【国際】IWBI、「WELL第2版crosswalks」発行。グリーンビルディング認証との整合性マップ

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 健康ビルディング認証団体米IWBIは2月8日、同団体が運営するWELL認証と他のグリーンビルディング認証との整合性をまとめた「Crosswalks」を改定し、「WELL v2 crosswalks」を発行した。IWBIは、WELL認証をグリーンビルディング認証と相互補完関係にあると位置づけている。  今回のWELL v2 crosswalksで関連性が整理されたグリーンビルディング認証は、 BREEAM(UK New Construction 2018 and 2014; International New Construction 2016; and Netherlands New Construction 2014 v1 and 2014 v2) Green Star(Interiors v1.2, Design and As Built v1.2, Performance v1.2) LEED v4(BD+C: New Construction, ID+C: Commercial Interiors, O+M: Existing Buildings) RESET Air(Commercial Interior v2.0, Core & Shell v2.0)  今回のCrosswalksでは、各グリーンビルディング認証が、WELL認証取得基準を「完全に満たす」または「部分的に満たす」ものについては印が付けられており、先にグリーンビルディング認証を取得している物件が、WELL認証を取得する負担を減らせる箇所を明確にしている。また「完全に満たす」ものについては、各グリーンビルディング認証の報告書をWELL認証取得の際にどのように提出すればよいのかのガイダンスも付けられている。 【参照ページ】Announcing WELL v2 crosswalks: The blueprint for applying WELL alongside other global standards

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【北米】スターバックス、1万店舗を環境配慮型店舗に転換。CO2、水消費、廃棄物、原材料到達、健康等

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 コーヒーチェーン世界大手米スターバックスは9月13日、2025年までに北米1万店舗を環境配慮型店舗に転換する計画「Starbucks Greener Stores」を発表した。Starbucks Greener Storesの適格性のある同社独自の要件を設定し、来年には要件基準達成の監査認証も策定する。同社は、他社も「Starbucks Greener Stores」が拡大することを期待している。  今回スターバックスが設定した要件は、 以前の店舗設計基準より水消費量を30%削減、エネルギー消費量を25%削減 風力発電または太陽光発電を拡大し、店舗消費電力100%再生可能エネルギー化 照明、騒音、空気の質、室温等従業員と顧客の健康・ウェルビーイングに配慮 店舗利用原材料を100%持続可能で責任ある調達を実施 廃棄物削減 サステナビリティに関する組織風土情勢と従業員へのアクション促進  スターバックスは、店舗やオフィスでグリーンビルディング認証「LEED」をいち早く取り入れてきたことでも知られる。2001年には小売店舗向けのLEED認証「LEED for Retail」の開発に参画。2005年には同認証を世界で初めて取得した店舗を開設した。現在、同認証取得店舗は世界20カ国で1,500店舗に及び、小売企業として世界最大。 【参照ページ】Starbucks Announces Global Greener Stores Commitment

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【アメリカ】トヨタ・モーター・ノース・アメリカ、テキサス州の新社屋がLEEDプラチナ取得

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 トヨタ自動車の北米全体の渉外・広報・調査活動統括会社、トヨタ・モーター・ノース・アメリカ(TMA)は9月22日、テキサス州ダラス北部のプレイノに建設された新本社社屋が米国グリーンビルディング協会(USGBC)の建築物環境性能評価制度「LEED」から、最高位の「プラチナ」認証を取得したことを発表した。  トヨタ自動車は2014年4月、北米の製造、販売、金融等の本社機能をテキサス州ダラス北部のプレイノに移転・一元化すると発表。同社の北米統括会社3社であるトヨタ・モーター・ノース・アメリカ(TMA)、生産統括会社のトヨタ・モーター・エンジニアリング・アンド・マニファクチャリング・ノース・アメリカ(TEMA)、販売統括会社の米国トヨタ自動車販売(TMS)と、金融部門のトヨタ・モーター・クレジット(TMCC)で勤務する従業員約3,300人を集約する巨大キャンパスの建設に踏み切った。新社屋は2017年7月7日に完成式典を開催した。  LEEDとは、世界で最も広く使用されている任意の第三者評価・認証システムで、エネルギー効率や環境面、人々の健康、安全な材料の選択などに配慮した建造物やエリア開発に認証が与えられる。評価・認証にあたっては企画・設計から施工、運営・メンテナンスにいたるまでの幅広い項目が評価され、評価の総合点によってプラチナ、ゴールド、シルバー、認定という4段階の認証を受けることができる。今回の認証取得により、同社屋はテキサス州最大のプラチナ認証取得商用不動産となった。  同社屋では、テキサス州の電力会社以外で最大となる太陽光発電パネルが屋上に設置されており、規模は8.79MW。設計・建設では米再生可能エネルギー大手サンパワーが担った。これにより、新社屋の日常業務に必要となる電力の33%を賄うことができ、二酸化炭素排出量も年間で7,198t削減できる。また雨水を再利用するための雨水回収システムも導入。151万リットルの雨水を貯水でき、最大3ヶ月の灌漑用給水が可能となっている。これにより年間約4,200万リットルの飲料水が節約できる。また余剰な排水はトイレ等で使用される水循環も確立されている。  さらに、新社屋の建造で生じた廃棄物は、テキサス州北部の廃棄物処理センターで分別され、99%以上がリサイクルされた。また、敷地内には約1,300本の植林がなされ、元々生えていた大木80本以上も保存、移植された。北東部に位置していた湿地帯もそのまま保存されている。自然の生態系を維持する試みがなされたことで干魃影響も受けにくくなっており、ハチなど送粉者の棲息地も確保するなど生物多様性にも配慮がなされた。今後も化学肥料や人工灌漑設備、過渡な草刈りなどは行わず、自然景観に配慮した敷地管理も行っていく。  同社のプラチナ認証取得は、トヨタ自動車が2015年に発表した「2050年トヨタ環境チャレンジ」の一環。同チャレンジでは、2050年までに環境負荷をネット・ゼロにすることを掲げている。 【参照ページ】Toyota Takes the LEED in Texas

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【フランス】ナティクシス、世界初のグリーンボンド型CMBSを7,200万米ドル発行

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 仏銀行大手BPCEグループの金融子会社ナティクシスは7月6日、世界初となるグリーンボンド型CMBS(商業用不動産ローン担保証券)を発行した。  今回発行のCMBSは、ゴールドマン・サックスが1983年に本社として建設したニューヨーク・マンハッタンにある高層ビル「85 Broad Street」が対象不動産となる。ゴールドマン・サックスは2010年に同ビルを去り、最近まではBeacon Capital Partnersとメットライフ・リアル・エステート・インベスターズの合弁会社が所有権を保持しリノベーションを進めていた。同ビルは2017年1月、米環境NGO米国グリーンビルディング協会(USGBC)のLEED認証において「LEED for Building Operations and Maintenance」で最高位「プラチナ」を獲得した。  今年4月、カナダ・ケベック州公的年金基金運用会社「ケベック州貯蓄投資公庫」の不動産投資子会社Ivanhoé Cambridgeが、同社パートナーCallahan Capital Propertiesと協働で、同ビルを6億5,800万米ドル(約730億円)で買収すると発表。ナティクシスがIvanhoé Cambridgeに対し3億5,860万米ドル(約400億円)の10年固定金利商業用不動産ローンを提供することが決まっていた。  今回発行のグリーンボンド型CMBSは、この商業用不動産10年ローンを担保資産とするCMBSのトランシェの一つとして発行される。発行額は7,200万米ドル(約80億円)。CMBSのグリーンボンド性は、独ESG評価大手oekom researchが、国際資本市場協会(ICMA)のグリーンボンド原則(GBP)がセカンドオピニオンを提供し保証した。  ナティクシスによると、このグリーンボンド型CMBSは米国内外の機関投資家から高い関心を呼び、募集額以上の申込が寄せられた。 【参照ページ】Natixis Collaborates with Ivanhoé Cambridge and Callahan Capital Properties to Issue First “Green Bond” CMBS with a Rake Tranche Backed by 85 Broad Street in Downtown Manhattan, New York

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【アメリカ】米国グリーンビルディング協会、災害復旧復興基準策定を目指すSDRCに創設メンバーとして参加

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 米国グリーンビル協会(USGBC)は2月18日、2016年に設立された米「持続可能な災害対応協会(SDRC)」の創立メンバーとして参加すると発表した。USGBCは、世界的に普及しているグリーンビルディング認証である「LEED」を創設、管理している協会で、グリーンビルディング業界で大きな存在感がある。一方、SDRCは、災害時の復旧・復興活動においてサステナビリティの観点を重視することを目的とした協会で、物件所有者や復旧・復興サービスプライバイダーを対象とした認証を制定することを計画している。  米国では近年、ハリケーン、洪水、雹、竜巻、山火事、地震などの自然災害が頻発している。2016年に発生した13件の大規模自然災害だけでも10億米ドルもの損害を生み、家屋や商業施設の損害や損害保険金支払が大きな社会的負担となっている。ハリケーンでの損害リスクのある物件は680棟もあり、弱いハリケーン発生時でも80万棟が損害リスクがあり復興に要する額は1,910億米ドル(約22兆円)の見通し。米国では連邦政府が運営する全米洪水保険制度があるが、1978年の創設以来の保険金支払総額は520億米ドル(約6兆円)に上る。  SDRCは、このような社会的負担を削減するために、災害復旧・復興において、災害に強く安全で環境に配慮した物件を建築していくことを推進している。SDRCの創設メンバーには、災害復旧復興サービスプロバイダー、大規模物件所有者や管理会社、建築・土木会社、保険会社、NGOや学者など専門家が加わっている。最初の活動としては、物件やインフラの再建や復旧をより持続可能な手法で実施するためのロードマップを作成する予定。ロードマップには、解体廃棄物、土地利用、エネルギー、水、材料などの扱い方が含まれる予定だ。その後、LEEDなど既存のプログラムと連携できる復旧復興基準を策定していく。 【参照ページ】U.S. Green Building Council Joins Sustainable Disaster Response Council 【機関サイト】SDRC

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【日本】YKK本社ビル、米国学会から環境性能で優秀賞受賞。日本国内の建築物件として初

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 YKKとYKK APの本社ビルであるYKK80ビルを管理運営するYKK不動産は2月8日、同ビルが米国暖房冷凍空調学会(ASHRAE)から新築商用ビル部門「テクノロジー賞」を受賞したことを明らかにした。同賞の受賞は日本国内の建築物件として初。YKK80ビルは、東京・秋葉原駅の近くにあり、2015年6月に竣工。YKKとYKK APが2015年8月に本社を同ビルに移転した。  米国暖房冷凍空調学会は、南北アメリカを中心に欧州、アジアに支部を持つ空気調和・冷暖房に関する世界最大の国際学会。居住性、室内空調とエネルギー効率の分野で優れた性能を持つ環境配慮型の建築物を表彰する「ASHRAEテクノロジー賞」を毎年実施している。アワードでの性能評価では、1年間の実測データが使用され、2015年からはASHRAE日本支部を通じて、日本国内の建築物件からの応募も受け付けている。「ASHRAEテクノロジー賞」は、米国内および世界を「Region Ⅰ」から「Region XIII」とその他の計14地区に分け地区予選が実施される。日本は「Region XIII(アジア)」に属し、YKK80ビルは「Region XIII」地区代表として、世界レベル表彰にエントリーしていた。  YKK80ビルは、一般的なオフィスに比べエネルギー消費量を60%削減するため、「明るさ人感センサー制御LED照明+タスク&アンビエント照明方式」「中央熱源方式」「外気冷房+外装シャフトのミスト設備」「高性能コンセント設備」などの先進的な環境技術を導入。さらに「放射パネル+デシカント空調+微気流」など快適な執務空間のための技術も導入している。  環境性能およびエネルギー効率に関する国際的な建築評価では、米国グリーンビルディング協会(USGBC)が開発・運用する任意の第三者評価・認証システムのLEED(Leadership in Energy & Environmental Design)が、社団法人グリーンビルディングジャパンを通じて2013年から日本国内での普及を目指している。LEED認証取得は世界的に拡大しており、日本国内では2016年現在で85件がLEED認証を取得済みだ。今回の受賞に先立ち、YKK80ビルも2016年に「LEED-CS(Core and Shell:新築テナントビル部門)」において、オフィスビルでは日本初となる最高位「プラチナ認証」を取得。同8月には日本のBELS評価においても最高ランクの5つ星を取得していた。 【参照ページ】2017年2月8日 YKK80ビル ASHRAE Technology Awardsで日本初の世界レベル最優秀賞を受賞 【機関サイト】ASHRAE

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【中国】グリーンビルディング市場が急速に拡大。北京、上海は米国の主要都市を凌駕

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 大気汚染や気候変動などの環境問題がますます切迫した社会課題となりつつある中国では、政府の支援策や民間需要の高まりを受けて、環境に配慮した建造物「グリーンビルディング」の普及が急速に進んでいる。  現在、中国ではグリーンビルディングの評価・認証システムとして、中国政府によるGreen Building Evaluation Standard(GBES)認証と米国グリーンビルディング評議会(USGBC)が運営するLEED認証の二つが存在している。中国では2015年4月時点で合計3億2千万平米ものスペースがこれらのシステムの認証を受けており、GBES認証が開始した2008年と比較すると、その総面積は154倍にも拡大している。  米不動産大手のCBREグループが先日公表したホワイトペーパー、"New Era of China’s Green Buildings"によると、北京と上海のグリーンビルディング認証面積はそれぞれ約2000万平米へと拡大しており、中国の二大グリーンビルディング推進都市となっている。また、両都市は世界のグリーンビルディング推進都市ランキングの中においても米シカゴやニューヨーク、ワシントンなど他の主要都市を上回っており、他にも深圳や武漢などの都市も世界上位10位にランクインしている。  また、同報告書によると、特にグリーンビルディングが初期に広まった北京や上海、深圳などの都市では、既にグリーンビルディングによる経済的利益が上がっているという。グリーンビルディングは賃貸料や利用率の面で優位性が示されており、それらの都市においてLEED認証のA判定を受けたオフィスビルの賃貸料は、そうでないオフィスビルと比較して1.5%~25.7%のプレミアがついているとのことだ。また、LEED認証を受けたプロジェクトは市場が低迷している際でもより回復が早いことが証明されていると指摘している。  さらに、同報告書はグリーンビルディング認証により発生するコストは一般的に認識されているほど高くない点にも触れている。例えば、GBES認証のプロジェクトはそうでないプロジェクトと比較してコストは0.8~6.1%のアップに留まっているとのことだ。  このような状況を受け、CRBEは今後のグリーンテクノロジーの更なる発展や高まる需要、政府の支援策などを考慮すると、中国におけるグリーンビルディングは真に投資効率が高く、将来性の大きい市場だとしている。  一方で、グリーンビルディングの普及状況を一人あたり面積という指標で見てみると、中国は未だ米国にはるか及ばない状況だ。CBREによると、中国の都市では一人当たり1.31平米のグリーンスペースを持つ深圳が一番となっているものの、世界全体では深圳も20位に留まっているという。こうした状況も考えると、中国のグリーンビルディング市場にはまだまだ伸びる余地があることがよく分かる。  米国に次ぎ世界第二位の経済大国となった中国は、かつての工業大国から環境大国へとそのイメージを変えつつある。 【参照リリース】China’s Green Building Development Goes on Fast Tracks; Beijing and Shanghai Surpass Major Cities in Green Space Rollout 【企業サイト】CBRE Group

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【国際】世界で広がるグリーンビルディングのLEED認証、環境負荷削減に高い効果

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 環境に配慮した建物の評価・認証システム、LEED(Leadership in Energy & Environmental Design)の開発・運営を行っている米国の非営利組織、USGBC(U.S. Green Building Council)は2月23日、世界のグリーンビルディングの現状に関する調査結果を公表した。  調査結果によると、米国では2015年中に建設が予定されている非住居用の建築物のうち約40~48%が環境に配慮したグリーンビルディングで、その規模は1,200億米ドルから1,450億米ドルに相当すると予測されている。また、戸建建築を手がける企業の62%が、現在建設中の建物の15%以上がグリーンビルディングであると報告しており、その割合は2018年までに84%に増加すると見込まれているとのことだ。  非住宅用建築物については、2005年に着工した建築物のうちグリーンビルディングが占める割合は5%だったのに対し、2012年には41%まで上昇し、2015年1月現在、床面積3.4億㎡に相当する建物がLEED認証を受けているとのことだ。現在米国内の建築プロジェクトの71%はLEED規格に沿って行われており、総額は5000万米ドルを超える。2014年にLEED認証を受けた不動産の総床面積は約6,280万㎡で、2013年比で13.2%増加しており、1年間で認証を受けた床面積は過去最高となった。  さらに、グリーンビルディングの取り組みは世界へと広まっている。LEEDは現在世界で最も認知度の高いグリーンビルディング認証システムとなっており、2015年1月現在、世界150以上の国や地域において69,000件以上のLEED認証建設プロジェクトが存在しており、既にLEED認証取得を目指しているプロジェクトの総床面積のうち41%が米国外となっている。米国外でLEED登録・認証の多い国トップ10は下記の通りだ。北米を除くとアジア勢が上位を占めている。 1位:カナダ 2位:中国 3位:インド 4位:韓国 5位:台湾 6位:ドイツ 7位:ブラジル 8位:シンガポール 9位:アラブ首長国連邦 10位:フィンランド  USGBCはLEED認証がもたらす環境へのインパクトについても報告している。エネルギーの節約については、LEEDゴールド認証を取得した建物は一般的な使用環境において25%の省エネ、水使用量が11%低減、メンテナンスコストが19%低減、入居者の満足度が27%向上、温室効果ガス排出量が34%低減という効果が見られたという。実際に2011年にLEED認証を取得した建物は米国内のCO2総排出量を0.35%低減し、2030年には低減率が4.92%まで上ると予測されているとのことだ。  また、LEEDは建材の削減にも効果的だ。現在、世界で使用されている原材料の40%が建物に使用されており、その総量は年間30億トンにも上る。米国環境保護庁(以下、EPA)の調査によれば、2003年の建築物の建設および解体作業から生まれた瓦礫は1.7億トンに上ると推定されており、そのうち61%が非住居用で39%が住居用建築物だという。LEED認証を目指すプロジェクトは8,000トンの廃棄物を減らすことにつながり、2030年には廃棄物の削減量が5.4億トンにまで増加すると予測されている。  そして、グリーンビルディングの取り組みの裾野は新築だけではなく既存の建築物の改築、改修市場にも広がっている。現在、米国内の建設プロジェクトの約61%は改築プロジェクトとなっており、既存の建物のグリーン化に対する投資は2015年から2023年までの間に9,600億ドルに上る見込みで、世界経済の状況や公共政策によっては更に上昇する見込みだ。改築、改修により建物のグリーン化を完成させた企業には、1年間で9%、5年間で13%の運営コスト削減、建物の所有者が期待する資産評価額が4%上昇という成果が見られるという。また、投資額の回収にかかる年数は7年とのことだ。  USGBCは、下記3つの産業分野においては特にグリーンビルディングの浸透率が高いとしている。 教育 ヘルスケア 商業/オフィス  また、グリーンビルディング市場の拡大を促進する要素として、下記7つを挙げている。 市場からの強い需要 事業者および納税者の大きな節約になる グリーンビルディングから得られる公衆衛生 大型商業施設または企業ビルのグリーンプロジェクトの安定的な増加 連邦政府、州、地方自治体からの義務化や政策 資産価値の上昇 LEED認証済み賃貸物件の低い空き部屋率  今や環境に配慮した建築は当然のこととなりつつある。環境に配慮した建築物は運営コストや不動産の資産価値の観点からも優位性があり、今後も世界中でますます普及が見込まれる。日本はまだLEED認証取得件数では他国に遅れをとっている状況だったが、2013年に一般社団法人グリーンビルディングジャパンが設立され、LEED認証の申請、取得件数は急激に増えつつある。今後の更なる普及に期待したい。 【報告ページ】Green Building Facts 【参考サイト】LEED 【団体サイト】USGBC 【団体サイト】Green Building Japan

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B Corporation(Bコーポレーション)

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Bコーポレーションとは?  Bコーポレーションは、米国ペンシルバニア州に本拠を置く非営利団体のB Labが運営している認証制度で、環境、社会に配慮した事業活動を行っており、アカウンタビリティや透明性などB Labの掲げる基準を満たした企業に対して与えられる民間認証です。「B」は「Benefit(ベネフィット:利益)」を意味しており、環境やコミュニティ、従業員といったステークホルダーに対する利益を指しています。  例えばコーヒーに対してはフェアトレード認証、環境に配慮した建造物に対してはLEED認証といった認証制度がありますが、Bコーポレーション認証はそれらの企業向けとなります。B Labの厳しい基準を満たし、認証を受けた企業は晴れてCertified B Corporation(認定Bコーポレーション)として活動することができるようになります。 Bコーポレーションの目的  Bコーポレーションの目的は、”Redefine success in business.(ビジネスにおける成功を再定義すること)”です。世界全体が多くの社会問題を抱えており、政府やNPOだけでは問題に対峙しきれなくなっている昨今において、社会の企業に対する期待は徐々に変わりつつあります。従来のように株主利益の最大化だけを唯一の目的とするのではなく、企業は事業活動を通じて環境やコミュニティ、従業員といった他のステークホルダーに対する利益を生み出していくことが期待されています。  Bコーポレーションは、この企業の社会問題解決能力を信じ、株主だけではなくその他のステークホルダーに対しても等しく利益を生み出すことを企業の成功と定義することで、企業の社会的役割を変革していこう試みなのです。  Bコーポレーションの認証団体であるB Labは、将来全ての企業が”Compete in the world”(世界の中で競争する)だけではなく、”Compete for the world”(世界のために競争する)ようになるというビジョンを持っています。Bコーポレーションの認定は、このビジョンに共感し、事業を通じて社会に貢献したい企業を応援するための仕組みだと言えます。 Bコーポレーションとベネフィット・コーポレーションの違い  Bコーポレーションとよく混同されがちなのが、Benefit Corporation(ベネフィット・コーポレーション)というものです。両者はともにB Corpなどと省略されることがあるためかなり紛らわしいのですが、Bコーポレーションは非営利団体のB Labによって認証された企業であり、正確にはCertified B Corporation(認定Bコーポレーション)のことを指すのに対して、ベネフィット・コーポレーションは米国内の一部の州で法的に認められている法人形態の一種であり、ベネフィット・コーポレーションになるにあたってはB Labからの認証を受ける必要はありません。両者の違いについては下記の通りとなります。 主な共通点 アカウンタビリティ:両者ともに、経営陣は事業上の意思決定をする際に、株主だけではなく従業員やコミュニティ、環境といったステークホルダーに対する影響を考慮することが求められる。 透明性:両者ともに、第三者に対して自社の社会・環境に対するパフォーマンスを公開することが求められる。 B Labとの関わり:ベネフィット・コーポレーションはB Labの各州政府に対する法政府への働きかけを通じて認可が進んでいる法人形態で、BコーポレーションはB Labが認証した法人形態という意味で、いずれもB Labとの関わりがある。 主な違い パフォーマンス:両者ともに社会・環境へのパフォーマンスを報告する必要があるが、BコーポレーションはB LabのBインパクト・アセスメントで200スコア中80以上を獲得する必要があるが、ベネフィット・コーポレーションは報告にあたりそのような第三者からの認証、監査などを受ける必要はない B Labからの支援:認定Bコーポレーションはマーケティング支援や資金調達、B Labコミュニティへの参加などB Labのサポートサービスを受けられる。 認可について:ベネフィット・コーポレーションは米国の一部の州でのみ認められている法的な法人形態であるのに対して、Bコーポレーションは州に関係なく世界中で認証を受けることができる。  Bコーポレーションの場合は法的に認められた法人形態ではなくあくまでフェアトレードやLEEDのような民間認証であり、認証されるためのハードルは高いもののムーブメント自体は世界中で広がりやすい形になっています。2015年2月1日時点で認定Bコーポレーションの企業数は38ヶ国、121の業界を含む1,203企業となっており、今後もさらに加速することが見込まれています。  一方でベネフィット・コーポレーションはB Labの掲げる基準をクリアする必要はありませんが、法的に認められた法人形態として事業を展開することが可能です。株主利益の最大化が経営者の義務として定められている通常の株式会社とは異なり、ベネフィット・コーポレーションは株主だけではなく従業員やコミュニティ、環境といった他のステークホルダーに対する利益も法的な後ろ盾の基で等しく追求することができます。そのため、経済的利益だけではなく社会的利益も追求したいという企業にとっては大きなメリットがあると言えます。  ベネフィット・コーポレーションは2010年4月にメリーランド州で最初に法制化されて以降、2014年10月時点で米国28の州政府で法制化されていますが、B Labは現在他の州に対しても積極的な働きかけを続けており、米国では法制化の流れに乗る州が今後も更に増えていく見込みとなっています。  このように、両者には認証制度や法的な側面における違いはあるものの、企業の社会的な役割に対する根本的な考え方はもちろん共通しており、どちらが良い、悪いではなくいずれの形態もB Labが目指す世界観を実現する上でとても重要な役割を持っていると言えます。 Bコーポレーション認定を受けるには?  Bコーポレーション認定を受けるためには、オンラインアセスメントによる認証基準、法的要件の2つを満たす必要があります。 オンラインアセスメント  まずは、B Labが提供するB Impact Assessment(Bインパクト・アセスメント)で200スコア中80以上を獲得する必要があります。このアセスメントは企業の環境・社会面のパフォーマンスを測定するもので、こちらのサイトから無料で受けることができます。  アセスメント内容は企業の規模や業種、地域などにより異なり、完了するまでに1時間~数時間を要します。まずはこのアセスメントを実施し、80スコアを獲得してB Labのレビューを受けることが認証に向けた最初のステップとなります。 法的な要件  アセスメントに加えて、認定Bコーポレーションになるためには企業の定款文書をBコーポレーションの理念に沿った形に変更する必要があります。具体的な変更要件の詳細については企業の法人形態や州によって異なりますが、定款文書の中にステークホルダーの利益を配慮すること、ステークホルダーを従業員、コミュニティ、環境、サプライヤー、顧客、株主と定義すること、全てのステークホルダーを等しく扱うこと、などを明記する必要があります。また、既にベネフィット・コーポレーションという法人形態をとっている場合は、認定Bコーポレーションになるための法的な要件は満たされています。 認証の取得後・更新について  B Labの認証基準をクリアし、晴れて認定Bコーポレーションとなった後も、企業はBコーポレーションの理念に基づき不断の努力が求められます。認定後は収益に応じた年会費(会費の詳細はこちら)をB Labに納める必要があるほか、年に2度、Bインパクト・レポートを提出し、自社の環境・社会パフォーマンスを一般に公開する必要があります。  また、認証を維持するためには、2年に1度Bインパクト・アセスメントを受け、初回と同様に最低でも200スコア中80以上を獲得する必要があります。また、アセスメント内容は社会動向や世界のサステナビリティ基準の更新などに伴に2年に1度更新されるため、定期的にアセスメントの実施することで自社の改善状況の把握はもちろん、常に最新の社会動向や基準に沿った事業展開ができているかどうかを確認することができるようになります。 Bコーポレーションの国際的な広がり  Bコーポレーションのムーブメントは国際的な広がりを見せており、2015年2月現在で世界38の国々で認定Bコーポレーションが生まれています。日本では現状Bコーポレーションはありませんが、アジアでも韓国を中心に中国、香港、台湾、ベトナムでも最初のBコーポレーション認定企業が生まれるなど、徐々に広がりを見せています。米国以外ではカナダが最も多いほか、地域としては中南米の企業が非常に積極的にBコーポレーション認定を受けています。具体的な国名、企業数は下記の通りです。(2015年2月1日時点、()内は企業数。) 北米:米国(773)、カナダ(120) 中南米:アルゼンチン(27)、ウルグアイ(1)、グアテマラ(2)、コロンビア(16)、チリ(57)、ブラジル(24)、ブエルトリコ(1)、ペルー(3)、ベネズエラ(1)、メキシコ(9) ヨーロッパ:英国(6)、イタリア(6)、オランダ(15)、スイス(2)、スウェーデン(1)、スペイン(3)、ドイツ(2)、トルコ(2)、フランス(2)、ブルガリア(1)、ベルギー(1)、ポルトガル(1) アジア・オセアニア:インド(3)、オーストラリア(49)、韓国(7)、台湾(1)、中国(1)、ニュージーランド(2)、ベトナム(1)、香港(1)、モンゴル(1) 中東:アフガニスタン(1)、イスラエル(1)、レバノン(1) アフリカ:ガーナ(1)、ケニア(5)、タンザニア(2)、南アフリカ(1) 代表的なBコーポレーション  Bコーポレーション認定を受けていることで有名な企業としては、アウトドア・アパレル大手のPatagonia(パタゴニア)、アイスクリームのBen & Jerry’s(ベン&ジェリーズ、ハンドメイド商品の通販を手がけるEsty(エスティ)などが挙げられます。また、サステナビリティ分野の先進企業として知られるブラジルの化粧品メーカーのNatura Cosméticos(ナチュラ・コスメティクス)や、日本でも有名な署名サービスのChange.orgなども認定Bコーポレーションです。Bコーポレーションは大手企業ではなく中堅・中小企業やスタートアップ企業が取得している例が多いのが特徴的です。 参考サイト・URL B Corporation B Impact Assessment Wikipedia “B Corporation”

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2015/02/09 辞書

【日本】2020東京オリンピック・パラリンピックに向けて動き出した日本のグリーンビルディング

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今回ご紹介する動画は、先月6月23日に東京で開催された「GBJシンポジウム2014」の様子。主催は日本でLEED(Leadership in Energy & Environmental Design)の普及を推進している一般社団法人グリーンビルディングジャパン(以下、GBJ)だ。 LEEDとは、米国の非営利団体USGBC(U.S. Green Building Council:米国グリーンビルディング協会)が開発・運用している任意の第三者評価・認証システムで、エネルギー効率や環境面、人々の健康、安全な材料の選択などに配慮した建造物やエリア開発に認証が与えられる。評価・認証にあたっては企画・設計から施工、運営・メンテナンスにいたるまでの幅広い項目が評価され、評価の総合点によってプラチナ、ゴールド、シルバー、認定という4段階の認証を受けることができる。 GBJはUSGBCと連携して日本でLEED普及に取り組む唯一の団体として2013年2月に設立され、従来からの日本の強みでもある環境建築技術をLEEDというプラットフォームを活かして世界に発信していくための取り組みを進めている。 LEED認証の取得は建造物の環境性能・エネルギー効率の高さを示す客観的な指標として資産価値の向上にもつながるため、現在世界全体で急速に普及が進んでおり、2013年5月時点でLEED申請中・認証済み建造物は52,000件を超えている。 アジアでは中国で急速に普及が進んでいるほか、東南アジア諸国でも徐々に認証件数が増えつつある。日本は2013年5月時点でLEED認証を受けた建造物は33件であったが、2014年7月時点では52件まで認証実績が増えた他に74プロジェクトが現在認証を目指しての取り組みを進めており、今後の本格的な市場の拡大が期待されている。 また、USGBCによれば2015年までにビルマーケット全体の40?48%がグリーンビルディングとして建設されると予測され、その全体の価値は1200?1450億ドルになると推定されている。気候変動が世界共通のグローバルイシューとして認識される中、グリーンビルディング市場は今後も非常に高い成長性が見込まれている。 こうした世界的なグリーンビルディング推進の流れを受けて開催されたのが今回のシンポジウムだ。今回のテーマは「オリンピック・パラリンピックにおけるグリーンビルディング」。 当日は、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて日本は今後どのようにグリーンビルディングの取り組みを推進し、この分野でリーダーシップを発信していくべきかについて、USGBCで国際担当ディレクターを務めるJennivine Kwan氏、COOを務めるMahesh Ramanujam氏らをゲストに迎えて話し合われた。 オリンピックというと競技や選手ばかりに目が行きがちだが、2008年の北京オリンピック・パラリンピック以降、特に大会のテーマとして重要性が増してきているのが「サステナビリティ」だ。特に2012年に開催されたロンドンオリンピック・パラリンピックは、大会の準備段階から大会開催期間中、そして開催後にいたるまで全ての過程においてサステナビリティの概念が中心に据えられた大会として有名で、史上最も環境に優しい大会だと言われている。 2020東京オリンピック・パラリンピックにおいても、引き続きサステナビリティが大会の中心テーマとなることは間違いない。その意味で、今回のオリンピック・パラリンピック開催は2020年に向けて日本におけるグリーンビルディングを推進し、更に大会を通じてその取り組みや成果を世界にアピールする絶好の機会だと言える。 また、オリンピックに限らずとも建築の分野からサステナビリティ向上に取り組むグリーンビルディングの概念は今後、業界を問わず主たるトレンドとなっていくはずだ。既に世界では多くの企業や団体がこの分野にビジネスチャンスを見出し、不動産業界、建設業界、エネルギー業界、素材メーカー、建築資材メーカー、環境配慮型商品・サービス開発企業、環境コンサルティング会社など幅広い業界、業種のプレイヤーが一緒になって大きなうねりを作りだしている。 日本におけるLEEDの普及はまだ始まったばかりだが、環境建築は日本が強みを持つ分野の一つでもある。LEEDというグローバルの共通言語を上手に活用しながら日本のグリーンビルディングにおける国際的なプレゼンスを高めていくことができれば、産業界にとっても非常に大きなインパクトが生まれるはずだ。 ぜひ今後のGBJの活動に期待したい。 【団体サイト】Geen Building Japan 【参考サイト】U.S. Green Building Council

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2014/07/31 最新ニュース
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