【国際】世界経済フォーラム、機械学習の人権侵害リスクを報告。尊重すべき原則を策定

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 世界経済フォーラム(WEF)は3月13日、機械学習(マシンラーニング)が差別等の人権侵害を引き起こすことを防止するための白書「How to Prevent Discriminatory Outcomes in Machine Learning」を発行した。世界経済フォーラムは、年次総会「ダボス会議」で有名だが、社会課題や環境問題への対策を検討するため「グローバル未来委員会(Global Future Council)」の活動も展開している。グローバル未来委員会には14の委員会で構成されており、今回の白書を発行したのは人権委員会。  機械学習が差別を助長した事例はすでに発生している。例えば、融資の与信審査アルゴリズムにおいて、インターネット利用者の多い都市部データで学習が行われることで、農村部の人が正しく評価されなくなってしまう。司法アルゴリズムでも、差別的な観点を含む過去の判例を元にしたアルゴリズム開発は新たな差別につながりかねない。人材採用でも、学歴フィルターを機械学習技術を用いて開発した場合、低所得者層を不当に差別することにつながる。  白書では、機械学習を用いる上でのリスクを示し、開発者が尊重すべき原則をまとめた。原則には、「アクティブ・インクルージョン」「フェアネス」「理解する権利」「救済措置へのアクセス」の4つがある。 【参照ページ】World Economic Forum Unveils New Principles to Make Machine Learning More Human 【レポート】How to Prevent Discriminatory Outcomes in Machine Learning

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【中国】政府、AI産業促進3カ年計画制定。自動運転や無人飛行機、AIロボット等で2020年までの目標設定

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 中国国務院工業情報化部は12月14日、人工知能(AI)産業を発展させる2020年までの3カ年計画「促進新一代人工智能産業発展三年行動計画(2018-2020年)」を省、自治区、直轄市等の政府に通知した。中国国務院は今年7月、中国を2030年までにAI分野で世界のリーダーとなるため、巨額の新規投資を行う計画を発表していた。今回の通知はそれを具現化したもの。  同行動計画では、行動目標として4分野を定めた。 製品分野:AI自動車、AIロボット、無人航空機、AIを用いた医療画像解析の臨床活用、動画・画像認識、AI音声、AI翻訳等で世界をリード 核インフラ分野:AIセンサーの設計、ファウンドリ、テスト技術の向上、ニューラルネットワーク処理チップの量産、技術促進のためのオープンソース型プラットフォームの整備 製造分野:AI製造ライン、複雑な状況把握、人との機会の新たな協働、予知保全等AI工場モデルの進展 関連分野:データベースの標準化、試験の標準化、AI標準フレームワークの設定、初期的な安全・試験評価システムの整備  製品分野については、2020年までの目標も同時に設定した。AI自動車では、運転手が必要でなくなる「自動運転レベル4(高度自動運転)」を実現するためのリアルタイム高度AI自動車のプラットフォームや、関連分野の標準化作業を進めていく。無人飛行機では、2020年までに機体の傾きを0.005度レベルで感知し、機体周辺の障害物を360度検知できる技術を開発し、制度面でも無人飛行機の飛行制限区域の設定等を進める。その他の製品分野でも、AI精度レベルの達成目標等を掲げた。 【参照ページ】工业和信息化部关于印发《促进新一代人工智能产业发展三年行动计划(2018-2020年)》的通知

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【アメリカ】マイクロソフト、AIを用いた環境分析プログラム「AI For Earth」に追加で5千万米ドル投資

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 IT世界大手米マイクロソフトは12月11日、同社の人工知能(AI)を用いた環境分析プログラム「AI For Earth」を拡大するため、今後5年間で約5,000万米ドル(約56億円)を投資すると発表した。  AI For Earthは、マイクロソフトが今年7月12日にロンドンでのAIイベントの場で発表した新プログラム。農業、水、生物多様性、気候変動等の環境データを人工知能技術を用いて分析しソリューションを見出していくもの。マイクロソフトは、クラウド型のAIプラットフォーム「Azure」を提供する等、AI技術を先導している企業の1社。AI技術を環境分野に用いることで、環境サステナビリティに寄与していく。  同プログラムは、「Access」「Education」「Innovation」の3つの分野で構成されている。まずAccessでは、大学やNGOに対しAIツールを開放し、AI技術が価値を発揮できる分野での協働を行っていく。加えて大学やNGOに対する助成金支給プログラムを開始する。助成金申請は7月から可能となった。Educationでは、積極的にAIの勉強会を開催し、幅広いユーザーへの利用喚起を行う。また、Innovationでは、大学、企業、NGO、政府等の先進的組織とプロジェクトを組成する。すでに自然保護のための土地マッピングプロジェクト、センサーやドローン等を活用した農業生産性向上プロジェクト、伝染病蔓延を防ぐため効果的な蚊取り技術開発プロジェクトの3つが展開しているが、さらにプロジェクトを増やしていく。マイクロソフトはこのプログラムを、AI技術そのものの可能性を高める事業マーケティングとしても用いる。  今回のプログラム拡大発表は、その活動を発展させるもの。まずAccessではすでに助成金支給団体が10ヶ国35団体あるが、それをさらに増やす。Innovationへの取組では、プロジェクトの質を高めるためマイクロソフトの各部署からも人員を出しプロジェクトチーム体制を構築する。また、プロジェクトから得た成果を他のプロジェクトやAzureプラットフォーム上でも活用できるようにしていく。 【参照ページ】AI for Earth can be a game-changer for our planet 【参照ページ】Announcing AI for Earth: Microsoft’s new program to put AI to work for the future of our planet

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【国際】国連地域間犯罪司法研究所、人口知能とロボットの脅威を予測・監視する拠点設立

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国連地域間犯罪司法研究所(UNICRI)のCindy J. Smithディレクターは9月26日、第71回国連総会の場で、人工知能を監視し潜在的な脅威を予測するため「人工知能(AI)・ロボット・センター」をオランダ・ハーグに設立すると発表した。すでに今年初めにオランダ政府との間で合意書も締結されており、設立に向けた最終段階に入っている。  人工知能がもたらす脅威については、今年8月にオーストラリア・メルボルンで開催された国際人工知能会議(IJCAI)で、「自律型ロボット兵器」の禁止を呼びかける公開書面にテスラのイーロン・マスクCEOを含む著名人116名が署名したことが話題を呼んだ。同書面では国連にも対処を求めていた。今回設立される「人工知能(AI)・ロボット・センター」は、犯罪組織や無法国家による自律型ロボット兵器の問題だけでなく、人口知能がもたらす大量失業リスクについても研究対象とする。 【参考】【国際】イーロン・マスクらAI専門家、自律型ロボット兵器の早期禁止を国連に求める公開書簡に署名(2017年9月3日)  自律型ロボット兵器については、すでに米国、中国、ロシア、イスラエル等が開発に乗り出している。前述のIJCAIの公開書面では、「キラー・ロボット」と呼ばれる殺傷力の高い自立型兵器ロボットは火薬と核兵器に次ぐ「第3の革命」になると警鐘。キラー・ロボットが開発されると、武力紛争の規模や拡大速度が従来より遥かに大きくなり、罪なき人々に対する独裁者やテロリストによる恐怖の武器となり得るという。  一方、雇用問題では、コンサルティングファーム大手PwCが今年7月に発表した報告書「UK Economic Outlook」によると、英国では1,000万人以上の定型業務の被雇用者が、今後15年以内にロボットに代替されるリスクがあるという。とりわけリスク高いとされたのが、上下水道・廃棄物管理、運送業、倉庫業、製造業、卸売・小売業、管理・支援業務、金融・保険、行政サービス・防衛、電力・ガス等。被雇用者の人数が多い卸売・小売業は225万人、製造業は120万人、管理・支援業務では110万人が失業する可能性が大きいと分析された。業務内容によっては、30%から50%の雇用がロボットやAIの普及により奪われるという。他方、ロボットやAIが普及することにより新たな雇用が生まれる可能性もある。PwCの技術・投資部門のリーダー、ジョン・アンドリューズ氏は、雇用者側が自らの従業員に新たな知識や技術に適応できるよう奨励することに加え、従業員側も積極的なスキルアップへの取り組みや、創造的な思考力を高めることが重要だと指摘している。  国連地域犯罪司法研究所のIrakli Bridze上級戦略顧問は、「迅速に対応しなければ、社会情勢に不安定さを引き起こす可能性がある」「新しい技術を禁じたりコントロールするのではなく、どのように国連持続可能な開発目標(SDGs)に貢献できるかを探ることが重要だ」と述べている。さらに同氏は、国連機関の中にはAIやロボットのプロジェクトを推進しているものもあるが、それらは一時的なものであり、ハーグの新拠点では集約的かつ継続的な取り組みを進め、ロボットやAIがもたらすリスクと利益との双方を研究するとも語った。  国連地域間犯罪司法研究所は、当面、少人数のスタッフで運営する予定。活動内容は、リスクアセスメントとステークホルダーのマッピングおよび分析、トレーニングとメンタリング(助言)プログラムの実施、技術交流の促進、専門家会議の招集政策立案者の意識向上に向けたワークショップの開催、国際会議の開催等。 【参照ページ】Robots could destabilise world through war and unemployment, says UN 【参照ページ】Millions of UK workers at risk of being replaced by robots, study says 【参照ページ】UNICRI Center for Artificial Intelligence and Robotics 【参照ページ】'Killer robot' fears prompt tech leaders to call for UN ban on lethal autonomous weapons

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