【アメリカ】アップル、セリーズ・カンパニー・ネットワークに加盟

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 サステナビリティに関する国際アドボカシーNGOのセリーズは5月14日、セリーズ・カンパニー・ネットワークの新会員として米IT大手のアップルを承認したと発表した。同ネットワークは役員クラスがサステナビリティに対するコミットメントしており、自社のビジネス戦略へのサステナビリティの統合に向けて取り組んでいる企業らで構成されるグローバルイニシアチブだ。同ネットワークへの参画にあたり、アップルは引き続き投資家や環境・市会団体らステークホルダーと関わりながら、環境・社会面に関する取り組みおよび情報開示を改善し続けていくことを約束している。  アップルは既に自社のエネルギー調達100%再生可能エネルギーにするとコミットしており、その一環として先日も米国カルフォルニア州モントレーにおける130メガワットの太陽光発電プロジェクトを公表したばかりだ。同プロジェクトは商業用の太陽光発電プロジェクトとしては歴史上最大の規模となる。加えて今年の4月には中国にて合計40メガワット発電可能な2つの太陽光発電所を2つ建設すると発表している。(※参考記事:「【アメリカ】アップル、「2015環境責任報告書」を公表、新たに2つの環境プロジェクトを開始 」)  現在アップルは米国における事業の100%、世界全体の事業の87%を再生可能エネルギーで賄っており、世界全体で100%再生可能エネルギーにするという目標に向けて着実に前進している。  また、同社は最終組み立て行程においてベンゼンとn-ヘキサンの使用を禁止するなど、環境保全以外にもサプライチェーン上の健康や安全問題にも積極的に取り組んでいる。  セリーズの代表を務めるMindy Lubber氏は「アップルはここ数年間でサステナビリティに向けて大胆なコミットメントを打ち立てた。我々はアップルとこの取り組みの継続に向けて協働できることを楽しみにしている。アップルは、気候変動や水不足、製品サプライチェーンにおける労働、人権の問題といった差し迫ったサステナビリティ課題について、企業に残された時間はもう少ないことをよくわかっている」と語った。  アップルは2014年にも米国政府に対して気候・エネルギー政策の強化を求めるセリーズの気候宣言に署名している。同宣言の署名企業数は現在1350社を超えており、政府の政策意思決定に影響力を及ぼしている。  名だたるグローバル企業が世界のサステナビリティ向上という共通のゴールに向かって協働しているセリーズ・カンパニー・ネットワークに新たにIT業界の巨人アップルが加わったことで、同ネットワークの影響力や活動はさらに大きく広がっていきそうだ。 【参考サイト】Ceres Company Network 【参照リリース】Apple Joins Ceres Company Network 【団体サイト】Ceres (※写真提供:Vytautas Kielaitis / Shutterstock.com)

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【アメリカ】アップル、「2015環境責任報告書」を公表、新たに2つの環境プロジェクトを開始

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 アップルは4月20日、2014年の同社の環境に対する取り組みの進捗状況をまとめた「2015環境責任報告書」を公表した。その中で、アップルは新たに開始する2つの環境プロジェクトについて触れている。1つは、太陽電池モジュール大手のサンパワーと協力し、中国で40メガワットの発電容量を有する太陽光発電所を2つ建設するプロジェクトで、もう1つは自社製品の梱包などに利用する紙やパッケージの持続可能な調達を実現するための森林保護プロジェクトだ。  アップルとサンパワーはこれまでにも協働して米国カリフォルニア州、ネバダ州、ノース・キャロライナ州で計6つの太陽光発電プロジェクトを実施している。これらの発電量の合計は90メガワットにのぼるが、海外での共同事業は今回が初めてとなる。  サンパワーのCEO を務めるTom Werner氏は「これは、世界各地から様々な背景を持つ専門家が集まり、地域と環境に良い効果をもたらす太陽光発電施設を作る、画期的な協働事業だ。クリーンな再生可能エネルギーの供給に加え、気候変動の問題提起、素晴らしい自然環境の保護ができます。また、地元の農業にも良い影響が与えられる」と語る。  もう1つのプロジェクトは、The Conservation Fundとの提携による、米国メイン州とノース・カロライナ州にある36,000エーカーの森林保護プロジェクトだ。アップルは事業で利用する紙やパッケージの原料となる木繊維を100%持続可能な方法で管理されている森林から調達するべく努力を重ねている。また、再生紙の利用にも積極的に取り組んでいる。  アップルの環境担当副社長のLisa Jackson 氏とThe Conservation Fundの代表を務めるLarry Selzer氏はこの取り組みを「アップルは、エネルギーと同様、紙も再生可能になると信じている」と説明している。米国内の森林の状況は歴史的に見ても最も切迫した状況で、その維持が大きな問題となっている。「この15年間で米国では2300万エーカーもの森林がパルプや紙、木材となり失われた」とのことだ。「アップルはこの取り組みを通じ、紙の供給の環境への影響、新しいアプローチの仕方を世界に提案している」と2人は語っている。  アップルは既に2014年に、オフィス、アップルストア、データセンターといった全米にある全ての自社保有施設の電力を100%再生可能エネルギーで賄うことに成功しており、次なる目標として全世界のアップル保有施設で再生可能エネルギー使用率の向上を目指している。アップルは今や本業だけでなく環境の分野でも世界から一目置かれるイノベーションカンパニーへと生まれ変わりつつある。 【レポートダウンロード】2015 Environmental Responsibility Report 【参考サイト】A greener Apple: IT giant announces two new projects 【参考サイト】5 reasons Apple is becoming a sustainability leader 【企業サイト】アップルの環境への取り組み(日本語/英語)

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【アメリカ】アップル、自社規範に違反する18サプライヤーとの契約を解除

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 米アップルは2月11日、「2015年サプライヤー責任進捗報告書」を発表し、その中で同社のサプライヤー規範に違反する18社との契約を解除したと公表した。今年で9年目となる同報告書は、労働・人権、従業員の安全・健康、環境への影響、倫理、といった面から同社のサプライヤーに実施した監査の結果をまとめたものだ。  同報告書によると、アップルは2014年、サプライヤー19カ国にわたる633施設で監査を実施したほか、3万人の従業員に電話インタビュー実施したという。同社の監査では、第三者監査委員も参加して同社の行動規範に基づき100以上の基準でサプライヤーの事業慣行を評価する。アップルは毎年の監査が確実にサプライヤーのコンプライアンスを向上させている証拠として、2回目の監査を受けた生産施設の遵守度は、初めて監査を受けた施設と比べて25%高い点を挙げている。また、定期的な監査以外にも2014年に抜き打ち監査を40回実施したとのことだ。監査の結果分かったサプライヤーの遵守度は労働・人権、従業員の安全・健康、環境への影響、倫理、管理体制の各分野においてそれぞれ81%、70%、76%、93%、75%となっている。  同報告書によれば、サプライヤーの重大な違反が発覚した場合、次の監査で違反が無くなったことが確認できるまで「仮認定」という扱いをされ、また、問題解決に必要な一定の対策に取り組んでいないとみられる場合は契約解除になる。  アップルの営業担当上級副社長を務めるJeff Williams氏は報告書の中で「アップル各地の社員一同、サプライチェーン全体を通した環境保護、人権保護、平等を推進するために全力を尽くしていくつもりだ。大きな進捗は遂げたものの、改善できる余地があると認識している。サプライチェーンに携わる1人1人の尊厳が尊重されるまで我々は対応し続ける」と述べている。  アップルは自社の持つ多大な影響力を発揮して、積極的にサプライチェーンのサステナビリティ向上に取り組んでいる。昨年BBCが報じたスキャンダルなどもあるものの、報告書に記載されている通り同社の取り組みは確実に進歩している。 【レポートダウンロード】Supplier Responsibility 2015 Progress Report 【企業サイト】Apple

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2015/03/28 最新ニュース

【ヨーロッパ】アップル、17億ユーロを投資して再生可能エネルギー100%のデータセンターを建設へ

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 アップルは2月23日、17億ユーロを投資して新たにヨーロッパに再生可能エネルギー100%のデータセンターを2つ建設すると発表した。2つの施設はアイルランドのゴールウェイ州およびデンマークのユトランド半島に建設される予定で、欧州全域の消費者向けに同社が提供しているオンラインサービスに必要な電力を供給する。  従来のアップルのデータセンターと同様、新設される2つのデータセンターは初日から100%再生可能エネルギーで稼動する。また、現地のパートナーと提携しながら風力など別の再生可能エネルギープロジェクトも展開する予定だ。これらの2施設はアップルが運営するデータセンターの中で過去最少の環境負荷となる見込みだ。  さらに、同データセンターには現地コミュニティに貢献するための工夫も凝らされている。アイルランドでは原生林の再生プロジェクトが実施されるほか、地域住民向けの遊歩道や地元の学校向けの野外授業スペースが設けられる。デンマークでは、発電機の追加を回避するためにデータセンターを現地の最大規模の変電所の付近に設置するほか、稼働中の余熱を施設内から地元の住宅暖房システムに供給できるように設計される。  アップルの最高経営責任者を務めるTim Cook氏は「この新たな投資はこれまでヨーロッパでアップルが行ってきた中で最大のプロジェクトとなる。我々が事業を拡大することで現地の雇用が創出され、環境保護の面で最も先進的な建築デザインを披露できることをたいへん嬉しく思う」と語った。  また、アップルの環境イニシアチブ担当副社長を務めるLisa Jackson氏は「イノベーションとは、この世界を今よりもさらに良いものにして後世に残すことであり、気候変動に対する取り組みを始めるのは今だと我々は信じている。アイルランドとデンマークでグリーン産業の成長を促し、強風を資源として活用するエネルギーシステムの開発に大いに期待している」と語った。  2013年に米国環境保護庁の元長官、Lisa Jackson氏を環境担当副社長に迎えたアップルは、今や製品・サービスだけではなく環境面においてもその革新的な取り組みで業界を牽引する存在となりつつある。 【企業サイト】Apple (※写真提供:Lester Balajadia / Shutterstock.com)

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【国際】2014年の世界におけるサステナビリティを象徴する10の出来事

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ユニリーバやヒューレット・パッカード、PwCなど世界の名だたる企業のサステナビリティ担当顧問・アドバイザーを務め、環境経営戦略に関するベストセラー“Green to Gold”の共著者としても知られるAndrew Winston氏が、2014年のサステナビリティ業界を振り返って特に象徴的だった10の出来事をHarvard Business Reviewに寄稿している。 2014年はサステナビリティの世界でも本当に多くのニュースが飛び交ったが、その中でも今後の世界全体の動きを考えるうえで特に重要だと思われる出来事をWinston氏が包括してまとめてくれているので、各ポイントを簡単にご紹介したい。 1. 悪いニュース:気候変動は今、実際に起きている 2014年は気候変動の現状やリスクを科学的に分析したレポートが数多く公表されたが、Winston氏はIPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change:気候変動に関する政府間パネル)が発表した最新の第5次評価報告書統合報告書に加え、The American Association for the Advancement of Science(AAAS)のレポート”What we know”、米国内の気候変動の現状やリスクを業界別・地域別などにまとめたU.S. National Climate Assessmentのレポート、米国内の各地域における気候変動リスクを示し、既に米国の地域レベルでは気候変動が深刻な経済損失をもたらしていると警鐘を鳴らしたレポート、”Risky Business Report”などを紹介している。 中でもAAASのレポートが示している下記3つのポイントはとてもシンプルで分かりやすい。 気候変動は今、地球上で実際に起こっている 気候変動が不可逆的な負の影響をもたらすリスクは高い 対策が早ければ早いほど、コストは少なくて済む 2. 良いニュース:気候変動対策のコストは大きく低下している 上記のように2014年は気候変動という現実を科学的な根拠とともに改めて突きつけられた年でもあったが、それと同時に気候変動対策に向けた明るい話題もいくつか提供された。Winston氏は良いニュースとして2つの分析報告書を紹介している。 1つ目は、グローバル企業のCEOや経済学者らがマクロ経済のレベルでクリーンエコノミーに移行する経済的合理性についてまとめた”New Climate Economy”レポートで、2つ目は、BSRやCDP、Ceres、WBCSDなど世界を代表するサステナビリティ推進機関らによる共同プロジェクト、We Mean Businessが公表したレポート”The Climate Has Changed”だ。 両者とも再生可能エネルギーの利用やエネルギー効率化など低炭素社会に向けた投資が結果としてコスト削減および利益創出につながり、事業上の価値をもたらすことを明らかにしている。 さらに、Winston氏はWe Mean Businessから派生したプロジェクトRE100 Group(2020年までに再生可能エネルギー100%を目指すプロジェクト)において、Philips、Mars、Nestle、IKEAなど世界の名だたる大企業が再生可能エネルギーへの完全シフトにコミットした事例などを紹介している。 これらの事例が示す通り、既に世界では気候変動対策は「コスト」ではなく「利益」を生み出す新たな機会だという認識が一般化しつつある。再生可能エネルギーへの投資はもちろん、最近ではIoT(Internet of Things)やビッグデータ分析など最先端テクノロジーを活用したエネルギー効率化プロジェクトなども増えつつあり、ITとサステナビリティの融合も著しい。気候変動対策は業界の垣根を超えたビッグビジネスとなりつつあるのだ。 3. 電力・エネルギー業界が変わってきた 上記のような流れを受けて早急にビジネスの転換を迫られているのが電力・エネルギー業界だ。Winston氏は5月にバークレイズ銀行が米国の電力業界の債券格付けを下げたというニュースや、ドイツの電力大手、E.Onが化石燃料から再生可能エネルギーへのシフトを発表した事例などを挙げている。 今や化石燃料に依存した事業を展開している企業は投資家からリスクと認識されつつあり、化石燃料銘柄を除いたインデックスなども生まれつつある。(※参考記事:【国際】MSCI社、化石燃料銘柄を除いた新インデックスを発表) 4. 炭素税のような厳しい規制の実現可能性が高まってきた 気候変動に対する企業のインセンティブを高めるうえでは、自主的な取り組みだけではなく規制による後押しも有効だ。 Winston氏は、その一例としてサステナビリティ分野で多大な影響力を持つアドボカシーNGOのCeresの取り組みを挙げており、Ceresのグループの中でも特に積極的に炭素税などのより厳しい規制の導入を推進しているBICEPが、General MillsやKellogg、Nestleなどの企業を新たに加盟団体に迎えたニュースを紹介している。(※関連記事:【アメリカ】General Mills、Ceresの気候変動に関する政策提言グループBICEPに加盟」) 5. 気候変動に対する社会的な機運が盛り上がっている 政府や企業らの動きに加え、市民らによるソーシャル・アクションも活発化しつつある。9月には米国ニューヨークで、気候変動に対する国際的な行動を呼びかける”Climate March”が実施され、世界162ヶ国で2646のイベントが開催される過去最大規模のムーブメントとなった。 6. サステナビリティ戦略やミッションが短期志向より優位に立ちつつある 変化の波は企業経営の現場にも確実にやってきている。グローバル企業の多くがサステナビリティを経営戦略・事業戦略に統合し、長期的な競争優位を実現しようと積極的に取り組んでいる。そうした動きの象徴としてWinston氏が取り上げているのが、CVSとAppleの事例だ。 米国大手ドラッグストアチェーンのCVS は9月に名称をCVS Healthに変更し、店頭からタバコを取り除いた。タバコが生み出す利益よりも消費者の健康や生活を重視した優れた決断として取り上げられた。 また、3月にはAppleのCEOとして有名なTim Cook氏が株主総会でAppleの環境を重視した経営姿勢を批判した株主に対して自社の株を手放すように糾弾し、話題になったことも記憶に新しい。 CVS HealthやAppleだけでなく、既に多くの企業は短期志向を乗り越えて長期的視点に立った経営戦略へのシフトを進めており、投資家らもSRIを通じてその流れを積極的に後押ししている。今後もこの流れは更に加速していくはずだ。 7. 競争から協働へ 様々なサステナビリティ課題に対し、企業が「競争」するのではなく「協働」することで競争力を失うことなく成果を挙げるといった事例も増えてきている。Winston氏がその事例として挙げているのが、米国小売大手2社、WalmartとTargetによる取り組みだ。 両社は9月にPersonal Care Products Sustainability Summitを共同で主催し、自社のバリューチェーン上におけるパーソナル・ケア製品から、健康に害を及ぼす可能性がある化学物質などを取り除くために協働することを発表した。 両社とも消費者からのよりサステナブルな製品に対するニーズが高まってきていることを受け、競合企業という立場を乗り越えて一つのテーブルで議論することを決めたのだ。バリューチェーン全体のサステナビリティを推進するのは1企業の力だけでは難しい。今後もこうした競合企業同士の協働プロジェクトはさらに増えていきそうだ。 8. 食の浪費への関心が高まりつつある 2050年には人口が90億人に到達すると予想されている中、食糧問題は深刻なサステナビリティ課題の一つだ。しかし現実は理想とは程遠く、今も世界では大量の食料品が消費されることもなく毎日廃棄されている。Winston氏が紹介しているUN’s Food and Agriculture Organizationの推定によれば、世界では年間 1.3億トンの食料品が廃棄されており、7500億ドルのコストに相当するという。食料品の30~40%を廃棄している現在の状況はとてもサステナブルとは言えない。 しかし、こうした問題に取り組む新たな動きも出始めつつある。Winston氏はその優れた一例としてフランスの大手スーパーマーケットチェーン、Intermarcheの取り組みを紹介している。同社は7月に、見た目が美しくない点を理由に廃棄されてしまうフルーツや野菜を、ジュースや30%オフとして販売するキャンペーンを展開し、見事に成功を収めた。 こうした廃棄の問題は食料品だけにとどまらない。例えばSustainable Brandsは昨年末に、IoT(Internet of Things)の進化により更にElectronic Waste(電子廃棄物)が増える懸念があるという記事を紹介している。 こうした廃棄物を活用して製品をつくり、新たな付加価値をつけて販売するアップサイクルやエシカルプロダクツなども最近はトレンドの一つとなりつつあるが、食に限らず、いかに「浪費を減らすか」という点は企業・個人を問わず今後も重要なテーマであり続けるだろう。 9. 10代の若者が飲料メーカーの行動を変えた ソーシャルメディアの普及などを通じて、消費者がかつてないほどにパワーを持ち始めているのも昨今のトレンドだ。消費者からの圧力が企業の行動を変えた事例としてWinston氏が紹介しているのが、5月にニューヨーク・タイムズ紙で取り上げられた、ある10代の若者によるCoca ColaとPepsiに対するキャンペーンだ。 ミシシッピ出身の10代女性、Sarah Kavanagh氏はChange.orgというソーシャルキャンペーン・プラットフォームを活用して数年間をかけて20万もの署名を集め、Coca Cola、Pepsiという世界を代表する飲料メーカーに対し、同社らが販売する清涼飲料などから健康に害を及ぼす恐れがある成分の使用を止めるように働きかけ、見事キャンペーンの成功を勝ち取った。 今や、消費者は、企業自体はもちろん製品の一つ一つに対しても高い透明性を求めるようになってきており、企業は「この製品は何でできているのか」「どこから来ているのか」といった質問に対して一点の曇りもなく説明できることが求められている。 10. 格差への戦いが新たな企業の流れを生みつつある Winston氏が最後に挙げているのが、格差の解消に向けた企業の自主的な取り組みだ。 同氏は、アパレル大手のGAPが2月に最低時給を9ドルに上げると発表し、6月には家具大手のIKEAが最低賃金を17%引き上げると発表するなど、従業員の生活を第一に考えて法規制よりも先に自主的にアクションを起こす企業が増えてきた点を指摘している。 現在、米国では国内の所得格差が非常に問題視されており、10月にはFRBが「米国では上位5%の富裕層が全体の63%の資産を保有しており、金融危機以降で格差は拡大の一途を辿っている」として警鐘を鳴らした。 また、格差問題は米国だけにとどまらず世界全体でも問題視されており、12月にはOECDが「格差が経済成長を阻害する」という報告書を公表したばかりだ。格差が拡大すれば社会、経済は不安定な状況に陥り、対応コストも増加して結果として持続可能な経済成長モデルの実現が難しくなる。 こうした大きな問題に各企業がどのように対応していくのか、現在OECDが進めているグローバル大企業によるタックスヘイブンを活用した租税回避の動きに対する国際的な規制作りなども含め、富の配分に対する問題は2015年も引き続きホットトピックの一つとなりそうだ。 まとめ いかがだろうか。こうして振り返ってみると、2014年は世界全体がサステナビリティの向上に向けてさらに大きく前進したことがよく分かる。迫りくる気候変動の危機などを考えれば現在の変化スピードは決して十分とは言えないものの、政府、企業、NGO、市民など各セクターにおいて確実に世界の潮流が変わり始めていることを感じとることができるのではないだろうか? 2015年はどのような企業、人物がサステナビリティの世界に明るい話題をもたらすのか、この1年の動きに期待したい。時間のある方はぜひ下記からWinston氏の記事の詳細を読んで頂きたい。 【参考サイト】Harvard Business Review “The 10 Most Important Sustainable Business Stories from 2014” 【参考サイト】Andrew Winston

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【中国】BBC、Appleのサプライヤーにおける過酷な労働環境の実態をスクープ

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英国BBCのドキュメンタリー番組、BBC Panoramaが公開した、Appleのサプライヤーにおける労働環境の実態をスクープした映像が話題になっている。 BBC Panoramaは12月18日、Appleのサプライヤー、Pegatron社の上海郊外にある工場内部を覆面取材したスクープ映像を公開した。映像の中では、12時間シフトで疲れきった従業員が作業中に居眠りしてしまう様子や「1日の休暇も許可してもらえずに、18日連続で働かなければならなかった。」「寮に帰るたびに、動きたくなかった。たとえ空腹でも、食べに行く気はしなかった。ただ横になって休みたかった。ストレスで眠ることもできなかった。」など過酷な労働環境に関する衝撃的などの証言が赤裸々に記録されている。 また、同番組では更にインドネシア、バンカ島のサプライチェーンにおける実態についても取り上げられ、Appleが鉱物の倫理的な調達を掲げているにも関わらず、実際にはバンカ島のサプライチェーンにおいては違法に採掘された鉱物が含まれており、加えて採掘現場ではきわめて危険な労働環境において児童労働が行われている実態が放映された。 上記の報道を受け、翌19日にはAppleのSenior Vice Presidentを務めるJeff Williams氏が英国で働く約5,000名の社員に向けてBBCの番組内容に対する反論を含んだEメールを送信し、その全文がThe Telegraphによって公開された。 メールの中で、William氏はBBCの報道に対して「Appleがサプライチェーンにおける労働者との約束を破り、顧客を欺いているという指摘により、皆さんの多くと同様にTim(Apple社CEO)と私も深く気分を害している」としたうえで、インドネシアおよび中国のサプライチェーンにおける実態についてコメントしている。 Williams氏のメールによれば、同社はBBC Panoramaが取材したインドネシアの採掘現場をAppleも既に訪問しており、その現状に愕然としたと同時に、Apple製品の中にインドネシア経由の鉱物が含まれており、その一部は不法に採掘されたものであることも既に把握しているという。 その上で、Appleは全てのサプライヤーに対しインドネシア以外から鉱物を調達することを徹底させるという選択肢をとることもできたが、それは問題から逃避する簡単な方法であり根本的な問題解決にはつながらないため、あえてその選択肢を取らず、インドネシアが抱える問題に立ち向かうことにしたと説明している。具体的には、同社が先頭に立って他のテクノロジー企業らと協働でIndonesian Tin(スズ) Working Groupを立ち上げ、問題解決に取り組んでいるとのことだ。 また、中国サプライヤー工場におけるBBC Panoramaの報道に対しても「Appleほど公正で安全な労働環境に尽力している企業はない」とした上で、1,400人以上の従業員がサプライヤー工場の管理のために中国に滞在している点や、同社の掲げるサプライヤーの労働環境に関する基準”Supplier Code of Conduct”を遵守してもらうことをミッションとする専門チームを設けていることなどを説明している。 具体的には、数年前まではサプライヤー工場における従業員のほとんどの週労働時間が60時間以上となっており、70時間以上の労働も常態化していたが、Appleはこの問題解決に向けて100万人以上の週労働時間のトラッキングを開始し、その結果を毎月ウェブサイトで公表するという、どの企業も実施していないレベルの取り組みをスタートし、その結果、現在では平均93%のサプライヤーがAppleの掲げる週の労働時間60時間以内という基準を遵守しているとのことだ。 このように、Appleはメールの中でBBCの放送内容に対して反論を展開しつつも、「我々はこの他にも多くの問題が存在することを知っており、我々の戦いは決して終わることがない」としており、未だ自社の取り組みに改善の余地があることも認めている。 Appleは、2010年に同社最大のサプライヤーであるFoxconnの中国工場で14人の労働者が自殺するという事件で世間の批判にさらされて以降、サプライチェーンにおける労働慣行基準を定めた”Supplier Code of Conduct”を公表し、積極的にサプライヤーの労働環境改善に取り組んできた。 サプライヤーの労働問題に対するAppleの積極的な取り組みや開示が目立っていただけに、今回のBBC Panoramaによるスクープは衝撃を持って受け止められている。まずは実態の正確な把握およびその報告が期待されるが、実際に問題が認識された場合には、その解決に向けてAppleがどのようなアクションを示すのか、今後の動向に注目が集まる。 BBC Panoramaの全編は下記から閲覧可能。 【参照動画】Apple's Broken Promises 【参照記事】BBC “Apple 'failing to protect Chinese factory workers'” 【参照記事】BBC “Apple 'deeply offended' by BBC investigation” 【参照記事】Telegraph ” Apple goes to war with the BBC” 【参考サイト】Apple “Supplier Code of Conduct” (※写真提供:pio3 / Shutterstock.com)

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【アメリカ】Amazon、AWSの運営を100%再生可能エネルギーへ

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AppleやGoogle、Facebookに引き続き、これまで再生可能エネルギーについては沈黙を保ってきたAmazonも、ついに11月の中旬に同社のクラウドサービス部門、AWS(Amazon Web Service:アマゾン・ウェブ・サービス)の運営を100%再生可能エネルギーにするという誓約を発表した。 IT業界ではここ数年、 AppleやGoogle、Facebookなどの大手企業らがGreen PeaceなどNGOなどからの圧力を受けて続々と再生可能エネルギーへのコミットメントを示してきたが、Amazonだけは他社とは異なり、態度を変化させることがなかった。 ところが11月、AmazonはついにAWSのサービスウェブサイト内で” AWS has a long-term commitment to achieve 100% renewable energy usage for our global infrastructure footprint.”(AWSは、グローバルなインフラのフットプリントにおいて100%再生可能エネルギー利用を達成する、という長期的なコミットメントを持っている)と公表した。 Amazonが提供するAWSは今や世界最大のクラウド・コンピューティングサービスで、Amazon自体のサービスはもちろん、米国ではFlipboardやNewsweek、Airbnbなど多大なトラフィックを持つ大手Webサイトの多くが同社のサービスを利用して運営されている。 Webサービスを運営する企業はAWSのようなクラウドサービスを利用するだけで自社サーバーの不稼働リソースを減らすことができ、結果としてコストやCO2排出量の削減につなげることが可能だが、それに加えてAmazon自体がAWSの運営にかかるCO2排出量を削減することで、同社のクラウドを利用しているIT企業は更に自社サービス運営に関わるCO2排出量を減らすことが可能になる。 一方、同ニュースについて報じているWIREDは、Facebookなど他の企業と同様にAmazonが実際に100%再生可能エネルギーに移行するにはかなりの年月がかかるとしたうえで、「世界最大のパブリック・クラウドカンパニーであるAmazonが100%再生利用可能エネルギーにコミットしたことは大きな前進だ」としつつ、「同社は他企業とは異なり目標達成に向けた具体的なロードマップを公開しておらず、どこまで本気なのかが分からない」というGreenpeaceのITアナリストGary Cook氏のコメントも紹介している。 WIREDの指摘するとおり、100%再生可能エネルギーへの移行にはかなりの年月がかかりそうだが、AmazonがIT業界全体、ひいては産業界全体に持っている影響力の大きさを考えると今回の発表はとても大きな一歩と言えそうだ。今後の同社の動向に期待したい。 【企業サイト】AWS and Sustainable Energy 【参考記事】Amazon Vows to Run on 100 Percent Renewable Energy (※写真提供:Ken Wolter / Shutterstock.com)

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【IT】グリーンピースの巨大な影響力〜アマゾン、アップルがクリーンエネルギー推進へ転換〜

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 急速に拡大するウェブサービス業界。最近ではソーシャルネットワーキングサービス、クラウドサービスが日常的に家庭やオフィスで活用されるようになってきました。次々と新たなウェブサービスが生まれる一方、サステナビリティの文脈でウェブサービスの事例が取り扱わることはあまり多くありませんでした。サステナビリティのニュースで大きく取り扱われてきたのは、原材料の安定供給に勤しむ食品業界、製造現場での人権問題対応に追われる製造業、スチュワードシップ・コードなどで関心が高まる金融業界。ステークホルダーとの価値媒体が「データ」となっているウェブサービス業界は、ESG(環境・社会・ガバナンス)のトレンドとはやや疎遠であるような印象がありました。しかし、いま、米国ではこの状況が大きく変化しつつあります。  ウェブサービス業界とサステナビリティ。この両者を結びつける火付け役を果たしたのは、国際NGOのグリーンピース。オランダ・アムステルダムに拠点を置くグリーンピースは、環境保全・自然保護のために、時には過激とも思われる手法をも用いて行動をすることで知られており、日本でも2001年に捕鯨船をめぐるトラブルで有名になりました。今では、32ヶ国に拠点を置き、国やグローバル企業が無視できないほどの強大な影響力があります。数あるグリーンピースの世界的キャンペーンの中で、彼らが2012年に開始したのがウェブサービス業界に対するネガティブキャンペーン、テーマはウェブサービス業界の事業の根幹である通信機器を動かすための電力エネルギーです。  2012年4月、グリーンピースは"How clean is your cloud?"というレポートを発行、アマゾン、アップル、デル、フェイスブック、グーグル、HP、 IBM、マイクロソフト、オラクル、Rackspace、セールスフォース、ツイッター、ヤフーというアメリカを代表するウェブサービス企業14社の使用電力の環境配慮を独自評価し、成績の悪い企業に対する厳しい追及をスタートさせます。 (出所:Greenpeace "How clean is your cloud?")  14社の使用電力のクリーン度合いを測る上で、グリーンピースが用いた評価軸は以下の5つです。 事業で使用する全電力の石炭火力発電及び原子力発電依存度 エネルギーに関する情報開示度 事業所所在地選定におけるエネルギー要素考慮度 エネルギー効率と温室効果ガス排出量 再生可能エネルギー投資額および政策提言度  結果、評価が低かったアップル、アマゾン、マイクロソフトに対し、グリーンピースはネガティブキャンペーンを世界的に展開していきます。  ドイツでは、グリーンピースのメンバーが、化石燃料をイメージした黒い風船を持ち、アップルストアに押しかけました。  ルクセンブルグでは同様に、煙をイメージした白い風船を掲げ、アマゾンに警鐘を鳴らす広告を打ち出しました。  他にもオンライン上やリアルな場で、グリーンピースは強烈なキャンペーンを展開していきました。  いち早く反応を示したのはアップル。グリーンピースのレポート発表直後からアップルとの議論の応酬が始まりました。まず、レポート発表の5日後、アップルがNew York Times紙を通じて反論、レポートが報じた同社の電力消費量が実際より多く試算されていること、また同社の新設データセンターでは再生可能エネルギープロジェクトを進めていることを強調します。しかし、グリーンピースは同日、アップルのデータ開示の透明性が低いことや再生可能エネルギー割合を増やす努力が足りないことを理由に、キャンペーンを継続させる宣言をグリーンピースのホームページ上で行います。その1か月後、ついにアップルはグリーンピースの要求に沿うような形で、全米4ヶ所にあるデータセンター全ての電力を再生可能エネルギーで調達する方針を宣言します(Wired紙)。  その後もアップル、アマゾン、マイクロソフトに対するグリーンピースの糾弾は約1年間続き、WEBサービス各社は対応を余儀なくされる状況へと移っていきました。再生可能エネルギーへのコミットメントを標榜したアップルは2013年3月、データセンターの電力調達を100%再生可能エネルギーで賄うための具体的なプランを公表(GreenpeaceのHP)。一方、グリーンピースから悪くない評価を得ていたグーグルも再生可能エネルギーへのコミットメントを先手を打って高めていきます。2013年4月、グーグルは、自社電力消費量の再生可能エネルギー割合を高めるため、100万米ドルを投じて風力発電所と太陽光発電所を設置することを発表し、さらに電力調達元であるDuke Energy社に対して再生可能エネルギー割合を高めるよう要求することを公表します(GoogleのHP)。こうして、グリーンピースによるレポート発表を契機に、アメリカのWEBサービス企業の再生可能エネルギーに対するコミットメントは大きく高まっていきました。  2014年10月には、マイクロソフトは、シーメンス社と共同で自社データセンターの付近でバイオガス発電所を設立する計画を発表(シーメンス社のHP)。そして、2014年11月。長らく沈黙を守ってきたAmazonもついに公式発表を行い、時期は言明しないながらもAmazonのクラウドサービス(AWS)の消費電力をグローバルで100%再生可能エネルギーで調達する方針を宣言しました(Environmental Leader)。その数日後の2014年12月に、アップルが自社で進める再生可能エネルギー発電の第三者監査を推進するため、最近創設された再生可能エネルギーの認証制度"Green-e®"に第1号企業として加盟することを決定するという報道もありました(3BL)。  2012年4月にグリーンピースが仕掛けたクラウドサービスに対するネガティブキャンペーンは、当初はそのやや過激な手法から否定的な見解も表出しましたが、2年半経った今、グリーンピースが掲げた方向性に業界全体が向かっていることが見て取れます。今日、グローバル展開するウェブサービス企業は、自社の施設内に再生可能エネルギー発電設備を整備するのはもちろんのこと、国ごとの再生可能エネルギー推進状況を考慮してデータセンターの設置国を検討したり、電力事業者に対して再生可能エネルギー発電割合を高める圧力をかけるにまで至っています。日本企業はこの流れを対岸の火事のように傍観してもいられません。今回は主にシリコンバレーのグローバル企業が標的となりましたが、日本企業が海外での事業拡大を狙うのであれば、当然グリーンピースのターゲットリストの中に入ってくるということにもなります。再生可能エネルギーの発電コストが年々減少し、一方で化石燃料市場の価格が大きく変動する中、企業の長期的発展を勝ち取るのは、再生可能エネルギー投資を推し進めるシリコンバレーの企業なのか、はたまた電力供給を政府や電力事業者の方針に身を委ねる企業なのか。その答えは自明な気がしてなりません。

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2014/12/22 事例を見る

【アメリカ】アップル、サステナブルな電子機器製造で業界をリード

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スマートフォンやタブレットなどの急速な普及に伴い世界的に電子機器メーカーの環境フットプリントが高まる中、業界全体を通じた環境への取り組みが喫緊の課題となっている。しかし、多くのメーカーはいまだにこの課題に対して包括的な取り組みを実施しておらず、持続不可能なサプライチェーンにおいて膨大な有害電子廃棄物を生み出しているのが現状だ。 そのような中、国際環境NGOのグリーンピースが先日公表した報告書”Green Gadgets:Designing the Future”の中で、電子機器メーカーの中で唯一高い評価を得ているのが、アップルだ。 同報告書は、2005年以降のグローバル電子機器メーカー16社のサステナビリティ・環境活動に関する進捗状況をまとめたもので、有害化学物質の除去、温室効果ガスの削減、持続可能なサプライチェーン構築、自然エネルギー利用など様々な視点から各社の取り組み状況を評価している。 同報告書によれば、アップルは有害物質のポリ塩化ビニル(PVC)と臭素化難燃剤(BFRs)を外部ケーブルも含む全製品から取り除いた唯一の企業であり、さらに同社は先日も製造工程における有害化学物質を更に削減するための基準を公表するなど、同業他社をリードする動きを見せているとのことだ。 また、アップルはスマートフォンの部品工場を100%再生可能エネルギーに移行するという新たな目標を公表するなど、環境負荷の削減や責任ある原料調達の実現に向けてグリーン・イノベーションに対する積極的な投資意欲を見せている。 グリーンピースは、他の電子機器メーカーもアップルと同様により積極的に環境対策に取り組むべきだとしている。同報告書では電子機器メーカーは環境対策の面で先を進んでいる繊維・アパレル業界を見習うべきだと指摘している。ナイキやH&M、ユニクロなどを含むグローバルアパレルメーカー20社は2020年までに自社製品の製造工程すべてにおいて有害化学物質を全廃することを約束しており、既に数社がサプライチェーンを通じて移行を進めているとのことだ。 同報告書によれば、2013年だけでも世界で18億台のスマートフォンが販売され、2014年には約25億台にまで販売台数が増加するという。2017年には有害電子廃棄物の量は6,540万トンに増加すると見込まれており、もはやリサイクルのための廃棄物収集スピードが消費スピードに追いつけず、電子機器メーカーのサプライチェーン全体が持続不可能な状態に陥っているとのことだ。 この問題を解決するためには、グローバル電子機器メーカーらが現状を認識し、エネルギー・原料調達から製造工程、製品販売後の廃棄にいたるまでバリューチェーン全体の改革に向けて業界全体で取り組んでいく必要がある。 【レポートダウンロード】Green Gadgets:Designing the Future 【団体サイト】Green Peace 【企業サイト】Apple (※写真提供:pio3 / Shutterstock.com)

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グリーンピース、電機メーカーの環境対策レポート「グリーン・ガジェット」を発表

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アップルが有害化学物質の削減、自然エネルギーの導入で業界をリード 国際環境NGOグリーンピースは3日、グローバルな電機メーカー16社について、有害化学物質使用の削減、製造における二酸化炭素排出削減や自然エネルギー利用の拡大、持続可能なサプライチェーンの構築に向けた進捗状況について、各社の2005年からの取り組みを包括的に評価した『グリーン・ガジェット―未来をデザインする』を発表しました(注1)。日本企業では、シャープ、ソニー、東芝、パナソニックの4社が対象となっています。 本レポートでは、アップルが上記三分野の環境対策について業界をリードしているものの、全体としては一層の取り組みが必要であることを指摘しました。電化製品の販売数は年々増加し、2014年には世界で25億個もの製品が販売されると予測されていることから、グローバルにビジネスを展開する電機メーカーには自社製品が招く環境汚染の増大に対し、緊急の行動が求められています。 携帯電話市場でシェア50%以上を占めるサムスン、アップル、ノキアらは、グリーンピースの働きかけを受けて、有害化学物質であるポリ塩化ビニル(PVC)と臭素系難燃剤(BFRs)の使用をこれまでに全廃しています。さらに、アップルは自社の全製品でこれらの有害物質を全廃しており、さらなる削減対策を行うことを発表しています。しかし、こうした取り組みは、いまだアップルのみに留まっています。一方、ファッション業界では、グリーンピースの働きかけを受けて、ナイキやH&M、ユニクロ(ファーストリテイリング)などファッションブランド20社が、自社製品の製造過程において、すべての有害化学物質の使用を2020年までに全廃すると宣言しています(注2)。電機メーカーにも、より多くの製品の有害物質を削減するとともに、環境汚染に関してサプライチェーンの透明性を確保することが求められています。 また、製造時における自然エネルギー利用についても、電機メーカー各社の取り組みは不十分です。多量のエネルギーを必要とする電機製品の製造は、石炭火力発電が主流となっている東アジアに集中しています。レノボとファーウェイは工場に小規模太陽発電を導入し、アップルはスマートフォンの部品工場を100%自然エネルギーにする計画を打ち出すなど前向きな取り組みを見せている一方、日本企業4社のうち、シャープ、パナソニックは太陽光発電モジュールのシェアの世界トップ20に含まれるにもかかわらず、製造段階における自然エネルギーの野心的な導入目標を設定していないなど、大きく出遅れています。工場ごとの取り組みからサプライチェーン全体での自然エネルギー使用への切り替えを進め、高い目標を据えなければ、二酸化炭素排出量の大幅な削減は不可能です。 グリーンピース・ジャパン気候変動・エネルギー担当の高田久代は、「画期的な数々の新製品をこれまで生み出してきた電機メーカーは、より環境に優しい製品の未来をデザインできるはずです。まもなく、9月15日に日本は稼動原発ゼロで1年を迎え、多くの市民は自然エネルギーの利用拡大を望んでいます。企業がどのような電源を選ぶかという『電源責任』に、今後大きく関心が高まるでしょう。有害物質フリーで、自然エネルギーによってつくられる持続可能な製品を、どの企業が真っ先に生み出せるか、イノベーションの競争はすでに始まっています。日本企業のリーダーシップを期待します」と語りました。 グリーンピースは、有害化学物質使用の段階的廃止などを電機メーカーに求めるために、対象企業から提供のあった公開情報に基づいて評価した『環境に優しい電機メーカー・ランキング』の発表を2005年から開始、2008年の第8版からは、有害化学物質に加え、エネルギー分野の取り組みを評価観点に追加、2011年の17版からは紛争鉱物や森林製品の調達についての評価観点を加える改訂を行っています。 注1)『グリーン・ガジェット―未来をデザインする』(英語) 注2)グリーンピース、高級ブランドの子供服からも有害化学物質を検出――新報告書で、ヨーロッパとアジアで購入した27点の調査結果を発表(グリーンピース2014年2月発表プレスリリース)

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