【国際】Ceres、パーム油分野での報告ガイダンスを発表。業界全体での幅広い推奨報告事項を提示

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 サステナビリティ分野の国際アドボカシーNGOのCeresは1月26日、責任あるパーム油分野のための報告ガイダンスを発表した。パーム油の生産にについては、生産現場での違法伐採や森林火災への関与、労働者の人権侵害など数多くの問題が指摘されている。今回作成された報告ガイダンスは、パーム油の生産者、加工者、貿易会社、食品・消費財メーカー、小売事業者までのサプライチェーン全般に渡り、各業界の企業が情報開示やステークホルダーとのコミュニケーションをとるべき内容をまとめた。  今回の報告ガイダンスは、セリーズの他、国際環境NGOであるCDP、Conservation International、Rainforest Action Network、Rainforest Alliance、世界自然保護基金(WWF)米国、オックスファムなど20団体が作成に携わった。  ガイダンスの内容は、既存のガイドラインや認証基準をまとめ上げたもので、新しいガイドラインを目指しているわけではない。そのため、関連企業は、報告ガイダンスを参照しつつ、これまでと同様、サステナビリティレポートやホームページ、他の報告機関への報告を実施していけばよい。また、報告ガイダンスでは、各業界毎に10を超える推奨報告事項が記されているが、一度に全てを達成する必要はなく、ガイダンス内容を時間を書けて徐々に整備していけばよいとセリーズは話している。  企業以外でも、企業とNGO、企業と投資家の間での対話やデューデリジェンスにおいても、今回の報告ガイダンスは活用できる内容となっている。パームオイル認証機関のRSPOは不完全だとの指摘を過去に受けていることもあり、企業には自ら透明性やコミュニケーションの改善を試みていくことが求められている。改善にあたって今回の報告ガイダンスを現状のチェックツールとして参照してみるとよいだろう。 【参照ページ】Reporting Guidance for Responsible Palm

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【国際】CeresとPRI、森林破壊を防止するための投資家グループ設立。まずは南米を対象

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 サステナビリティ分野の国際アドボカシーNGOのCeresと国連責任投資原則(PRI)は11月11日、牛肉、大豆、木材製品の生産増加により世界的に蔓延する森林破壊の問題に対処するため、新たなパートナーシップを締結したと発表した。両者は、森林破壊や、サプライチェーンによる強制労働および土地権利紛争など関連する他の問題で食品メーカーや木材企業にプレッシャーを与える世界の機関投資家を後押しするため、共同で新たに投資家グループを立ち上げる。活動地域は森林破壊が深刻な南米地域に当面フォーカスする。  今回の提携は、COP22マラケシュ会議内の投資家イベントで発表された。森林破壊はCOP22での主要トピックでもあり、人間活動により年間約1,200万ヘクタールの森林が破壊されていることが同イベントで明らかにされた。世界的な森林破壊を加速させている最大の要因は牛肉。肉牛を放牧するために、南米では年間270万ヘクタールの熱帯雨林が破壊されている。新規開拓された畑からの大豆購入を禁止する大豆畑開発凍結協定(大豆モラトリアム)により、ブラジル・アマゾン流域では大豆主導の森林破壊が劇的に減少しているが、マメ科植物の栽培による森林破壊は依然として主要因のまま。背景には、世界的な肉・乳製品の需要の高まりにより、大豆の生産量が過去20年間で2倍になっているためだ。 【参考】アマゾンの森林破壊が急速に悪化。サバンナ化の可能性も  セリーズとPRIが新たに立ち上げるグローバル投資家グループの活動内容は、(1)牛肉、大豆、木材企業の調達方法およびその影響が正当であるか評価する指標の位置づけおよび開発(トレーサビリティ、サステナビリティの目標および方針、透明性、証明制度の遵守等)、(2)メーカー50社から60社に対しこの指標でのベンチマークを実施、(3)低スコアの企業に対し、サステナブルな調達方針の採用を勧告するためのエンゲージメントや議決権行使を実施、(4)国家および国際レベルで政策アドボカシー団体へのエンゲージメントを実施、の4項目。  セリーズの発表によると、ニューヨーク州退職年金基金や運用会社大手ロベコが、すでに今回の投資家グループ入りに関心を示している。ニューヨーク州退職年金基金はこれまでにパーム油の調達において、ダンキンドーナツ、コナグラ・フーズ、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランドなどに対してエンゲージメントを行い、森林破壊を伴わない調達方針の制定を成し遂げてきた実績がある。同年金基金は、制定を拒否したドミノ・ピザに対して株主総会にまで話を持ち込んで株主提案を行い、議決権26.2%を獲得するまでにも至っている。 【参考】ニューヨーク州退職年金基金、サステナビリティ投資を50億米ドルへ  今回投資家グループ設立は、セリーズの他、持続可能な開発のための経済人会議(WBCSD)、世界自然保護基金(WWF)、インテル創業者が設立したゴードン・アンド・ベティ・ムーア財団が加わっている環境保全・金融市場協働プログラムの一環で、ゴードン・アンド・ベティ・ムーア財団が資金を提供する。 【参照ページ】Ceres and the PRI Join Forces to Tackle Tropical Deforestation

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【アメリカ】Ceres、全米民間電力事業者の再エネ導入実態調査、ランキング発表

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 サステナビリティ分野の国際アドボカシーNGOのCeresは6月28日、再生可能エネルギーに推進に関する州の政策と電力事業者に関するレポート「Clean Energy Utility Benchmarking Report: 2016」を発表した。Ceresは2014年にも同様の報告書を発表しており、今回のものが2016年最新版。日本では、米国は環境への配慮が低いと認識されているが、連邦制の米国では実際には各州ごとに温度感が大きく異なる。またオバマ政権は環境政策には積極的に働きかけてきたため、連邦政府の関心度もここ数年は大きく向上している。米国の電力事業者は大きく民営化されており日本よりも競争が激化しているが、今回の報告書では全米の民間電力ホールディング会社30社、傘下の子会社電力事業者119社を対象とし、再生可能エネルギーの導入実態や発電効率を、複数の公開情報をもとに調査、ランキングを発表した。今回の報告書では、再生可能エネルギーの定義からは、原子力と水力は除かれている。   (出所)Clean Energy Utility Benchmarking Report: 2016  報告書からは、電力会社の低炭素経済に向けた取り組みは、各州政府の動向に大きく影響されていることがわかった。堅調な成果を上げた電力会社の多くは、コロラド、ミネソタ、マサチューセッツ、カリフォルニアなど、再生可能エネルギーを力強く推進する州に本社を置いていた。上位ランクに入ったSempra、PG&E、Edison International、Xcelといった企業では、年間売上のうち20%以上が再生可能エネルギー発電によって生み出されていた。特にSempraは、2013年から2014年の一年間で再生可能エネルギー発電の売上が55%以上も増加、2014年度年間売上の36%が当該事業によって占められるほどだった。一方、格付けが低い事業者は、この問題にあまり積極的でないアラバマやミシシッピなど南部の州に集中していた。  また、全体傾向としては、活用できる最新データであった2014度データからは、30社合計の再生可能エネルギーは13%伸長、同時に発電効率の向上により9%のエネルギー削減を達成していた。とりわけ、風力発電が再生可能エネルギーを牽引。太陽光発電は、住宅設置だけでなく、電力事業者の設置も増えていることが明確となった。カリフォルニア州では2013年に、民間電力会社大手3社に対して電力備蓄(ストレージ)を義務付ける制度が開始されており、バッテリーの導入も急増している。  今後の見通しに関しては、オバマ政権が導入した「クリーンパワープラン」と、減税措置が大きな推進ドライバーとなるとした。クリーンパワープランは米国連邦最高裁判所によって違憲判決が出ているものの、今年秋には再審議判決が出て合憲とされる可能性が高いというのが有識者の共通見解。これにより、今後も低炭素電力に向けた取り組みは大きく続くと見られている。その影響はすでに始まっており、米国では今後石炭火力発電が大きく減少し、天然ガス火力と再生可能エネルギーが大きく伸びるという将来見通しが今回の報告書でも示された。再生可能エネルギー導入コストの削減と、発電コスト削減につながる発電効率の向上は、低炭素に向けた経済合理性も高いとの見方も述べた。  気候変動枠組条約パリ会議(COP21)の場で、米国も2025年までに2005年比で温室効果ガス排出量を26%から28%削減すると表明している。それに伴い、米環境保護庁(EPA)が主導する「クリーンパワープラン」も、2030年までに電力事業者からの温室効果ガス排出量を32%削減する目標を立てているが、現状の推移ではまだまだ努力が足らない。Ceresは、今後の発展のためにも、電力事業者の取り組みとして、自らの努力だけでなく、低炭素経済に向けた政策への積極的な支持も重要だとしている。すでに、上位ランク入りしたNational GridやPG&Eは、発電効率向上政策についての支持を明確にしている。  電力小売自由化進んでいる米国では、サステナビリティ戦略として企業が、積極的に再生可能エネルギー発電を推進する電力事業者から電力を購入する企業が増えている。Ceresの報告書は、このような企業にとって非常に有益な情報で、企業の選択肢にも影響を与えそうだ。 【参照ページ】Ceres Ranks U.S. Electric Utility Companies’ Renewable Energy, Energy Efficiency Performance 【報告書】Clean Energy Utility Benchmarking Report: 2016

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【アメリカ】大手企業および機関投資家ら、米国政府に輸送用トラック基準の厳格化を要請

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 気候変動・エネルギー政策の変革を目指す企業イニシアチブのBusiness for Innovative Climate & Energy Policy(BICEP)と気候変動リスクの回避に取り組む機関投資家ネットワークのInvestor Network on Climate Risk(INCR)は9月30日、莫大なコスト削減とCO2排出量削減を可能にする普通・重量級トラック規制の強化を求める要望書をオバマ政権に提出した。この要請はサステナビリティ分野の国際アドボカシーNGO、セリーズの支援を受けて実現したものだ。  BICEPおよびINCRは米国環境保護庁(EPA)、運輸省(DOT)、国家道路交通安全局(NHTSA)へ向けた個別文書の中で、トラック用燃料の経済性と環境への悪影響を改善するより厳格な基準の必要性を指摘している。具体的には、オバマ政権はPhase 2規則の原案の中で普通および重量級貨物輸送トラックの平均燃料消費を2027年までに36%削減することを提案しているものの、BICEPおよびINCRはこの目標を厳格化し、2025年までに平均で40%削減することを要請している。  現在貨物用トラックはCO2を短時間で最も多く排出している要因となっており、排出量は年間4.5憶トン以上に上る。燃料効率の良いトラックに切り替えることで、より多くの経費を節約でき、CO2排出の抑制も可能となる。  BICEPの会員企業らは、EPAの事務局長を務めるMcCarthy氏とDOTの担当責任者であるFoxx氏に対し「多くの企業は製品の輸送をトラックに依存しており、トラック業界の効率化は今後ますます重要になる。より厳しい基準に改正することで、2040年には貨物輸送コストを6.8%削減し、年間340億米ドルを節約できる可能性がある。それらの経費は消費者に還元され、物価の値下げにより1世帯あたり年間250米ドル節約できる」と訴えた。  一方、INCRの会員らは「基準の厳格化は実行可能であり、費用対効果が大きく、燃料価格の不安定さから脱出して経済成長を促し、先進的なトラック関連技術への投資を誘引し、気候変動リスクを削減する。2040年までに1マイルあたり21セントの節約、2030年までに1日あたり140万バーレルの石油消費の抑制、そして2030年までに年間の二酸化炭素排出量を2.7億万トン削減できる可能性がある」としている。  BICEPはイーベイ、ゼネラルミルズ、ユニリーバ、ナイキら米国を代表する企業が会員に名を連ねる主要な企業団体だ。会員企業全体で200万人に仕事を提供しており、年間の純利益は約4,000億米ドルに及ぶ。INCRは合計の運用資産が13兆米ドルを誇る100以上の機関投資家が加盟しているネットワーク団体で、これまでにも米国政府に対して気候変動に関する様々な提言を行っている。 【参照リリース】US Businesses, Investors Urge Stronger Truck Standards 【団体サイト】BICEP 【団体サイト】INCR 【団体サイト】Ceres

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【アメリカ】セリーズ、大手食品会社らの水リスク対応力を評価したランキングを公表

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 米国の大手食品会社らは、世界の水資源をより効率的に利用するために現在より遥かに厳格な基準に移行しなければならない。サステナビリティ分野のアドボカシーNPOのセリーズは5月7日、米国の大手食品会社37社の水リスク対応力を評価した報告書"Feeding Ourselves Thirsty: How the Food Sector is Managing Global Water Risks"を公表し、そう結論づけた。  同報告書によると、事業活動およびサプライチェーンにおける水リスク管理のために幅広く対策を打ち出している企業はごく一部に留まっており、多くの企業が未だに多くの課題を抱えていることが指摘されている。同報告書では加工食品、飲料、食肉製品、農産物の4つの分野別に水リスクが企業の採算性・優位性をどれだけ左右しているかを分析し25、水リスクの予測、低減への取り組みに関する各企業からの回答をもとに各企業を評価、ランキング化した。その結果、ユニリーバが70点を獲得して最上位に選出されたのに対し、最下位となったMonster BeverageとPinnacle Foodsはそれぞれたった1点しか付与されなかった。(ランキング詳細はこちら)  そのほか、同報告書では長引いた干ばつにより50万エーカー以上の農地が休閑地となり、農業全体で10億米ドル以上の損失が生じたカリフォルニア州の事例などを挙げ、食品業界と水リスクの密接な関係について言及している。食品業界は世界にある淡水の7割を利用する最大の水消費業界であると同時に、農薬や肥料による表流水の汚染など、水資源に対して深刻な脅威をもたらしていることが浮き彫りにされている。こうした問題に対し、同報告書は食品会社が水資源利用の効率化と水質向上に取り組み、水リスクの低減を図っていくための方法について提示している。  セリーズの水プログラムの担当者を務めるBrooke Barton氏は「世界的な水不足と水汚染という二つの課題は、食品会社の採算性と長期的な食糧・水安全保障を脅かしている。より多くの食品会社がリスク管理に乗り出してきてはいるものの、特に農業のサプライチェーンにおける取り組みをより層幅広く、徹底するべきだ」と語る。  また、米国最大の公的年金基金であるカルパースのシニアポートフォリオマネージャーでコーポ―レートガバナンスの責任者を務めるAnne Simpson氏は「資源リスクをうまく管理できる企業は長期投資の対象に値する。今回のセリーズによるレポートは、水資源の枯渇が企業にとってどのようなリスクと機会をもたらすのかという新たな視点を与えてくれている」と述べた。  世界最大の仮想水輸入国である日本にとって、今回の報告書が指摘する水に関わる問題は決して他人事ではない。個別企業だけで取り組むには限界のあるサプライチェーン全体を対象とした水リスクへの対応に、食品業界や行政が連携して取り組んでいくことが望まれている。 【レポートダウンロード】Feeding Ourselves Thirsty: How the Food Sector is Managing Global Water Risks 【参照リリース】New Report: Major Food Companies Must Adapt to Escalating Global Water Risks 【団体サイト】Ceres

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【国際】CDPへの署名機関投資家数は順調に増加。高まるCDPの影響力。

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 世界の機関投資家らが集まり、企業に対して気候変動に関する情報開示を求めている国際団体のCDP(旧カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)が、かつてないほどの影響力を持ちつつある。2015年3月現在、総計95兆米ドルの資産を有する822の機関投資家が、世界の大手上場企業5,850社に対し、CDPを通じて環境データ、戦略、行動に関する情報開示を要求している。  さらに今年は、CDPは12月にパリで開かれるCOP21に先立って気候変動に関する世界的な合意形成を実現するために、自社の情報開示を超え、産業界を代表して声を上げるよう企業らに働きかけている。現状CDPがWe Mean Business Coalitionとともに支援している6つのイニシアチブのうち、少なくとも1つ以上のイニシアチブにコミットしている企業は60社に達している。We Mean Business CoalitionはCDP、BSR、Ceres、WBSCDらで構成される、気候変動アクションを喚起するためのグローバル連合だ。  CDPが公表している2015年3月時点での主な活動状況は下記の通り。 Carbon Actionは、CO2排出量が多い業界の企業に対してCO2排出削減を働きかけるイニシアチブで、2015年は前年の3倍以上となるCO2排出量が多い17業界、1,335企業に対して情報開示要求が行われた。 CDPの森林プログラムに署名した機関投資家の数は前年比24%増加の298におよび、合計資産は前年比27%となる19兆米ドルに到達した。 水も引き続き重要な課題として認識されており、CDPの水プログラムにも、前年比8%増となる617の機関投資家が署名しており、総資産は63兆米ドルに達した。 気候変動プログラムへの署名数は822、総資産は95兆米ドルに到達した。 2015年2月には初めてとなる詳細な業界分析報告書"No room for passengers: are auto manufacturers reducing emissions quickly enough?"を公表し、CO2排出量の多い6つの業界へ向けた重要な測定基準およびそれらと財務パフォーマンスとの関係を特定した。  CDPのCEOを務めるPaul Simpson氏は「来たるCOP21のような一大イベントと共に、CDPに署名する機関投資家の数は増加している。ゲームを変える政策への合意を確実なものにするために、投資家は行動を起こし、温室効果ガス削減や再生可能エネルギー投資、より明確で透明性の高い情報開示にコミットすることで低炭素社会へ移行できるよう、企業に働きかけていく必要がある」と語った。  CDPの影響力は年々高まっており、気候変動や水、森林保護など環境関連の非財務情報について適切な情報開示ができない企業は機関投資家から厳しい評価を受ける時代はもうそこまで来ている。 【リリース原文】Investor support for environmental data collection grows apace 【団体サイト】CDP

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private 【レポーティング】サステナビリティ(CSR)報告ガイドラインを主導するグローバル機関

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(図)サステナビリティ報告ガイドライン カオスマップ。Sustainable Japan作成。 複雑化するサステナビリティ(CSR)ガイドライン  サステナビリティ報告やCSR報告を担当する方々からよく受ける質問があります。「一体、どのガイドラインを参照すれば良いのか」。実はこの種類の問いは非常に回答に窮します。もちろん、有名なガイドラインはあります。例えばGRI、サステナビリティ報告についての包括的なガイドラインと言っても過言ではなく、先進国・新興国問わず世界中で参照されています。しかしながら、当サイトSustainable Japanでは日々GRI以外の多の多くのガイドラインについてもご紹介をしています。ISOが定めたISO26001、温室効果ガス算出方法で有名なガイドラインのCDP、紛争鉱物報告ガイドラインを制定しているcfsi、財務情報と非財務情報の統合を試みる<IR>などなど。これらのガイドラインを全体として公式に統括する機関は今のところ存在していません。それぞれの機関はお互いに連携をしつつも、独立した動きを見せ発展してきています。こうした体系的に整理されずにルールやガイドラインが増殖していく動きは、中央政府の省庁が一元的にルールを管理する傾向の強い日本にはあまり馴染みのない状態です。整理されないルール増殖というのは悲観すべきなのかもしれませんが、それだけ今サステナビリティ報告や非財務情報報告の領域は急速に発展してきていることの証左でもあります。産業革命やIT革命の際に数多の技術が一度に勃興してきたように、サステナビリティや企業情報開示の分野も今まさに革命期にあると言うことができるでしょう。正直、この領域の専門家でない限り、全ての動きに日々目を向けていくのは非現実的です。ですので、今回は、いまこうしてますます複雑化していくサステナビリティ報告ガイドラインの状況を俯瞰的にまとめてお伝えしていきます。 GRI 〜サステナビリティ報告ガイドラインの中心的存在〜  GRIとは (more…)

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2015/04/28 体系的に学ぶ

【国際】セリーズ、世界の水リスクに関する投資家向けハンドブックを発行

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 世界で水不足リスクに対する懸念が増す中、サステナビリティに関するアドボカシーNPOのセリーズは3月10日、世界の投資家向けに水課題に対する分析と意思決定を支援するハンドブック"Investor Handbook for Water Risk Integration(投資家ハンドブック:水リスクの統合)"を公表した。  同ハンドブックは、機関投資家および水問題の専門家へのヒアリングに基づき、いかに水課題を中心としたESG要素を投資戦略に統合するかについてまとめたものだ。主に水関連の投資慣行に焦点を当てており、どのように水要因を投資方針、ポートフォリオ管理、戦略プランニング、顧客との信頼構築に取り込んでいくかについての専門的なアドバイスが含まれている。  また、同ハンドブックでは水リスクは既に顕在化しており、かつ拡大していることを明らかにしている。人口増加、需要の逼迫と気候変動の影響を受け、世界経済フォーラムは先日、水不足を世界最大のリスクだと発表したばかりだ。現在世界では10億人以上の人が既に「水ストレス地域」に居住しており、その数が2025年までに2、3倍に増加する見通しだ。米国の中西部とカリフォルニア州、中国、ブラジルで起こっている干ばつは、既に企業活動のみならず経済全体に影響を及ぼしている。  同ハンドブックを作成したセリーズ金融アナリストのMonika Freyman氏は「世界の水リスクは企業、債券発行者、インフラ、そして経済全体にとっての大きな脅威となりつつあるが、投資家の多くはまだ水リスクがどのように自身のポートフォリオに影響を及ぼすかについて、充分に評価しきれていない。このハンドブックは、水課題をより深く、広く理解するためのステップを提示することで、投資家のためだけではなく、将来世代のための活力ある経済の実現に向けてより持続可能な水慣行に貢献することを目指している」と語った。  水不足というと一部の国と地域の問題のように思いがちだが、実は農産物の輸入による仮想水も考慮すれば世界最大の水輸入国でもある日本も、この問題と無関係ではいられない。世界的な人口増加と経済発展により水需要が膨らむ中、どのように水のサステナビリティを確保していくかはあらゆる業界、企業にとって最重要課題でもある。同ハンドブックは投資家向けだが、世界の水リスクを正確に把握する上ではとても参考になる。レポートは下記からダウンロード可能(要登録)。 【レポートダウンロード】Investor Handbook for Water Risk Integration 【団体サイト】Ceres

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【アメリカ】コカ・コーラ、ゼネラルミルズら、カルフォルニアで共同節水キャンペーンを開始

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 米国カリフォルニア州における干ばつの深刻化を受けて、同州に拠点を持つグローバル企業らは3月5日、新たに同州の水資源のサステナビリティ向上に向けた"Connect the Drops"キャンペーンを開始すると発表した。  サステナビリティに関するアドボカシーNPOのCeresが立ち上げたこのキャンペーンは、コカ・コーラ、ゼネラルミルズ、GAP、シマンテック、ドリスコール、リーバイスなど大手企業らが既に宣言に署名しており、今後も署名企業数は増える予定だ。キャンペーンの宣言は下記の通り。  「我々は時代遅れの水管理慣行、方針、インフラで州の経済の将来を台無しにするわけにはいかない。今こそカルフォルニア全市民のためのレジリエントな水環境の構築に向けた斬新な発想、共通の目的、そして大胆な解決策が求められている。そしてその取り組みを牽引する責任を持つのは企業の我々にほかならない。」  現在カリフォルニア州では面積の9割以上が深刻な干ばつ状況にある。2014年には州の農業経済は22億ドル以上の損失を被り、耕作地の半分以上が利用されなくなっている。同キャンペーンの宣言に署名した企業には、州が掲げる水資源保護に向けた行動計画に従って事業を展開すること、また水資源の効率向上と水マネジメントの改善について、政策立案者、従業員、顧客、そして同業者と協働することの2つが求められる。  署名企業の中には既に取り組みを開始している企業もある。例えばドリスコールは州の一部地域で農家に地下水利用量の公表を義務づけ、灌漑技術を推進する官民パートナーシップを共同創設したほか、州内に53の生産拠点を持つコカ・コーラは、2億8000万トンの節水につながる水の利用効率向上策を打ち出している。さらに、住宅メーカーのKB Homeは平均より水使用量が半分以下の住宅を開発した。  カルフォルニアで事業を展開する企業にとって、同州の抱える干ばつ・水不足問題は自社の事業運営に関わる重大なサステナビリティ課題でもある。Ceresが中心となり企業らが協働する今回のキャンペーンは、優れたコレクティブ・アクションの事例の一つだ。キャンペーンの詳細は下記から確認可能。 【参考サイト】Connect the Drops 【団体サイト】Ceres

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【国際】機関投資家ら、グリーンボンド市場の更なる透明性と規格化を期待

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世界的にグリーンボンド市場が大きな成長を見せ続ける中、サステナビリティ分野の国際アドボカシーNGO、Ceresの機関投資家ネットワークInvest Network on Climate Risk(以下、INCR)は2月10日、グリーンボンド市場の健全な成長に向けて投資家の期待をまとめた声明書"Statement of Investor Expectations"を公表した。同文書は、クリーンエネルギー融資や気候変動対策ソリューションなどについて、より継続性があり耐久性の高いグリーンボンド市場の枠組み作りを支援するためのものだ。 年金ファンドや保険会社、資産運用会社などグリーンボンドの主たる購入者となる機関投資家で構成されるINCRは、2014年1月に公表された"Green Bond Principles"(グリーンボンド原則)への支持を表明していたが、今回の声明ではさらに以下4つの点に取り組むことで、グリーンボンド原則をより強固なものにすることを目指している。 「グリーン」プロジェクトに関する一般的な基準を含む適格化 債券発行時に、資金の使途やその他の行動に関する情報開示 資金の使途やプロジェクトの影響、効果に関する報告 独立した保証 いずれのポイントもグリーンボンド市場の信頼性、透明性を担保し、投資家が安心してグリーンボンド市場に参加できるようにする上でとても重要な点となる。 2030年までに世界のクリーンエネルギー投資を毎年1兆USドルずつ拡大することを目指すClean Trillionキャンペーンを昨年に開始したことでも有名なCeresのInvestor Programsで役員を務めるDirectorのChris Davis氏は「グリーンボンドは、我々が喫緊で必要としているクリーンエネルギーソリューションのための重要な融資メカニズムであり、市場の成長や誠実性は、より明確な基準を通じて実現されるだろう」と語った。 また、チューリッヒ保険グループのCIO(最高投資責任者)を務めるCecilia Reyes氏は「強固な基準や明確な情報開示は、グリーンボンド市場の更なる発展に向けて非常に重要な点であり、我々は投資家らに自らの期待を述べるための場所を提供しているINCRの取り組みを歓迎する」と語った。 Ceresは先日公表した"2014 Clean Trillion analysis"の中でも低炭素経済を実現する10のドライバーの1つとしてグリーンボンドを挙げており、クリーンエネルギーへの民間投資を更に加速させることが期待されている。 INCRのグリーンボンドワーキンググループの一員でもあり、教職員向け年金基金として全米1位の運用規模を誇るCalSTRS(カルスターズ:カリフォルニア州職員退職年金基金)のCEOを務めるJack Ehnes氏は「グリーンボンドのアクティブ運用者であり、868,000人のカルフォルニア州の教職員およびその家族の退職年金の受託者として、カルスターズはこの投資家による指針がより強固で信頼性の高いグリーンボンド市場、そして気候変動リスクに対応したクリーンエネルギーソリューションへの融資に貢献すると信じている」と語った。 さらに、世界銀行の役員を務めるHerrera-Pol氏は「2008年に世界銀行がグリーンボンドを最初に発行して以来、グリーンボンド市場の成長を促進してきた。このCeresが主導する投資家らによるイニシアチブは、投資家と債券発行者の建設的な対話の素晴らしい一例だ。これはグリーンボンド市場にとって正しい方向への更なる一歩となる」と語る。 より多くの投資家が自身の期待を声にして明確に伝えることは市場の健全な発展のためにとても重要であり、またそれは債券発行者がグリーンボンドから得られる利益の拡大にもつながる。グリーン債券市場の成長に伴い今後さらなる透明性向上や規格化が推進されることが期待される。 【リリース原文】Investors Encourage Further Transparency, Standardization to Spur Green Bond Market Growth 【団体サイト】Invest Network on Climate Risk 【団体サイト】Ceres

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