【ミャンマー】フェイスブック、ロヒンギャ問題批判受け、第三者人権インパクト評価結果発表

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 フェイスブックは11月5日、同社のSNSサービスがミャンマーでのロヒンギャ問題での民族対立や社会的分断を悪化させたとの批判を受け、ミャンマーでのサービス提供に関する第三者の人権インパクト・アセスメント・レポートを公表した。アセスメントは米サステナビリティ推進NGOのBSRが実施した。結果を受けフェイスブックは、もっと早く対策を講じるべきであったと自戒の念の述べた。一方で様々な課題を抱えるフェイスブックに対しては、「対応が遅すぎる」との批判の声も上がっている。  今回の件は、9月19日に国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が公表したロヒンギャ問題に関する包括的な調査分析報告書の中で、フェイスブックを始めとするソーシャルメディアもミャンマーでのロヒンギャへのヘイトスピーチを伝播する役割を果たしていたと発表していたことがある。  人権インパクト・アセスメントは、同社による直接的な人権違法行為や法的責任を調査するものではなく、同社の事業が引き起こす人権影響を評価するもの。今回評価を担当したBSRは、国連人権とビジネスに関する指導原則(UNGP)や同社も加盟する「Global Network Initiative」の規範等を基に、人権インパクトを分析し、提言をまとめた。人権には、世界人権宣言が規定するもののうち、「生命、自由及び身体の安全に対する権利」「プライバシーの権利」「表現の自由」「児童の権利」「差別禁止」「文化へのアクセス」「生活水準」を対象とした。  同レポートは、フェイスブックは、表現の自由が政治的に制約されていたミャンマーで「表現の自由」を強化するというプラスの側面をもたらしたとしつつも、同時にヘイトスピーチを伝搬し社会的分断を助長する役割を果たしたとした。人権を侵害するヘイトスピーチに対しては昨今、「表現の自由」の保護対象とはならないという概念が国際的に広まっている。またミャンマーでは、テクノロジーが一気に進化しソーシャルメディアが規範意識が緩い中で拡大したという背景もあり、フェイスブックがもたらす悪影響リスクも高まっていたと分析した。  フェイスブックのこれまでの対応については、ヘイトスピーチ助長のため対策を求める声がNGO等を含め様々なステークホルダーが同社に寄せられていたことにも言及。フェイスブックが策定している「コミュニティ規定」に対しても、規定のあるなしではなく、実効性が必要との見地から、対策が不十分と断じた。ミャンマーは2020年に大統領選挙を控えていることも、将来の重大な人権リスクと位置づけ、早急な対策が必要とした。  これに対し、フェイスブックは、人権インパクトを事業に取り込むため、人権専門家の採用を進めていると表明。ヘイトスピーチ投稿を発見するための人工知能(AI)開発や、講じている対策の公表強化の考えも示した。  これら一連の動きに対し、国連ビジネスと人権に関する指導原則発足者の中心人物のひとり、ジョン・ラギー・ハーバード大学教授は11月15日、外部からの声に耳を貸さず、対応が後手に回っているフェイスブックの体制を大きく問題視。ミャンマーだけでなく、エジプト、インド、フィリピン、スリランカ、ウクライナでも同様の負の人権インパクトをもたらしていることにも言及した。負の人権インパクトを削減するためには、新サービス投入やサービスの新市場投入の際に人権デューデリジェンスを実施することが重要と強調。さらに負のインパクトが発生した際には、改善措置を施すことが企業の義務と述べた。 【参照ページ】An Independent Assessment of the Human Rights Impact of Facebook in Myanmar 【参照ページ】Our Human Rights Impact Assessment of Facebook in Myanmar 【レポート】Human Rights Impact Assessment, Facebook in Myanmar 【参照ページ】Myanmar: UN Fact-Finding Mission releases its full account of massive violations by military in Rakhine, Kachin and Shan States 【参照ページ】FACEBOOK IN THE REST OF THE WORLD

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【国際】BSR、再生可能エネルギー投資促進に向けた金融機関向け提言書発表

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 サステナビリティ企業ネットワークの米BSRは5月10日、再生可能エネルギーへの投資拡大に向けたレポート「Scaling Finance for Clean Energy」を発表した。同レポートの作成では、国際機関やNGO、企業連合体が発行してきた報告書の調査とともに、金融機関や事業会社へのインタビューと多様なステークホルダーを集めたグループインタビューも実施。BSRは企業が集まる団体のため、同レポートはビジネスや投資の視点からの現状分析を行っている。再生可能エネルギーの拡大に向けた今後の提言としては、金融機関の業界全体での協働アクションを挙げた。  国際エネルギー機関(IEA)の試算では、パリ協定で定めた2℃目標を達成するためにはパリ協定署名164ヶ国の合計で、2030年までにエネルギー業界だけで少なくとも13.5兆米ドル、経済界全体では90兆米ドルが必要。現状のIEAの予測では、政府が主導する気候変動関連プロジェクトにより、2030年までに風力1.3兆米ドル、太陽光1.1兆米ドル、水力0.9兆米ドルを含む3.9兆米ドルが投資される。また、エネルギー効率分野にも5.4兆米ドルが投じられる。  足元の状況では、2016年の世界全体の再生可能エネルギー投資額は約2,875億米ドル。過去最高だった昨年の3,485億米ドルに比べ減少しているが、同レポートは再生可能エネルギー発電コストが低下しているためだと説明している。個別の電源を見ると、太陽光発電や風力発電への投資額は昨年を上回っている。再生可能エネルギーへの旺盛な需要の背景には、企業が再生可能エネルギーでの事業運営を推進していることもあり、企業による再生可能エネルギー発電投資が増えているという。  パリ協定の遵守に向けたこれらの資金供給を確実にしていくためには、金融機関が担う役割が大きい。今回のレポートでは、金融機関の個別の取組は始まりつつも、より大きな動きにしていくためには業界の協働が不可欠だとした。とりわけ協働が必要な分野として、「リスク評価・管理」「金融機関の能力開発」「融資先のプロジェクトの気候変動寄与度を定量測定する手法」の3つを挙げた。  リスク評価・管理の分野では、投資家のショートターミズム(短期思考)と、気候変動に関する金融リスクを測定する共通尺度の不在が、大きな課題だとした。リスク評価の実施については、国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)と国際環境NGO世界資源研究所(WRI)が共同開発した、気候変動に関する金融リスクを特定、評価、管理するフレームワークを紹介。このフレームワークを用いることで、気候変動リスクを、投融資資適格性判断、投融資デューデリジェンス、金利の中に組み込んでいけるとしている。また、事業会社と同様に、銀行も「内部炭素価格」の概念を導入することも推奨した。  金融機関の能力開発では、米業界団体の気候変動役員協会(ACCO)が提示しているスキル開発項目を紹介。ACCOは、気候変動に関する金融リスクを企業経営に織り込むためには、科学的リテラシーなど基礎的能力、意思決定など組織的能力、会社規模のリスク緩和など戦略遂行能力が必要だとまとめている。  気候変動寄与度の定量測定手法については、共通の手法が確立されていないことで、金融機関が融資機会を探索したり、融資先のプロジェクトの気候変動寄与度を対外的に公表することができないことを課題として認識。現状で金融機関が参照できる優れた枠組みとしては、気候債券イニシアチブ(CBI)と国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)が策定したものを紹介した。  同レポートは、これら三つを推進していくためには、個々の金融機関の取組ではなく、業界全体の協働が必要だと提言。協働では、すでに、AODP、カーボン・トラッカー・イニシアチブ、IIGCC、モントリオール・カーボン・プレッジ、2 Degrees Investing Initiative、INCR/Ceresなどがあるものの、今後さらに必要となる分野として、「銀行セクターの共通気候変動リスク管理ポリシーの制定」「気候変動分野での銀行セクターの対企業集団的エンゲージメント」「エネルギー転換に向けた金融機関の能力開発とインセンティブ」「地域社会ステークホルダーとの集団的エンゲージメント」の4つを挙げた。 【参照ページ】Scaling Finance for Clean Energy: Collaborative Solutions for a New Economy 【レポート】Scaling Finance for Clean Energy: Collaborative Solutions for a New Economy

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【マレーシア】パーム油大手IOIグループ、持続可能な調達実践の第三者機関監査を実施すると宣言

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 マレーシアの巨大財閥IOIグループは4月28日、パーム油生産に関する新たなコミットメントを発表した。IOIグループは森林破壊への関与が指摘されたため、2016年3月、持続可能なパーム油認証団体NGOである「持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)」より、RSPO認証を停止されていた。その後、IOIグループにこの事案で裁判所に提訴するもすぐ提訴を取り下げ、生産改善に実施する方針を示し、2016年8月に認証利用を再度許可した。しかし、その後も、IOIグループの確実な履行を求めるユニリーバやネスレなど大手メーカーは同社からのパーム油調達停止を継続しており、IOIグループの真の変化に注目が集まっている。  今回IOIグループの発表は、RSPO認証再許可申請をするために同社が2016年8月に整備した持続可能なパーム油生産方針「Sustainable Palm Oil Policy」とアクションプラン「Sustainability Implementation Plan」の実施状況を報告するとともに、コミットメントとして新たな取組を開始したこと公表する内容となっている。新たなコミットメントでは、NGOや企業らが同社に要望していた第三者機関による実施状況の監査と、森林破壊が発生している懸案地の一つであるケタパン地域の泥炭湿地(ピートランド)で他社の最良の取組を実現していくことが含まれている。  今回の発表を受け、同社の森林破壊問題を追及してきた国際環境NGOグリーンピースは、同社のコミットメントを高く評価。同社への抗議活動を沈静化させる方針を見せた。 IOIグループが開始した新たな活動 ロン・テランカナン地域の農園におけるRSPOルール遵守のため、国際NGOや地域団体との協働を開始 フィンランドNGOのFinnwatchに指摘されたマレーシア半島部の農園における労働問題解決に着手。IOIグループが労働者から徴収してきた採用手数料負担金の徴収停止も行う。またサバ州の農園での労働慣行に関する第三者評価機関として米NGOのBSRに依頼 ケタパン地域の泥炭湿地でグローバル最高基準の生産活動実現するため、国際イニシアチブ「Palm Oil Innovation Group(POIG)」の基準を採用 同社のパーム調達元に対し、同社のポリシーを遵守させる仕組みを展開 パーム油生産が泥炭湿地に与えるインパクト評価を実施し、調達元がもたらす影響をを最小化することにコミット 2018年第2四半期に「Sustainable Palm Oil Policy」等の実施状況監査を第三者機関に依頼することを約束 【参照ページ】IOI Corporation marks nine months of progress with additional commitments to strengthen the implementation of its Sustainable Palm Oil Policy 【参照ページ】Major palm oil company promises to protect forests

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【アメリカ】BSRの新理事長に元ナチュラCEOのAlessandro Carlucci氏が選出

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 サステナビリティ分野のグローバルオピニオン形成をリードする団体のトップに選出されたのは、南米企業のリーダーだ。世界250社以上のグローバル企業を会員に抱え、サステナビリティ分野のコンサルティングなどを手掛ける国際NPOのBSRは4月9日、同団体の4人目となる理事長にブラジルの化粧品大手、ナチュラ・コスメティコス(以下、ナチュラ)の元CEO、Alessandro Carlucci氏を指名したと発表した。  ナチュラはブラジルを代表する化粧品メーカーで、天然由来の素材を利用した製品や環境保護への取り組みなど、サステナビリティ分野の先進企業としても著名な企業だ。同社は世界最大の認定Bコーポレーションでもあり、事業そのものを通じて環境・社会に貢献する姿勢は各方面から高い評価を受けている。Carlucci氏の在職期間中、同氏のリーダーシップのもとでナチュラの事業は4倍以上に成長し、カーボンフリーも達成した。  今回の選任にあたり、Carlucci氏は「突出した人材と素晴らしい目的を持つBSRの一員になれることは光栄で、とても楽しみだ。サステナビリティに深くコミットしている企業で数年間に渡り働いた後に、今度は全く別の視点から同じ課題に対応するのは素晴らしい経験になるだろう」と語った。  Carlucci氏は既に10年間務めていたナチュラのCEO職を退いており、今年の6月からBSRの現理事長、Mats Lederhausen氏の後を継いで新理事長に就任する。Carlucci氏は新役職のため、今年半ばにブラジルのサンパウロからニューヨークに移転する予定だという。  BSRのCEOを務めるAron Cramer氏は「Carlucci氏のリーダーシップのもと、我々および我々の会員企業は大いに恩恵を受けるだろう。私はCarlucci氏のような真のサステナブル・カンパニーを率いてきた経験と素晴らしい実績を持つビジネスリーダーと共に働くことができることを心から楽しみにしている」と語った。  サステナビリティの分野はこれまで欧米企業を中心に世界のトレンドが形作られていたが、「【戦略】新興国で興隆する新たなCSRリーダーシップの動き 〜インド・中国・中南米〜」でもご紹介したように、徐々に世界のサステナビリティを取り巻く枢軸は新興国へと移り変わりつつある。今回のナチュラ元CEOのCarlucci氏のBSR理事長就任も、その一つの象徴的な出来事と言えそうだ。Carlucci氏のリーダーシップによりBSRがさらにどのように進化するのか、今後の活躍に注目が集まる。 【団体サイト】BSR 【企業サイト】Natura Cosméticos

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【国際】CDPへの署名機関投資家数は順調に増加。高まるCDPの影響力。

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 世界の機関投資家らが集まり、企業に対して気候変動に関する情報開示を求めている国際団体のCDP(旧カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)が、かつてないほどの影響力を持ちつつある。2015年3月現在、総計95兆米ドルの資産を有する822の機関投資家が、世界の大手上場企業5,850社に対し、CDPを通じて環境データ、戦略、行動に関する情報開示を要求している。  さらに今年は、CDPは12月にパリで開かれるCOP21に先立って気候変動に関する世界的な合意形成を実現するために、自社の情報開示を超え、産業界を代表して声を上げるよう企業らに働きかけている。現状CDPがWe Mean Business Coalitionとともに支援している6つのイニシアチブのうち、少なくとも1つ以上のイニシアチブにコミットしている企業は60社に達している。We Mean Business CoalitionはCDP、BSR、Ceres、WBSCDらで構成される、気候変動アクションを喚起するためのグローバル連合だ。  CDPが公表している2015年3月時点での主な活動状況は下記の通り。 Carbon Actionは、CO2排出量が多い業界の企業に対してCO2排出削減を働きかけるイニシアチブで、2015年は前年の3倍以上となるCO2排出量が多い17業界、1,335企業に対して情報開示要求が行われた。 CDPの森林プログラムに署名した機関投資家の数は前年比24%増加の298におよび、合計資産は前年比27%となる19兆米ドルに到達した。 水も引き続き重要な課題として認識されており、CDPの水プログラムにも、前年比8%増となる617の機関投資家が署名しており、総資産は63兆米ドルに達した。 気候変動プログラムへの署名数は822、総資産は95兆米ドルに到達した。 2015年2月には初めてとなる詳細な業界分析報告書"No room for passengers: are auto manufacturers reducing emissions quickly enough?"を公表し、CO2排出量の多い6つの業界へ向けた重要な測定基準およびそれらと財務パフォーマンスとの関係を特定した。  CDPのCEOを務めるPaul Simpson氏は「来たるCOP21のような一大イベントと共に、CDPに署名する機関投資家の数は増加している。ゲームを変える政策への合意を確実なものにするために、投資家は行動を起こし、温室効果ガス削減や再生可能エネルギー投資、より明確で透明性の高い情報開示にコミットすることで低炭素社会へ移行できるよう、企業に働きかけていく必要がある」と語った。  CDPの影響力は年々高まっており、気候変動や水、森林保護など環境関連の非財務情報について適切な情報開示ができない企業は機関投資家から厳しい評価を受ける時代はもうそこまで来ている。 【リリース原文】Investor support for environmental data collection grows apace 【団体サイト】CDP

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private 【レポーティング】サステナビリティ(CSR)報告ガイドラインを主導するグローバル機関

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(図)サステナビリティ報告ガイドライン カオスマップ。Sustainable Japan作成。 複雑化するサステナビリティ(CSR)ガイドライン  サステナビリティ報告やCSR報告を担当する方々からよく受ける質問があります。「一体、どのガイドラインを参照すれば良いのか」。実はこの種類の問いは非常に回答に窮します。もちろん、有名なガイドラインはあります。例えばGRI、サステナビリティ報告についての包括的なガイドラインと言っても過言ではなく、先進国・新興国問わず世界中で参照されています。しかしながら、当サイトSustainable Japanでは日々GRI以外の多の多くのガイドラインについてもご紹介をしています。ISOが定めたISO26001、温室効果ガス算出方法で有名なガイドラインのCDP、紛争鉱物報告ガイドラインを制定しているcfsi、財務情報と非財務情報の統合を試みる<IR>などなど。これらのガイドラインを全体として公式に統括する機関は今のところ存在していません。それぞれの機関はお互いに連携をしつつも、独立した動きを見せ発展してきています。こうした体系的に整理されずにルールやガイドラインが増殖していく動きは、中央政府の省庁が一元的にルールを管理する傾向の強い日本にはあまり馴染みのない状態です。整理されないルール増殖というのは悲観すべきなのかもしれませんが、それだけ今サステナビリティ報告や非財務情報報告の領域は急速に発展してきていることの証左でもあります。産業革命やIT革命の際に数多の技術が一度に勃興してきたように、サステナビリティや企業情報開示の分野も今まさに革命期にあると言うことができるでしょう。正直、この領域の専門家でない限り、全ての動きに日々目を向けていくのは非現実的です。ですので、今回は、いまこうしてますます複雑化していくサステナビリティ報告ガイドラインの状況を俯瞰的にまとめてお伝えしていきます。 GRI 〜サステナビリティ報告ガイドラインの中心的存在〜  GRIとは (more…)

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2015/04/28 体系的に学ぶ

【アメリカ】サステナブルなスマートフォンを教えてくれるAT&TのEco-Rating 2.0

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あなたが使っているスマートフォンやタブレットは、環境や社会に十分に配慮された形であなたの手に届き、あなたの使用後も環境に負荷がない形で処理されていくだろうか?その答えを教えてくれるのが、AT&Tが先日新たにアップデートを発表した製品レーティングシステムだ。 米国通信最大手のAT&Tは1月6日、米国ラスベガスで開催されたコンシューマー・エレクトロニクス・ショーにおいて、スマートフォンやタブレットなどの環境・社会面への配慮状況を消費者が簡単に知ることができるレーティングシステムの次世代アップグレード版、Eco-Rating 2.0を発表した。 従来からAT&Tが独自に提供してきたEco-Ratingをさらに進化させたEco-Rating 2.0では、環境に優しい原材料の使用、有害の懸念がある物質の使用最小化、エネルギー効率化、製品使用後の責任ある処理など、製品の製造に関連する社会的要因および環境的要因が評価される。 今年から製品ラインに加わるフィーチャーフォン、スマートフォン、タブレット端末などのAT&Tブランドの端末も、Eco-Rating 2.0の判定基準に基づき1つ星から5つ星までの評価を受ける。Eco-Rating 2.0の新しい基準によって評価されたデバイスは、2015年の前半には市場に登場する予定だ。 AT&Tモビリティの副社長で、デバイスマーケティングおよび開発者サービスを担当するJeff Bradley氏は「当社の新しいエコ・レーティングシステムは、製品購入の際、消費者が容易にサステナビリティを考慮した決断を行うことを可能にする」とし、さらに今回アップデートされた判定基準は「デバイスの製造者に対して、サステナビリティへのコミットメントを一段階押し上げる後押しとなる」と述べた。 AT&Tは、サステナビリティ分野のグローバル非営利ネットワーク、BSR(Business for Responsibility)と協力し、業界内の専門家やステークホルダーらとの協議を経て同システムを開発した。2012年にAT&Tブランドの製品が発売開始された当初から、消費者は同システムによって同ブランドのデイバスの環境面における特性を知ることが可能であった。エコ・レーティングで4つ星以上の評価を受けているAT&Tのデバイスは、2014年10月の時点で70%を超えている。 BSRの上席副社長を務めるEric Olson氏は「AT&Tのアップデートされたレーティングシステムは、テクノロジー端末のサステナビリティへのインパクトに対してよりホリスティックな視点を提供している。これらの努力はテクノロジー企業に対して高くて重要なハードルを設定することになり、彼らが製造過程に関わる環境・社会的なインパクトの改善に向けた革新的な役割を果たすように促している」と語った。 Eco-Rating 2.0の判定基準はUL規格を含む複数の国際的規格にも認定されている。Eco-Rating 2.0の詳細および各製品の情報については、AT&Tのユーザー向けWebサイトEcoSpaceで確認することができる。また、各製品のレーティングはパッケージでも確認可能だ。 AT&Tはサステナビリティの観点からの製品評価、そしてその情報の消費者への公開を通じてテクノロジー業界全般の事業慣行を改善しようとしている。実際にこのシステムが消費者の購買行動に影響を及ぼすことができるようになれば、非常に大きなインパクトを生み出すことが期待できるアプローチだ。 【参考サイト】Eco-Rating 2.0 / EcoSpace 【企業サイト】AT&T 【団体サイト】BSR

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BSR(Business for Social Responsibility)

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BSRとは?  BSR(Business for Social Responsibility)は、世界のビジネス界に対してサステナビリティを推進する目的で1992年にワシントンで設立された非営利団体(現在は本拠地をサンフランシスコに移動)で、設立20年を経た現在では300社以上のグローバル企業が会員に加盟しており、世界のサステナビリティに関する議論形成や方向性をリードする中心的存在として大きな影響力を持っている組織です。  "To work with business to create a just and sustainable world."(公平で持続可能な世界の実現に向けてビジネスと共に取り組む)をミッションに掲げ、サステナビリティに関する最新リサーチ・知見の情報発信・啓発活動、個別のサステナビリティ課題に対応したコンサルティング、マルチセクターによる協働イニシアチブ開発、会員企業のパートナーシップ開発支援など、企業のサステナビリティ戦略の立案から実行までを支援する様々なサービスを提供しています。  米国サンフランシスコを本拠地としてニューヨーク、ワシントン、パリ、コペンハーゲン、北京、上海、広州、香港、東京、サンパウロ、の世界11か所にオフィスを展開しており、100名以上のサステナビリティプロフェッショナルが働いています。  BSRの会員企業にはユニリーバやナイキ、コカ・コーラといったサステナビリティ先進企業として名高いグローバル企業はもちろん、GoogleやFacebookといった急速に影響力を拡大しているIT企業にいたるまで、世界中のグローバル企業が名を連ねています(会員一覧はこちらから確認可能)。なお、日本からはアステラス製薬、電通、ファーストリテイリング、日立製作所、KDDI、ソニー、武田薬品、東芝などが加盟しています。  BSRでは年に一度定例のBSRカンファレンスを開催しているほか、特定のサステナビリティ課題にテーマを絞ったイベントなども定期的に開催しています。また、Webサイトを通じた情報発信も積極的に行っており、ブログやレポートなどを通じてBSRの最新の知見にアクセスすることが可能です。 参考サイト・文献 団体サイト:BSR 団体サイト:BSR(日本語サイト) ソーシャルアカウント:Facebook / Twitter

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2015/02/04 辞書

【アメリカ】現在世代と将来世代でサステナビリティに対する考え方はどう違うか?

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GlobeScan、BSR、Net Impactの3団体は11月6日、現在および将来のサステナビリティ分野のリーダーらが、現在のサステナブルビジネスの状況をどのように捉えているのかを比較・分析したレポート”State of Sustainable Business: Perspectives from Current and Future Leaders”を共同で発表した。同レポートでは、現在世代と将来世代に見られる共通点や差異、最新のトレンドが分析されている。 同レポートは、リサーチ会社のGlobeScanがBSRに所属するプロフェッショナル及びNet Impactに所属するMBA学生を対象に実施したアンケート調査に基づいている。サステナビリティの分野において、それぞれ現在世代と将来世代を代表する両組織に所属するリーダーらの間にどのような意識の差があるのかを明らかにした、とても興味深い調査だ。 調査結果の概要としては、サステナブルビジネスの状況に対する見方については現在世代と将来世代でかなり一致しており、将来世代は現在のサステナビリティ分野の専門家が直面している問題に対してかなり現実的に捉えていることが分かった。一方で、ビジネスの透明性やサステナブルビジネスの優先順位といった点では、両者の間にいくつかの顕著な違いも見られた。今回の調査から得られた主なキーポイントは下記の通りだ。 1. サステナビリティのコアビジネスへの統合が重要 現在および将来世代のいずれも、今日のビジネスが直面する最も重要な課題は、サステナビリティの事業オペレーションへの統合だと考えており、Net Impact回答者の47%、BSR回答者の63%が最優先課題に挙げている。 2. ビジネスの透明性は大きな改善の余地がある 現在および将来のリーダーの双方が、概して企業の透明性は低い状況にあると考えているが、将来世代ではよりその傾向が顕著となっている。Net Impact回答者の31%が、企業の透明性は低いと回答したのに対して、BSR回答者は20%だった。BSRのCEOを務めるAron Cramer氏は「透明性の向上は企業が信頼を構築する上で必須だ」語った。 3. 気候変動がサステナビリティの最優先課題であり続けるが、ミレニアル世代の登場により新たな優先課題が表面化する可能性がある 2009年以降、現在世代を代表するBSRのプロフェッショナルらは一貫して人権、労働者の権利、気候変動を企業のサステナビリティにとって最も優先順位の高い課題として位置付けてきた。現在世代と同様、Net Impactに所属する将来世代のリーダーらも気候変動を最優先課題だと位置づける一方で、彼らはサステナブルな消費や水問題も重要課題として認識している。 今回の調査から、将来世代のリーダーらは特にサステナブルな消費について、企業の取り組みに高い期待をしていることが分かった。彼らはサステナブルな消費(85%)を気候変動(80%)よりも高い優先順位に挙げており、具体的な消費行動の変化を重要視している。 Net ImpactのメンバーであるKelsey Moyes氏は「私はストーリーに惹かれる。もし企業が私と共鳴する価値を持っていなければ、彼らの製品を買う理由も価値も提供することができないだろう」と語る。同氏のコメントにあるように、将来世代は自らの消費行動と選択を通じて企業に自らの意思を示すようになることが想定される。 【レポートダウンロード】State of Sustainable Business: Perspectives from Current and Future Leaders 【企業サイト】GlobeScan 【団体サイト】BSR 【団体サイト】Net Impact

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【国際】BSR、海上輸送におけるCO2排出量は減少傾向にあると発表

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BSRのクリーン・カーゴ・ワーキング・グループ(以下、CCWG)がまとめた2014年の報告書「Global Maritime Trade Lane Emissions Factors(グローバル海上輸送における温室効果ガス排出要因)」によれば、世界の海上コンテナ輸送によるCO2排出量は年々減少しており、2012年から2013年の間では約8%減少したとのことだ。この報告書は世界の海上コンテンツ輸送の85%を占める2,900以上の船舶のデータを基にまとめられたものだ。 BSRによれば、CO2排出量の減少には海運会社や国際貿易状況の変化も関係している可能性はあるが、年々の継続的なパフォーマンス改善は、運送効率の向上やデータ精度の改善が影響しているという。同報告書には世界を代表する23の海運企業のデータが含まれており、海運企業や貨物の顧客が自社の環境パフォーマンスデータを測定、評価、報告するのに役立てている。 5度目となる今回の報告書では、初めて各トレードレーンの平均利用率が集計され、利用者はこのデータを用いてより正確に貨物輸送をする際のカーボン・フットプリント計算ができるようになった。なお、2年に渡る分析の結果、主な大規模トレードレーンの平均利用率は、年による差はあるものの、70%近いことが分かった。 CCWGのプロジェクトマネージャーを務めるNate Springer氏は「標準化された方法に基づくレポートにより、海上輸送業界は環境パフォーマンスを改善し、気候変動対策のためのCO2排出量削減に取り組んでいる。データの可視化により、海運会社のベンチ―マーキング、比較が可能になる」と語り、データの有用性を強調する。 また、Marks & SpencerのロジスティクスマネージャーBarry Wallace氏は「Marks & Spencerは高いデータ信頼性と正確性を持つCCWGを頼りにしている。我々はCCWGのデータを利用して、それぞれの海運企業を比較することができる。これは我々のPlan A(プランA)の環境目標にとって重要なことなのだ」と語った。 報告書は下記からダウンロード可能なので、興味がある方はぜひ見てみて頂きたい。 【レポートダウンロード】Global Maritime Trade Lane Emissions Factors 【団体サイト】BSR 【参考ページ】Clean Cargo Working Group

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