【国際】H&MとILO、途上国サプライヤーの労働慣行改善で連携深化。ベトナム、インドネシア等

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 アパレル世界大手スウェーデンH&Mは1月24日、サプライチェーンの労働慣行改善で国際労働機関(ILO)と新たなパートナーシップを締結した。H&Mは2001年からILOと提携しているが、今回プロジェクト対象地域を拡大する。  H&MがすでにILOとの連携を実施してきた地域は、カンボジアとバングラデシュで、H&Mのサプライヤーの賃金、労働の質、生産性、労働者のスキルマネジメント等に取り組んできた。今回の取組拡大では、H&Mは、ILOと国際金融公社(IFC)が展開する「Better Work Programme」と協働し、カンボジア、バングラデシュだけでなく、ハイチ、インドネシア、ヨルダン、ニカラグア、ベトナムも対象地域に加える。「Better Work Programme」は、合計1,600工場、220万人の労働者をターゲットにしている。  H&MとILOは、労働慣行改善のためには、政府、労働組合、財界団体との協働が必要との認識でも一致。共同して働きかけも実施する。 【参照ページ】ILO and H&M Group expand partnership

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【国際】NGOのClean Clothes Campaign、H&Mの委託先工場で過酷労働の実態報告。改善要求

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 国際アパレル労働NGOの蘭Clean Clothes Campaignは9月26日、スウェーデン・アパレル大手H&Mの委託先生産工場で、生活賃金(living wage)に達していない労働慣行が発生していると非難する報告書を公表した。H&Mは2018年までに生活賃金達成を実現すると宣言しているが、現状は程遠い状況だという。  Clean Clothes Campaignは今回、米NGOのInternational Labor Rights Forum、独NGOのWeMove.EUの支援を受け、2018年3月から6月までH&M主要サプライヤーを中心に現地での労働者ヒアリングを実施。結果、インドとトルコの委託工場では生活賃金の3分の1、カンボジアでは2分の1、ブルガリアの「ゴールドサプライヤー」では生活賃金の10%にしか満たない賃金で労働者が働いていたことわかったとしている。  報告書によると、超過時間労働の慣行も見られた。ブルガリア、トルコ、カンボジア、インドの6工場のうち3工場で法定超過時間労働制限を超える労働や休日出勤が実施されていた。ブルガリアの労働者は生活賃金を得るためには超過労働はやむを得ないと語ったという。  過剰労働と家事重労働により、女性工員の健康状態悪化も懸念され、報告書は、インドでは3分の1の女性工員が、カンボジアでは聞き取り調査をした人のうち3分の2が職場で気絶した経験。ブルガリアでも職場気絶は日常茶飯事だという。  Clean Clothes Campaignは、H&Mに改善を求めるキャンペーン「Turn Around, H&M!」を展開しており、今回改めてH&Mに委託先工場での労働環境改善を訴えた。 【参照ページ】Workers reveal poverty wages and labour law violations in H&M's supply chain

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【香港】H&M財団と香港研究所HKRITA、コットンとポリエステルの混紡布地リサイクル施設オープン

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 アパレル世界大手スウェーデンH&MグループのH&M財団は9月3日、香港繊維アパレル研究開発センター(HKRITA)と共同で、初となる繊維リサイクル施設を香港に2ヶ所設立すると発表した。ジュネーブ国際発明賞金賞を受賞した熱水処理リサイクル技術を用いて、コットンとポリエステルを分離し、個々の繊維の品質を下げずにリサイクルできる。  これまで混紡布地の分離は難しかったが、2016年にH&M財団とHKRITAが4年間のパートナーシップを締結し、技術開発を開始。わずか1年で実現させ、ジュネーブ国際発明賞金賞を受賞した。開発には、日本の愛媛大学と信州大学も携わっており、島精機製作所の機械も導入されている。今回、混紡布地のリサイクルが実現できたことで、「サーキュラーエコノミー」を目指すアパレル業界にとって大きな飛躍となる。  今回のリサイクル施設のうち、一つは大手工場に導入され、実用運転される。もう一つは、香港紡績大手Novetexも参加し、小型コンテナ施設「Garment-To-Garment Recycling System」が、アパレル業界コラボレーション推進ビル「The Mills」にオープンした。消費者の体験施設として位置づけられており、不要な衣類を実際にリサイクルする体験ができる。  H&M財団は、4年間のプロジェクトでHKRITAに580万ユーロ(約7.5億円)の資金拠出を計画。財源は、H&Mが世界中で実施した古着回収サービスの余剰金で、H&M財団は余剰金の50%をリサイクル技術開発に、残り50%を社会貢献活動に拠出している。 【参照ページ】NEW FACILITIES FOR TEXTILE BLEND RECYCLING TAKES FASHION INDUSTRY ONE STEP CLOSER TO CIRCULARITY

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【国際】労働NGO、H&M、GAP、ウォルマートの3社のサプライヤー工場でのセクハラ暴力を公表

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 国際労働NGOのGlobal Labor Justice(GLJ)、Asia Floor Wage Alliance、カンボジア労働NGOのCENTRAL Cambodia等は5月25日、アパレル大手H&MとGAP、小売大手ウォルマートの3社について、契約先のアパレル生産工場での女性のセクハラ被害を主張する報告書を発表した。3社は6月26日までに、報告書が示した内容に遺憾の意を示し、調査や対策に乗り出すことを表明した。  Asia Floor Wage Alliance等は、H&MとGAPの生産委託先工場に対し、バングラデシュ・ダッカ、カンボジア・プノンペン、インドネシアの西ジャワと北ジャカルタ、インドのグルガオン、バンガロール、ティルプル、スリランカの4ヶ所で2018年1月から2018年5月まで調査を実施。工場内で、物理的暴力、言葉の暴力、強制、脅迫、報復、日常的な拘束等のセクハラや暴力が女性に対してなされていることを突き止めた。  ウォルマートについては、バングラデシュ・ダッカ、カンボジア・プノンペン、インドネシア・西ジャワの3地域で2018年1月5月までサプライヤー工場を調査。H&MやGAPの委託先工場と同様にセクハラや暴力が女性に対してなされていることがわかった。  同報告書は、女性に対する暴力行為は国際労働機関(ILO)条約に反すると表明。委託発注元のブランド企業にも責任があるとし、H&M、GAP、ウォルマートに対応を要求。3社はそれぞれ6月26日までに回答を発表し、調査内容を受け止め、対応に乗り出すことを表明した。 【参照ページ】Gender Based Violence in the Asian H&M and Gap Garment Supply Chains: Two Reports to the International Labor Organization 【参照ページ】Worker Voices from the Asian Walmart Garment Supply Chain: A Report on Gender Based Violence to the 2018 International Labour Organization 【参照ページ】H&M, Walmart & Gap Inc. face allegations of gender based violence in their Asian supply chains

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【アメリカ】H&M、ストリートアート不許可使用の合法性求めた提訴を取り下げ

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 アパレル世界大手スウェーデンH&Mが、ストリートアート作品には著作権が適用されず使用は自由だと主張し、グラフィティアーティストREVOKを相手取り3月9日にニューヨーク州の連邦裁判所に訴えた事案で、同社は3月16日訴訟を取り下げると発表した。発表文で「H&Mは媒体に関係なくアーティストの独創性と創造性を尊重する」と見解を述べた。  今回の事案の発端は、H&Mが商品広告に、グラフィティアーティストのジェイソン・ウィリアムズ氏(REVOK名で活動)の作品を無許可でしようしたこと。REVOK側はH&Mに広告の使用停止を求め訴訟を含めた対応を取ると表明。それに対しH&Mは、ストリートアートは違法製作物のため著作権が適用されないと主張し、無許可使用が可能との立場を訴え3月9日、ニューヨーク州の連邦裁判所にREVOKを提訴していた。このH&Mの対応に対しては、アーティストを中心に大きな反発を呼び、SNS上で同社の不買運動を求める動きにも発展していた。  所有の有無に係わらず建造物にスプレー等で描画するストリートアートに対しては、法的保護を認める判決も出てきている。ニューヨーク州の連邦裁判所は2月12日、ニューヨークのグラフィティ・アーティスト21人が、クイーンズ地区ロングアイランドシティの倉庫「5Pointz」の壁にストリートアートを描画し、ビル所有者の不動産会社社長Jerry Wolkoff氏が壁を白塗りし作品を消した事案について、アーティスト側勝訴の判決を下した。同裁判所は、所有者の不動産会社に対し、賠償金670万米ドル(約7.2億円)の支払を命じた。判決理由は、所有権の有無に係わらず、財産(今回の事案ではストリートアート)が保護に値すると多くの人が認識されている場合、当該財産を破損する行為は視覚芸術家権利法(VARA)に違反するというもの。 【参照ページ】H&M has withdrawn complaint in grafitti case 【参照ページ】Graffiti Artists Awarded $6.7 Million for Destroyed 5Pointz Murals

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【イギリス】H&M、アフリカ系少年モデルを起用した商品画像が人種差別の批判。各国で不買運動も

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 アパレル世界大手スウェーデンH&Mが英国で出した商品画像が人種差別として大きな批判を呼んでいる。H&Mは今年1月初旬、英国の同社のEコマースサイトで、子供用パーカー用モデルにアフリカ系少年を起用。そのパーカーの正面ロゴに「COOLEST MONKEY IN THE JUNGLE(ジャングルで最もクールな猿)」と書かれていたことが、人種差別との批判を招いた。その後、同社は正式にウェブサイト上で謝罪を掲載したが、その後も炎上は続いている。 (出所)Twitter: @LisaGinKC  画像は、著名なブロガー等がツイッターに投稿した後、瞬く間に拡散。広告宣伝に協力していた人気アフリカ系カナダ人シンガーのザ・ウィークエンドや米人気ラッパーのG-EasyはH&Mとの関係を断つ声明を発した。  H&Mは1月8日、少年を除いた画像に差し替え、1月9日には同社のウェブサイト上で正式に謝罪コメントを掲載した。コメントには、「私たちは全ての批判に同意する」「私たちには全ての人種や文化に関する敏感な反応を自覚し対応する責任がある」「当該の衣類は販売を中止し、全てリサイクルに回す」「将来の再発防止に全力を尽くす」「私たちの謙虚な謝罪を受入れて欲しい」とある。  しかし炎上は未だ収まっていない。南アフリカのH&Mストアでは、抗議活動が展開。複数の店舗で陳列が荒らされる事態となった。複数の国では、同社商品に対するボイコット運動も発生している。

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【スウェーデン】H&M財団とCARE、新興国女性起業家の紹介サイト「Foundation 500」をローンチ

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 アパレル世界大手H&MのH&M財団と国際NGOのCAREは6月8日、新興国の女性起業家に焦点を当てたウェブサイト「Foundation 500」をローンチした。同サイトは、グローバル企業リストで有名な「Fortune 500」に似せた作りになっており、新興国の女性起業家500名のストーリーを紹介。Fortune誌では男性が表紙を飾ることが多いが、敢えてFortune 500を彷彿させる見た目にすることで、女性起業家のパワーを強調する狙いがある。  特集された女性は、コートジボワールで初のバス会社を立ち上げた女性、Facebookを活用してビジネスを広げているインドネシアの女性、ペルーのマス漁業協会会長を務める女性等、多種多様。H&M財団とCAREは2014年からEmpowering Women through Enterprise Developmentプログラムを展開。ブルンジ、コートジボワール、グアテマラ、インドネシア、ヨルダン、ネパール、ペルー、フィリピン、シエラレオネ、スリランカ、イエメン、ザンビアのおよそ10万人の女性を支援してきた。プログラム期間中、女性の収入は平均で202.8%(下限104%から上限401%)の上昇を示し、その成功を受けて両者はプログラムを3年間延長した。今回Foundation 500で特集された女性は、みな同プログラムを通じて出会った人々だ。  H&M財団は2014年から2020年の間に1億2000万スウェーデンクローナ(約15億円)を投じ、新興国の女性起業家20万人にスキル開発や資金提供を支援することを表明している。一連の活動は、国連持続可能な開発目標(SDGs)のうち、ジェンダー平等の実現を目指し、女性の社会進出がもたらすメリットを世間に伝えることを目的としている。 【参照ページ】H&M FOUNDATION REVEALS "FOUNDATION 500" – AN ALL-FEMALE LIST OF 500 BUSINESS LEADERS 【サイト】Foundation 500

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【スウェーデン】H&M財団、第2回Global Change Award発表。アパレルのサーキュラーエコノミー

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 アパレル世界大手H&Mの財団であるH&M財団は4月6日、アパレル産業のサーキュラーエコノミー(循環型経済)を推進する「Global Change Award(GCA)」の2016年度受賞者を発表した。GCAは2015年に始まり、今回が2回目。同時にH&M財団は、アクセンチュアと共同で、持続可能なアパレル業界の将来に関する「トレンド・レポート」も発表した。  第2回GCAは2016年9月から、アパレル業界のサーキュラーエコノミーを実現するための事業アイデアの公募を実施。130か国からおよそ3,000のアイデアが集まった。その中から、3月27日から4月2日までのオンライン投票で受賞者を選抜。受賞者にはH&M財団より総額100万ユーロ(約1.2億円)が支給され、さらに今後1年間、H&M財団、スウェーデン王立工科大学、アクセンチュアが協賛するアクセラレーター・プログラムに参加し事業化を進めていく機会を得る。 Global Change Award(GCA)2016 受賞者 Grape Leather(イタリア 賞金30万ユーロ):ワイン生産から出る廃棄物をフェイク・レザーに転換 Solar Textiles(米国・スイス 賞金25万ユーロ):ナイロン素材を、水、太陽光、工場廃棄物のみで生産 Content Thread(米国・英国 賞金15万ユーロ):洋服生地そのものにスキャン可能なサプライチェーン情報を埋め込み Denim-dyed Denim(オーストラリア 賞金15万ユーロ):使用済ジーンズを新品ジーンズの染色に活用 Manure Couture(オランダ 賞金15万ユーロ):牛の排泄物に含まれる成分から洋服生地を生産 【参照ページ】Five innovators awarded for ideas that help create a waste-free fashion industry

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【スウェーデン】H&M、ダウン製品のRDS認証100%を達成

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 アパレル小売大手のH&Mは1月15日、同社の製品に使用するダウンを100%、Responsible Down Standard(RDS)認証済にするという目標を達成したと発表した。  RDSは、生きた鳥からの羽毛採取や強制的な餌付けなど、動物に対する不当な扱いを行っていない農場からとれた羽毛であることを保証する国際認証基準だ。その他にも、餌付けや畜舎の環境、動物が畜舎の外に出られる環境にあるかなど、動物福祉に関する複数の厳格な要件が定められており、認証は全て第三者機関が行っている。  H&Mは、RDS認証済ダウンだけを使用することは、動物繊維の品質向上およびアパレル業界全体の動物福祉の向上という同社のポリシーの双方に合致するものだとしている。100%RDS認証のダウン製品は、2016年の秋・冬季から店頭に並ぶ予定だ。  H&Mのサステナビリティ・ビジネス・エキスパート、Madeleine Ericsson氏は「動物は人道的な扱いを受ける権利を持っており、我々はアパレル業界全体における動物福祉の改善を望んでいる。RDSは鳥たちの福祉を保護するものであり、我々の製品で使用するダウンを100%RDS認証とすることができたのは大変喜ばしいことだ」と語った。  RDSは、アパレル業界のサステナビリティ向上に取り組む国際NPOのTextile Exchangeと、認証機関のControl Union、アウトドアファッションブランド大手のノースフェイスによって策定され、現在は多くのアパレルブランドや寝具メーカーで採用されている。  H&Mが同発表を行う1週間前には、ノースフェイスも今年の秋の製品ラインナップ500以上に使用する綿毛全てを100%RDS認証にすると公表していた。(参考記事:【アメリカ】ザ・ノース・フェイス、今秋から500以上の製品で100%RDS認証の綿毛を使用へ)  世界の消費者はかつてない以上に、その製品が「何でできているか」だけではなく「どのように作られているか」についても気にかけるようになってきている。RDS認証の取り組みは、安定的な調達や品質の保証、動物福祉といった観点だけではなく、ブランドとしての消費者からの信頼獲得という意味でも重要性を増している。今後、同様の取り組みがさらに業界全体へと広がることが期待される。 【参考サイト】Responsible Down Standard 【参照リリース】100% ethically sourced down 【企業サイト】H&M (※写真提供:JuliusKielaitis / Shutterstock.com)

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【バングラデシュ】国際NGOら、H&Mに対してバングラデシュ工場における労働環境改善の遅れを指摘

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 労働者の人権問題らに取り組む国際NGOらは10月1日、スウェーデンのアパレル大手、H&Mのバングラデシュ下請け工場における労働環境改善の取り組みが非常に遅れているとする報告書を共同で公表した。問題を指摘したのはClean Clothes Campaign、International Labor Rights Forum、Maquila Solidarity Network、Worker Rights Consortiumの4団体だ。  H&Mは「バングラデシュにおける火災予防及び建設物の安全に関する協定」(通称アコード)の調印企業で、下請け工場の労働環境の改善が求められている。Worker Rights ConsortiumのScott Nova氏は「ラナプラザ崩壊事故や他の衣料工場の事故を受けて、H&Mは労働環境の安全性改善に取り組むことを約束した。しかしH&Mはその約束を破った」と述べている。  同報告書は、H&Mの戦略上重要な全ての下請け工場で修復が遅れており、多くの改修工事がまだ達成されていないと指摘している。Maquila Solidarity NetworkのBob Jeffcott氏は「アコードのおかげで、H&Mは初めて、改修すべき全ての工場を把握できている。それにもかかわらず、修復作業の進みは非常に遅い」としている。報告書によると、防火扉の設置や施錠の解除、階段の囲いなどがアコードで要求されており、かつ緊急時に必ず必要なものであるにも関わらず、未だに修復がされていないという。  多層建築のビルの中で火災が起こると、煙は一瞬で広がる。もし各フロアの出入口に防火扉が無ければ階段には煙が充満し、上層階の労働者は逃げられなくなる。バングラデシュのほとんどの衣料工場はこのような状況下にあり、100人以上が死亡した2012年11月のTazreen Fashionの火災を含め、この状況がバングラデシュの衣料産業で起こる大規模火災の主要な原因となっている。  2010年にもH&M下請け工場のGarib&Garibで火災があり、21人が死亡したが、ここでは適切な非常口の設置などの安全対策が欠けていた。さらに火災が起こった際に扉には鍵がかけられており、労働者は逃げられなかった。H&Mは、下請け工場では扉や門は閉められていないと主張している。  NGOらの指摘に対し、H&Mは10月6日に声明を発表した。声明の中で、同社は「H&Mは、アコードの要求事項を満たした工場でしか生産を行っていない。そして、非常口の設置はH&Mの下請け工場になるための最も基本的な要求事項だ。また、H&M自身のフォローアップデータによると、H&Mはほぼ60%の修復作業を終えており、前進していると考えている」と反論している。  H&Mはバングラデシュでは防火扉とスプリンクラーは入手できないため、輸入しなければならないことが遅れの原因の一つだと説明しているが、NGOらは防火扉の問題は2013年での懸念事項であり、現在はより多くの改善がみられるべきだと主張している。報告書では、H&Mの戦略上重要な下請け工場のうち61%には防火扉が無く、そのような工場で78,842人が働いていると指摘している。  Clean Clothes CampaignのSamantha Maher氏は「H&Mが持続可能性へのコミットメントの公表にかけているのと同じだけの力を、実際に行動を起こすことに注いでくれたのなら、バングラデシュの衣料産業の労働環境はより安全になるだろう」は語る。  ビル崩落により1000名以上の労働者が死亡した2013年4月のラナプラザ事故以来、190社以上のグローバル企業がアコードに調印し、二度と同様の悲劇を繰り返さぬようバングラデシュの工場労働環境改善に取り組んできた。一方で、今回のNGOらによる指摘は未だに多くの工場が課題を抱えている現状を浮き彫りにしている。H&Mも含めてアパレル大手各社が今後どのようにこの問題に対応し、取り組みの改善状況を発信していくのか、引き続き注目が集まる。 【レポートダウンロード】Evaluation of H&M Compliance with Corrective Action Plans for Strategic Suppliers in Bangladesh 【参考サイト】Analysis of H&M’s Response to Report on Safety Renovation Delays at its Bangladesh Supplier Factories 【参考サイト】H&M comments on the report on the Bangladesh Fire and Building Safety (※写真提供:Tupungato / Shutterstock.com)

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