【日本】成田、関西、大阪の3国際空港、ACIの空港カーボン認証で上から2番目のレベル3獲得

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 成田国際空港は11月29日、国際空港評議会(ACI)の二酸化炭素排出量削減に取り組む国際空港に付与する認証制度「Airport Carbon Accreditation」で、上から2番目の「レベル3」を獲得したと発表した。1月に「レベル2」を獲得していた。また、関西エアポートも12月6日、関西国際空港と大阪国際空港が「レベル3」を獲得したと発表した。両空港は2016年に「レベル2」を獲得していた。同時に関西エアポートが運営する神戸空港も「レベル2」を獲得した。日本ではそれ以外の空港は認証を獲得していない。 【参考】【国際】国際空港評議会、加盟641社に気候変動適応整備要請。246社認証取得し日本の空港は3つ(2018年10月15日)  ACIの認証は4段階で構成。空港が管理を実施している内容によってレベル分けされる。レベル1は空港からの二酸化炭素排出量の測定。レベル2は空港からの二酸化炭素排出量の測定と削減。レベル3は航空会社等の空港以外からの二酸化炭素排出量の測定と削減計画の策定。最も高いレベル3+は空港からの二酸化炭素ネット排出量をゼロ化(オフセット活用も可)。現在世界49空港がレベル3+を獲得している。  レベル3+獲得空港は、40空港が欧州。英ロンドン・ガトウィック空港、ロンドン・スタンステッド空港、マンチェスター空港、仏ニース・コートダジュール空港、蘭スキポール空港、ベルギーのブリュッセル空港、イタリアのローマ・レオナルド・ダ・ヴィンチ国際空港、ヴェネツィア・マルコポーロ空港、ナポリ空港、ミラノ・マルペンサ空港、スイスのジュネーブ空港、ハンガリーのブダペスト空港、ノルウェーのベルゲン空港、スウェーデンのストックホルム・アーランダ空港、ストックホルム・ブロンマ空港、ギリシャのアテネ空港等がある。他には、インドのデリー国際空港、ラジブ・ガンジー国際空港、バンガロール国際空港、ムンバイ国際空港、ヨルダンのクィーンアリア国際空港、米ダラス・フォートワース国際空港等。   【参照ページ】空港カーボン認証レベル3を取得しました 【参照ページ】関西国際空港及び大阪国際空港が空港カーボン認証レベル3を取得 【機関サイト】Airport Carbon Accreditation

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【国際】国際空港評議会、加盟641社に気候変動適応整備要請。246社認証取得し日本の空港は3つ

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 国際空港評議会(ACI)は10月3日、気候変動によるインフラ及び運営に関するリスクアセスメント、気候変動緩和及び適応施策の実施を各国際空港に促す方針文書を発表した。国際空港協議会は、1991年設で本部はカナダ・モントリオール。現在176ヶ国・地域合計1,957空港を運営している641社が加盟しており、日本からは成田国際空港、東京国際空港(羽田空港)を運営する日本空港ビルデング、関西国際空港・大阪国際空港(伊丹空港)・神戸空港を運営する関西エアポート、中部国際空港が加盟している。  ACI加盟機関は2018年6月、ブリュッセルで開催された年次総会の中で気候変動適応を進める決議を採択。今回の方針文書は、決議内容の実施提言を具体化させたもの。今回の方針文書は、加盟している国際空港に対し、気候変動の見通しや的確な適応計画を整備するためのリスクアセスメント指針をまとめたもの。国際空港を運営する各部門向けに実施すべき内容を整理した。先進事例としては、ノルウェー、オーストラリア、香港、イスタンブール、アムステルダム、シンガポールの取組も紹介した。  ACIは、二酸化炭素排出量削減に取り組む国際空港に付与する認証制度「Airport Carbon Accreditation」を実施しており、現在の取得機関は246社。地域別では、欧州が137社、北米39社、中南米17社、アフリカ10社、アジア・太平洋が47社取得している。日本のACI加盟4社は、成田国際空港、関西国際空港、大阪国際空港の3空港が4段階で上から3番目の「レベル2」を取得している(*1)。Airport Carbon Accreditation事務局は10月2日、取得246社の昨年の成果を公表し、二酸化炭素排出量を1年間で34.7万t削減した。二酸化炭素ネット排出量ゼロの空港もすでに48誕生している。 [2018.12.21修正] *1: 内容を訂正した。 【参照ページ】New ACI policy brief stresses importance of airport resilience and encourages airports to develop climate change adaptation plans 【参照ページ】Global climate action by airports up 25% in the past year

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【オランダ】スキポール空港やロッテルダム空港、2018年から100%再生可能エネルギーで事業運営

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 オランダの主要国際空港ロイヤル・スキポール空港を運営するロイヤル・スキポール・グループは8月15日、2018年1月1日以降、事業運営に必要な電力を全て再生可能エネルギーで調達すると発表した。再生可能エネルギー大手Enecoがオランダ国内に開発中の風力発電所から電力を調達する契約を締結した。  ロイヤル・スキポール・グループの株主構成は、オランダ財務省が69.77%、アムステルダム市が20.03%、ロッテルダム市が2.2%、パリの主要空港を運営するADPグループが8%。ロイヤル・スキポール・グループとADPグループは、資本提携で相互に株式8.0%を保有している。ロイヤル・スキポール・グループは、ロイヤル・スキポール空港、ロッテルダム空港、レリスタット空港の株式100%を保有。また、アイントホーフェン空港の株式51%、豪ブリスベン空港の株式19%を保有している。同グループの年間の電力使用量は200GWhで、6万世帯分の電力に匹敵する。  Enecoが開発中の風力発電所は、オランダ中部のフィアーネン風力発電が2018年1月に運転開始予定で、ロイヤル・スキポール・グループに電力を供給する。また2020年1月からは複数の風力発電所が運転を開始予定。ロイヤル・スキポール・グループは、新規の風力発電所から電力を購入することで、再生可能エネルギーの発電力増加に貢献する。 【参照ページ】Royal Schiphol Group fully powered by Dutch wind farms from 2018

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【イギリス】ヒースロー空港、環境分野で4認証獲得。国際空港として初の快挙

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 英国を代表する国際空港のヒースロー空港は5月3日、英国に拠点を置く世界的な非営利環境企業カーボントラスト社より、同社が発行している5つの環境関連認証のうち4つの認証を獲得したと発表した。同時に4つの認証を獲得した空港としては世界初。また、サプライチェーン認証を獲得した機関としては世界で5番目、空港としては世界初。空港の環境性能として世界をリードしている状況が明らかとなった。  カーボントラストは、英国の環境・食料・農林地域省(DEFRA)が出資して設立された保証有限責任会社(英国およびアイルランド法での有限責任会社の形態の一つ)。環境改善に関する技術提供に加え、企業が排出する二酸化炭素や水、廃棄物に関するフットプリントを計測し、英国での共通規格PAS2050やCode of Good Practiceの基準に照らした審査および認証提供を実施ている。英国認証機関認定審議会(United Kingdom Accreditation Service)からもISO14065の認定を受けている。カーボントラストが提供している認証には、以下の5つがある。 二酸化炭素基準:自社の二酸化炭素排出量の削減状況 水資源基準:自社の水資源使用量の削減状況 廃棄物基準:自社の廃棄物削減状況 サプライチェーン基準:サプライチェーン上の二酸化炭素排出量の削減状況 製品フットプリント認証:製品ライフサイクル全体の二酸化炭素排出量・水使用量が優れた製品に与えられるラベル認証  今回ヒースロー空港が獲得したのは、二酸化炭素基準、水資源基準、廃棄物基準、サプライチェーン基準の4つ。同空港がサステナビリティに注力している背景には、2014年5月に自ら設定した"Responsible Heathrow 2020 targets"がある。この目標いは、2020年までに空港内でのエネルギー消費による二酸化炭素排出量を34%削減する、廃棄物70%をリサイクルする、航空機から排出される窒素酸化物排出を地上ベースで少なくとも5%削減し空気汚染を緩和する、すべての航空機によるノイズを国際基準以下に抑制する、などを掲げていた。  ヒースロー空港は、二酸化炭素基準、水資源基準、廃棄物基準の自社に関する3つの認証を獲得するにあたり、照明70,000個をLED電球に切り替え空港全体の排出量を2年間で5%削減し、トイレや排水管が老朽化していたターミナル1を2015年6月に閉鎖し乗客1人あたり3.9%の水使用量を削減、さらに食料廃棄物1,800トンを堆肥化し乗客1人あたり3.1%の廃棄物量を削減した。また、ヒースローの主要サプライヤ―20社が出す二酸化炭素排出量は、サプライチェーン全体の76%を占めており、サプライチェーン基準を獲得するため主要サプライヤーとともにフォーラムを形成。具合的的なアクションプランを展開してきた。ヒースローは2015年12月の気候変動枠組み条約パリ会議(COP21)で策定されたパリ協定に世界で最初に署名した空港であり、世界で最もサステナブルなハブ空港になると公約している。今年3月にはさらに空港内の二酸化炭素排出量を削減するため、貨物機やトラックを共同で使用するポータルサイトの設置を発表、先駆的な事例として注目を集めている。カーボントラストの認証は2年更新のため、ヒースロー空港は今後もさらに改善の努力を続けていくと表明している。    カーボントラストは、日本でも長崎県からの委託を受け、洋上風力発電を目的とするNPO法人長崎海洋産業クラスタ―形成推進協議会や風力エネルギー研究所等のコンソーシアムによるプロジェクトを推進するなど、日本企業からの関心も高まっている。ヒースロー空港の認証取得やアクション事例は、日本の空港にとっても大きな参考事例となる。 【参照ページ】Heathrow's Environmental Record Earns Four Carbon Trust Standards 【企業サイト】Carbon Trust

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【インド】世界初、インドで太陽光のみで全電力を賄う空港が誕生

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 インド南部のケララ州にあるコーチン国際空港(以下、CIAL)は8月、世界で初めて空港運営に必要となる全電力を太陽光発電だけで賄うことに成功した。同空港は「持続可能な発展」という考えを強く支持し、2013年3月に到着便ターミナルの屋上に100キロワットの太陽光パネルの設置を開始して以降、持続可能な空港を目指して積極的に電力のグリーン化に取り組んできた。  今回CIALは新たに空港内の約18万平方メートルの敷地に合計46,150枚の太陽光パネルを45エーカーの広さ設置し、メガソーラーを完成させた。最大出力は12メガワットで、インドの空港内としては最大のメガソーラーとなる。過去に設置した太陽光パネルの発電量と合わせると、同空港の1日あたりの発電量は5~6万kWhとなり、空港が1日に使用する電力量の4.8万kWhを上回る。  また、電力を多く生産できる日中にはCIALが生産した電力をケララ州の電力会社KSEBへと送電し、夜間などの電力が必要な時間帯には州から電力を買い戻すためのグリッドシステムも整備されている。  CIALによると、これらの太陽光発電設備は年間で約10,000世帯分の消費電力に相当する1800万kWhの電力を生み出し、今後25年間で石炭火力発電を利用した場合と比較して30万トン以上のCO2排出量削減につながるという。これは300万本の植林に相当する量となる。  CIALの事例は、安全上の問題から常に安定した電力供給が求められる空港においても太陽光発電による操業は可能であることを示しており、今後さらに同様の取り組みが他の空港へと広がることが期待される。  なお、現在インドのモディ政権は再生可能エネルギーの導入を積極的に推進しており、2022年までに風力発電や太陽光発電による発電量を現在の6倍にするという計画を掲げている。 【参照リリース】Kochi airport becomes world's first to completely operate on solar power 【企業サイト】Cochin International Airport Limited (※写真提供:Joe Ravi / Shutterstock.com)

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【イギリス】イギリスの空港、利用者数増加とCO2削減を同時に達成

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イギリスの空港業界を代表するAirport Operators Association(空港運営協会、以下AOA)は、9月10日に議会で公表したレポート「Sustainable Airports: Improving the environmental impact of the UK’s global gateways」の中で、イギリスの空港は2010年からの2年間で10万人以上も利用客数が増加しているにも関わらず、CO2排出量および騒音は減少していると公表した。 同レポートによれば、イギリスの上位18空港(全乗客数の95%を占める)のCO2排出量は、2010年から2012年の2年間で約3%削減したという。同期間で乗客数は5%以上、交通量は約2%増加しているため、空港としての成長とCO2排出量削減の双方を同時に達成していることになる。 また、空港周辺の騒音については、空港としては以前より空港周辺の騒音軽減や地域コミュニティのエンゲージメントに対する多大な投資により騒音への理解向上に取り組んできたものの、現状では政府の航空政策と都市計画政策の一貫性の欠如により騒音エリア内における住宅開発が進んでしまい、空港周辺地域の人口増加が制御できない状態となっているという。 報告書によれば、過去3年の間で騒音エリア内において建設予定、もしくは既に建設済みの物件数は5,700世帯にも達しており、一部の人々は騒音に悩まされるだろうとのことだ。 これらの状況を踏まえ、AOAの報告書では、イギリス政府に対して下記2つの支援を要請している。 CO2削減について:持続可能な航空燃料の利用促進に向けて航空業界と協働する。その中には新たな技術開発への投資や製造を促すための明確な政策の枠組みの立案も含まれる。 騒音について:地方自治体に対して国としての政策指導を行い、空港とその他のインフラが共存できる住宅政策を支援する。政府は空港に対して騒音エリア内の住民の数を制限・減少するように求め、デベロッパーが同エリア内に新たな住宅を建設するのを避ける。 AOAの代表を務めるDarren Caplan氏は「この報告書は、イギリス経済にとって重要な役割を果たしている空港が持続可能な形で成長できるということ、そしてそれは政府の政策支援があればさらに実現できることを示している」と語った。 また、同氏は「我々は政府と協力体制を築き、持続可能な空港の発展を次のレベルに押し上げる必要がある。持続可能な燃料利用の推進、グローバルのCO2排出量取引制度の推進、騒音エリアに住む世帯数を減らすための国と地方自治体の一貫した政策など、我々はこれらの課題を前に進めるために首相らと議論する」と語り、今後も政府と共に空港のサステナビリティ向上に取り組んでいく意欲を見せた。 利用者数の増加とCO2排出量削減を同時に達成したというイギリスの空港の取り組みや、更なるCO2削減や騒音軽減には政府の政策面からの支援が不可欠として業界団体として政府に積極的に働きかける動きなどは他国の空港業界にとっても参考になる。 AOAのレポートは下記からダウンロード可能。 【レポートダウンロード】Sustainable Airports: Improving the environmental impact of the UK’s global gateways 【リリース原文】Airports are reducing their carbon footprint and managing noise, despite 10m increase in passenger numbers. Government now urged to deliver policy support 【参考サイト】Airport Operators Association

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【EU】環境に優しい空港を実現するテクノロジーに資金援助

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毎年夏になると、数百万人のヨーロッパ人が旅行に出かけるために空港を利用する。空港の利用人数が増えるにつれて、空港の運営コストに加え、環境フットプリントも大きくなってしまう。巨大なハブ空港で使われている照明や空調設備を考えるだけでも分かるように、空港が大きくなれば、その消費エネルギーは一都市の消費量にも匹敵するものになる。 そこで、ヨーロッパの研究者らは空港のCO2排出量とエネルギーコストを20%削減することを目標に、新たなソフトウェアとセンサーシステムの開発に乗り出した。CASCADEと名付けられた新システムはローマのフィウミチーノ空港とミラノのマルペンサ空港にて試験運転が行われており、これら2つのイタリアの空港で少なくとも年間約6,000MWhのエネルギーが節約される予定だ。これは年間42,000トンのCO2排出量削減、84万ユーロのコスト削減に相当する。 現在、EUから260万ユーロの資金援助を受けて、ドイツ、イタリア、アイルランド、セルビアの研究機関がパートナーを組みこの新システム開発に取り組んでいる。450を超えるヨーロッパの空港がメンバーとなっているヨーロッパ国際空港評議会(ACI:Airports Council International Europe)も同プロジェクトへの支援を決めており、2015年から多くの空港で導入が開始される予定だ。 ドイツのフライブルグにある研究所Fraunhofer Institute for Solar Energy Systemsに所属し、CASCADEのプロジェクトコーディネーターを務めるNicolas Réhault氏は、「この革新的なソフトウェアにより、必要ない場所での送風機の稼働や、暖房と冷房の同時使用などの無駄を検知することができ、エネルギー管理部門やメンテナンス部門は制御装置の再設定や故障した検出器の交換など、エネルギー効率を高めるための調整方法を提案することができる」と説明する。 同氏はまた、「空港の複雑なインフラにおいて蓄積されたノウハウは、病院や銀行といった高度に複雑化された建物においても適用することができる。また、よりシンプルな施設での使用も可能だ」と語り、CASCADEの空港以外の施設への活用にも言及した。 欧州委員会の副委員長であり、デジタルアジェンダ責任者を務めるNeelie Kroes氏は、 「CASCADEシステムは、サステナビリティの追求には莫大な費用がかかるのではなく、逆にお金の節約につながるということを示してくれている」と語る。 CASCADEは2007年から2013年にかけて、第7次欧州研究・技術開発フレームワーク計画(FP7:Seventh Framework Programme for Research and Technological Development)からの補助金を獲得しており、2014年から2020年までの7年間にかけては新たなリサーチ・イノベーションプログラム「Horizon 2020」から更に800億ユーロ規模の資金援助を受けることが決まっている。 【プロジェクトサイト】CASCADE 【参考サイト】EU (※写真提供:Tupungato / Shutterstock.com)

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【オランダ】スキポール空港のサステナビリティにチェックイン!

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今回ご紹介するのは、オランダのアムステルダムにあるオランダ最大の国際ハブ空港、Schiphol Airport(スキポール空港)で有名なスキポールグループのサステナビリティへの取り組みだ。 スキポール空港は世界有数の国際ハブ空港として有名で、欧州で4番目となる旅客数を誇る。フランスやイタリア、スペインなど他国への同日乗り継ぎが可能なので、ヨーロッパ旅行が好きな方であれば一度は利用したことがあるという方も多いのではないだろうか? 各国の旅行専門誌などでもたびたびヨーロッパのベスト・エアポート賞を受賞しており、利用者からの非常に評判が良いスキポール空港は、サステナビリティの分野でも先進的な空港として知られている。 空港内のショップでは地元で生産された食料や飲料が販売されており、空港内のコーヒーは100%フェアトレードコーヒーとなっている、徹底したゴミ分別など、私たちが空港を利用するときも無意識のうちに同社のサステナビリティ活動に参加しているのだ。 スキポールグループが掲げるCorporate Responsibility スキポールグループでは自社のサステナビリティ戦略の柱として下記の5つを掲げている。 Sustainable emplyoment:持続可能な雇用 Accessibility and air quality:利便性の向上と大気汚染への取り組み Climate friendly aviation:環境へ配慮した航空 Resource Scarcity:資源の有効利用 Sound and environment:騒音対策と周辺環境への配慮 それぞれの取り組みについて簡単に紹介しておこう。 Sustainable emplyoment:持続可能な雇用 スキポール空港内では、500以上の会社に所属する64,000人以上の従業員が働いている。また、乗客・貨物の輸送において実に29万以上の仕事を作り出しており、オランダのGNPに260億ユーロもの貢献をしている。スキポール空港はまさにオランダ経済を支える重要な役割を果たしているのだ。 このようなスキポール空港の経済機能を支えているのは、そこで働く人々だ。この状態を維持するためには、労働者の教育と就職市場とのつながりを強固にし、常に働く意欲の高い人々を十分に確保し続けていく必要があるが、スキポール空港ではアムステルダムのROC(職業訓練校)と協力してSchiphol College(スキポール大学)を運営することで、それを実現している。 Accessibility and air quality:利便性の向上と大気汚染への取り組み 利用者から選ばれる空港になるためには、利便性の高さが重要なポイントだ。そしてアクセシビリティの高さは利用者だけではなく、企業やサプライヤー、空港で働く従業員にとっても重要となる。ただ利便性を実現するだけではなく、それをできる限り環境負荷が少ない形で実現しているのがスキポール空港の特徴だ。 スキポールグループでは、空港内外の交通をよりクリーンで騒音もない状態にするために、従業員には公共交通機関の利用を奨励している。また、オランダの大手交通会社Connexxion社と提携し、E-business Taxi(電気自動車タクシーサービス)も始めている。さらに、ターミナルから飛行機への乗客移動用にもエレクトリックバスを採用することが決定しており、2014年までには置き換わる予定だ。 Climate friendly aviation:環境へ配慮した航空 スキポールグループでは2020年までに20%のCO2排出量削減目標を掲げており、この目標を達成するために電気・空調利用の削減やLEDの活用を進めており、再生可能エネルギーを活用するために3,000?以上の太陽光パネルも設置している。 新たに設置された電光情報掲示板は60%のエネルギーを節約、空港内外に使用されているLEDライトは50%のエネルギーを節約、さらには空港内には携帯電話を充電することができる発電バイクも設置されている。 こうした取り組みの甲斐もあり、2012年3月には航空業界団体のAirports Council Internationalが定めているAirport Carbon Accreditation(空港におけるカーボン認証)にて上から2番目となるレベル3の評価を獲得した。 Resource Scarcity:資源の有効利用 スキポールグループはリサイクルを通じた資源の効率的な利用にも積極的だ。空港内で発生したゴミの34%はリサイクルされており、ターミナル内には500ものゴミ分別収集コンテナがある。そして1億枚ものペーパータオルも全てリサイクルされる。 スキポール空港では120以上ものエネルギー節約のための基準が存在しており、例えば滑走路に設置されたライトは環境負荷が少なくなるようドライアイスで洗浄される、ペーパーレスで航空貨物のやりとりをするe-Freightプロジェクトなど、空港運営の隅々まで資源の効率利用が行き渡っているのだ。 さらに、資源の消費を減らすだけではなく、生産も行っている。空港内には毎日のように利用客や従業員から食べ残しや飲み残し、紙くずなど大量のゴミが生まれているが、それらの一部はバイオガス燃料の生産に利用されているのだ。 Sound and environment:騒音対策と周辺環境への配慮 スキポールグループは、空港の周辺地域を住む場所としても働く場所として魅力的な場所にするために、騒音の軽減にも積極的に取り組んでいる。騒音の軽減は、より運転音が少ない航空機の導入や、地上の騒音を減らすことで達成される。スキポールグループでは"The local Community Contact Centre Schiphol(スキポール地域コミュニティ連絡センター)"を通じて空港の周辺住民に対して航空機の騒音や航空状況に関する情報を提供している。 また、"Schiphol open house days"を開催し、“the Schiphol behind the scenes tour(スキポール空港の舞台裏見学ツアー)”を実施するなど周辺地域住民との積極的な交流も欠かさない。地域住民との良好な関係構築は、空港会社のサステナビリティを考える上で非常に重要なポイントだ。 サステナビリティ戦略と事業 上記のように、スキポールグループは経済・環境・社会の全ての側面において自社の社会的責任を果たすべく、積極的にサステナビリティ向上に取り組んでいる。事業を持続可能なものにしていくために、空港の運営そのものに隅々にいたるまでサステナビリティ戦略が組み込まれており結果としてスキポールグループの利益創出・ブランド向上を実現している点が特徴的だ。 表面的なCSR活動ではなく、事業とサステナビリティ戦略が一体となっている好事例だと言えるだろう。 【企業サイト】Schiphol Group 【CSRページ】Corporate Responsibility

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