【イギリス】ESG投資推進ShareAction、気候変動対応推進AODPを吸収合併

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 英NGOのShareActionは6月13日、機関投資家の気候変動リスクを調査・報告している英NGOのAsset Owner Disclosure Project(AODP)を吸収合併すると発表した。AODPは毎年主要機関投資家と運用会社の気候変動対応格付を実施しているが、今後はShareActionの中でこの活動を継続していく。 【参考】【ランキング】2017年 AODP「Global Climate 500 Index:グローバル気候500インデックス」(2017年5月9日)  ShareActionは、1990年代に英国大学退職年金基金(USS)にESG投資を呼びかけるキャンペーンとして生まれ、2005年にNGO組織として法人化。以後、機関投資家を始めとする金融機関にESG投資を推進する活動を展開している。一方、AODPは、豪環境NGOClimate Instituteのイニシアチブとして2008年に始まり、2010年に英国のNGO法人となった。  AODPは、ShareActionのリソースを統合することで、活動領域を広げていく。また、AODPも、ShareActionの一部となることで今まで以上に強力に機関投資家に対し気候変動対応を促していけると歓迎している。 【参照ページ】SHAREACTION TO STRENGTHEN FOCUS ON CLIMATE RISK WITH TAKEOVER OF THE ASSET OWNERS DISCLOSURE PROJECT

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【日本】GPIF、日本株ESGインデックスを3つ選定。ESG総合型で2つ、社会テーマで1つ

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 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は7月3日、日本株のESG投資インデックスを3つ選定したと発表した。採用されたのは、ESG要素全てを考慮に入れる総合型で「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」「FTSE Blossom Japan Index」の2つと、ESGのうち「S(社会)」テーマのみを考慮に入れる社会テーマ型で「MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」の1つの合計3つ。「E(環境)」テーマ型指数については、目下継続審査中。  MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数は、MSCIジャパンIMIのうち時価総額上位500銘柄をユニバースとし、MSCIのESGリサーチでの評価が高い銘柄を優先的に選抜した時価総額加重平均型インデックス。ESG評価の高い銘柄が、各業種の時価総額の50%を超えるまで選定している。2017年6月時点で251銘柄で構成されており、組入比率上位10社は、KDDI、三井住友フィナンシャルグループ、キーエンス、信越化学、NTTドコモ、花王、JR東日本、日立製作所、東京海上ホールディングス、パナソニック。  FTSE Blossom Japan Indexは、FTSE JAPAN INDEXに選定されている約500銘柄をユニバースとし、国内外のESG要因への対応力が優れた企業のみで構成する時価総額加重平均型インデックス。FTSEは、有名なESGインデックス「FTSE4Goodシリーズ」を以前から提供しており、その中にも日本株を対象とした「FTSE4Good Japan Index」があったが、今回の「FTSE Blossom Japan Index」は、業種ウェイトを中立化した新たなインデックスとなっている。2017年6月時点で151銘柄で構成されており、組入比率上位10社は、トヨタ自動車、三菱UFJフィナンシャル・グループ、JR東日本、セブン&アイ・ホールディングス、三菱電機、ソニー、三井住友フィナンシャルグループ、三井物産、日本たばこ産業、小松製作所(執筆者注1)。  MSCI日本株女性活躍指数(WIN)は、一つめのMSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数と同様、MSCIジャパンIMIのうち時価総額上位500銘柄をユニバースとし、各業種から性別多様性スコアが高い上位半数の銘柄を選定。構成比率は、時価総額加重平均ではなく、「時価総額×業種調整後性別多様性スコア×業種調整後クォリティ・スコア」という特殊な計算方式を用いている。2017年6月時点で212銘柄で構成されており、組入比率上位10社は、KDDI、アステラス製薬、ブリヂストン、NTTドコモ、キヤノン、ダイキン工業、HOYA、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三菱電機、リクルートホールディングス。  GPIFは、ESGインデックスの選定にあたって、(1)ESG評価の高い銘柄を選別する「ポジティブ・スクリーニング」、(2)公開情報をもとに企業のESGを評価し、その評価手法や評価結果も開示、(3)ESG評価会社及び指数会社のガバナンス体制・利益相反管理、の3点を重視したと説明。MSCIとFTSEともに、「ESG評価手法、評価結果の詳細な開示、評価結果の企業へのフィードバック、ESG指数を利用する投資家との対話を積極的に行い、その結果をESG評価の改善につなげる方針である」ことを評価。また、MSCI日本株女性活躍指数については、「情報開示を促進するインセンティブ付けがなされるような指数構築手法(開示が少ない企業についてはスコアが減算される仕組み)がとられている点を高く評価」したと背景を説明した。  GPIFは、昨年7月から9月にかけてESGインデックスの公募を行い、国内外の指数会社、運用会社など計14社から27本の応募があった。その中から、ヒアリング、現地実査、GPIF運用委員会での議論を経て、今回の選定に至った。公募を行ったテーマのうち、「E(環境)」テーマ型指数については現在実施中の審査を経て改めて発表する。一方、「G(ガバナンス)」型テーマ指数については「該当なし」として選定を見送った。 (執筆者注1)記事掲載時に記事執筆側で誤りがあり同日修正。 【参照ページ】ESG指数を選定しました 【インデックス】MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数 【インデックス】FTSE Blossom Japan Index 【インデックス】MSCI日本株女性活躍指数(WIN)

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【アメリカ】フィデリティ・インベストメンツ、ESGインデックス投資信託を2つ設定

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 運用世界大手米フィデリティ・インベストメンツは5月15日、サステナビリティにフォーカスしたインデックス投資信託を2つ設定した。米国市場を対象とした「フィデリティ・米国・サステナビリティ・インデックス・ファンド」と米国市場以外を対象とした「フィデリティ・インターナショナル・サステナビリティ・インデックス・ファンド」。  フィデリティは、米国顧客を担当する「フィデリティ・インベストメンツ」と、米国以外の顧客を担当する「フィデリティ・インターナショナル」で法人が分かれており、今回はフィデリティ・インベストメンツの発表。フィデリティ・インベストメンツは、2017年2月23日に国連責任投資原則(PRI)に署名。ESG投資分野に力を入れていく姿勢を定めている。一方、フィデリティ・インターナショナルは、先駆けて2012年10月18日にPRIに署名している。  フィデリティ・インベストメンツが設定した2つの投資信託は、複数のシェアクラスが設けられ、個人投資家と機関投資家の双方向けに販売される。米国市場を対象とする「フィデリティ・米国・サステナビリティ・インデックス・ファンド」は、MSCI USA ESG Indexをベンチマークとし、米国以外を対象とする「「フィデリティ・インターナショナル・サステナビリティ・インデックス・ファンド」は、MSCI ACWI ex USA ESG Indexをベンチマークとする。MSCIのESG Indexは、時価総額加重平均型株価指数で、大型株と中型株で構成。MSCI ESGリサーチ社が行うESGスコアが業界内で高い企業をオーバーウエイト(構成割合を多くする)している。2つの投資信託とも、ポートフォリオの80%以上をベンチマーク構成株式で運用する。  フィデリティは、ESG投資への取組としては、すでにESGアクティブファンド「フィデリティ・セレクト・環境&代替エネルギー・ポートフォリオ」と設定するとともに、同社のファンド情報プラットフォーム「FundsNetwork program」上で100以上のESGファンドを紹介している。同社によると、米国で投資されているESG投資信託やETFの総額は1,970億米ドルで、そのうち約170億米ドルが「FundsNetwork program」で扱われている。 【参照ページ】Fidelity Launches First Two Sustainability-Focused Index Funds

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【国際】トムソン・ロイター、バイサイド・アナリスト向けに企業のESG分析ツールを開発

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 金融情報世界大手トムソン・ロイターは5月17日、バイサイドのアナリスト向けに、SASB(米国サステナビリティ会計基準審議会)のマテリアリティ特定フレームワークに基づき、投資機会やリスク分析を行うための新たなツール「Insight360 SASB Edition」をリリースした。ツールはTruValue Labsが開発。トムソン・ロイターのオンライン・サービス提供ツールである「Thomson Reuters Eikon」で利用できる。サービス利用は有料。無料トライアルも提供されている。  Insight360 SASB Editionは、世界上場企業8,000社をカバーし、政府機関、NGO、新聞、ESG評価機関など75,000以上の情報ソースからデータを収集。人工知能を活用し、400以上のESGテーマに関する情報とTruValue Labsのリアルタイム分析結果の双方について、SASBのフレームワークを用いたチェックが可能となっている。SASBのマテリアリティ・フレームワークは、投資家視点でのマテリアリティ特定を行っているため、投資家にとって対象企業が属する業界のマテリアリティに関する実際の状況や分析を一望できるものとなっている。 【参照ページ】Thomson Reuters Boosts ESG Data Solutions in Eikon with SASB Materiality Framework Application

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【ドイツ】政府系のドイツ復興金融公庫、ESG債券投資で「ベスト・イン・クラス」採用

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 ドイツの政府系金融機関であるドイツ復興金融公庫(KfW)は5月15日、同社の債券投資ポリシーを改定し、ESG(環境・社会・ガバナンス)に優れた企業の社債を選んで積極的に投資していくことを決めた。同庫は2008年から、投資意思決定の中にESG要素を入れていたが、ESG評価の低い企業の投資割合を割り引くネガティブスクリーニング型のアプローチを採っていた。今回、資本市場においてESGへの関心の高まりがあると判断し、ESG評価を今まで以上に積極的に活用する方向に舵を切る。  ドイツ復興金融公庫は、同社のバランスシートの流動性を管理するため、債券運用を行っている。2008年に始めたポリシーは、外部のESG評価機関の発行体(国・自治体・国際機関・企業など)格付に基づき、評価が低い発行体債券への投資割合を10%または30%減少させるというもの。これは、格付が非常に低い企業だけに一定のマイナス影響がある方式で、「ネガティブスクリーニング型」と呼ばれる。今回これを改定する。  新たに採用するアプローチは、ESG格付の高い企業を選抜して社債投資を行う手法で、「ベスト・イン・クラス」または「ポジティブスクリーニング」と呼ばれる。ESG格付は、ESG評価機関世界大手サステナリティクスが担う。ドイツ復興金融効果は、このサステナリティクスが行う格付で業界上位20%の発行体の債券に集中投資する。社債だけでなく、国債に対しても同じ手法を採る。この手法により、発行体に対しESG格付を高めるよう従来以上に強く求めていく。 【参照ページ】New sustainable investment approach for KfW’s liquidity portfolio

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【アメリカ】ニューヨーク大「ESG投資の社会の評価フレームワークが不十分」。既存手法に改善要望

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   米ニューヨーク大学スターン・スクール(ビジネススクール)の「ビジネスと人権センター」は3月9日、近年主流の投資手法になりつつあるESG(環境・社会・ガバナンス)投資について、「社会(S)」の要素の大幅な改善が必要だとの分析を示したレポート「Measuring Human Rights Performance for Investors」を発表した。レポートでは、主要なESGインデックスや、最新のCHRB(企業人権ベンチマーク)までを含めた社会分野の調査手法を分析し、いずれも不十分なものだとの認識を示した。  レポートをまとめたのは、同センターに所属するCasey O’Connor上席研究員とSarah Labowitz研究員。両氏は、ESGの中での「S」の分析を行っている既存の12のインデックスや調査を分析し、それぞれには大きな欠点があり、ESG投資の「S」の充実のためには大きな改善があるとまとめた。  今回分析対象となったのは、 (1)企業報告ガイドライン GRI SASB 国連の指導原則レポーティングフレームワーク(UNGPRF) (2)ESG投資用データ ブルームバーグESGデータ DJSI(Dow Jones Sustainability Indices) FTSE ESG格付 (3)人権専門家によるフレームワーク Access to Medicine Index Enough ProjectのCompany Rankings on Conflict Minerals オックスファムのBehind the Brands campaign Ranking Digital Rights KnowTheChain CHRB(企業人権ベンチマーク)  レポートでは、ESGの中でも「E(環境)」については、環境インパクトに関する共通の測定手法が広く普及してきている中、「S(社会)」については有効な測定手法が確立されていないとの問題認識に立脚。とりわけ、社会の分野での既存の評価手法は、最終的な社会インパクトではなく、企業方針や体制面などの評価に留まっていることが大きな課題とした。そのため、既存のESG投資家にとって有効性の高い「S」評価にはなりきれていないと結論づけた。  例えば、GRIやSASBなど企業報告ガイドラインは、社会分野の最終的なインパクトを報告させる内容にはなっているものの、ガイドラインそのものが自主的な報告を促す性格のため、企業が一律に同じ基準で開示するものにはなっていない。また、DJSIやブルームバーグなどが提供しているデータは、人権侵害等の発生頻度が高いサプライチェーン上の社会評価を対象にしていないケースが多いことを問題とした。CHRBなど人権専門家による評価については、企業報告ガイドラインや金融情報会社のESGデータと比較しても最も企業方針や体制面での評価に偏っており、社会インパクト基点での評価がなされていないという。また人権専門家によるフレームワークは、対象企業数が著しく少ないことも課題視した。  その上で、レポートは、今後の改善の方向性として、 企業の努力姿勢ではなく、実社会のインパクトを測定すること 企業が報告する項目を超えた幅広い社会データを網羅すること 社会(S)に関する明確な基準を設けること 投資家をデータの最優先対象者とすること 【参照ページ】Report Reveals Gaps in Social Performance Metrics Needed By Investors to Identify Leading Companies 【レポート】Measuring Human Rights Performance for Investors

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【ヨーロッパ】ロンドン証券取引所グループ、企業向けにESG報告ガイダンスを発行

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 ロンドン証券取引所グループは2月9日、グループ内のグローバル・サステナブル・投資センターを通じ、企業のESG報告に向けたガイダンス「Your guide to ESG reporting」を発行した。同ガイダンスは、投資家が求めるESG関連情報の開示を企業に促すために作成された。発行と同時に、同グループの傘下にあるロンドン証券取引所とイタリア証券取引所の上場企業合計2,700社にも送付された。  ガイダンスでは、ESG情報開示を行うべき企業について、大企業が行うものという世の中の風潮があることを意識しつつ、中小規模の発行体もESG情報開示を積極的にすべきであり、そのメリットがあることを強調。また、ESGという用語について、「サステナビリティ」「企業責任」「CSR」などと同等であり、区別する必要はないした上で、重要項目として8つを挙げた。 1. 経営戦略との関連性  投資家は、気候変動、人口動態、テクノロジーなどがマクロ環境に対して企業がどのように対応していくかを理解しようとしており、企業はESG要素とビジネスモデルや経営戦略の関連性を説明し、その変化からのビジネス機会の創出や関連リスクの管理・低減の道筋を明確にすべきである。 2. 投資家視点のマテリアリティ  投資家は、企業の長期的展望を理解するため、企業にとってマテリアルだと信じる要素を見定めようとしており、企業は自身にとってマテリアルだと認識しているESG要素は何かを説明すべきである。また、同業他社が報告している内容を理解した上で、投資家が求めているデータや情報を開示すべきである。 3. 投資適確データの開示  投資家はESGデータを投資意思決定に活用しようとしているため、企業はデータの比較対象を担保するため、開示データを、正確で、新しく、会計年度と同時期のデータであり、連結決算対象と同じ企業グループ範囲であり、国際的な基準に沿うものにすべきである。また、データはローデータと標準加工データを双方開示すべきであり、その実績について良し悪しの判断もすべきである。データの第三者保証も推奨される。 4. 国際的フレームワーク  世界的には非常に数多くの報告基準が誕生してしまっているが、投資家に頻繁に参照されているものは、GRI、IIRC、SASB、UNGC、CDP、CDSB、金融安定理事会(FSB)の気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)である。また、国連持続可能な開発目標(SDGs)とTCFDは、次の10年間の情報開示で重要となる可能性が高い。 5. 報告フォーマット  企業は、ESG関連情報の報告にあたり、アニュアルレポート、独立のサステナビリティ報告書、統合報告書など様々なスタイルを採用することが可能だが、投資家にとってどれがベストかは自明ではない。企業は各々自社のニーズと投資家のニーズに照らして最適な方法を考るべきである。また、報告書は、投資家と企業との対話を補完、もしくは対話のための基礎知識を提供するためのものであり、対話を不要にするものではない。 6. 規制と投資家コミュニケーション  世界各国はESG報告において規制を制定してきており、もし規制内容が大きく相違していけば、企業と投資家の双方にとって大きな問題となる。企業は、各国の規制を報告内容を検討するための出発点として活用すべきだが、規制で求められる最低限度の開示に留めるだけでなく、投資家視点に立って報告するないようを検討する機会だととらえるべきである。 7. 環境収益報告  世界中で投資家は企業の環境製品や環境サービスを理解しようとしているため、企業は低炭素経済への移行に資する環境製品や環境サービスへの取組度合いを投資家に積極的にシェアすべきである。そのために、企業は自社が製造または販売している環境製品や環境サービスを特定し、そこからの売上を算出するとともに、将来の成長の向けたR&Dやイノベーション投資についても開示すべきである。 8. デットファイナンス  社債のESG評価に関心を持つ投資家の数は増加しているため、企業はグリーンボンドを新たな資金調達源として期待することができる。株式投資家と異なり、社債投資家は企業のESG評価について、債務返済可能性に関するものに限定したり、償還期間というより短期時間軸でのマテリアリティ考慮などをする傾向がある。社債分野でのESG情報開示基準も、グリーンボンドなどを中心に発展しつつあり、グリーンボンド基準では、資金使途や環境への正のインパクトの報告に関連するものとなっている。また、ソーシャルボンドの分野でも同様の基準が生まれつつある。  今回のロンドン証券取引所グループのガイダンスは、主に欧州の投資家や企業に向けてのものだが、ここで伝えられているものは、万国共通で普遍的に言えるものになっている。日本企業が海外投資家向けのIRや国内投資家向けのIRとして活用する上でも、十分役に立つと言える。 【参照ページ】London Stock Exchange Group Launches Guidance For ESG Reporting 【ガイダンス】ESG Guidance Report

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【国際】主要金融機関19社、SDGs達成に向け「ポジティブ・インパクト・ファイナンス原則(PPIF)」を制定

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 国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)は1月30日、世界の主要金融機関19社とともに、国連持続可能な開発原則(SDGs)の達成に向け、金融機関が積極的な投融資を行うための原則「ポジティブ・インパクト・ファイナンス原則(PPIF)」を制定した。ポジティブ・インパクト・ファイナンスは、非常に新しい動き。参画した19社はこの分野に非常に関心が高いと言える。  同原則を共同作成した金融機関は、フランスのBNPパリバ、ソシエテ・ジェネラル、フランス預金供託公庫、Mirova、英国のハーミーズ・インベストメント・マネジメント、米国のPax World、オランダのINGグループ、トリオドス銀行、スウェーデンのSEB、カナダのデジャルダン・グループ、オーストラリアのウェストパック銀行、Australian Ethical、ブラジルのイタウバンコ、南アフリカのファーストランド銀行、ネドバンク、スタンダード銀行、インドのイエス銀行、ギリシアのPiraeus Bank、マリのBMCE Bank of Africa。新興国の金融機関が多く参画していることが特徴的。19社の金融資産総額は6.6兆米ドル(約740兆円)。  今回制定された「ポジティブ・インパクト・ファイナンス原則」は、SDGsに貢献する投融資に関する共通言語を定めるため、金融機関、投資家、認証機関に向けて策定された。原則は、「定義」「フレームワーク」「透明性」「アセスメント」の4つの原則で構成されている。1つ目の「定義」では、ポジティブ・インパクト・ファイナンスを、SDGsの達成に向け社会、環境、経済のいずれか一つ以上に貢献するとともに、負のインパクトを特定・緩和する投融資と定めた。投融資には、融資、債券、株式、メザニン、手形など全ての商品が含まれる。  2つ目の「フレームワーク」では、各社の投融資がもたらすポジティブ・インパクトを特定しチェックするには、適切なプロセス、手法、ツールが必要となると規定。従来の投融資の延長ではなく、ポジティブ・インパクト・ファイナンスを実現するためには新たなスキルやプロセスが必要だとした。3つ目の「透明性」では、ポジティブ・インパクト・ファイナンスの内容、そのプロセス、結果としてのインパクトを透明性高く情報開示していくことを定めた。とりわけ、意図するインパクトを前もって提示することにも重点を置き、インパクトを投融資後後付け説明する手法とは一線を画す内容となった。4つ目の「アセスメント」では、実際のインパクトに基づいた効果測定が必要だとし、適切な内部プロセスや外部機関による評価が必要だとした。  原則をまとめた文書は、原則の内容部は1原則1ページとコンパクトにまとめられており読みやすい。これらの原則は、今後金融機関が重視する「インパクト・ファイナンス」のあり方を企業、政府、市民社会に対して示していくことで、双方のコミュニケーションや情報開示、エンゲージメントをスムーズに進むことが期待されている。 【原則】THE PRINCIPLES FOR POSITIVE IMPACT FINANCE

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【国際】RepRisk「世界で最も物議を醸した企業2016年」発表。賄賂やマネーロンダリング関与が多数

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 ESGリスクに関する情報提供大手のRepRiskは1月25日、2016年度版「世界で最も物議を醸した企業(Most Controversial Companies)報告書」を発表した。同報告書は2008年から毎年発表されており、今年が9回目。同報告書は、上場・非上場含む世界の主要企業80,000社と20,000件のプロジェクトの情報を網羅した同社の「ESGリスクプラットフォーム」に基づいて、リスク値を計測している。このプラットフォームには、メディア、オンラインメディア、ソーシャルメディア、第三者団体等から発行された報告書、ステークホルダー、NGO、政府機関、規制機関、シンクタンク、ニュースレター等の公開情報を15言語で毎日収集している。今回リストアップされた10社の内8社は、汚職や詐欺等のガバナンス問題を起こしており、環境問題や社会問題のみによって選ばれたのは2社だけだった。  リスクはゼロ(リスクが最も低い)から100(リスクが最も高い)で得点付けされ、特に75から100の値はリスクが非常に高い。 ランキング 企業名 リスク値 国 業界 1 1MBD 97 マレーシア 開発金融 2 モサック・フォンセカ 89 パナマ 法律事務所 3 Samarco Mineração 83 ブラジル 資源採掘 4 江蘇常隆化工 81 中国 化学 5 大宇造船海洋 80 韓国 造船 5 ウナオイル 80 モナコ 石油ガス 7 リサール商業銀行 79 フィリピン 金融 8 ロッテグループ 78 韓国 複合体 9 フォルクスワーゲン 76 ドイツ 製造業 10 オデブレヒト 74 ブラジル 建設  1位の1MDBは、マレーシア国営の総合開発会社だが、同社が他の政治家や富豪のマネーロンダリング経路になっているとして、汚職、贈収賄、強要、マネーロンダリング、詐欺等のニュースがマレーシア本国だけでなく、米国、シンガポールでも大きな話題になっている。2位のモサック・フォンセカは、「パナマ文書事件」の渦中の法律事務所で、違法取引、ダミー会社設立、闇金融、税回避等で知られる。3位のSamarco Mineraçãoは、2015年の2カ所のダム決壊事故により鉄鉱山が破壊され、地域や住民、エコシステムに甚大な被害を及ぼした。2016年も廃棄物処理等の事後対処の杜撰さが指摘されている。4位の江蘇常隆化工は、化学物質による汚染、廃棄物処理等の問題。5位の大宇造船海洋は、詐欺、汚職、贈収賄、強要、反競争的行為(独占禁止法違反)等が明らかになっている。6位のウナオイルは汚職、贈収賄、強要、マネーロンダリング等。7位のリサールも汚職、贈収賄、強要、マネーロンダリング等が指摘。8位のロッテグループは汚職、贈収賄等とともに、ロッテマートが殺菌剤を製造、販売した加湿器用の殺菌剤により多数が死傷した事件が話題となった。9位フォルクスワーゲンは排ガス不正問題。10位のオデブレヒトは、汚職、贈収賄、強要、マネーロンダリング、詐欺、独占禁止法違反等が指摘されている。  分析の中で特定されているESGリスクは、国際基準に基づく45のトピック群のうち、ホットトピックを28個選択。事件が発生する度に、目新しさ、関連性、重大さの分析が行われ、同社のアナリストが「ESGリスクプラットフォーム」に概要を入力するとともに対応トピックとリンクさせる。同一の事件は、より影響の大きい事件への拡大、重大な事件へのつながり、あるいは過去6週間に報道されなかった場合を除いて、二度入力されることはない。  「ESGリスクプラットフォーム」は、企業のサプライチェーンのリスク管理、取引先のリスク管理、与信管理、投資管理などに活用されている。 【報告書】Most Controversial Companies 2016

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【アメリカ】議決権行使助言大手ISS、IW Financial買収によりESGリサーチ部門を強化

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 米議決権行使助言大手Institutional shareholder Services(ISS)は1月5日、米ESGリサーチ会社IW Financialを買収したと発表した。IW Financialは、メイン州ポートランドに本社を置き、2001年よりESGリサーチ、コンサルティング、ポートフォリオマネジメントに関するアドバイザリーサービスを提供している。  IW Financialの主要顧客は運用会社やその他金融機関で、顧客の資産管理プロセスの見直し、リスク管理、生産性向上、売上拡大、顧客リレーションシップ強化などの面で支援している。IW Financialは特許取得済みのソリューションを保有しており、そのツールでは、顧客は簡易な設定による基準で投資対象企業を評価することができる。例えば機関投資家は自社の投資プラットフォーム、商品、ポートフォリオにESG基準を照らし合わせ、顧客ニーズやESGガイドラインに沿った資産管理を行うことができる。  ISSは、IW FinancialのサービスをISSのESGリサーチ部門である「ISS-Ethix」と統合させ、一体的なサービス提供を実施していく。IW FinancialのSam Pierce CEOは統合されるESGリサーチ部門のヘッドに就任し、ISSが提供するISS QualityScoreの一環として今年後半にリリースを予定しているESG格付手法の開発を率いていく。 【参考ページ】Acquisition Will Help Meet Growing Demand of Investment Management Community for ESG Data and Insights

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