【国際】WBCSD、サステナビリティ報告の外部保証に関する新たなフレームワークを提示

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 サステナビリティを推進するグローバル企業ら200社で構成されるWBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)は2月15日、サステナビリティ報告における外部保証の価値と活用方法についてまとめた報告書、"Assurance: Generating value from external assurance of sustainability reporting"(「保証:サステナビリティレポートの外部保証による価値創出」)を公表した。  同報告書は、第三者保証の取得によりレポートの信頼性とレポートを発行する価値が強化されるとしたうえで、保証機関や国際的なガイドラインも踏まえてサステナビリティレポートの外部保証における方向性を提示し、レポート作成者を支援する内容となっている。  世界中の上場企業の間でサステナビリティレポートの発行が一般的となりつつある中、開示の有無はもちろん、開示情報の信頼性や正確性といった「質」が問われるようになってきており、そのための独立した第三者によるレポート外部保証の重要性が高まってきている。  一方で、レポートの外部保証による価値創出やその活用方法については企業によって取り組みレベルが異なるのが現状だ。WBCSDは今回報告書の中で、新たに企業の外部保証における成熟度に関するフレームワーク、「Assurance Maturity Model」を公表し、企業のレベルに応じた外部保証の活用方法を提示した。  Assurance Maturity Modelでは外部保証に取り組む企業のステージを「Responsive(対応)」「Enhanced(強化)」「Leveraged(活用)」の3つに分け、それぞれのステージに応じた外部保証のアウトカム(価値)とスコープ(保証範囲)を整理している。 ステージ1:Responsive アウトカム:コンプライアンス(規制や市場メカニズム、外部からの圧力や期待への対応) スコープ:データ(一部のKPI) ステージ2:Enhanced アウトカム:パフォーマンス(内部統制・データ収集・パフォーマンス強化) スコープ:マテリアリティ(マテリアルな開示情報) ステージ3:Leveraged アウトカム:競争優位性(透明性と信頼性向上による戦略的差別化) スコープ:バランス・統合(全ての報告が一般的な基準を満たしている)  同報告書を活用することで、サステナビリティレポートを発行する企業はレポートに記載する情報を検証する際、自社がどの地点におり、どこを目指していくのか、継続的な改善を通じてどのように価値を創出できるかについて理解を深めることが可能となっている。また、報告書には各ステージに応じた価値創出の可能性を明確にしたうえで、成熟度を高めていくための提言が盛り込まれている。  WBCSDの会員企業は、加盟後1年以内にサステナビリティ関連のパフォーマンスおよびその効果についての報告が求められるが、2014年~2015年のデータに基づくWBCSD Reporting Matters によると、会員企業の大部分が開示内容の正当性を明示するために外部保証を適用しているという。  WBCSDが運営するRedefining Valueプログラムの担当責任者を務めるRodney Irwin氏は「サステナビリティ関連情報の質と完全性の強化が進められている一方で、課題はまだ残されている。この報告書により、会員企業、レポート担当者、保証提供者の実績および(今後への)期待を明らかにすることができた。今回、我々は主要なガイドライン機関、特にCDSB(Climate Standards Disclosure Board)、GRI(Global Reporting Initiative)、IIRC(International Integrated Reporting Council)、SASB(Sustainability Accounting Standards Board)にも協力をしてもらった」と語る。  サステナビリティ情報開示の信頼性を担保する上で第三者保証は非常に有効だが、その実施状況や活用レベルについては企業により差があるのが現状だ。外部保証を通じて報告業務が生み出す価値をさらに高めていきたいと考えるCSR担当者の方はぜひ同報告書を参考にしていただきたい。報告書は下記からダウンロード可能。 【レポートダウンロード】Assurance: Generating value from external assurance of sustainability reporting 【団体サイト】WBCSD 【参照サイト】Reporting Matters 2015

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【国際】GRI、新たなマルチステークホルダーネットワーク、GOLDコミュニティを開始

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 サステナビリティ報告に関する国際ガイドラインのGRIは2月16日、新たにグローバルのマルチステークホルダーネットワークプログラム、GRI GOLDコミュニティを開始すると公表した。同プログラム市民セクターや企業、仲裁機関、政府間組織など69ヶ国、550以上の多様な企業や組織が参加するという。  GLODコミュニティの会員組織らは既にGRIのサステナビリティ・レポーティング2025プロジェクトを通じて将来のサステナビリティを形作る上で重要な役割を果たしているが、GOLDコミュニティではサステナビリティに関する最新のインサイトやトレンドをキャッチアップできる機会が提供されるという。  プログラム名となっているGOLDの文字にはそれぞれ意味があり、G(Gateways to networking & collaboration:GRIゴールド・ラウンドテーブル・シリーズなどのネットワーク・協働に向けた入口)、O(Opportunities for profiling & visibility:GRIのFeatured Reports Serviceへのアクセスなどプロファイリング・可視化への機会)、L(Leading edge knowledge & insights:G4 Forefrontプログラムなど最先端の知識・インサイトへ)、D(Dedicated services & support:G4レポートに対するAlignment Serviceなど献身的なサービス・支援)を表している。  GRIにて代表を務める Michael Meehan氏は、「GOLDコミュニティプログラムは、先頭に立ってGRIがサステナビリティの将来を形作る手助けをしてくれている組織らによって構成されている。GOLDコミュニティの会員はGRIのグローバルネットワークの中核であり、彼らの参加は、我々がミッションを達成する上で重要な役割を担っている。昨年のポスト2015開発アジェンダおよびCOP21における野心的な合意を受けて、産業界はより持続可能な世界の実現に受けて行動を起こすことが求められている。GRIゴールドコミュニティは、会員らがこれらの重要な目標の支援に向けてサステナビリティ情報の本当の価値を解き放つ手助けとなるだろう」と語った。  GRIゴールドコミュニティの会員は、3月18日~20日にかけてオランダアムステルダムで開催されるGRIグローバル・カンファレンスにおいて初めて一堂に会する予定となっている。同カンファレンスでは会員限定のセッションやネットワーキング機会などが用意されるとのことだ。 【参照リリース】GRI launches GOLD Community to shape the future of sustainability 【団体サイト】Global Reporting Initiative

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【国際】GRI、2030アジェンダ実現に向けた「持続可能な開発戦略2016-2020」を公表

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 サステナビリティ報告に関する国際ガイドラインのGRIは2月3日、昨年9月に国連で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の実現に向けて、今後5年間における組織戦略、"GRI Sustainable Development Strategy 2016-2020(GRI持続可能な開発戦略2016-2020)"を公表した。  GRIはサステナビリティ報告の分野における先駆的存在として、過去10年以上にわたって先進国だけではなく開発途上国におけるサステナビリティ方向の普及・推進にも取り組んできた。結果として、2000年時には開発途上国の企業が発行したサステナビリティ報告書はわずか5つしかなかったのに対し、2014年にはその数が1,700以上へと増加しているという。また、GRIはトレーニングプログラムを通じてサステナビリティ報告能力の育成に取り組んできただけではなく、SDGsの策定においても大きな役割を担った。  また、GRIの領域であるサステナビリティ報告は、SDGsが掲げる17の目標のうち12番目の目標となる「持続可能な消費と生産のパターンを確保する」の中に紐づけられており、12.6において、世界全体でサステナビリティ報告を発展させ、責任ある事業慣行を支援することが求められている。  こうした背景もあり、今回GRIはSDGsの採択に合わせてGRI自身としての持続可能な開発戦略もSDGsに沿った形へとアップデートした。GRIは掲げた戦略の中で、インクルーシブで持続可能かつグリーンな経済成長の促進に向けて下記4つを主たる目標として設定している。 持続可能な開発方針:持続可能な開発およびサステナビリティ報告をとりまくローカルおよび国際的な方針の実現および強化 開発途上国におけるサステナビリティ報告の増加と改善:特に開発途上国における中小企業や地域のリーダー、アドボカシー団体など、これまで行き届いていなかったステークホルダーも含む全てのステークホルダーに関わるレポーティングの実現 変革に向けた能力育成:新たな提携、エンゲージメント、トレーニング機会の模索やレポートデータの受益者や想定ユーザーの支援により、企業や政府、地域社会らが企業の責任をより強く認識できるようになる能力を継続的に育成 新興課題におけるイノベーション:新興トピックや課題に関する明確化やガイダンスを政策立案者や企業らに提供。  なお、これら4つの目標は、GRIが提供する「サステナビリティ報告基準」、およびサステナビリティデータプラットフォームを通じて提供予定の「豊富なデータ」という2つの土台によって支えられており、GRIはこの基準とデータの2つを通じて企業や組織を支援していく。  また、戦略の中では今後、GRIが取り組んでいくプログラムについても取り上げられているが、その中には国連機関や政府、証券取引所や国際NGOなどとの新たなパートナーシップの構築や既存の提携関係の強化、国連グローバルコンパクトおよびWBCSDとの共同イニシアチブであるSDGs Compassの実行、開発途上国における地域拠点の拡充、開発課題の解決に向けて民間セクターから提供されるビッグデータの活用コーディネート、サステナビリティ報告の影響を定量化する新たなアプローチの開発などが含まれる。  GRIのDeputy Chief Executiveを務めるTeresa Fogelberg氏は「この最新の戦略は、持続可能な開発の進化におけるタイムリーなものとなっている。今や、持続可能な社会を実現する上では政府だけが責任を負っているわけではないという共通認識が受け入れられている。グリーンでフェアな成長の成果を生み出し、持続可能な開発を実現する上では企業やプライベートセクターが非常に重要な役割を果たしている」と語った。  Fogelberg氏の語る通り、SDGsの実現に向けてビジネスに期待されている役割は確実に広がっている。環境への影響軽減はもちろん、雇用の創出や投資、イノベーション等を通じて持続可能な開発に貢献することが求められているのだ。その上で、GRIが提供するガイドラインや豊富なサステナビリティデータは大いに役立つリソースとなる。  GRIの2020年までの戦略は、サステナビリティに取り組む多くの企業にとって今後の自社の方針を見定める上で参考になるはずだ。レポートは下記からダウンロード可能なので、ぜひ参考にして頂きたい。 【レポートダウンロード】GRI Sustainable Development Strategy 2016-2020 【参照リリース】GRI Commits to the 2030 Agenda with a new Sustainable Development Strategy 【団体サイト】GRI

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【北米】サステナビリティレポートの発行数は今後2年間で1,000以上に。CSE調査

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 サステナビリティ戦略コンサルティング会社のCSE(Centre for Sustainability and Excellence)は1月11日、北米地域におけるサステナビリティ報告の最新トレンドに関する調査結果を公表した。同調査は、2014年に米国およびカナダで発行された400のサステナビリティレポートのガイドライン活用状況や第三者保証の実施状況などを分析したもので、対象企業は中小企業から多国籍企業にいたるまで多岐に渡る。  同調査によると、北米地域では上場企業によるサステナビリティレポートの発行が進んでおり、2014年にレポートを発行した企業のうち82%が上場企業だった。また、北米では今後2年間で1,000以上のレポートが発行される見込みだという。最も発行数が多い上位3セクターは金融、エネルギー・電力、採掘業界だった。  さらに、CSR報告書・サステナビリティレポートを発行しようという動きは中小企業の間でも広がっており、透明性の向上や顧客の信頼獲得、事業の成長を目的としてレポートを発行する中小企業の数も今後数年で増えていく見込みだという。  また、報告ガイドラインとして最も広く活用されているのはGRIガイドラインだったほか、レポートの第三者保証については、外部保証を求める北米企業・組織の割合はグローバルの平均を下回っており、開示されているデータの透明性や信頼性については課題があることが明らかになった。  なお、今回の調査結果の詳細については、3月以降CSEが実施するAdvanced Certified Sustainability (CSR) Practitioner TrainingおよびオンラインプログラムのSustainability Academyの中で公表される予定とのことだ。  今回の調査では、北米ではサステナビリティレポートの発行が浸透する一方で、その開示情報の信頼性などについては未だ課題がある点を明らかにしている。世界におけるサステナビリティ報告のトレンドは「開示するかどうか」という議論から開示する情報の「質」へと確実に移行している。 【参照リリース】Sustainability Reporting Trends in North America 【団体サイト】Centre for Sustainability and Excellence 【参考サイト】Sustainability Academy

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【国際】GRI、2014–2015 Combined Report を公表。レポート数は昨年比28%増

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 サステナビリティ報告に関する国際ガイドラインのGRIは12月18日、2014年6月1日から2015年6月30日までの活動成果をまとめた報告書、"GRI 2014–2015 Combined Report"を公表した。  報告書の発行にあたり、GRIは今回初めて外部機関による第三者保証を導入した。また、今年の報告書では昨年とは構成が大きく変更されており、GRIの活動内容がEnabling Smart Policy(より優れた方針の実現)、More Reporters Better Reporting(報告の量と質の向上)、Moving Beyond Reports(報告のその先へ)、Innovation and Collaboration(革新と協働)という4つの戦略重点領域に整理されている。  報告書によると、GRIの組織体制はこの1年で拡充し、スタッフ数は昨年比で14.5%増加したとのことだ。また、GRIのグローバル・ネットワークを構成するOrganizational Stakeholders(OS)の数も21%増加し、世界各地でG4の研修等を行うGRI認定トレーニングパートナーの数も19%増加した。  さらに、GRIはガイドラインの効果的な活用に向けたナレッジ発信・共有にも積極的に取り組んだ。"Linking GRI and CDP"や"Linking GRI and IRIS"などGRIガイドラインと他機関との関連性についてまとめた報告書を含め、過去1年間で18の刊行物を出版したほか、Oxfam Novibと協働してサステナビリティデータの活用に関する研究報告書"The Role of Data in a Sustainable Future"も公表している。  GRIの組織体制だけではなく、GRIを活用してサステナビリティ報告を行う組織の数も拡大している。2015年6月末時点で、データベースに登録されているGRIガイドラインを活用したレポート数は昨年比で28%増加しており、19,192件に到達した。また、今回の報告書の対象期間ではないものの、GRIによると2015年11月末時点ではレポート数は21,892件になり、データベースに登録されているGRI以外のレポートも含めると合計30,000件というマイルストーンに到達したという。  上記のように過去1年間で多くの進歩を遂げた一方で、GRIは今後の主たる課題として人権、気候変動リスク、そしてインクルーシブで安定的かつレジリエントなグローバル市場を構築するためのサステナブル投資を挙げている。今後もサステナビリティ報告の新たな在りかたを模索し、サステナビリティデータの価値を最大限に活用できるテクノロジーの革新や強化に向けて他組織とも密接に連携していくとのことだ。  COP21の開催に先立ち、昨年11月にはUNEPがサステナビリティ報告の現状と課題についてまとめた最新の報告書、"Raising the Bar – Advancing Environmental Disclosure in Sustainability Reporting"を公表し、報告の質の改善を訴えた。(参考記事:【国際】SDGs達成に向けてサステナビリティ報告の質向上を。UNEP報告書)  サステナビリティ報告の普及に伴いサステナビリティ関連データが世界中で急激に増加しているなか、リアルタイムレポーティングや双方向コミュニケーション、バリューチェーン全体にわたる報告など、サステナビリティ報告をとりまく課題も進化しつつある。また、複数のガイドラインの乱立など新たな課題も顕在化してきた。世界のサステナビリティ報告を形作ってきたGRIが、これらの課題に対して今後どのようなランドスケープを描いていくのか、今年もその活動や発信に注目したい。 【レポートダウンロード】GRI 2014–2015 Combined Report 【参照リリース】GRI’s Combined Report for 2014-2015 just released 【団体サイト】GRI

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【アメリカ】GRI、サステナビリティ報告担当者向けGOLDラウンドテーブルを開始

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 サステナビリティ報告に関する国際ガイドラインのGRIが、今年の2月から米国アトランタとサンフランシスコにてサステナビリティ報告担当者向け「GOLDラウンドテーブル」プログラムを開始する。異なる地域のサステナビリティ報告担当者らが一堂に会して相互の知識やノウハウを共有し、より優れたレポートの作成方法やサステナビリティデータの新たな活用方法を模索するのが目的だ。  プログラムの概要としては、12~20人の参加者を1グループとし、モジュールは半日単位でおおよそ四半期に一度の割合で開催される。米国をベースとしたサステナビリティレポートに関するグループ学習やケーススタディなどが課される予定だ。なお、ラウンドテーブルではサステナビリティ報告に関わる主要課題として「サステナビリティ・コンテクスト」「マテリアリティとバウンダリー」「ステークホルダー・インクルーシブネス」「サプライチェーン」の4トピックが設定されている。  GRIの北米地域におけるCorporate & Stakeholder Relations責任者を務めるAlyson Genovese氏は「サステナビリティ報告担当者らは地理や規制、文化において類似点を持つ他の報告担当者とつながり、学ぶ方法を探していた。GRIはサステナビリティ報告の質を高め、企業がレポートを戦略的ビジネスツールとして活用できるよう支援することにコミットしている。GOLDラウンドテーブルは参加者らがスキルや知識を深めるうえで役立つだろう」と語る。  GOLDラウンドテーブルは、GRIによる北米地域での教育および支援プログラムの拡充を反映させたものだ。なお、今年は米国以外にもドイツ、ブラジル、コロンビア、オランダでのGOLDラウンドテーブルの開催を予定しているとのことだ。 【参照リリース】GRI Launches GOLD Roundtables Program in USA 【団体サイト】GRI 【参考サイト】GOLD Roundtable Program

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【アメリカ】P&G、2015年のサステナビリティレポートを公表。2020年までにCO2排出30%削減

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 米消費財大手のP&Gは12月15日、炭素排出量の削減や社会状況の改善に向けた詳細な目標を盛り込んだ2015年度のサステナビリティ報告書を公表した。今回の報告書では、2020年までに温室効果ガス排出絶対量を30%削減するという同社の新たな気候変動目標や、再生可能エネルギー調達拡大に向けたConstellation EnergyおよびEDF REとの新たな提携、木繊維およびパーム油の責任調達に関する進捗状況などについて触れられている。  P&Gは、消費者に愛される製品を作り続けながらも資源保全の最大化、自社工場における再生可能エネルギー100%、全ての製品およびパッケージに100%再生可能な素材またはリサイクル可能な素材を使用、消費および生産における埋め立て廃棄ゼロといったサステナビリティ目標を実現するという長期ビジョンを掲げ、環境から社会まで幅広いサステナビリティ活動に取り組んできた。  特に気候変動対応については、科学的根拠に基づく温室効果ガス排出削減目標設定を推進するScience Based Targetsイニシアチブに加盟し、今年の9月に2020年までに30%削減という野心的な目標を設定するなど、消費財業界の中でも強いリーダーシップを発揮している。  また、P&Gは同社が展開するChildren Safe Drinking Waterプログラム(清潔な水にアクセスできない子どもや家族のために80億リットル以上の水を提供するプログラム)を通じて地域社会への投資を継続するほか、世界中の人道支援組織などと協働して2020年までに150億リットルの水を提供することも公表しており、環境だけではなく社会面にいたるまでその活動は幅広い。  P&GにてExecutive Sponsor of Sustainabilityを務めるMartin Riant氏は、「P&Gでは、我々は長きにわたって我々の環境フットプリントや我々が生活し、働くコミュニティを改善するためのイノベーションに取り組んできた。サステナビリティは我々が行う事業に統合されており、この報告書は我々がこれまで取り組んできた資源保全、環境保護、社会状況の改善に関する進捗状況についても詳細に述べている。我々は、再生可能エネルギーの使用を大幅に増加させており、気候変動対応に向けたコスト効率の高いソリューションとイノベーションに注力している企業との連携も進めている」と語る。  消費者からのより環境・社会に配慮した製品に対するニーズが強まる中で、消費財メーカーは自社のバリューチェーン全体をより持続可能なモデルへと転換する必要性に迫られている。大量生産・大量消費という成長モデルが崩れた今、P&Gをはじめとする大手消費財メーカーに求められているのは、新たな「サステナブル・ブランド」としての存在感だ。  2020年までに温室効果ガス排出30%削減という非常に高い目標を掲げたP&Gがこの5年間でどのようなイノベーションを生み出していくのか、今後の取り組みに期待したい。 【レポートダウンロード】English 2015 Sustainability Full Report 【参照リリース】P&G Releases 2015 Sustainability Report, Detailing Progress against 2020 Environmental and Social Goals 【企業サイト】P&G

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【国際】SDGs達成に向けてサステナビリティ報告の質向上を。UNEP報告書

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 UNEP(国連環境計画)は11月12日、ドイツのベルリンで開催された"Reporting 3.0 Conference"の中で、企業らのサステナビリティ報告の現状と課題についてまとめた最新の報告書、"Raising the Bar - Advancing Environmental Disclosure in Sustainability Reporting"を公表した。  同報告書の中で、UNEPは「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の実現に向けて企業に対してサステナビリティ活動および情報開示の質を今一度再確認するように求めた。UNEPは、企業らは自社が環境に与えている影響の規模や程度を正確にレポーティングに反映することに失敗しているとしたうえで、調査対象企業108社のうち、地球の気温上昇を2度未満に抑える上で必要となる科学的根拠に基づいて温室効果ガス排出削減目標を設定している企業は9社しかなかったと指摘した。  UNEPによると、108社のサステナビリティ報告は、主として温室効果ガス排出(95%)、エネルギー(83%)、水(81%)、マテリアル・廃棄(75%)の4分野に焦点を当てているものの、それらの報告の質は不十分で、資源や材料の利用が環境やコミュニティに与えている全ての影響を反映できていないという。同報告書は特に「水」と「資源」の利用に関してより積極的な活動および説明責任を促しており、加えて、科学的根拠に基づくサステナビリティ目標の設定を求めている。  UNEPは現状のサステナビリティ報告を取り巻く課題として、マテリアリティ特定と保証手段の調和および強化の必要性、サプライヤーなどのバリューチェーン上流から下流のステークホルダーまでを巻き込んだ協働によるサステナビリティ報告の必要性、そしてサステナビリティ・コンテクストの原則(自社のパフォーマンスを環境や社会資源の制限や需要といったコンテクストの中で示す)がほとんど活用されていない点を挙げている。  2つ目のバリューチェーンの協働については、サステナビリティ報告を現状の一方向の形式から、あらゆる関連ステークホルダーに対するより広範囲で多方向な、かつダイナミックで現在進行形のコミュニケーションへと移行する必要性を指摘している。  また、同報告書はサステナビリティ報告の質に最も強い影響力を持つ重要なステークホルダーとして、「長期投資家」「証券取引所」「政府」「バリューチェーン上で協働する企業」の4つを挙げている。また、今回の調査には含まれていないものの、UNEPは市民団体やNGOも多大な影響力を持ちうる重要なステークホルダーとして挙げている。  今年の9月にはニューヨークで2030年に向けたSDGs(持続可能な開発目標)が採択され、12月にはパリCOP21が「パリ協定」の合意が実現されるなど、世界各国の政府は地球全体のサステナビリティ向上に向けた道筋をしっかりとつけた。次は、各企業が目標の達成に向けてステークホルダーと協働しながら具体的な取り組みを進めていく番だ。自社のサステナビリティ活動を進化させる上でも、ステークホルダーと効果的なコミュニケーションを取る上でも鍵を握るのは「報告」活動だ。  科学的根拠に基づく目標設定やバリューチェーン全体における影響の特定など、サステナビリティ報告に求められる質は年々高まりつつあるが、企業らはそれを機会と捉え、自社の報告を改善・進化させられるかどうかが問われている。Reporting 3.0 Conferenceの当日の様子は下記からどうぞ。 【レポードダウンロード】Raising the Bar - Advancing Environmental Disclosure in Sustainability Reporting 【参照リリース】Raising the Bar on Corporate Sustainability Reporting to Meet Ecological Challenges Globally 【団体サイト】UNEP 【関連サイト】Reporting 3.0 Conference

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【国際】WBCSDら、サステナビリティ報告に関するグローバル情報プラットフォームを開設へ

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 持続可能な開発を目指すグローバル企業ら約200社で構成されるWBCSD(World Business Council for Sustainable Board:持続可能な発展のための世界経済人会議)、CDSB(Climate Disclosure Standards Board:気候変動開示基準委員会)、Ecodeskは11月10日、世界のサステナビリティ報告に関する情報プラットフォーム、”The Reporting Exchange”を開設すると発表した。  同プラットフォームが完成すれば、サステナビリティ報告に関する地域別、国別、そして国際的な基準やガイドラインを無料かつ多言語で一覧できるようになる。クラウドソーシングモデルを活用して情報を更新することで、常に世界中の最新の規制やルール、政策、実践、イニシアチブ、基準、コード、ガイダンスに関する情報にアクセス可能になる。  現在世界にはサステナビリティ報告に関するガイドラインや規制、基準などが国際レベルのものから地域レベルのものまで数多く併存している。加えて新たなガイドラインの登場や既存ルールのアップデートなども頻繁に起こるため、サステナビリティ報告を取り巻く世界の概況を包括的に把握するのは非常に困難となっていた。  The Reporting Exchangeは、そうした現状を分かりやすく整理し、世界のサステナビリティ報告の全体像を俯瞰できるようにすることで、企業に対してより統合的な報告および十分な情報に基づく意思決定を促し、投資家に対しても企業パフォーマンスやリスク、機会に関するより質の高い情報へのアクセスを提供することを目指している。  同プラットフォームは主としてサステナビリティ報告を実施する企業における活用が想定されているが、投資家や規制担当者はもちろん、学術関係者やNGO、市民社会、そして新たな報告イニシアチブを開発中の団体にとっても有益な情報源となることが期待される。  WBCSDにてRedefining Value Programのマネージング・ディレクターを務めるRodney Irwin氏は「我々は今回の取り組みは非常に重要だと考えており、この革新的なプラットフォームの開発にあたりEcodeskおよびCDSBと協働できることを嬉しく思う。企業の業績や透明性への要請は変化しており、それを受けて企業のサステナビリティ報告はより複雑で断片的な状況になり、企業は対処することが困難になっている。我々はReporting Exchangeがこのような状況を整理する上で役立つことを望んでいる」と語る。  The Reporting Exchangeは2016年末にβ版がオープン予定で、一般ユーザーからのフィードバックを受けて2017年半ばに全世界においてリリース予定となっている。 【参照リリース】The Reporting Exchange – revolutionizing the reporting landscape 【団体サイト】The World Business Council for Sustainable Development (WBCSD) 【団体サイト】Climate Disclosure Standards Board (CDSB) 【企業サイト】Ecodesk

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【国際】GRI、G4に代わる新たなサステナビリティ報告基準GRI Standardsを2016年に公表へ

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 サステナビリティ報告に関する国際ガイドラインのGRIが設立した新たな国際サステナビリティ基準設定のための独立機関、GSSB(Global Sustainability Standards Board)は11月5日、従来のGRI G4ガイドラインをGRI Sustainability Reporting Standards(GRI Standards)に移行する計画を公式に承認した。  同計画は現行のG4ガイドラインの基準や内容を見直し、グローバルにおけるサステナビリティ情報の比較性やユーザビリティ、情報の質を高めることを目的とするものだ。GRI Standardsへの移行後は、GRIが従来展開してきたような第3版から第4版へといったガイドラインのバージョンアップデートはなくなり、マルチステークホルダー原則に基づいてGSSBワークプログラムに集められた意見を基に、継続的に更新されていく形となる。また、GSSBワークプログラムにはセクター毎の基準開発も含まれている。  GRIの貢献もあり、今では世界の大手企業の多くがサステナビリティ報告を実施するようになったことで、企業活動が経済・環境・社会へもたらす影響に関する透明性は大きく向上した。一方で、サステナビリティ報告の広がりとともに様々なガイドラインやフレームワークが乱立し、世界の共通言語となる、よりユニバーサルな報告基準を求める声も高まっていた。今回のGRI Standardsへの移行はそうした声に対応するものだ。GSSB は2016年9月までに初版となるGRI Standardsの公表を目指すとしている。 【参照リリース】GSSB TO ISSUE GRI SUSTAINABILITY REPORTING STANDARDS IN 2016 【参考サイト】Global Sustainability Standards Board 【機関サイト】GRI

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