【ドイツ】シーメンス、火力発電用のガスタービン事業を大幅縮小。6100人削減

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 電機世界大手独シーメンスは5月8日、火力発電用のガスタービン事業の大幅縮小を発表。2020年までにドイツの事業所を中心に従業員6,100人を人員削減する。同社はガスタービン販売で世界大手。しかし近年、太陽光発電や風力発電が大幅に伸長しているため、火力発電用ガスタービン事業の縮小を決定した。関連する他事業部でも800人の人員削減を実施し、削減規模は全従業員の2%に相当する6,900人となる。  人員削減計画については、すでに同社の中央労働会議とIGメタル労働組合の合意も取り付けた。しかし、大規模人員削減に対しては、社会的な批判を呼んでいる。シーメンスは、急速な市場環境を前に「事業再編は避けられなかった」と説明している。  シーメンスは同時に、毎年、研修や継続学習に5億ユーロを投じると表明。事業再編により1億ユーロの資金を用意し、今後4年間成長分野に投資していく意向を示した。特に、デジタルファクトリー事業部は雇用創出を進めるという。  シーメンスは、風力発電の分野でも世界大手。特に洋上風力分野で高いシェアを持っている。シーメンスは、スペイン風力大手ガメサを買収し、シーメンス・ガメサに統合。しかし、競争環境が激しく、2017年11月に全従業員の20%に相当する6,000人の人員削減を発表。その後、大規模受注が相次ぎ、経営は持ち直している。 【参照ページ】Agreement reached on framework for restructuring and future pact for shaping the structural transformation

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【国際】世界風力会議(GWEC)、2017年年間報告書公表。年間新規導入量52GW

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 風力発電の国際的業界団体である世界風力会議(GWEC)は4月25日、2017年の年間報告書「Global Wind Report」を発表した。2017年に新たに設置された風力発電設備容量は52.5GW。累積設備容量は昨年から10.8%増加し、539.1GWとなった。  2017年の新規導入設備容量が多かった国は、1位中国(19.7GW)、2位米国(7.0GW)、3位ドイツ(6.6GW)、4位英国(4.3GW)、5位インド(4.1GW)、6位ブラジル(2.0GW)、7位フランス(1.7GW)、8位トルコ(0.8GW)、9位南アフリカ(0.6GW)、10位フィンランド(0.5GW)。  また、2017年末の累積設備容量は多い順に、1位中国(188.4GW)、2位米国(89.1GW)、3位ドイツ(56.1GW)、4位インド(32.4GW)、5位スペイン(23.2GW)、6位英国(18.9GW)、7位フランス(13.4GW)、8位ブラジル(12.8GW)、9位カナダ(12.2GW)、10位イタリア(9.5GW)。  EU諸国では、発電量全体に占める風力発電の割合が各国で伸びておりトップはデンマークの44%。ポルトガルとアイルランドも24%にまで上がってきた。全体に占める風力割合が10%を超える国が、EU28ヶ国中10カ国となった。  GWECの予測では、2018年の新規導入設備容量は53GWとなる見込みで、2022年には67GWまで増加する。2021年時点での累積容量は841GWに達する見通し。成長を牽引していくのは中国、インドと欧州。とりわけ中国は2022年まで世界の導入量を牽引するとみられる。 【参照ページ】Cost-competitiveness puts wind in front

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【日本】三菱商事、スコットランド沖の大規模洋上風力発電運営MOWELの株式獲得

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 三菱商事は3月26日、英完全子会社Diamond Generating Europe(DGE)を通じ、英スコットランドのモーレイ(Moray)湾沖の洋上風力発電所「Moray East」の事業管理会社英Moray Offshore Windfarm -East(MOWEL)の株式33.4%を、スペイン再生可能エネルギー大手EDP Renewables(EDPR)から取得すると発表した。これによりMOWELの株主は、三菱商事、EDPR、仏エンジーの3社となる。  MOWELは、設備容量950MWで英国最大級。2022年に稼働開始予定。売電価格は1MWh当たり57.5ポンドの固定価格。入札により15年間の売電契約締結済。  欧州では洋上風力発電事業が大きく盛り上がっており、とりわけスコットランド沖は一大産地。洋上風力や太陽光発電所は、インフラ投資として投資家間で売買が活発になされている。三菱商事はすでにオランダ・ルフタダウネン洋上風力発電所(設備容量130MW)、ベルギー・ノーザー洋上風力発電所(設備容量370MW)の権益を取得済。スコットランド沖は今回が初めての模様。 【参照ページ】英国における新規洋上風力発電事業への参画

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【エネルギー】世界の風力発電導入量と市場環境 〜2017年の概況〜

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風力発電は再生可能エネルギーの中で最大規模  大きな風車が象徴的な風力発電。風力発電は気象現象として気圧差から発する風力を、風車で捉えてタービンを回し、その動力エネルギーを電力エネルギーに変える発電手法です。従来の化石燃料エネルギー型発電と比べ、二酸化炭素の排出量が著しく小さく、気候変動を抑制する効果が大きいと言われていまう。 (出所)IEAのデータをもとに、ニューラル作成  一般的に再生可能エネルギーには、太陽光発電、太陽熱発電、風力発電、地熱発電、潮力発電、バイオマス発電、廃棄物発電の7種類がありますが、過去の導入量実績は大きく異なります。再生可能エネルギーの中で最大規模の発電量を誇るのは風力発電。2015年の世界全体での風力発電電力量は年間84万GWh、世界の年間総発電量の3.4%を占めています。また、再生可能エネルギー発電量全体を分母とすると、約半数の49%を占めています。風力発電の特徴のひとつに海上での発電が可能だというものがあります。そのため、洋上風力発電は、世界の広大な海を発電所に変えることができるため、候補地となる面積が広大。風力発電は、今後、再生可能エネルギーの中で最も伸びる分野だとも言われています。 風力発電の増加率は過去20%以上を超え、今後も増加傾向は続く (出所)GWECのデータをもとに、ニューラル作成  世界の風力発電に関する統計は、世界風力エネルギー会議(GWEC)がデータを集めています。GWECの報告書によると、風力発電の設備容量は、2001年から平均20%以上の年間成長率で増加してきました。また今後も2020年まで約13%の成長率で伸びるという予測も立てています。風力発電設備が20%成長を続けているということは、産業としても20%伸びているということです。つまり、風力発電の設備メーカー、建設事業者も同様に業績が拡大し、雇用も創出されています。 中国が世界を牽引 (出所)GWECのデータをもとに、ニューラル作成  世界の風力発電を牽引しているのは中国です。風力発電の歴史を辿ると、2000年前後から米国、ドイツ、スペイン、デンマークの4カ国がリードしてきました。特にドイツ、スペイン、デンマークは環境政策の一環として再生可能エネルギーに注力、風力発電の建設が急速に進みました。2005年からはそれに加え、英国、イタリア、フランス、ポルトガル、スウェーデン、オランダといった他のEU諸国も追随。またこの頃から経済発展に応じて急速に電力需要が増加した中国とインドでも導入量が増えていきます。  日本は2004年時はイギリスに次ぐ世界8位の風力発電国でした。しかし、その後は新規導入量が停滞。2017年時点では世界19位に転落しています。現状の速度だと、急速に追い上げているアイルランド、ルーマニアにすぐに抜かれそうです。  今日、風力発電はEU諸国と北米、そして世界の人口大国である中国、インドが牽引しています。また、ブラジル、トルコ、ポーランド、南アフリカ等の新興国も積極的に風力発電を伸ばしています。 欧州では風力発電が広く浸透 (出所:GWEC、IEAのデータをもとに、ニューラル作成)  これまで風力発電の中心地域は欧州でしたが、2015年に中国がEU28カ国全体の風力発電設備容量を超え、世界のリーダーとなりました。2017年では、中国は、世界の全ての風力発電容量の3分の1以上を有しています。IEAによる2015年の風力発電割合は中国は3.2%。EUの9.3%には及びませんが、日本の0.5%より遥かに高い水準です。同じく風力発電導入量が増えているインドは、2015年にスペインを抜き世界第4位となりました。  洋上風力の分野では、世界の9割以上の設備はEU諸国に偏在しています。特に英国が牽引しており、英国だけで世界の4割弱を占めています。また、英国の風力発電設備容量に占める洋上風力の割合も36%と高く、洋上風力に注力している様子が見て取れます。初期に風力発電を牽引したデンマークでは、昨今は伸びが低下しているように思えますが、すでに風力発電だけで国の発電総量の48.8%を占めていると言われれば納得がいきます。デンマークの洋上風力割合も23.2%と高く、洋上風力を推進しています。英国とデンマークにドイツを足した3ヶ国の洋上風力世界シェアは約70%、洋上風力は北海・バルト海に集中しています。米国でも洋上風力発電所第1号が誕生し、今後の動向が期待されています。 世界の風力発電メーカーの顔ぶれ  風力発電と太陽光発電の違いは、機器の構造にもあります。太陽光発電は太陽光パネルとバッテリー、それを支えるフレームという非常にシンプルな構造をしているのに対し、大型化が進む風車設備は、電気機器、制御装置、駆動部、ブレードなどが凝縮された電気工学・機械工学の結晶。大型風車一基あたりの部品は1万点近くにものぼり、自動車産業にも匹敵すると言われています。そのため、風力発電産業は産業としても大規模となり、多数の雇用を生むと言われています。 (出所)Wind Power Monthly、2016年の数値 (出所)Wind Europe、2017年の数値  世界の風力発電メーカーの競争は激化しています。上位を占めるのは欧州勢で、1位は老舗デンマークのヴェスタス。1945年に農機具メーカーとして誕生し、1979年に風力発電機を製造開始。2016年時点で累積で82.9GWの風力発電機を設置。2014年には世界最大8MWの風力タービンV164の試験発電を開始し、歴史・技術力ともに高い実績を誇っています。2位は独シーメンス。洋上風力で特に強い存在感を示しており、欧州の洋上風力の約3分の2はシーメンス製です。シーメンスの風力事業部門は、スペイン大手ガメサを吸収合併し、シーメンス・ガメサ(SGRE)となっています。  3位は、世界的な総合電機メーカーのGE。2002年のエンロン事件を機にEnron Windを買収し風力発電分野に参入しました。4位は中国Goldwind、高まる中国内需を後ろ盾にしつつ、低コスト戦略で海外市場でも力を伸ばしています。5位には独エネルコン、7位独Senvion、8位中国United Power(聯合動力)と風力発電の導入量が多い国の企業が並びます。最近ではドイツのNordexも伸びてきました。新興国からは、9位中国のEnvison Energy(遠景能源)、10位のインドSuzlonの姿もあります。  風力発電ビジネスは、より効率的に発電ができる大型化の時代に突入しています。日本で大型風力発電基を手がけているのは、三菱重工業、日本製鋼所、日立製作所の3社。三菱重工業はかつて10位以内にランクインしていましたが、三菱重工業と日本製鋼所はすでに新規販売を停止しています。近年は欧米勢に引き離されるとともに、中国勢にもおされ、残念ながらマーケットシェア上位企業から姿を消してしまいました。日本国内の風力発電にも海外製のものが多数採用される状況が続いていましたが、2011年以降は日本製の採用割合が半数を超えています。日本企業が生き残るためには、海外での販売力の強化や、海外M&Aが必要となります。実際に、三菱重工業は世界トップのヴェスタスと洋上風力発電事業に特化した合弁会社「MHI Vestas Offshore Wind A/S」を2014年4月にデンマーク・オーフス市に設立。両社の洋上風力発電設備事業を分割集約しました。最近では戸田建設も浮体式洋上風力発電の分野に参入しています。  それとは別に、小型風力発電に市場もあります。こちらは、非常に多くの企業が参入しています。 風力発電と証券化ビジネス  繰り返しになりますが、風力発電は太陽光発電と異なり、大規模投資事業となります。そのため、風力発電の建設は、従来は国家予算がサポートして実現していました。しかし欧米ではすでに新たな時代に突入しています。民間資金の活用です。世界には国家予算の何倍もの投資資金が運用されています。投資家にとって、魅力的な投資先とは、長期にわたって安定的にキャッシュを生み、リターンをもたらしてくれる事業。人間社会にとって今後数十年は電気が必要であることは確実で、電気料金が大きく減少するリスクも少なく、売電事業は投資家にとって魅力的に映る事業です。さらに、近年、投資家たちは社会にとって価値のある事業を投資先に選定する傾向があり(証券化の仕組み)、売電事業は投資先としてますます魅力的になっています。 (出所:環境省)  大規模な風力発電事業の資金調達には、証券化という金融手法が活用されています。証券化とは、プロジェクト単位で資金調達を行う手法のことです。発電事業を運営する企業(例えばソフトバンク)とは切り離された特別目的会社(SPV)を設立して倒産リスクを隔離し、SPVが発電事業を行います。こうすることで、今後発電事業を運営する企業がどうなろうとも、投資家は安心して発電事業からの収益を期待できます。SPVには、事業を運営する企業の他、投資銀行や商社、ファンドが出資し、さらに銀行がシンジケートローンを組んでレバレッジドファイナンスを実施します。こうして、年間キャッシュフローの何倍もの大規模な資金調達が可能となっています。近い将来、国内でも再生可能エネルギーを対象とした上場ファンドが誕生するとも予想されます。

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【国際】国際エネルギー機関IEA「世界エネルギー展望(Energy Outlook)2017」発行

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 国際エネルギー機関(IEA)は11月14日、「世界エネルギー展望(World Energy Outlook)2017」を発行した。過去1年間の大きなトレンドとして、再生可能エネルギーの急速な伸長と発電コストの低下、米国でのシェールガス・シェールオイルの急増、中国でのエネルギー政策の大転換を挙げ、内容を解説している。 (出所)IEA  今年の報告書では、2040年には今よりもエネルギー需要が30%伸びると予測。伸び率は今よりも下がるが、今より遥かにエネルギーが必要となる。世界経済は毎年3.4%成長し、人口も2040年には今よりも16億人多い90億人となる見込みで、4ヶ月毎に上海人口に相当する都市人口が増加していくことなる。とりわけ増加量が多いのがインド。1国だけで世界の増加量の30%を占める。中国も引き続き増加量が790Mtoe多く、他にも東南アジア、中東、アフリカでは400Mtoeを上回る増加を経験していく。 (出所)IEA  今後大きく成長するのは再生可能エネルギーで、2040年には世界の1次エネルギー需要増加量うち40%を再生可能エネルギーが占めることになる。とくに中国とインドの太陽光発電が牽引する。EUでも新規発電設備容量の80%は風力を中心とした再生可能エネルギーが占める。IEAはこれにより石炭の時代は終わるだろうと見通している。2000年以降、石炭火力発電は約900GWの設備容量を誇っているが、2040年までの新規増加は400GWに留まり、そのうちの大半はすでに建設が着工している。インドではすでに発電に占める石炭火力発電の割合は2016年に4分の3に下がっており、2040年には半分まで下がる見通しだという。炭素回収・貯蔵(CCS)技術が普及しなければ、石炭消費量は横ばいになるだろうとした。  一方、石油需要は2040年まで緩やかに増加を継続。天然ガスは2040年までに45%も増加するが、電源としてよりも産業利用の分野で伸びる。原子力発電の将来は昨年よりも暗雲が立ち込めているが、中国が世界をリードし2030年までに米国を上回り世界最大の原子力発電国となる見通し。 (出所)IEA  米国では、シェールガスとシェールオイルにより、石油・ガス生産量が増加に転じる。2025年までは年々増加し、それ以降も2040年まではほぼ横ばい。一方、米国のエネルギー消費量は2040年までに30Mtoe減少するため、大幅な生産増は輸出に回る。2020年台中頃には米国は世界最大の天然ガス輸出国になる見込み。 (出所)IEA  石油需要は2040年まで減少するもののさほどは減らない。背景には、電気自動車(EV)等の普及により自家用車のガソリン・ディーゼル需要は減少しつつも、航空機、輸送トラック、石油化学分野での需要は大きく伸びていくため。そのあめ石油エネルギー消費を抑えるためには、航空機、輸送トラックでの代替燃料や石油化学製品のリサイクルや使用量削減がカギを握る。 (出所)IEA  世界最大のエネルギー消費大国となっている中国の動向が世界の帰趨を左右すると言っても過言ではない。すでに中国は石炭依存度を削減する政策の大転換を行っており、今後も石炭火力発電所の増設は続くものの既存の発電所の建替えも多く、石炭消費量はすでに減少し始めている。また、太陽光、風力、水力の合計新規設備容量は石炭火力を上回り、再生可能エネルギーが急増していく。 (出所)IEA  大気汚染物質排出量では、現在深刻化している中国は今後大幅に減少していき、エネルギー消費量は伸びつつも、2040年までには半減する見込み。同様に石炭依存度が比較的高いドイツやポーランド等でも大気は清浄化していき、EUでも大きな削減が見込まれている。一方、今後大気汚染が深刻になっていくのはインドと東南アジア。  気候変動を1.5℃から2℃に抑えるためには、2040年には電源に占める再生可能エネルギー割合を60%、原子力を15%、炭素回収・貯蔵(CCS)技術で6%を回収しなければならない。そのため石炭火力発電を一刻も早く止めなければならない。また、自動車だけでなくトラックのEV化も進めなければならない。  日本では、再生可能エネルギーか、原子力発電か、CCS付石炭火力発電か等の議論が盛んだが、IEAの予測を見ると、CCSや原子力発電をやれば再生可能エネルギーはそこそこで良いというような結論にはなりえない。そもそも再生可能エネルギーを軽視した未来は到底描けない。 【参照ページ】World Energy Outlook 2017

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【デンマーク】国営DONG Energy、アーステッドに社名変更。石油ガス事業の全売却完了

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 デンマークの国営電力会社DONG Energyは10月2日、社名を「Ørsted(アーステッド)」に変更すると発表した。株主の承認を得るため、10月30日に臨時株主総会を開催する。  社名変更の背景には、同社の事業ポートフォリオの大幅な変更がある。現社名「Dong」は、Danish Oil and Natural Gas(デンマーク石油・天然ガス)の頭文字を取り命名されたが、同社は過去十数年、再生可能エネルギーの分野に大幅に投資する一方、既存の石油・天然ガス事業の売却を進めてきた。今年9月29日には最後まで残っていた石油・天然ガス採掘事業子会社「DONG E&P A/S」の売却を完了し、石油・天然ガス事業がなくなった。そのため、実態に合わないとし、社名変更に踏み切った。新社名は、電磁気学の基礎を築いた19世紀のデンマーク物理学者ハンス・クリスティアン・アーステッドに由来している。  同社は、かつては欧州有数の石炭依存電力会社だったが、2023年までの全廃をすでに発表。現在は、洋上風力発電が主力。一方で、風力発電の発電コストが減少しているため、利益は大きく増加している。二酸化炭素排出量は2006年比ですでに52%削減。2023年までに96%削減という驚異的な目標を掲げている。最近では、再生可能エネルギーの普及に不可欠なバッテリー分野に大きく投資しており、米シリコンバレーにバッテリー分野のベンチャーキャピタルも立ち上げている。但し、天然ガスは環境負荷軽減に貢献するとし、天然ガスの顧客への販売事業は継続する。  DONG E&P A/Sを買収したのは、英化学大手Ineos。Ineosは1998年設立の比較的新しい化学メーカーで、コモディティ化した石油化学事業を世界大手から次々に買収し急成長。すでに世界トップ10入りしている。一時は租税回避のためスイス・ロールに本社を移したが、2016年には再び英ロンドンに本社を戻した。買収金額は、無条件支払が10億5,000万米ドル。それに加え、フレデリカ工場関連の偶発的対価が1億5,000万米ドル、ローズバンク地区の開発関連の偶発的対価が1億米ドル。最大で13億米ドル(約1,500億万円)。事業売却のファイナンシャル・アドバイザーは、JPモルガン。9月29日に売却は完了し、同社社員430名がIneosに移った。  DONG Energyは、2016年6月9日にナスダック・コペンハーゲン市場に上場。上場時の時価総額は982億クローネ(約1兆6,000億円)。現在の株主構成は、デンマーク政府の出資比率が50.1%で残りは民間企業や他の投資家が保有している。上場前の株主構成は、デンマーク政府58.8%、ゴールドマン・サックスの投資子会社New Energy Investmentが17.9%を保有していた。上場時株価はゴールドマン・サックス投資時の2倍をつけ、上場以降は株式を徐々に売却し、現在の持株比率は2.7%。10月11日には、その2.7%も全て売却すると発表した。 【参照ページ】We are changing our company name to Ørsted 【参照ページ】We complete the divestment of our upstream oil and gas business to INEOS 【参照ページ】DONG Energy enters an agreement to divest its upstream oil and gas business to INEOS 【参照ページ】Goldman Sachs to shed remaining Dong Energy stake

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【国際】世界銀行、低炭素社会移行がもたらす新たな環境破壊を懸念。資源採掘企業に対応促す

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 世界銀行は7月18日、低炭素社会への移行に必要となる資源が新たな環境問題を引き起こすリスクをまとめた報告書「The Growing Role of Minerals and Metals for a Low Carbon Future」を発表した。低炭素社会を目指す動きの一つに、太陽光発電、風力発電、蓄電池や電気自動車の活用があるが、これらのコアとなるバッテリーや電子部品には、リチウムやコバルトなどの金属やレアアース(希土類元素)が必要となる。今回の報告書は、これら資源開発が新たな環境問題を引き起こす危険性があるとの認識を高めるよう呼びかけた。  今回の報告書は、パリ協定で国際合意に至った2度目標などを視野に入れ、将来のエネルギー移行のシナリオを実施。その移行に必要となる天然資源の動向を分析した。分析対象となった物質は、アルミニウム、ボーキサイト、カドミウム、クロミウム、コバルト、銅、インジウム、鉄、鉛、リチウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、プラチナ、レアアース、シリコン、銀、チタニウム、亜鉛の計19。これらの物質が、今後、風力発電、太陽光発電、バッテリーの増加によりどのような影響を受けるかを提示した。  リチウムやコバルト等の金属やレアアースの多くは低所得国が原産地。これらの国では資源採掘業は経済成長の鍵と位置づけられており、再生可能エネルギーの需要が拡大するにつれ、急速に資源発掘・開発が進むと予測されている。しかし管理体制が適切でないと、現地の生態系、水質、地域社会に重大な影響を与え、持続可能な開発を実現することができなくなる。最近では、資源採掘大手も金属やレアアース等に注力してきており対応は急務。資源採掘企業や鉄鋼・金属メーカーに対し、環境破壊の防止を強く促した。  また、今回の分析からは、特定の原材料に依拠している再生可能エネルギー社会は、現在の化石燃料社会に比べ、より原料集約性が高く(Material Intensive)なる。どの原材料の需要が増えるかは、今後伸びていく風力発電、太陽光発電、バッテリーのタイプによって異なるが、今後、製品供給を安定化させるためにも、原材料供給の安定性や価格の動向を見据えながら製品技術タイプを検討していくことの重要性を訴えた。 【報告書】The Growing Role of Minerals and Metals for a Low Carbon Future

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【ドイツ】洋上風力発電3件で補助金ゼロ受注が成立。補助金不要には時期尚早の声も

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 今年4月にドイツで初めての洋上風力発電所建設プロジェクト4件の入札が行われ、デンマークのDong Energyが3件、ドイツのEnBWが1件の建設権を受注した。このうち、Dong Energyの2件とEnBWの1件が、再生可能エネルギー補助金ゼロでの受注をしたことが話題を呼んでいる。  Dong Energyが受注したのは、OWP West地区(設備容量240MW)、Borkum Riffgrund West 2地区(240MW)、Gode Wind 3地区(110MW)の3件。このうち前2つで補助金ゼロで受注した。最後のGode Wind 3地区案件では1MWh当たり60ユーロの補助金を受け取る。同様にEnBWが受注したHe Dreiht地区(900MW)案件でも同社は補助金ゼロで受注した。補助金ゼロで受注することは、電力市場価格での売電のみで収益性を成立させること意味する。4件全て2024年から2025年に運転開始予定。  両社は、今回の補助金ゼロで応札した背景となるプロジェクトのコスト構造を明らかにはしていない。世界風力会議(GWEC)によると、専門家は両社の均等化発電原価(Levelized Cost Of Energy、LCoE)はMWh当たり約31ユーロとみている。この収益性が立証されると、洋上風力発電の価格競争力や再生可能エネルギーの可能性が大きく開けることとなるが、GWECはあまり楽観視をしていない。  GWECは、補助金ゼロでの洋上風力発電について、両社のコスト算定の妥当性を懸念する考えを示すとともに、両社はまだ投資の最終決定をしたわけでなく、数年後に比較的安価なペナルティでプロジェクトを破棄できるという条件があることで、非常に低いプロジェクト額の提示に寄与したとも考えられると述べている。両社は、コスト削減の背景について、将来のタービンサイズの大規模化を挙げており、今後の動向に注目が集まっている。 【参照ページ】The risks of zero-subsidy offshore wind

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【国際】世界風力会議(GWEC)、2016年年間報告書公表。昨年の新規導入量は54GW

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 風力発電の国際的業界団体である世界風力会議(GWEC)は4月25日、2016年度の年間報告書「Global Wind Report」を発表した。2016年に新たに設置された風力発電設備容量は54.6GW。累積設備容量は昨年から12.6%増加し、486.8GWとなった。  2016年の新規導入設備容量が多かった国は、1位中国(23.4GW)、2位米国(8.2GW)、3位ドイツ(5.4GW)、4位インド(3.6GW)、5位ブラジル(2.0GW)、6位フランス(1.6GW)、7位トルコ(1.4GW)、8位オランダ(0.9GW)、9位英国(0.7GW)、10位カナダ(0.7GW)。  また、2016年末の累積設備容量は多い順に、1位中国(168.7GW)、2位米国(82.2GW)、3位ドイツ(50.0GW)、4位インド(28.7GW)、5位スペイン(23.1GW)、6位英国(14.5GW)、7位フランス(12.1GW)、8位カナダ(11.9GW)、9位ブラジル(10.7GW)、10イタリア(9.3GW)。  発電量に占める風力発電割合も各国で伸びており、トップはデンマークの40%。次いでウルグアイとポルトガルが20%以上。スペインとキプロスが約20%。ドイツが16%。中国、アメリカ、カナダでも5%近くが風力発電となった。  GWECの予測では、2017年の新規導入設置容量は約60GWとなる見込みで、2021年には75GWまで増加する。2021年時点での累積容量は800GWに達する。成長を牽引していくのは中国とインドと北米。過去風力発電をリードしてきた欧州でも、洋上風力発電のコストが大きく下がる中、さらなる拡大にとって追い風となっている。  南米では、政情不安と経済低迷によりブラジルでは新規導入が低迷しているが、一方ウルグアイ、チリ、アルゼンチンでは増加してきている。アフリカでは、ケニヤや南アフリカ、モロッコといった国で特に成長が期待される。 【参照ページ】Strong Outlook for Wind Power 【報告書】Global Wind Report 2016

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【インド】風力発電買取価格、FITから入札へ移行の展望。風力発電関連事業者に動揺広がる

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 インドで風力発電の買取価格が大きく減少していきそうだ。インド政府は、「2020年までに175MWの再生可能エネルギー導入」を掲げており、再生可能エネルギーの拡大と同時に再生可能エネルギーのコストを削減していく方針を定めており、今年から風力発電の買取制度を、固定価格買取制度(FIT)から入札オークション制度に変更しようとしており、2月に実施された初回の入札では、各州の従来の固定買取価格を大きく下回る結果となった。ブルームバーグが3月29日報じた。  現在、インドの電力公社は、FIT制度のもとで長期的な風力発電電力の購入計画を結んでいるが、今回入札で価格下がる結果となったことで、既存の長期購入契約そのものを見直す動きが出る可能性が出てきた。既存の契約が破棄され、低い価格での購入計画に切り替わると、FIT買取価格を基にして事業計画を立ててきた再生可能エネルギー発電事業者にとっては大きな痛手となる。当面は、過去のFIT買取価格での売買が維持されるという見通しもあるが、連邦政府はこの件に対し立場を明確にはしていない。  連邦政府の政策について予見できない状況になっていることで、再生可能エネルギー電力事業の幅広い関係者には動揺が広がっている。インド連邦政府は、2022年までに風力発電の設備容量を現在の29GWから66GWに拡大する計画を打ち上げていることもあり、インドでは風力発電の設備メーカーが多く、世界的に大きな存在感を示している企業も少なくない。ブルームバーグによると、インドの再生可能エネルギー事業者ReGen Powertechや、風力発電設備メーカーSuzlon Energy、ガメサ、Inox Wind、Tecnologicaなどが大きな影響を受けそうだという。 【参照ページ】Wind Developers at Risk as India Copes With Dual Payment System

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