private 【EU】欧州保険・企業年金監督局、金融安定レポートの中で気候変動・サイバーリスク監督強化に言及

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 EUの欧州保険・企業年金監督局(EIOPA)は12月20日、欧州経済領域(EEA)における保険及び企業年金基金について「2018年12月 金融安定レポート(FSR)」を発表した。リスクアセスメントの中で、新たな金融リスクとして、気候変動リスクとサイバーセキュリティリスクを取り上げ、保険・企業年金基金当局として監督を強化していく考えを表明した。  EIOPAの金融安定レポートは、半期に一回発表され、保険及び企業年金の金融安定に向けた当局の現状認識や監督の方向性を示している。今回のレポートでは、低金利と急速なリスクプレミアムの上昇という2つのファクターがもたらす運用難が発生していると認識。リスクプレミアム要因としては、貿易摩擦に関する政治的不確実性、持続可能な負債政策における懸念、金融緩和政策の段階的な正常化を挙げた。また、保険業界が不動産投資へのエクスポージャーが高まっていることにも関心を示した。  その上で (more…)

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【EU】法人税租税回避防止指令(ATAD)や新・証券化規則、2019年1月1日施行

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 法人税回避防止の新指令は、経済協力開発機構(OECD)の「BEPS(税源浸食・利益移転)プロジェクト」が2015年10月にまとめた「BEPS最終パッケージ」の内容に基づき、2016年5月制定されたに租税回避防止指令(ATAD)。経済活動の実態のない国への利益移転に対しても法人税課税できる規定や、利益移転のためにグループ企業への融資金利を高額に設定する行為を防止するため支払利息純額はEBITDAの30%を限度として控除可能とするルール等を設けた。  租税回避については、EUではすでにATADを強化した第2次租税回避防止指令(ATAD II)を制定済みで、こちらは2020年1月1日から施行される。ATAD IIでは、租税回避行為に対する課税行為を、プライベートエクイティ(PE)、ハイブリッド譲渡(transfer)、輸入ミスマッチ、リバースハイブリッド事業体を活用したスキームにも拡大し、租税回避規制の穴を塞ぐ。  金融新法は、EUが進める資本市場同盟(CMU)アクションプランの一環。まず、中小企業ローンや自動車ローンを原資産とする流動化証券の発行額がリーマン・ショック以前よりも増えてきた背景を踏まえ、証券化に関する新たな統一規則が1月1日から施行。投資家への情報開示の透明性や一貫性を向上させる。「Simple, transparent and standardized」と表現されることから「STS規則」とも呼ばれている。また、1月13日には、第2次企業年金EU指令(IORP II)も施行。6月10日には、改正・株主の権利指令も施行される。 【参考】【EU】欧州議会、企業年金EU指令改正案「IORP II」可決。ESG投資の全面実施を規定(2016年12月2日) 【参考】【EU】 欧州議会、「SAY ON PAY」や株主エンゲージメントを法制化するEU指令を可決。EU理事会での審議へ(2017年3月30日) 【参照ページ】New EU rules to eliminate the main loopholes used in corporate tax avoidance come into force on 1 January 【参照ページ】Capital Markets Union: Common EU rules on securitisation will apply as of 1 January

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【イギリス】政府、環境法案を発表。合意なきEU離脱にも備え、環境分野の行政体制を再構築

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 英環境・食糧・農村地域省は12月19日、環境法制を包括的に規制するための「環境法」の法案を公表した。環境法制の原則や政府の環境当局の設置等を定めており、環境行政の大改革を実施する。また、来るEU離脱を見越し、同国の環境行政を一元的に再構築させる狙いもある。  現在の英国の環境行政は、EUでの政策方針や監督行政に大きく依存しており、EU離脱に伴い、同国内で体制を再構築しなければならない。また、規定した環境法制の監督や司法制度等も自前で設置する必要がある。特に、昨今「合意なき離脱」となるリスクも生じており、このシナリオでも環境法を確実に執行しうる体制を整える必要性まで生じている。  今回の環境法案では、環境当局体制の新設、大気汚染改善、自然保護、廃棄物マネジメント・省エネの改善、地方水・下水・地下水・廃水マネジメントの改善を大きな主眼に置いた。英政府は2018年1月、環境関連の各分野での長期目標を定めた「2025年環境計画」も発表しており、今回の法案は、それの達成に向けた役割も担う。  環境当局体制の新設では、新たに「環境保護室(OEP)」を設置。政府の環境政策を独立的かつ総合的に判断し、政府と英国議会の双方に対して環境法規制の監督、評価、諮問を行う。また、「合意なき離脱」の際には、合意までの移行期間までの間、アイルランドと北アイルランドの国境に物理的な管理施設を設けない措置が導入できない場合に、EUと英国全土を単一の関税区域に置く「バックストップ」と俗称される制度が開始される予定となっている。その際には、英国にはEUとの関税同盟を構築するため、現行の欧州司法裁判所のようなものに替わる、英国でのEUの環境法制を遵守させる措置や違反時の司法措置が求められることとなる。今回の環境法案では、OEPにその役割を担わせると規定している。  環境政策の設定に関しては、現在は、EUに関する国際機構条約の中で種々の環境原則を規定しており、EUの中で具体的な議論を始める際に、それらの原則を参照してきている。しかしEU離脱後は、EUの各条約が関係なくなるため、改めて英国としての原則制定や、原則に基づく政策方針を規定する必要が出てきた。今回の環境法案では、政府として公式に環境原則の解釈や適用に関する方針声明を策定し、各省庁に対し通知することを義務化した。  また2025年環境計画との関係では、同計画の中で表明した政府としての環境マネジメントのあり方を環境法案の中に盛り込み、法制度化する。 【参照ページ】New environment protections set out in flagship bill 【参照ページ】Environment Bill: policy paper

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【イギリス】多数の玩具から基準値上回る有害化学物質が検出。EU全体でも懸念広がる

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 英環境NGOのCHEM Trustは12月17日、英国の各州政府に対し情報公開請求を行い、過去5年間の商品に対する行政の有害化学物質監督の結果を分析したレポートを発表。驚くことに、有害化学物質テストが行われた商品のうち23%で、法定EU基準を超える有害化学物質が検出されていたことがわかった。欧州委員会の緊急通報システムにも、玩具の有害化学物質テストを求める多数の声が上がっており、欧州全体で問題化してきている。  CHEM Trustは今回、英国の164の全州政府に対し、州政府の責務となっている有害化学物質含有に関するサンプル調査の監督結果の公開を要求。その結果、88州政府(54%)は法定義務のサンプル調査を行っている一方、51協議会(31%)は10回未満しか行っておらず、さらに58州政府(35%)は一度もサンプル調査を実施していなかったことがわかった。  さらに適切にサンプル調査を行っていた88州政府のうち、46州政府(52%)で有害化学物質が法定基準を超える商品が検知された。商品数で換算すると、のべ2,199個のサンプル調査に対し、495個(23%)で基準値を上回る有害化学物質が検出された。しかし、そのうち17州政府しか法的措置を採っていなかった。今回、基準値を上回る有害化学物質が検出されたおもちゃの多くは、スライム状の玩具。またキャラクター人形でも多く検出されているという。EUの 関税当局は11月、税関で中国製人形約3万個を、有害化学物質リスクのため廃棄したことも発表している。  EUでは、食品以外の商品について欧州委員会に調査を求めることができる「緊急通報システム」制度があるが、563件の通報に対し、おもちゃの有害性に関するものは290件と多数を占める。環境NGOのEuropean Environmental Bureau(EEB)は、政府機関に対し、国連が「サイレント・パンデミック」と呼ぶ有害物質蔓延問題に対する早急の対策を求めている。 【参照ページ】Survey of councils finds that UK shoppers aren’t properly protected from illegal levels of hazardous chemicals in the products they buy

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【EU】欧州議会とEU理事会、2030年の自動車CO2排出基準を2021年比37.5%削減で合意

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 欧州議会と、加盟国閣僚級で構成するEU理事会は12月17日、交通・運輸分野からの二酸化炭素排出量を削減するため、自動車に課す二酸化炭素排出量規制を強化し、2030年に2021年比37.5%削減する方針で合意した。ライトバンも同様に31%引き下げる。パリ協定目標を達成することが狙い。マロシュ・シェフチョビッチ欧州委員会副委員長兼エネルギー同盟担当委員は「EU産業の長期的な競争力強化」にもつながるとの見方を示した。今後、欧州議会とEU理事会双方での公式な採択手続きに入る。  2030年の自動車二酸化炭素排出量設定については、欧州委員会は当初、2021年比30%削減とする案を欧州議会とEU理事会に提出。これに対し、欧州議会は10月3日、2021年比40%削減とさらに高い目標を採択。その後、自動車業界からの抵抗もあり、最終的に37.5%削減でEU理事会と妥結した。また今回の合意では、中間目標として、2025年までに自動車とライトバン双方に2021年比15%削減という目標も設定している。  今回の発表を受け、欧州自動車工業会(ACEA)は「全く非現実的だ」と声明を発表。欧州の自動車業界にとって極めて厳しい要求となり、雇用にも「地震並み」の悪影響があると表明した。 【参照ページ】Europe accelerates the transition to clean mobility: Co-legislators agree on strong rules for the modernisation of the mobility sector

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【EU】欧州委、サーキュラー・プラスチック・アライアンス発足。関係企業集め行動設定。自動車・建設も

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 欧州委員会は12月11日、プラスチック廃棄物を削減し、再生プラスチックの活用を拡大するため、幅広い関係企業を集めた新アライアンス「サーキュラー・プラスチック・アライアンス」を発足した。今後、プラスチック使用量の多い容器・包装、建設、自動車業界を含め幅広い企業に参加を呼びかける。2019年2月に初会合を開催し、2019年5月までに集中してアクションをまとめる。  今回のアライアンスは、「欧州プラスチック戦略」の中に掲げた2025年までに欧州市場に1,000万tの再生プラスチックを投入するという目標達成に向けた一環。そのため、アライアンスには、プラスチック回収業者、リサイクル業者、プラスチック消費企業、製品メーカー、小売企業等を集め、プラスチックのマテリアル・リサイクルやケミカル・リサイクルを進めるためのアクションを協議する。  同アライアンスのゴールとしては、主要な関係企業の自主的な短期アクション・投資内容の設定等を掲げた。プラスチックの分別回収、共通の報告フォーマット、リサイクル施設への投資、リサイクルしやすいプラスチック製品設計の自主規格策定等が想定されている。また、2025年目標達成への阻害要因の特定や進捗状況モニタリング・報告についても議論する。 【参照ページ】Commission launches Circular Plastics Alliance to foster the market of recycled plastics in Europe

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private 【EU】欧州委員会、サステナブルファイナンスの「サステナブル」定義案発表。フィードバック募集

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 欧州委員会のサステナブルファイナンスに関するテクニカル専門家グループ(TEG)は12月7日、サステナブルファイナンスにおける「サステナブル」の定義(Taxonomy)案を発表した。今回の発表は、欧州委員会が5月24日に発表したサステナブルファイナンス政策パッケージの具体化第一弾。2019年2月22日までオンラインでフィードバックを募り、説明会も開催する。 【参考】【EU】欧州委員会、サステナブルファイナンス政策案発表。今後、EU理事会・欧州議会で審議(2018年5月28日) 【参考】【EU】欧州委員会、サステナブルファイナンスに関するテクニカル専門家グループ委員35名任命(2018年6月19日)  TEGのミッションは (more…)

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private 【EU】CDPとCDSB、欧州80社の気候変動情報開示分析。EU非財務情報開示指令の報告初年度

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 国際的な気候変動情報開示推進NGOのCDPと、気候変動関連情報開示標準化の国際イニシアチブCDSB(気候変動開示基準委員会)は11月29日、2014年EU非財務情報開示(NFR)指令が2017年度の企業報告から適用されたことに伴い、適用初年度の気候変動関連の開示状況を分析したレポートを発表した。分析では、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)ガイドラインも考慮された。  今回の分析では、EU大手企業80社(時価総額合計3.75兆ユーロ)を分析対象とした。結果、99%の企業は、1つ以上の主要な非財務情報関連に関するポリシーアプローチを開示しており、事業投資やファイナンスにおける環境または気候変動の影響を開示している企業も76%あった。気候変動や環境分野のリスクを1つ以上特定している企業も (more…)

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【EU】欧州委、2050年までにCO2純排出量ゼロの長期戦略方針採択。2019年欧州理事会での合意視野

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 欧州委員会は11月28日、2050年までに二酸化炭素排出量を80%削減し純排出量ではゼロにする長期戦略方針を採択した。パリ協定が定める2℃目標及び1.5℃努力目標達成から逆算して目標設定した。今後、EU理事会、欧州議会、及び補佐機関である経済社会評議会と地域委員会での審議を行い、2019年5月9日の欧州理事会(首脳会談)での合意を目指す。  今回の長期戦略方針は、2018年3月の欧州理事会で欧州委員会が策定を行うように求められていた。同長期戦略目標は、具体的な目標基準を設定するものではなく、EUの政策全体の柱となるビジョンと方向性を示したもの。関係するステークホルダーに対し、将来への予見性を与えるものともなる。長期戦略には、EUの加盟国、企業、主に若者と対象としたNGOに対し議論を始めるよう呼びかけ、2019年中にEUとして確定し、パリ協定事務局に国別自主的目標(NCS)として国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局に提出したい考え。  純排出量に向けては、電力、エネルギー、産業、交通、農業、建設・不動産業に大きな影響を与えるとみられる。 【参照ページ】The Commission calls for a climate neutral Europe by 2050

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【EU】欧州委、EU域外輸出ビジネスが域内の雇用・所得に果たす役割大きいと強調。統計調査発表

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 欧州委員会は11月27日、EU域外への輸出がEU加盟国の雇用と所得に与える影響をまとめた統計分析結果を発表した。2000年から2017年の間に域外輸出によりEU加盟国の雇用は66%(1,430万人)増加し、輸出関連職業は他の職業より所得水準が高いと表明。EU域外への輸出を増加させることが、EU経済にとって非常に重要との見方を示した。  EU域外輸出に関連する雇用は全てのEU加盟国で増加しており、増加率が高い順から、ブルガリア(312%)、スロバキア(213%)、ポルトガル(172%)、リトアニア(153%)、アイルランド(147%)、エストニア(147%)、ラトビア(138%)の順。絶対数では、ドイツが最も多く840万人がEU域外輸出に関連する雇用で、以下英国420万人、フランス340万人、イタリア320万人と続く。経済全体に占めるEU域外輸出関連雇用の割合も2000年の10.1%から2017年は15.3%に増えた。  またEU域外への輸出による雇用創出効果は、輸出企業のある国だけでなく、他の加盟国にも波及的に雇用が増えている(全体の18%)こともわかった。他の加盟国への波及効果が大きい国はドイツ、フランスの順で、フランスは絶対数では大きい英国を抜く。  所得面では、EU域外輸出関連職業は、他の職業よりも所得水準が高かった。職業別では、低スキル職業で15%増、中スキル職業で10%増、高スキル職業で18%増だった。 【参照ページ】New report provides further evidence of link between trade and jobs

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