、社内のコミュニケーションを活性化するゲーミフィケーション応用ツールが、住友化学からは農業生産性を向上できるバイオセンサーが紹介された。同プログラムには、UNGCのLEADプログラムに参加している企業を対象とし自主応募により参加できる。参加可能人数は各社から若手社員最大3名。

【参照ページ】UN Global Compact Challenges Companies to Disrupt the Business-As-Usual Mindset
【ガイダンス】Blueprint for Business Leadership on the SDGs
【ガイダンス】Business Reporting on the SDGs
【ガイダンス】The Breakthrough Pitch
【SDGsパイオニア】Meet the 2017 SDG Pioneers
【プログラム】Breakthrough Innovation Challenge 2017

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 国連グローバル・コンパクト(UNGC)は9月21日、ニューヨークで「国連グローバル・コンパクト・リーダーズ・サミット2017」を開催した。世界70ヶ国以上から約800人の企業経営者、政府関係者等が参加し、国連持続可能な開発目標(SDGs)やパリ協定目標の達成に向け企業が取るべき行動やパートナーシップの在り方について議論が交わされた。UNGCは2000年に当時のコフィ・アナン事務総長の呼びかけで発足したが、国連グローバル・コンパクト・リーダーズ・サミットも同じくコフィ・アナン事務総長が2004年に発足。毎年秋にニューヨークで開催されている。

 今年のリーダーズ・サミットでは、企業が活用すべき3つのガイダンスが発表された。一つ目は、

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 国連グローバル・コンパクト(UNGC)は9月21日、ニューヨークで「国連グローバル・コンパクト・リーダーズ・サミット2017」を開催した。世界70ヶ国以上から約800人の企業経営者、政府関係者等が参加し、国連持続可能な開発目標(SDGs)やパリ協定目標の達成に向け企業が取るべき行動やパートナーシップの在り方について議論が交わされた。UNGCは2000年に当時のコフィ・アナン事務総長の呼びかけで発足したが、国連グローバル・コンパクト・リーダーズ・サミットも同じくコフィ・アナン事務総長が2004年に発足。毎年秋にニューヨークで開催されている。

 今年のリーダーズ・サミットでは、企業が活用すべき3つのガイダンスが発表された。一つ目は、

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 国連グローバル・コンパクト(UNGC)は9月21日、ニューヨークで「国連グローバル・コンパクト・リーダーズ・サミット2017」を開催した。世界70ヶ国以上から約800人の企業経営者、政府関係者等が参加し、国連持続可能な開発目標(SDGs)やパリ協定目標の達成に向け企業が取るべき行動やパートナーシップの在り方について議論が交わされた。UNGCは2000年に当時のコフィ・アナン事務総長の呼びかけで発足したが、国連グローバル・コンパクト・リーダーズ・サミットも同じくコフィ・アナン事務総長が2004年に発足。毎年秋にニューヨークで開催されている。

 今年のリーダーズ・サミットでは、企業が活用すべき3つのガイダンスが発表された。一つ目は、企業がSDGsの分野でリーダー的存在になるための指南書「Blueprint for Business Leadership on the SDGs」。「SDGsの優先順位付け」ー「行動」ー「学習」の3つのサイクルを回し、企業がSDGs達成に向けたのインパクトを向上させていくことを説いている。また、リーダーとなるため5つの要素として「意図的」「野心的」「一貫性」「協働的」「説明可能」を挙げ、事業活動の結果をただSDGsの視点でまとめるのではなく、意志のあるアクションを要求した。そして、SDGsの17目標それぞれについて、3つのサイクル、5つの要素を実現するためのポイントがまとめられている。

 二つ目は、企業のSDGs関連報告に関する指南書「Business Reporting on the SDGs」。SDGsの17目標、169ターゲットのそれぞれについて、企業が報告、情報開示すべき内容をまとめている。これにより、企業が抽象的にSDGsを意識するという段階に留まらず、具体的な貢献と成果を明確にすることを狙う。169ターゲットの具体的な取組事項にも言及しており、これによりSDGsに基づくアクション設定や優先順位付けを行う企業には非常に役に立つものとなっている。このガイダンスは、UNGCとGRIの戦略提携により発足した2年間のイニシアチブ「アクション・プラットフォーム」の場で検討され、PwCが活動をサポートしている。作成には企業30社以上も協力した。2018年1月には、さらに詳細のガイダンス内容をまとめた「A Practical Guide to Defining Priorities and Reporting」が公表される予定。

 三つ目は、企業のサステナビリティ担当者が、地球規模課題に取り組むべき理由を自社経営陣に対して説得するための指南書「The Breakthrough Pitch」。経営陣に対して刺さるポイントの付き方の解説や、英語だがパワーポイントのテンプレートも用意されている。

 また会場では、2017年のSDGsパイオニアとして10人が選出された。

  • 母子の健康:MOBicure Integrated Solutions共同創業者(ナイジェリア)
  • 先住民のエンパワーメント:Toks Restaurant Group CSR上級副社長(メキシコ)
  • エネルギー管理・サステナビリティ:シュナイダーエレクトリック南米社長(ブラジル)
  • 法による統治:レクシスネクシス 法による統治発展ヘッド(米国)
  • 女性のデジタルエンパワーメント:マイクロソフト MD(バングラデシュ)
  • リサイクル・廃棄物:bio-bean創業者兼副会長(英国)
  • 低炭素投資パートナーシップ推進:トタル会長兼CEO(フランス)
  • モバイル技術での難民支援:Turkcell Iletisim Hizmetleri CEO(トルコ)
  • ブロックチェーン技術:AID:Tech共同創業者兼CEO(英国)
  • サステナブルビジネス戦略・オペレーション:アヤラ・コーポレーション会長兼CEO(フィリピン)

 さらに会場では、SDGsに向けた革新的なアイデアを形にする若手社員の1年間のプログラム「Breakthrough Innovation Challenge」に参加した世界7社の活動報告のプレゼンテーションもあった。7社は、日本の富士ゼロックスと住友化学の他、ネスレ、エネル、イベルドローラ、ナチュラ、ブラスケム。富士ゼロックスからは、社内のコミュニケーションを活性化するゲーミフィケーション応用ツールが、住友化学からは農業生産性を向上できるバイオセンサーが紹介された。同プログラムには、UNGCのLEADプログラムに参加している企業を対象とし自主応募により参加できる。参加可能人数は各社から若手社員最大3名。

【参照ページ】UN Global Compact Challenges Companies to Disrupt the Business-As-Usual Mindset
【ガイダンス】Blueprint for Business Leadership on the SDGs
【ガイダンス】Business Reporting on the SDGs
【ガイダンス】The Breakthrough Pitch
【SDGsパイオニア】Meet the 2017 SDG Pioneers
【プログラム】Breakthrough Innovation Challenge 2017

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