【ブラジル】農業大手、銀行、環境NGO、カンポ・セラードの持続可能な豆農家支援で連携。新融資スキーム

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 農業世界大手米バンジ、ブラジル銀行大手サンタンデール銀行ブラジル、国際環境NGOのThe Nature Conservancy(TNC)は8月29日、ブラジルのカンポ・セラードの豆農家向けのサステナブル融資スキームを開発したと発表した。さらなる森林破壊や天然草原の農地転換をしないとコミットする農家向けに長期ローンを提供する。  豆農家に対する従来の融資は、単純に作付に対するもので融資期間が1年未満と短い。そのため、長期的な豆栽培に対する金融インセンティブがなかった。そこで、今回の融資スキームでは、融資期間を10年以上に設定。持続可能な豆栽培のための土地取得や土地準備は長期にわたるため、長期融資を実施していく。  ブラジルでの豆生産量は2001年から2017年までで約3倍に増えた。多くはカンポ・セラードでの増加で、同期間に農地が960万ヘクタールも増え、多くは天然草原が農地に転換された。今後10年でさらに農地化が進むと予想されている。食品メーカーや貿易会社も森林破壊ゼロの農業にコミットしてきているが、実際には農家に持続可能な農業のインセンティブが欠けており、進展があまりなかった。  今回の新スキームは、約5,000万米ドル(約56億円)で試験運用を行い、該当エリアの小規模農家や農業企業に融資する。初回は9月を予定。試験運用で、金融と環境の両面で成果が見えれば、さらに投資家と対象農家を増やし、プロジェクトの規模を拡大していく。  バンジとTNC等は2017年、豆農家に適切な農地拡大を支援するNGO、Agroideal.orgを設立。場所探しでも支援している。 【参照ページ】Bunge, Santander Brasil and TNC to Offer Soy Farmers Long-Term Loans to Expand Production without Clearing Native Habitat in the Brazilian Cerrado

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【アメリカ】ダウ・ケミカル、自然資本観点を経営に統合。各事業投資でアセスメント実施

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 化学世界大手米ダウ・ケミカルは6月6日、2017年版のサステナビリティ報告書を発表した。同社は、2025年までのサステナビリティ目標を掲げているが、その中でも自然資本のコンセプトを経営に統合させる取組「Valuing Nature」に大きな注目が集まっている。今回の報告書でも2017年の取組成果が公表された。  Valuing Natureは、自然環境が人間社会に果たしている役割を定量的に金額換算する試み。ダウ・ケミカルは、この自然資本の考え方を経営の中に組み込み、事業投資、不動産投資、R&Dに関するプロジェクトの意思決定時には、必ず自然資本観点での評価を実施するというプロセスを定めた。評価手法は、国際環境NGOのThe Nature Conservancy(TNC)と協働し開発している。2020年までには全プロジェクトで評価を実施する目標を掲げており、実現すれば毎年、何千ものプロジェクトで自然資本評価を実施することとなる。これにより、各プロジェクトが、同社自身と生態系の双方にプラスのインパクトを与えることをコミットする。ダウ・ケミカルは、化学企業として唯一、自然資本連合(NCC)が策定した自然資本プロトコル(NCP)策定にも参画した。  ダウ・ケミカルは、Valuing Natureのプロセスを通じて、2025年までに10億米ドル(約1,100億円)の純現在価値(NPV)を創出することという目標を2016年に掲げた。これまでの成果は、2016年に0.4億米ドル、2017年に1.2億米ドルの価値を創出し、合計で1.6億米ドルとなった。例えば、テキサス州では湿地帯が排水を処理してくれている自然の機能に着目し、湿地帯の再構築を行っている。  ダウ・ケミカルが2025年目標として掲げた取組は、他に7つある。「Leading The Blueprint」では、地球環境における難題に対処するため、政府やNGO、大学等と協働したソリューション開発に取り組んでいる。2025年までにプロジェクトを10個立ち上げることが目標。すでに、対処すべき課題の選定基準を開発し、2017年までに2件のプロジェクトが発足した。いずれも水に関するプロジェクト。2020年までにサステナビリティ研究機関を設立し、2025年までには専門シンクタンクも設立する予定。  「Delivering Breakthrough Innovation」では、サステナビリティに貢献する化学イノベーションを希求する。具体的には、各事業分野でのイノベーションを加速させるため、「Sustainable Chemistry Goal Index」を活用した事業評価を実施し、改善に向け取り組んでいる。  「Advancing Circular Economy」では、政府、NGOや産業界と協働し、サーキュラーエコノミーを推進する3つのプロジェクトを2020年までに発足。さらに2025年までに自社自身にインパクトを与えるプロジェクトを追加で3つ立ち上げる。  「Safe Materials for Sustainable Planet」では、人間と環境の双方にとって安全な製品に転換していく。2017年には、新興国での安全性の高い製品需要を捉えるため、ケニア、ナイジェリア、ガーナに研究機関「Product Stewardship Academy」を発足。卸売業者や顧客とも協働し、同社商品の安全利用指導も行っている。同研究期間はすでに全顧客の安全衛生アセスメントも完了した。  「Engaging for Impact」は、従業員がスキルを活用したプロボノ活動に参加する取組。2017年には、3,000人以上がSTEM(科学・技術・工学・数学)アンバサダーとなり、先生2,500人と700のプロジェクトを支援。全体で38万人の生徒にSTEM教育を施した。また、ダウ・ケミカル自身やグループ財団を通じて、約4,000万米ドル(約44億円)を投じた。さらに、Dow Business Impact Fundもプロジェクト6件に合計100万米ドル(約1.1億円)を投資した。  「World-Leading Operations Performance」では、環境及び社会面で世界最高水準の事業運営レベルを維持するため、二酸化炭素排出量を2℃目標に適合するよう総量を2006年水準まで削減、水ストレスの高い地域での水消費量を20%削減、廃棄物の原単位量を20%削減、2025年までに400MW分の再生可能エネルギー設備容量を保有。VOC(揮発性有機化合物)と窒素化合物(NOx)も削減する。 【参照ページ】Dow Generated More than $100 Million from Valuing Nature Projects and Engaged with Nearly 400,000 Students in 2017 【目標】2025 Sustainability Goals

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【国際】環境NGOのTNCと保険大手XL Capitalが提携。沿岸湿地帯保護のカーボン・クレジット制度開発

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 国際環境NGOのThe Nature Conservancy(TNC)は5月10日、英バミューダ諸島保険大手XL Capitalと連携し、沿岸湿地帯保護によるカーボン・オフセットプログラム「Blue Resilience Carbon Credits」を開発すると発表した。  沿岸湿地帯は、生態系保護、炭素固定、災害耐性等幅広い面で資産価値が高い。しかし、これまで沿岸湿地帯の資産価値は実態よりも低く見積もられていることが多く、今回XL Capitalが支援し、TNCが資産価値算定モデルを開発する。そして、それを基に、カーボンクレジットを発行する。科学者によると、100mのマングローブ林は、波の高さを66%吸収しており、湿地は米国の巨大台風サンディ襲来時には直接的な洪水被害の防止価値が6億2,500万米ドルにも上ったという。  沿岸部は、洪水や台風被害、海面水位上昇等、気候変動に脆弱な地域。沿岸湿地帯を保護することで、気候変動のインパクトの大きさも訴えていきたい考えだ。 【参照ページ】The Nature Conservancy and XL Catlin Collaborate to Bring Blue Carbon Credits to Market

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【アメリカ】ペプシコと環境団体TNC、河川流域保護で連携。水リスク高い地域に水還元措置

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 飲料世界大手米ペプシコは3月20日、国際環境NGOのThe Nature Conservancy(TNC)と協働で米国南西部での水資源保護プロジェクトを開始すると発表した。ペプシコは、2011年から2015年までの5年間で水消費量の大幅削減とコスト削減を達成。2016年には新たな目標として、2025年までに水リスク高い地域で商品製造で用いた水消費量以上の水を水系に還元することを掲げた。今回のプロジェクトはその一環。  今回のプロジェクトは、アリゾナ州のソルト・ヴェルデ川が舞台。ソルト・ヴェルデ川の水系保護では、企業、地域社会、農家、他の関係機関等が「 Salt and Verde Alliance」を立ち上げ活動を展開。ペプシコも2017年から参加しており、ヴェルデ川渓谷に1.1億ガロン(約4.2億l)の水を水系に還元した。TNCも2017年、同地域の最大農家Hauser and Hauser Farmsに対し、大量の水が必要な湛水灌漑から、水消費効率の高い点滴灌漑への転換を支援した。  今回新たに発表したプロジェクトでは、Hauser and Hauser Farmsの栽培品目をアルファルファから大麦に変更する支援を行う。大麦はソルト・ヴェルデ川の水位が高い季節に水を必要とし、水位が低い地域は水消費が減るため、水系の負担の観点から適している。TNCは同時に、生産された大麦の経済性を高めるためアリゾナ州初の麦芽製造所を建設することも発表した。  ペプシコとTNCは他にも、ユタ州プライス川の水系保護を行うための土地買収も発表。ペプシコが支援し、買収はTNCが実施する。実現すると毎年2億ガロン(約7.5億l)の水を利用可能にできる。また、テキサス州ではCibolo Bluffs保護区では、200万人の生活を支える貯水帯約20km2をTNCが管理する活動にペプシコも支援を提供する。 【参照ページ】World Water Day: PepsiCo and The Nature Conservancy Announce New Water Conservation Projects in Southwestern States

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【アメリカ】ネスレ・ウォーターズ、8工場で水消費認証「AWS認証」取得。北米初ゴールド認証取得も

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 食品世界大手ネスレの北米飲料事業ネスレ・ウォーターズ・ノースアメリカ(NWNA)は3月21日、カリフォルニア州ロスアンゼルスとカバゾンにある工場が、水消費に関する認証「Alliance for Water Stewardship(AWS)」を取得したと発表。これにより同社のカリフォルニア州にある工場5ヶ所全てがAWS認証取得を取得した。特にカバゾンの工場は、北米で初めて最も厳しい基準を満たす「AWSゴールド認証」を取得。カナダのブリティッシュコロンビア州ホープにあるボトリング工場もAWS認証を取得した。  AWSは、世界自然保護基金(WWF)やThe Nature Conservancy(TNC)、自然資本連合(NCC)等の国際環境NGOと企業が共同で2010年に設立。本部は英北部ノース・バーウィック。加盟機関には、米コカ・コーラ、米マクドナルド、英蘭ユニリーバ、英マークス&スペンサー、米メルク、英グラクソ・スミスクライン、米ゼネラル・ミルズ、英ディアジオ、独BASF、豪ナショナル・オーストラリア銀行、CDP、ケア・インターナショナルがいる。ネスレも加盟機関。  AWS認証は、持続可能な水利用に関する認証で、環境、社会、経済的な観点から、水の保全やスチュワードシップ・イニシアチブの推進を目的としている。AWS認証プロセスでは、対象施設がある地下水盆の水品質や水量、沼地等の関連する土地の状態などが厳しく確認される。社内外の関係者へのヒアリングも実施される。なかでもAWSゴールド認証は、地域の地下水系へのプラスのインパクト、水量・水質管理のベストプラクティス、水関連の教育プログラムの実施等さらに厳しい基準でチェックされる。  ネスレ・ウォーターズ・ノースアメリカは、水の効率利用や保全に尽力しており、逆浸透膜採用による水の再利用や、水資源の詳細マッピング、水消費を削減するための創造的な景観設計を通しての水資源保護(ゼリスケープ)を進めている。結果、カリフォルニア州の5工場で、2016年と2017年の2年間で合計20万klの水消費量を削減できた。  ネスレウォーターズは2017年、世界のボトリング工場20ヶ所でAWS認証を取得すると宣言。すでに8ヶ所(そのうち北米6ヶ所)で認証を取得した。 【参照ページ】NWNA Achieves North America’s First & Only Gold Standard Water Stewardship Certification for CA Bottling Factory

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【アメリカ】General Mills、水資源保全に向けた取り組みで前進

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グローバル食品大手のGeneral Millsで会長兼CEOを務めるKen Powell氏は11月20日、The Nature Conservancy(以下、TNC)の主催するGlobal Water Summitの中でグローバルにおける水資源保全に向けた同社の先進的な取り組みについて発表した。 Powell氏は「食品会社として食糧の安全は重要であり、我々の事業は自然と密接に関係している。我々は安全で健康な水がないだけで生態系や野生動物の生活、農業が上手くいかなくなることを知っている。企業は衰退し、経済状況は悪化し、人々は苦しむのだ」と語った。 General Millsは、サミットに先がけて水に関する新たなサステナビリティ方針を発表しており、ステークホルダーと協働しながら特に同社の事業にとって重要な地域の流域保全に向けた枠組みを提示している。なお、この新たな方針は、Powell氏を中心とする同社のサステナビリティ・ガバナンス・委員会が統括する予定だ。同社は、新たな工場や設備のロケーションも含め、水リスク要因を事業上の意思決定に反映させることを誓約している。 上記に加えて、Powell氏は、国連が2007年に開始した水のサステナビリティに関する官民イニチアチブの“The CEO Water Mandate”に署名したことも発表した。同氏は、「これらのイニシアティブは我々が学び、協働し、単独で実行するよりもより大きなインパクトを生み出す手助けをしている」と語った。 General Mills は2010年からTNCと協働し、グローバルにおける水リスクの調査・分析を進めてきた。これらの調査は同社がWorld Wildlife Fundと協働で実施したサプライチェーンリスク分析に基づいており、同社は現在、自社サプライチェーン上の流域の中でどの地域が最も危険な状況にあり、優先的に環境改善に取り組む必要があるかを明確に把握しており、改善活動を展開している。 TNCのCEO を務めるMark Tercek氏は「我々はGeneral Millsが重要な流域の保全に向けて重要な歩みを進めていることをとても嬉しく思っている。これはボトムラインと同様に、同社が事業を展開するエリアのコミュニティにとっても大きな利益がある前向きな意思決定だ。General Millsのリーダーシップは他の企業に対し、『自然への投資は企業ができる意思決定の中で最も賢明な決定の1つだ』という明確なメッセージを発信している」述べ、同社の取り組みを褒め称えた。 【参考サイト】General Mills Water Policy 【参考サイト】The CEO Water Mandate 【企業サイト】General Mills 【団体サイト】The Nature Conservancy

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【国際】環境保全に向けたインパクト投資の市場規模、約230億ドルまで急成長

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環境保全を対象としたインパクト投資に関する初めての調査により、2009年からの5年間で同分野の市場規模は約230億ドルに急成長していることが分かった。また、そのうち約20億ドルは民間投資が占めており、現在は年間平均26%ずつ成長中で、2018年までに56億ドルを超えると予想されているとのことだ。 同調査結果は、米国金融大手のJPMorgan Chase & Co.が投資ファンドのEKO Asset Management Partners、環境保護団体のThe Nature Conservancyらと共同で実施した研究調査報告書“Investing in Conservation: A landscape assessment of an emerging market“に基づくものだ。 同報告書は、環境保全に関する民間投資額は2014年からの5年間で3倍以上に増加すると予想する一方で、未だ大部分の民間資本は同分野に投資されておらず、リスク調整済の投資機会をより大幅に増やす必要性がある点を指摘している。なお、この5年間で投資された約230億ドルの主な投資対象分野は下記3つに集約されるとのことだ。 水量の水質の保全:流域保全、水資源保護、暴風雨対策への投資、流域保護に関する信用取引などを含む 持続可能な食糧および繊維の生産:持続可能な農業、林業、養殖業、漁業への投資を含む 住環境保護:沿岸部の浸食を防ぐための海岸線保護、森林保護、用地権、ミティゲーション・バンキングなどを含む また、同調査により明らかになったその他の重要事項は下記の通りだ。 民間投資は今後5年間で15億ドルを準備しており、追加で41億ドルを投資する予定 既に民間から約20億ドルの投資が実施されているが、その80%は10の投資家で占められている 環境保全を目的とするインパクト投資の市場規模は今後5年間で371億ドル拡大する見込み 上記の3つの投資分野のうち、民間投資家は持続可能な食糧・繊維の生産に12億ドル投資している一方で、開発系金融機関は大部分を水質・水量保全に投資している(150億ドル) 調査回答者は、投資可能なプロジェクトと投資機会の不足に言及しており、リスクに対する利益率が妥当な案件の増加、より熟練した運用チームの必要性を指摘している インパクト投資は、グローバルにおける環境保全に向けた資金不足を補う1つの有効な方法だ。Global Canopy Programmeの報告書によると、世界の環境保全計画には年間で約3,000億ドルの投資が必要だが、現状では、主な資金源は政府や行政機関、慈善活動となっており、その総額は約500億ドルにすぎないという。 環境保全のためのインパクト投資機会の不足に対処するために、今後、JPMorgan Chase & Co.らは更に民間資本の呼び込みを加速できる投資商品の組成に向けて協働していく予定だ。例えばThe Nature Conservancyは今年、JPMorgan Chase & Co.の協力を得て環境保全に向けたインパクト投資の専門部門Nature Vestを設立しており、今後3年間で約10億ドルを投資する予定となっている。 環境保全に関する投資は主に開発系の金融機関らが主導しているが、徐々に流れは変わり始めてきている。リスクに見合うリターンを期待できる魅力的な投資商品を用意し、より多くの民間投資を同分野に呼び込むことができれば、環境分野におけるインパクト投資は更に加速し、好循環が生まれる。今後の市場の伸びに更に期待したいところだ。 【レポートダウンロード】Investing in Conservation: A landscape assessment of an emerging market 【企業サイト】JPMorgan Chase & Co. 【企業サイト】EKO Asset Management Partners 【団体サイト】The Nature Conservancy

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