【インド】オックスファム・インド、砂糖業界の環境・社会課題を報告。企業は農園まで見に行く必要

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 国際NGOオックスファム・インターナショナルのインド支部、オックスファム・インドは11月15日、インドの砂糖産業が環境及び社会要素で多くの課題を抱えていることを明らかにしたレポートを発表した。  オックスファムは2013年に食品業界のESG課題を対象とした調査ランキングの発表を開始し、食品世界大手ではこれまでに大きな改善が進んできた。今回のレポートは、その中でも、砂糖生産2位という地位ながらも、社会・環境課題の大きいインドを取り上げ、ウッタル・プラデーシュ州のさとう原料農園から砂糖生産工場までの状況を調査した結果を報告している。バリューチェーンとしては、さとう原料農園農家、農園労働者、砂糖生産工場、仲介業者、砂糖業界団体の5つを取り上げた。  現地のさとう原料生産農家は、生活の多くをさとうきび栽培で支えている。しかし、インタビューした農家の70%から90%は、地元のヤシ砂糖生産団体から、納品遅延を理由に原料を買い叩かれていると回答。また90%は、納品先の施設で重量を不当に低く計算されていると語り、また70%は支払いが納品から1年以上も先になっていると回答した。  また、農家は農園労働者の給与記録をほぼつけていないこともわかり、支払実態調査からはインド政府が定める最低賃金を下回っていることも見えてきた。また、大農園農家の契約労働者は、借金漬けにされ返済するまで半ば監禁状態となってもいた。このような強制労働や児童労働も横行している模様。  環境面では、地下水が豊富な地域では過剰の地下水汲み上げが行われており、また廃水汚染も発生していた。  オックスファム・インドは、今回の調査を受け、インド労働省等や砂糖関連行政当局に対し、協働して農園労働者の改善に乗り出すよう提言。また、企業に対しても、サプライチェーン・マネジメントの視線が砂糖生産工場にまで及んでいないことを課題視。その先の農家や農園労働者の実態にまで目を向けるよう求めた。 【参照ページ】Human Cost of Sugar

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【イギリス・アイルランド】ネスレ、砂糖含有量30%削減の新商品「Milkybar Wowsomes」発表

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 食品世界大手スイスのネスレは3月27日、主力チョコレート「Milkybar」の砂糖含有量を30%削減した新商品「Milkybar Wowsomes」を英国とアイルランドで販売すると発表した。欧米では児童の肥満防止のため、低糖質やカロリーオフを求める取組が進んでいる。  Milkybar Wowsomesは、人工甘味料を一切使用せず、低糖の砂糖とオーツ麦のシリアルを混ぜたクリーム状の中心部をチョコレートで覆う。ホワイトチョコレートを使用したMilkybarと比べ、砂糖使用料を30%削減。カロリーでは3%削減した。低糖の砂糖は、ネスレの研究開発チームが2016年に発表した新技術を活用。砂糖の粒子内部を空にし、口の中で砂糖が解けるスピードを速め、少量で同程度の甘さを感じることができる。他の原材料も全て自然由来のものとした。  英国では2018年4月からソフトドリンクに砂糖税が課税されるが、食品は対象となっていない。しかしネスレは、2000年から砂糖使用量の削減を掲げ、2014年からは定量目標を掲げている。2014年から2016年までの3年間では10%削減目標を表明。今は、2020年までに平均で5%砂糖使用量を減らすことを掲げている。 【参照ページ】Nestlé’s Milkybar world first with innovation to reduce sugar by 30%

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【イギリス】スコットランド国民的飲料Irn-Bru、砂糖含有量を半減。ファンからは反対運動も

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 スコットランド飲料大手A.G. Barrは、スコットランドの国民的飲料とも呼ばれるIrn-Bru(アイアン・ブルー)の砂糖含有量を2018年1月下旬から50%以上減らしたレシピで販売する。消費者がより砂糖を含まない商品を好むようになったことと、英政府が2018年4月に導入を決めている砂糖税が背景にある。A.G. Barrは、Irn-Bruの砂糖含有量削減構想を2017年3月に明かし、10月に100ml当たり10.3gから4.7gに減らすと公表していた。  Irn-Bruのレシピは、同社が1901年に開発。今回のレシピ変更では、砂糖の代わりにアスパルテーム等の人工甘味料を用いるため、風味や甘さは一切変えない。一方、人工甘味料に変えることでカロリーは140kcalから65kcalに減る。同社によると、商品開発時の味覚テストでも、10人中9人の消費者が、従来の商品と新生Irn-Bruの味の差に気が付かないか大差がないと回答したという。  しかし、Irn-Bruの長年のファンからは、今回のレシピ変更に反対の声も上がっており、現商品の買いだめ運動も発生している。反対運動の一つである「Hands Off Our Irn-Bru」キャンペーンの関係者によれば、Irn-Bruは二日酔いに効果があり、それも人気の一つだという。  反対騒動は、同社がレシピ変更を発表した昨年3月から続いているが、A.G. Barrは予定通りレシピ変更を敢行する考えを崩していない。 【参照ページ】From January 2018 IRN-BRU will contain approximately 50% less sugar.

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【イギリス】ケロッグ、シリアル商品の砂糖・塩分含有量を大幅削減。消費者の健康に配慮

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 食品世界大手米ケロッグの英子会社、ケロッグ英国は11月30日、シリアル商品の砂糖や塩分の含有量を削減する取組「Better Starts Plan」を発表した。英国では健康への関心が高まっており、政府も砂糖や塩分の含有量を下げる政策を打ち出している。 【参考】【イギリス】公衆衛生庁、食品・外食業界に対し砂糖含有削減ガイドライン発表。肥満防止(2017年4月16日)  ケロッグ英国は、主力の麦シリアル「Coco Pops」では、2017年2月に第1弾の砂糖含有量削減を終えている。以前は砂糖含有量は35gだったが、それを30gに削減。さらに今回のBetter Starts Planで、2018年7月には 17gにまで下げる。実現すると当初と比べ砂糖含有量は半分以下にまで減る。実現に向けては、人工甘味料を減らしカカオや穀物由来のシンプルな添加物を用いることで、風味を損なうことなく砂糖の含有量を減らしているという。塩分は、0.75gから0.68gに9%削減する。  同じく主力のコメ・シリアル商品「Rice Krispies」では、2018年1月に、砂糖含有量を10gから8gに20%削減、塩分を1.13gから1.0gに削減。「Rice Krispies Multi-Grain」では、2018年7月に、砂糖含有量を21gから15gに30%削減、塩分を0.38gから0.18gに50%削減する。  一方、砂糖コーティングを施したコメ・シリアル商品「Ricicles」は、2018年1月に販売中止となる。同商品は米国では「Frosted Rice Krispies」のブランドで販売されている。コーン・シリアル商品「Frosties」は、英国では商品パッケージで子供向けの販売訴求を止め、大人向け商品としてブランド展開していく。  上記商品では、ケロッグはすでに人工着色料の使用を止めているが、来年をかけて人工保存料の使用も止める。さらに、砂糖含有量なし、低塩分、オーガニックの新商品ブランド「WK Kellogg」を販売していく。同ブランドは、ベジタリアン向けとして位置づける。  この発表に対し、英食品NGOのAction on Sugarは、今回のケロッグの発表を高く評価。しかし、同時に人気の高い「Frosties」では砂糖含有量の削減をせず、子供向けブランディングを止めることのみを実施することを問題視している。Frostiesは、虎キャラクター「Tony the Tiger」でお馴染み。 ケロッグは、Frostiesでは子供向けのおまけ配布などは止めるとしているが、Tony the Tigerを使い続けるとしている。その理由について「Tony the Tigerは70年代から80年代のキャラクターで、現在20歳台から30歳台の大人とターゲットとしている」と説明している。しかし、Action on Sugarは、Frostiesの消費者層の約20%は子供とし、他の商品ブランドと同じく砂糖含有量を削減することを要望している。 【参照ページ】KELLOGG UK COMMITS TO MAKING BREAKFASTS HEALTHIER WITH THE LAUNCH OF ITS NEW BETTER STARTS PLAN 【参照ページ】Kellogg's commits to reducing sugar in its best-selling kids' cereals 【参照ページ】Kellogg's claims Frosties is an 'adult cereal' to get around children's sugar rules

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【西ヨーロッパ】コカ・コーラ、新サステナビリティ目標設定。再エネ、容器リサイクル、糖分カット等

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 飲料世界大手米コカ・コーラ・カンパニーと同社の西ヨーロッパのボトリングパートナー、英コカ・コーラ・ヨーロッパ・パートナーシップ(CCEP)は11月6日、西ヨーロッパ地域でのサステナビリティ・アクション・プラン「This is forward」を共同で発表した。コカ・コーラ・ヨーロッパ・パートナーシップは2016年5月に西ヨーロッパのボトラーだった米コカ・コーラ・エンタープライズ、スペインのコカ・コーラ・イベリアンパートナーズ、ドイツの直営コカ・コーラ・エアフリッシュンクスゲトレンケの3社が統合して誕生。両社が共同でサステナビリティに関するプランを策定したのは今回が初。  今回発表されたアクション・プランは、100を超える重要なステークホルダー、政府、NGO、顧客、6か国の消費者12,000人以上、従業員約1,000人からの声を聞き決定した。同プランは、最優先事項を3つ定めた。 飲料アクション  2025年までに低カロリーまたはノンカロリーの飲料の売上比率を2016年の35%から50%に増やす。そのため、2020年までにソフトドリンクに使用する砂糖の含有量を2020年までに2015年比10%以上削減する。 容器アクション  2025年までに容器を全てリサイクルまたはリユース可能な素材に変える。使用済製品の回収率も100%にする。ペットボトル製造時のリサイクルプラスチック利用率を現状の21%から50%以上にまで引き上げる。 ダイバーシティ・地域社会アクション  2025年までに女性管理職比率を40%以上に上げる。若年層や女性雇用も積極的に行う。支援先の地域コミュニティ・パートナーシップを増やし、社員ボランティアも動員する。  両社はすでに、気候変動、水、サプライチェーンの分野でもコミットメントを発表している。 2025までに製造、飲料水設備、輸送の二酸化炭素排出量を2010年比で総量50%削減 2025年までにバリューチェーン全体での二酸化炭素排出量を2010年比35%削減 2020年までに事業電力の再生可能エネルギー割合100% 2025年までに水ストレスの強い地域での廃水を100%還元 2025年までに最終製品当たりの水消費量を2010年比20%削減 2025年までに最終製品当たりの水消費量を2010年比20%削減 2020年までに主要食品含有物と原料のサステナビリティ調達率100% 【参照ページ】Coca-Cola in Western Europe sets ambitious new sustainability commitments on drinks, packaging and society

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【イギリス】公衆衛生庁、食品・外食業界に対し砂糖含有削減ガイドライン発表。肥満防止

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 英国保健省公衆衛生庁(PHE)は3月30日、食品・外食業界に対して砂糖含有量の削減を要請する新たな「テクニカル・ガイドライン」を公表した。PHEは、砂糖の過剰摂取により肥満、特に児童肥満、が社会的問題となっていることを取り上げ、今回企業に自主的な削減を促すガイドラインを制定した。英国政府は、2016年にソフトドリンクに対する砂糖税制の導入を発表しており、今回のガイドラインでさらに砂糖減量政策をさらに推し進める。しかし、あくまで任意遵守のガイドラインのため、実効性はないとの声もすでに出ている。  英国政府は2016年8月、肥満防止のための包括的な国家戦略文書「児童肥満防止アクションプラン(Childhood Obesity: A Plan for Action)」を公表。その中に、砂糖税の導入とともに、商品の砂糖含有量を2020年までに2015年比で20%削減、初年度となる2016年8月から2017年7月までの期間で5%削減する政策目標が盛り込まれた。今回のガイドラインは、その実現を食品・外食業界に対して強く要請し、推奨手法を提示する目的で発行された。  ガイドラインの対象となったのは、子供が好む食品であるシリアル、ヨーグルト、ビスケット、ケーキ、パン、プリン、アイスクリーム類、チョコレート類、ジャム・バター類の9品目。それぞれについて、100g当たりの砂糖含有量削減目安と、製品1個当たりのカロリー上限目安を提示した。この実現に向け企業は、商品成分変更、製品サイズの小型化などに向け取り組むことが要請された。ガイドラインの作成にあたり、PHEは食品・外食業界との協議を重ね、元々は成分変更による砂糖含有量の削減を目指したが、味を維持するのが難しいという業界の反発を受け、製品サイズの小型化でも良いとした。9品目が含む砂糖のうち、ヨーグルトに使用される牛乳由来の糖分とドライフルーツに含まれる糖分は含有量計算の対象外とした。  PHEの試算によると、このガイドラインが企業によって全面的に実施されると、毎年200,000トンの砂糖を該当する食品から減らし、肥満児童数も20%減少できるという。しかし、企業が実現に向けてどう取り組むかは未知数。児童肥満防止アクション制定時にも、PHEは政府に対し、児童向けの製品広告や、商品を複数個購入した際の割引商法などの抑制も提唱したしたが、最終稿には盛り込まれなかった。健康団体からは、実効性を危惧する声が出ており、さらなる政府の対応を求めている。  医学雑誌ランセットに掲載された2013年のデータによると、幼児・小児や未成年の肥満度の世界的な判定基準値IOTFを適用した場合、英国における2歳から19歳までの幼児・小児および未成年の過体重・肥満の割合は、女児・女性では29.2%、男児・男性では26.1%だったという。この数値は、アメリカの29.7%&28.8%と比較すると若干低いが、ドイツの19.4%&20.5%、そしてフランスの16.0%&19.9と比較ずるとかなり高いことが解る。ちなみに日本は12.4%&15.3%で先進国としては非常に低い。  PHEは今回の発表にあたり、すでに減量を求めている食塩、今回発表の砂糖に加え、2018年中には飽和脂肪酸の含有量削減を求めるガイドラインを予定していることを明らかにした。そのため、砂糖削減の代替として飽和脂肪酸を増量させることがないようにも呼びかけた。 【参考】【イギリス】政府の砂糖税の導入決定、飲料メーカーは法的措置を検討(2016年4月12日) 【参考】【イギリス】メイ政権、児童肥満防止のため全業界の砂糖含有量の20%削減を要求(2017年2月2日) 【参考】【国際】WHO、加盟国政府に「砂糖税」導入による甘味食品・飲料の消費量減少を提言(2016年11月3日) 【参照ページ】Guidelines on reducing sugar in food published for industry 【ガイドライン】Sugar Reduction: Achieving the 20%

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【イギリス】メイ政権、児童肥満防止のため全業界の砂糖含有量の20%削減を要求

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 英国のメイ政権は1月20日、児童肥満防止のために砂糖使用量を削減していく政策骨子を発表した。この日、英国の首相官邸、内閣府、保健省、財務省が連名で、砂糖使用量の削減プログラム方針と2020年までの目標を発表した。肥満が深刻な社会問題となっている英国では、2018年度から一定量の砂糖含有量を超えるソフトドリンクを対象に「砂糖税」を導入することがすでに決定している。メイ政権はこの政策を一段と進め、小売業や外食産業にも砂糖使用量削減を求めていく考えだ。  英国では2歳から15歳の児童の約3分の1が肥満と診断されており、砂糖の大量摂取が原因のひとつとされている。そのため、保健省傘下の行政機関イングランド公衆衛生サービス(PHE)が中心となり、小売業、食品メーカー、レストランやカフェなどの外食産業、テイクアウト業界等、児童の食に関連する全ての業界を対象とし、2020年までに児童の砂糖摂取量を20%以上削減していくことを呼びかける。初年度となる2017年の目標は5%削減とする。  具体策として、まず、シリアル類、ヨーグルト、ビスケット、ケーキ、菓子類、ペストリーなどの朝食用菓子パン類、プリン、アイスクリーム、ジャムなどのスプレッド類など、子どもの砂糖摂取に大きな影響を与えている9品目に対し、糖度抑制や容量・サイズの縮小、低糖品への切り替えを促していく。PHEは、上記の食品に対して製品100g当たりの砂糖削減目標とカロリーの上限値を政府が設定するよう勧告、2017年3月には今後4年間の商品品目別削減目標が発表される予定。将来的には、乳製品など9品目以外の食品・飲料品をも対象にしていく予定。PHEは、実効性を担保するため、2015年のデータを基準に対象品目の販売量と砂糖含有率を追跡調査し、半年毎に進捗状況を公表する。2018年9月と2020年3月には、業界の削減策に対する有効性評価を実施し、「砂糖税」の対象拡大の要否を判断する。  英国政府は、砂糖以外でも食品分野で政策を実行に移している。塩分削減プログラムは継続、2017年からは総カロリー摂取量の削減目標の設定を予定している。飽和脂肪についても、2017年のScientific Advisory Committee on Nutrition(SACN)の勧告に沿って今後、対応策が検討される予定だ。  砂糖と公衆衛生をめぐる国際的な動きでは、2016年10月に世界保健機関(WHO)が加盟国に砂糖税の導入による甘味食品・飲料の消費量減少を提言している。一方で砂糖税の施行を含むこれら政府の新戦略に対し、英国飲料業界は、国内の景気の不透明化を訴えている。飲料業界は、砂糖税は大量失業を引き起こすだけで、肥満率に何らインパクトを与えないと反発している。 【参照ページ】Childhood obesity: a plan for action

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【アメリカ】ペプシコ、2025年までのサステナビリティ長期目標発表。商品の砂糖含有量削減など

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 食品世界大手ペプシコは10月17日、2015年のサステナビリティレポートを発表する中で、2025年までに向けた長期サステナビリティ戦略「2025 Sustainability Agenda」を明らかにした。消費者の健康食志向が高まっていく消費者需要の変化を見越し、全社の商品内容を大きく見直していく。同時に環境や人権に配慮した世界の食品システムの構築を目指し、地域社会のウェルビーイングの向上も目指していく。  同社は2006年に「Performance with Purpose」というビジョンを発表、「ビジネスの成功を私達が共有する世界の持続可能性を不可分だ」とする信念を事業の中心に据えてきた。それ以降すでに数多くのサステナビリティ行動目標を設定し遂行してきたが、2025年に向けてさらに内容を発展させていく。新たな戦略では、国連持続可能な開発目標(SDGs)を考慮しつつ、(1)商品そのものの健康やウェルビーイングの向上、(2)地球保護、(3)世界中の人々のエンパワーメントの3点を柱として掲げた。同社は、これらの目標達成は、長期的な財務パフォーマンスや株主総利回りの向上につながるという考えを示した。  まず、製品分野では、消費者の健康志向やWHOが発表した声明などに基づき、商品に含む砂糖、飽和脂肪酸、ナトリウムの量を削減していく。2025年までの数値目標として、 飲料商品量の最低3分の2で、355ml当たりの付加砂糖量を100カロリー以下に下げる 食品商品量の最低4分の3で、100カロリー当たりの飽和脂肪酸含有量を1.1g以下に下げる 食品商品量の最低4分の3で、1カロリー当たりのナトリウム含有量を1.3mg以下に下げる 穀物、果物、野菜、乳製品、プロテイン、水分など同社が「日常食」と定義する商品の売上成長率を同社平均以上に上げる 貧困層に対し栄養食や栄養飲料を30億食以上提供する 【参考】WHO、加盟国政府に「砂糖税」導入による甘味食品・飲料の消費量減少を提言  環境の分野では、気候変動枠組み条約パリ協定を支援するとともに、新たな数値目標を発表した。 2025年までに水リスクが高い地域での農業の水消費効率を15%向上させる 2006年に設定した製造現場での水消費効率25%向上に加え、さらに2025年までに25%向上させる 2025年までに水リスクが高い地域で製造現場での水消費量100%を現地の水源に還元する 2006年に設定した水リスクが高い地域の住民2,500万人に安全な水を供給する取組を2025年まで継続する 2030年までに企業のサプライチェーン全体での温室効果ガス排出量を20%以上削減する 農作物原料調達分野で直接調達を2020年までに、間接調達を2030年までに100%持続可能な手法にする 2020年までにパーム油とさとうきびの調達100%を持続可能な手法にできるよう関連分野に投資する 2025年までに自社事業からの埋立廃棄物をゼロにする 2025年までに自社事業からの食品廃棄物を50%削減する 2025年までに商品パッケージを100%再利用またはリサイクル可能なものに変える  地域社会の分野では、国連のビジネスと人権に関する指導原則に言及しつつ、新たな数値目標を発表した。 2025年までに環境配慮、農業生産性向上、生産者生活改善、人権尊重を内容とする同社の持続可能な農業イニシアチブ(SFI)の対象を、同社の関係農地の4分の3に当たる700万エーカーに拡大する すでに同社内100%遵守となった同社のサステナビリティ調達基準を、全フランチャイズ企業と全合弁企業で遵守させる 2025年までにペプシコ財団と協力し、世界の女性1,250万人の支援のため1億米ドルを投じる 管理職の女性比率や男女の賃金平等化など地域状況を配慮した従業員ダイバーシティ活動を継続する  世界中で事業展開するペプシコは、今回の長期目標の発表の中でも、WHOの最新報告を引用するなど、世界の幅広い情報を常にキャッチアップし、事業内容に反映させている姿が伺える。砂糖の含有量などについては、コカ・コーラなどがNGOからの批判を浴び対応をするなどした例が過去にあるが、全社的に砂糖の含有量を減らしていく発表する企業は世界的にも珍しい。また、近年将来のリスクが大きくクローズアップされる水分野では、同社はすでに昨年までに事業で消費した水と同量の水を、同社や同社の財団を通じて社会で利用可能にするという目標を達成したことを発表していていが、今回早速、「2025年までに水リスクが高い地域で製造現場での水消費量100%を現地の水源に還元する」と現地での水循環を100%達成する目標を掲げたことは高く評価できる。 【参考】ペプシコ、水使用量削減で大きな成果。コスト削減効果は5年間で82億円 【参照ページ】PepsiCo Launches 2025 Sustainability Agenda Designed to Meet Changing Consumer and Societal Needs

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【国際】WHO、加盟国政府に「砂糖税」導入による甘味食品・飲料の消費量減少を提言

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 世界保健機関(WHO)は10月11日、生活習慣病の予防の政府の財政政策をまとめた報告書「Fiscal policies for Diet and Prevention of Noncommunicable Diseases(NCDs)」を発表した。WHOは報告書の中で、加盟国政府から生活習慣病の予防に関する方策についての相談が増えていることを挙げ、今回政府が適切に税制や助成金制度を実施し、日常食の価格に介入することで、健康促進を図ることができるとした。  WHOはここ数年、不健康な食事や運動不足、喫煙、過度の飲酒などに起因し、生活習慣の改善により予防可能な疾患をまとめて「非感染性疾患(NCDs)」としと呼称し、国際的な対策を呼びかけている。NCDsには、がん、糖尿病、循環器疾患、慢性呼吸器疾患などが含まれるとされているが、どこまでを含めるかという国際的な合意はまだない。WHOは2013年5月、国際的なNCDsの目標と指標を含む枠組みをまとめたアクションプラン「NCDsの予防と管理に関するグローバル戦略の2013年~2020年行動計画(The Global Action Plan for the Prevention and Control of Noncommunicable Diseases 2013–2020)」が策定し、具体的な活動を開始しており、今回の報告書の発表もその活動の一環だ。  報告書の中では、世界的に肥満人口の割合が増加していることを課題として取り上げ、砂糖の摂取量を下げるために、各国政府は甘味飲料に「砂糖税」を課すなどして甘味飲料の価格を釣り上げ、人々の消費マインドを抑制すべきだとした。世界の肥満人口は、18歳以上の成人のうち3分の1が体重過多の状態にあり、男性の11%、女性の15%は肥満と診断されるレベルにあるという。この肥満人口割合は、1980年から2014年の間に倍増してしまっている。さらに、4,200万人の子供は昨年の時点で肥満レベルにあり、特にアジアに肥満児童が多く分布しているという。さらに2012年には、糖尿病患者は世界で4億2200万人に達し、150万人は糖尿病で亡くなっている。  WHOは、このような肥満増加の原因を、食品メーカーが菓子類や飲料に人工的に付加する砂糖(WHOはこれを「フリーシュガー」と呼称)が原因だとし、栄養学的にはこのようなフリーシュガーは人間の生活に一切必要ではないことから、政府が消費を抑制すべきだとした。具体的には、このような「フリーシュガー」や飽和脂肪酸、トランス脂肪酸を用いた食品や飲料に対して課税し、商品価格を上げることで、商品の消費量を下げることが実証的に明らかだとして推奨した。また、税制については、すでに幅広く普及しているタバコ税を例に出し、小売価格に対して一律に定率課税をするより、砂糖などの含有量や個数に応じて課税するほうが有効だとした。また、これらの課税による税収増を、福祉健康サービスへの歳出に回すことで、さらに人々の健康を増進できると提言。その上、青果価格を押し下げる助成金を提供すれば、青果の消費量を増やすことができるとも述べている。  WHOの発表に寄ると、2012年時点で、世界で3,800万人が非感染性疾患で命を落としているという。そのうち1,600万人は70歳になる前に死亡している。 国連持続可能な開発目標(SDGs)でも、2030年までに70歳になる前に糖尿病、ガン、心臓疾患、肺疾患で死亡する人の数を3分の2に減らすことが掲げられている。昨年英国で同様の「砂糖税」を甘味飲料に課税することが大きな波紋を呼んだが、今回のWHOの発表により、他の国にも同様の税制が広がる可能性がある。WHOが商品の砂糖含有量の削減に躍起になる姿は、食品業界関係者からはあまり歓迎されないかもしれない。しかし、世界の食品企業の中には、すでに人類の健康や国連持続可能な開発目標(SDGs)を尊重し、砂糖含有量の削減の方針を打ち出すところも出てきている。食品業界が世界に貢献できることは何か、今後はさらにそれへの深い答えが問われていく。 【参照ページ】WHO urges global action to curtail consumption and health impacts of sugary drinks

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