【国際】FAOとNASA、衛星画像を用いた土地利用監視の新ツール「Collect Earth Online」リリース

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 国連食糧農業機関(FAO)は12月12日、人工衛星画像データを用いた土地利用監視ツールのオンライン版「Collect Earth Online(CEO)」をリリースしたと発表した。FAOが提供してきた「Collect Earth」を大きく強化する。  FAOは、環境監視ツール群「Open Foris」の一つとして、過去数年間、土地利用や森林破壊に関する人工衛星画像データを「Google Earth」「Bing Maps」「Google Earth Engine」から収集し解析したデータを無償提供するサービス「Collect Earth」を運営してきた。今回、ダウンロードせずに、オンライン上で操作できる「Collect Earth Online(CEO)」を追加で提供する。ツールには誰でも無償でアクセスできる。また、米航空宇宙局(NASA)の人工衛星「ランドサット」と欧州宇宙機関(ESA)の「センチネル」が撮影してきた過去の画像データも分析できる。  FAOは2019年前半、FAOが開発した別の土地監視プラットフォーム「SEPAL(System for Earth Observation Data Access, Processing and Analysis for Land Monitoring)」にCollect Earth Onlineを組み込む考え。さらに今後、オレゴン州立大学や米森林局が開発したランドサットの時系列データ視覚化ツール「TimeSync」にもCollect Earth Onlineを組み込む。  今回のオンライン版開発では、米政府の「SilvaCarbon Program」も資金と技術を提供し、研修資料も作成している。また、NASAと米国際開発庁(USAID)が共同運営する発展途上国向けの地理情報を用いた意思決定支援プログラム「SERVIR」も、同ツール開発の初期検証をサポートした。 【参照ページ】NASA and FAO launch next-generation geospatial tool 【ツール】Collect Earth Online

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【ウガンダ】政府、農業分野の国家気候変動適応計画(NAP)策定。FAOとUNDPが策定支援

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 ウガンダ政府は11月28日、国連食糧農業機関(FAO)と国連開発計画(UNDP)の技術支援を受け、農業分野の国家適応計画(NAP)を初めて策定した。農業分野の気候変動適応のためのセクターポリシーや計画、予算を固めた。気候変動が進行する中、国家適応計画の策定は各国にとって急務となってきている。  今回のNAPは、ウガンダ農業・動物産業・漁業省が、水・環境省との連携しながら策定した。FAOとUNDPは、農業セクターの国家適応計画策定に対し、「Integrating Agriculture in National Adaptation Plans(NAP-Ag)」プログラムを展開しており、ウガンダ政府も同プログラムの適用を受けた。同プログラムには、ドイツ連邦環境・自然保護・原子炉安全省の「国際気候イニシアチブ(IKI)」が資金を拠出している。  ウガンダ政府は今回、優先事項の高い21項目を特定。農作物生産、畜産生産、漁業マネジメント、気候変動情報・早期計画・災害事前準備、森林・土地・天然資源マネジメント、研究・ナレッジマネジメント等が気候変動適応の優先度が高いと位置づけた。  ウガンダ統計局によると、農業はウガンダのGDPの約24%を占めており、雇用の68%を抱えている。 【参照ページ】Government and United Nations in Uganda launch new strategic framework to tackle climate change in the agriculture sector

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【国際】国際環境NGOのCI等、養殖環境マネジメント・ガイド発行。FAOの生態系アプローチ適用

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 国際環境NGOのConservation International(CI)、漁業NGOのSustainable Fisheries Partnership(SFP)、カリフォルニア大学サンタバーバラ校の持続可能な漁業グループは11月26日、養殖マネジメントの環境ベストプラクティスをまとめたガイドブックを発表した。  同ガイドブックは、国連食糧農業機関(FAO)が提唱する生態系アプローチを養殖分野に適用したもの。特に、「空間計画とゾーニング」「水槽容量限界」「養殖疾病マネジメント」の3つ分野を主に扱っている。また事例としてインドネシアを上げているが、世界中で適用できるものとなっている。  同ガイダンスは、養殖業界と規制当局の双方に向けられており、また小売店等のステークホルダーに対しても調達先管理として活用することが推奨されている。  CIとSFPは現在、インドネシアのえび養殖場で試験導入を行っている。 【参照ページ】New Aquaculture Management Guide Provides Seafood Farmers with Sustainability Best Practices

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【国際】「世界の栄養不足人口は3年連続で悪化」FAO報告。社会情勢不安や気候変動等が原因

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   国連食糧農業機関(FAO)は9月27日、2018年の世界食糧安全・栄養白書「The State of Food Security and Nutrition in the World 2018」を発表した。世界の栄養不良者の数は2014年以降増加しており、2016年に約8億400万人だった栄養不足人口は、2017年には約8億2,100万人に増加。ほぼ10年前のレベルにまで逆行していることがわかった。世界食糧安全・栄養白書は、FAOが毎年発表する5大白書の一つ。  同報告書によると、2017年の栄養不足人口率は10.9%に達する。貧困地域における継続的な不安定な社会情勢、世界中での気候変動、不景気等が原因で食糧安全保障が悪化してきている。南米およびアフリカ地域が特に状況が悪い。アフリカ大陸の栄養不足人口率は世界で最も高く、約21%(2億6,500万人以上)。栄養不足人口率が2014年の4.7%から2017年の5.0%にまで増加した南米でも状況は悪化している。アジアの栄養不足状況は大幅に改善しているが、2017年のアジアの栄養不足人口率は11.4%で、5億1500万人を超えている。この状況の改善なくして、2030年までに飢餓を撲滅するという国連持続可能な開発目標(SDGs)の目標は達成できない。  子どもの発育不良と母乳育児に対しては栄養改善がみられる。発育不全児童の数は、2012年の1億6,520万人から2017人の1億1,500万人に9%減少した。しかし、その数字は依然として高く、2030年のSDGs目標に到達するには程遠い。6カ月未満の母乳育児をされた乳児は、2012年の36.9%から2017年には40.7%へと増加した。しかし、貧血に対する栄養改善は進んでいない。女性の貧血率は、2012年の30.3%から2016年の32.8%にまで上昇しており、減少した地域はない。世界では、生殖年齢の女性の3人に1人が依然として貧血をかかえており、彼女たちの子供たちにも大きく影響する。  2017年には、5歳未満の子供の7.5%(5,050万人)が低身長のため疲労しやすくなり、死亡リスクが高まった。2013年の分析によると、5歳未満で死亡した子供の875,000人(全死亡者の12.6%)の死因が疲労に関連していた。  世界人口の大部分はビタミンやミネラルなどの微量栄養素欠乏の影響を受けている。生殖年齢の女性の鉄欠乏性貧血は、微量栄養素欠乏の一形態である。栄養不良は、低所得国で多く発生し、貧困層に集中している。高所得国内での肥満に関しても同様に貧困層に集中している。  世界の肥満児の割合は2012年には5.4%、2017年には5.6%(3830万人)であまり変化ない。3,830万人の肥満児のうち、25%がアフリカ、46%がアジアに住んでいる。一方、成人肥満は悪化している。成人肥満率は、2012年の11.7%から2016年には13.2%に上昇しており、毎年増え続けている。成人肥満人口は、2017年には6億7,200万人以上。これは世界人口の8人に1人以上が肥満であることを意味する。成人肥満は世界で1975年から2016年の間に着実に増加しており、過去10年間で加速している。成人肥満率も成人肥満増加率も北米で最も高い。  健康的な食べ物へのアクセスが悪いと、栄養不良や太りすぎや肥満の原因となる。低体重児、発育不全および貧血のリスクが増大し、肥満につながる。十分な食料にアクセスできないことによる食糧不安は、子どもの疲労、発育不足および栄養素欠乏に寄与する可能性がある。栄養が足りない食生活は、妊婦の栄養失調につながり、結果として低体重出産のリスクが高まり、幼児発作の原因となる。また、食料不安のストレスにより、母乳育児に影響が出る。  食糧不安は太りすぎや肥満の原因ともなりえる。栄養価の高い新鮮な食品は、高価になりがちであるためだ。食糧不安と肥満を結びつける心理社会的要因もある。食品への適切なアクセスを持たないという経験は、不安、ストレスおよびうつ病の感情を引き起こし、過体重および肥満のリスクを高める可能性がある。食生活の乱れと食糧枯渇が栄養失調や肥満と結びつくこともある。妊婦の栄養失調は、子どもにも大きく影響する。低体重児は、発育障害を引き起こす可能性があり、後に肥満とも関連する。  FAOは、気候変動や異常気象がさらに食糧安全保障を脅かすと警鐘を鳴らす。2017年から、国連児童基金(UNICEF)と世界保健機関(WHO)も、FAOのパートナーとして、国際農業開発基金(IFAD)と世界食糧計画(WFP)の活動に参加している。 【参照ページ】The latest in the State of the World collection 【参照ページ】Food Security & Nutrition around the World

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【国際】FAO、アジア太平洋地域の水産養殖の薬剤耐性(AMR)問題で対策強化

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 国連食糧農業機関(FAO)は9月4日、養殖業での薬剤耐性(AMR)問題への対策として、Network of Aquaculture Centres in Asia-Pacific (NACA)と共同で、アジア太平洋地域の各国政府や水産業専門家らとともに薬剤耐性リスク評価を実施するとともに、監視ガイドラインの整備を行うと発表した。  世界での水産資源の需要が増加する中、魚介類の養殖は欠かせないものになってきている。養殖業は過去40年間で進化を遂げ、現在世界の90%の養殖はアジア太平洋地域に集中しているという。その一方、養殖が密集して行われるようになったことで魚介類の病気のリスクが増大し、バクテリアや細菌を殺すため抗微生物薬を使うことが一般化している。その結果、抗微生物薬が効かなくなる種があらわれる薬剤耐性(AMR)問題が喫緊の課題として浮上している。その背景には、各区政府の不適切な規制整備、事業者の魚介類の健康状態への配慮の欠如等の問題もある。  FAOは2015年夏にAMRを深刻な課題として認定し対策を開始。2016年には、2020年までのアクションプランも定めた。今回の協働アクションもその一環。現在、FAO、世界保健機関(WHO)、国際獣疫事務局(OIE)の3機関は、AMR監視ガイドラインに取り組んでいる。8月29日にはバンコクで開催された国際会議で、アジアでのAMR監視ガイドラインの策定を進める計画も発表された。  アジアでのAMR対策では、FAOは米国際開発庁(USAID)とも共同プロジェクトを展開。インドネシア、タイ、ベトナムの3カ国を対象に、養殖、家畜、農作物の3分野でAMRに配慮した抗微生物薬利用の導入を実施している。 【参照ページ】Asia-Pacific region moves forward with plans to mitigate the risks of AMR in defence of its crucial aquaculture industry and to protect human and animal health 【参照ページ】Experts meet to develop guidelines for monitoring AMR in diseased livestock and poultry in Asia 【参照ページ】USAID-FAO Regional Project on AMR in Asia 【参照ページ】Antimicrobial Resistance

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【アフリカ】FAOの早期計画早期アクションプログラム、牧畜家支援に効果。費用対効果9倍

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 国連食糧農業機関(FAO)は7月27日、2017年初旬にケニア、ソマリア、エチオピアで展開した「早期警戒早期アクション(EWEA)」プログラムにより、牧畜家の生活支援に大きな貢献があったことをまとめた報告書を発表した。支出1米ドル当たり9米ドルの費用対効果が得られたという。  気候変動による旱魃被害が深刻化する中、FAOはアフリカでの社会的弱者を支援するため、迅速に支援を行う体制づくり強化している。従来、国際機関の支援は、問題が発生した後に事後対応することが多かったが、対応アクション開始までに時間を要し、十分な効果を発揮できないでいた。FAOが2016年後半に導入した「早期警戒早期アクション」プログラムは、現地の植生、降水量予測、家畜の健康状態等を随時把握し、旱魃被害を先取りして現地牧畜家への支援を行うというもの。  アフリカの牧畜家は、やぎ、羊、牛、ろば等を遊牧し、家畜から取れる乳を大切なタンパク源として摂取している。しかし旱魃が発生すると、家畜が絶命するため、遊牧家庭の栄養が大きく減衰るとともに、重要な経営資源を失うことになる。  ケニアで2017年に実施したアクションは、早期警戒システムにより大規模旱魃を予測した後、すぐにFAO緊急時復興活動特別基金(SFERA)から40万米ドル(約4,400万円)を拠出し、牧畜家に家畜の餌を配布。これにより牛15,600頭と小型家畜35,400頭の命が救われた。支出1米ドル当たり牧畜家が得られた便益は3.5米ドル。不要となった事後援助費用も考慮に入れると全体で9米ドルの費用対効果が得られた。 【参照ページ】Acting early to prevent humanitarian emergencies 【レポート】Impact of Early Warning Early Action

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【国際】国連食糧農業機関FAOとノルウェー政府、衛星データ活用の森林・都市利用監視ツール開発で協働

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 国連食糧農業機関(FAO)とノルウェー政府は6月27日、衛星データや高度な地理情報技術を用いた森林や土地利用監視ツールの開発で協働すると発表した。ノルウェー政府が、同国の環境プロジェクト「International Climate and Forest Initiative(NICFI)」の一環として600万米ドル(約6.6兆円)を拠出し、FAOが開発したデジタルプラットフォーム「SEPAL(System for Earth Observation Data Access, Processing and Analysis for Land Monitoring)」の機能拡大を進める。  SEPALは、発展途上国政府が気候変動緩和や森林政策を進めるための情報提供目的で開発された。最近では、森林破壊が進むインドネシアでSEPAL講習会が開催され、森林変化の迅速な察知が可能になると話題となった。  今回の共同プロジェクトの期間は3年。世界銀行の森林炭素パートナーシップ・ファシリティとも協働し、REDD+(森林炭素ストックの保全及び持続可能な森林経営ならびに森林炭素ストックの向上)の活動実施状況を測定・報告・検証(MRV)が可能となるよう機能開発を行う。 【参照ページ】Norway and FAO will scale up innovative forest monitoring tool

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【国際】食糧農業機関FAO、新たに13の世界農業遺産を登録。日本からも2件

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 国連食糧農業機関(FAO)は4月19日、最近新たに登録された13の世界農業遺産(GIAHS)の公式祝賀会を実施した。GIAHSは、文化、景観、農業生物多様性等の保存価値が高く、長年継承され期待独自性農林水産業システムを登録する制度。今回の登録により、GIAHSは全部で50となった。GIAHSは、文字通りに訳すと「世界重要農業遺産システム」だが、日本では世界農業遺産と呼称されている。  今回登録されたのは中国、エジプト、日本、韓国、メキシコ、ポルトガル、スペイン、スリランカ。日本からは、静岡県静岡市と伊豆地域が申請した「静岡水わさびの伝統栽培」、徳島県にし阿波地域の「傾斜地農耕システム」の2件。  GIAHSの登録申請は、中国、日本の3ヶ国が積極的に実施している。日本ではこれまでに、石川県の「能登の里山里海」、新潟県佐渡市の「朱鷺と暮らす郷づくり認証制度」、熊本県の「阿蘇の草原の維持と持続的農業」、静岡県の「静岡の茶草場農法」、大分県の「クヌギ林とため池がつなぐ国東半島・宇佐の農林水産循環」、岐阜県の「清流長良川の鮎」、和歌山県の「みなべ・田辺の梅システム」、宮崎県の「高千穂郷・椎葉山の山間地農林業複合システム」、宮城県の「持続可能な水田農業を支える『大崎耕土』の伝統的水管理システム」。  FAOによれば、GIAHSへの選定は生物多様性や、穀物品種の多様性維持に有効なことが明らかとなっている。またGIAHSは地域のマーケティングにも活用されており、例えば日本の佐渡米は、ブランド化により市場価格の2倍の価格設定に成功している。 【参照ページ】New unique agricultural heritage sites designated

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【国際】FAO、自然災害により過去10年で約10兆円の農業損害が発生。旱魃が最も深刻

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 食糧農業機関(FAO)は3月15日、自然災害により2005年から2015年までの10年間で、発展途上国の農業・畜産業に960億米ドル(約10兆円)の経済的損害を与えていると発表した。最も深刻なのは旱魃。その他、洪水、森林火災、嵐、病虫害、家畜病、化学薬品流出、有害有毒藻類ブルーム等がある。  自然災害別の経済的損害は、旱魃が290億米ドル、洪水が190億米ドル、地震・地すべりが105億米ドル、異常気象や嵐等の他の気象災害265億米ドル、生物学的疾病95億米ドル、森林火災10億米ドル。  地域別の経済的損害は、アジアが約半数の480億米ドル。アフリカが260億米ドル、中南米が220億米ドル。  世界で農業に従事する人は約25億人。世界の半数の農畜産物は、小規模の農家・畜産家・漁師によって生産さえれている。このような弱者ほど自然災害の影響を受けやすい状況にある。 【参照ページ】Disasters causing billions in agricultural losses, with drought leading the way 【レポート】The impact of disasters and crises on agriculture and food security 2017

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【国際】OECDとFAO、農業サプライチェーンのサステナビリティ向上パイロットプロジェクト開始

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 経済協力開発機構(OECD)と国連食糧農業機関(FAO)は2月16日、持続可能な農業生産と農業サプライチェーンを実現するためのパイロットプロジェクトを発足した。両機関はすでに「OECD-FAO Guidance for Responsible Agricultural Supply Chains(責任ある農業サプライチェーン・ガイダンス)」を2016年に策定しており、今回30社に試験導入する。  OECDとFAOは、農業業界は、労働慣行、生産性、環境、サプライチェーンの透明性等の面で課題が多いと捉えている。OECDは1976年に「OECD多国籍企業行動指針」を制定しているが、2016に農業分野に焦点を当てた「責任ある農業投資原則」をFAOと共同で制定。同時にFAOに「世界食料安全保障の食料システム委員会(Food Systems of the Committee on World Food Security)」を設置した。そして2016年に両者で「責任ある農業サプライチェーン・ガイダンス」を策定し、すでにG7各国の農相からも支持を得ている。  同ガイダンスは、中小企業から大企業まであらゆる農業・食品企業が参照できるものとなっており、OECDとFAOは参照を勧めている。 【参照ページ】OECD and FAO call for responsible investment in agriculture

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