【カタール】政府、2019年1月からOPEC脱退。原油から天然ガスへのシフト目指す

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 カタールのサード・シェリダ・アルカービ・エネルギー・産業相は12月3日、2019年1月1日から石油輸出国機構(OPEC)を脱退すると発表した。すでにOPECには通知済とのこと。カタールは、OPECが創設された1960年の翌年、1961年から加盟していた。OPECからはインドネシアも2016年に脱退しているが、アラブ半島の国では初の脱退となる。一方、アラブ産油国ではオマーンは発足当初から一貫して加盟しておらず独自路線を行っている。  今回の背景の脱退についてアルカービ氏は、今後数年で天然ガス生産量を現行の年量7,700万tから1億1,000万tにまで上げるためと説明。カタールは昨今、イラン政策等を巡りサウジアラビアと対立を深めているが、今回の脱退との関連性については否定した。  カタールの産油量は年々減少しており、今後は天然ガスへのシフトを図る見通し。産油量は2013年の日量728,000バレルから2017年には607,000バレルにまで落ちてきている。

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【エネルギー】日本の発電力の供給量割合[2018年版](火力・水力・原子力・風力・地熱・太陽光等)

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 ここ数年、世界のエネルギーや発電に関する状況は様変わりしました。まず、東日本大震災を機に、日本でも世界でも原子力発電に関する否定的な考え方が強くなりました。また、アメリカでのシェール革命により天然ガスや石油の価格が急落。化石燃料の輸出入ルートも大きく変化しました。その中で、日本のエネルギー・電力の供給量割合がどのように変化したのか、紹介していきます。 日本のエネルギー・発電の供給量割合 (出所)経済産業省エネルギー庁「エネルギー白書2018」  こちらは経済産業省エネルギー庁が発表している「2018年度エネルギー白書」のデータです。この表は、日本の発電事業者全体での、石油、石炭、天然ガス、原子力、水力、再生可能エネルギー(風力、地熱、太陽光など)別の電源割合を示したものです。統計対象については、昨年度のエネルギー白書までは、旧一般電気事業者、すなわち「電力会社」10社(北海道電力、東北電力、東京電力、北陸電力、中部電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力)のみが集計対象(「電源開発の概要」「電力供給計画の概要」)でしたが、今年度からは、製鉄や重工業メーカーや再生可能エネルギー発電事業者が主な主体となる独立系発電事業者(IPP)を含む発電事業者全体を集計対象(「総合エネルギー統計」)とする大きな変更がありました。それに伴い、2010年移行のデータも新手法により再計算されました。  この推移から、日本の発電の歴史が垣間見られます。発電の主要電源は、1965年頃までは水力、1973年の第一次オイルショックまでは石油、そしてその後は石油に変わって石炭とLNG、そして原子力が担っていきます。2011年の東日本大震災以降は、原子力発電の割合がほぼゼロにまで減り、その減少分の大半をLNGがカバーしています。  2016年時点で、割合が最も大きなものがLNGで42.1%、その他、石炭と石油を合わせた火力発電で、実に83.8%を占めています。火力発電の割合は2009年当時は61.7%でした。この急速な火力発電依存の背景には、ご存知の通り原子力発電所の稼働停止があります。  歴史の長い水力発電は一般水力と揚水発電を合わせて7.6%。揚水発電とは何かは後ほど説明します。一方、期待されている再生可能エネルギーは6.9%。こちらも2009年当時は1.1%でしが、電力固定価格買取(FIT)制度の導入により5.8%伸びました。  発電総量が2010年以降減少していることも、興味深いポイントです。東日本大震災から約4年経ち、市民の生活にはほぼ節電の印象はなくなりましたが、実際には電力会社の発電総量は当時には戻っていません。日本が発電量を減らしながら持ちこたえている背景には、企業による節電努力があると言えそうです。また、2015年末の気候変動枠組み条約パリ条約で化石燃料、とりわけ石炭火力発電からの脱却が世界的なトレンドとなる中、日本では石炭火力発電の割合が2012年の31.0%から2016年の32.3%へと増加したことにも注目です。 各電力源の状況 水力発電(一般水力・揚水水力)  上記のグラフからの分かるように、1960年代まで水力発電が日本の主要電源でしたが、1975年に落差日本最大の黒部ダムが完成した頃からほぼ変化していません。水力発電は、維持コストが低く、CO2排出のない自然エネルギーである反面、ダム建設時の莫大なコストと水没による社会・環境コストが大きく、世界的な統計でも水力発電は、再生可能エネルギーとして扱われるケースと扱われないケースがあり、意見が分かれています。日本で水力発電が伸長しなかった背景には、1990年代以降の公共事業の見直し、2001年に当時の田中康夫・長野県知事が掲げた「脱ダム宣言」があり、大規模工事となるダム建設に社会全体が慎重になっていくという状況の変化がありました。  また、2015年には揚水式水力発電が0.7%を担っています。こちらも水力発電ですが、少し特殊な発電方式です。揚水式発電とは、電力需要の少ない夜間に電気を使ってポンプを動かし水を高地に引揚げ、電力需要の多い昼間に、その水を使って水力発電を行うというものです。電力を使って発電をするという方式のため発電総量を増やすことには寄与しませんが、昼間の最大電力量を増やす需給バランス調整機能として活用されています。  昨今では、再生可能エネルギー型の水力として「中小水力発電」にも注目が集まっています。こちらは巨大なダム施設を建設するのではなく、河川の自然の急流を利用して発電を行う中型・小型のタイプです。中小水力発電は、一般的な水力発電が持つ巨大な初期投資や水没というデメリットがないのですが、規模が小さいため、発電量そのものが小さくなってしまったり、河川の生態系へも悪影響を与えるという懸念もあり、日本ではほとんど建設されていません。 石油等  日本の火力発電は当初は石油が主要燃料でした。その背景には、中東からの石油販路の確保がありました。 (出所)経済産業省エネルギー庁「エネルギー白書2018」  こちらは1960年から2016年まで長期に渡る日本の原油輸入量の推移です。1960年から1973年にかけて、急速に原油の輸入量が増加していったことがわかります。当時の日本は高度経済成長期。日本の電力及びガソリン需要の増加していました。そしてその電力需要を賄うために、発電所建設コストの低い火力発電所の建設ラッシュが起き、その燃料として原油が用いられていました。  しかし、1973年から原油の輸入量は減少に転じます。第一次石油ショックです。発電を原油だけに依存することのリスク認識が高まっていきます。また、同時にマイカー時代の到来を支えるため、原油をガソリンに回す必要も出てきました。そんな環境下で、1975年、第3回国際エネルギー機関(IEA)閣僚理事会が開催され、「石炭利用拡大に関するIEA宣言」が採択、石油火力発電所の新設禁止が盛りこまれました。その後も日本では、既存の石油火力発電所を石炭またはLNG火力発電へ転換することが促進されていきました。結果、火力発電の主役は、石炭やLNGに変わっていきました。 (出所)経済産業省エネルギー庁「エネルギー白書2018」  東日本大震災まで石油での火力発電は減少の一途を辿ります。2012年からは増加に転じましたが、それ以上に石炭・LNGでの発電量は増えています。今でも火力発電と石油を結びつけて考えられることが多いですが、発電における石油の割合は大きくはありません。もちろん、原油はガソリンという貴重なエネルギー源でもありますので、エネルギー全体にとって重要性が低いわけでは決してありません。原油の輸入元も、過去しばらくは中東依存度を下げるためインドネシアからの輸入が増加していましたが、インドネシアの経済発展に伴い原油が輸出に回せなくなった結果、中東依存度は90%近くにまで戻っています。最近はイランからの原油輸入も減る一方、ロシアからの輸入が増えています。 (出所)経済産業省エネルギー庁総合資源エネルギー調査会「エネルギー基本計画の要点とエネルギーを巡る情勢について」  原油価格のトレンドはこの数年で急速に変化しています。リーマンショックの2009年頃から原油価格は急速に高騰していきましたが、2014年秋から反落、今は2005年頃の水準に回帰しています。背景には、シェールガスやシェールオイルにより米国を始め世界中で化石燃料供給量が一気に増え、それに対し従来は価格調整機能を果たしていたOPECが対抗するために原油産出量を減らさない方針を発表したことがありました。その結果、石油火力発電のコストは減少していますし、この価格トレンドはこれからお話する、天然ガスや石炭の価格にも大きな影響を与えています。 石炭 (出所)経済産業省エネルギー庁「エネルギー白書2018」  こちらのグラフは日本の石炭の国内生産量と輸入量の推移を示しています。今ではほぼ100%が輸入石炭となりましたが、かつて日本は石炭大国でした。明治時代から日本では機関車や工場の燃料、製鉄業の原料として石炭を大量に生産していました。中学校の教科書に出てきた福岡県の筑豊炭田、三井三池炭鉱、映画「フラガール」の舞台となった福島県の常磐炭田、世界遺産となった長崎県の軍艦島を始め、日本には北海道・福島県・山口県・九州北部を中心に800近くの生産量の豊富の炭鉱がありました。ところが戦後、液体で輸送利便性が高くさらに熱変換効率も高い石油と、安価な海外石炭に押され、国内石炭は競争力を失いました。その後、炭鉱の閉山が相次ぎ、現在、釧路炭田が国内唯一の坑内掘り炭鉱です。  一方、第一次石油ショック以降、火力発電の主役となった石炭は輸入量を急速に増やしていきます。石炭は石油に比べて地理的分布が偏在していないのが特長で、日本の一般炭の輸入元は、オーストラリアが76.5%、インドネシアが10.8%で、二カ国合計で全体の87.3%を占めています。日本は数年前まで世界一の石炭輸入国として君臨し続けていましたが、ついに中国が日本を抜き、現在世界一の石炭輸入国となりました。中国は少し前では世界有数の石炭輸出国だったのですが、国内の石炭需要が急増し、輸入国となったのです。同様にインドも近年石炭輸入を大幅に増やしており、2014年に日本を抜き世界第二位の石炭輸入国となりました。世界最大の石炭輸出国であるインドネシアにも変化の兆しが見られます。2014年6月に、ロイター通信が、「世界最大の一般炭輸出国インドネシアが生産抑制と輸出管理強化に向けた新たな規制を検討していることが6日、政府関係者の話で分かった」と報じました。インドネシアも国内の石炭需要が増えていることで、石炭輸出を控えようと言うのです。このように、石炭の需給は逼迫してきています。 (出所)経済産業省エネルギー庁「エネルギー白書2018」  輸入石炭の価格は、石油や天然ガスと比べ遥かに安いですが、それでも近年じわじわと上昇してきており、昨今の石油・天然ガスの価格下落に比して、石炭価格はそこまで下落していません。 (出所)経済産業省エネルギー庁「エネルギー白書2018」  石炭の今後を見ていく上で、やはり注目は中国の動向です。 (出所)IEA "Key World Energy Statistics 2017"  実は中国は世界でダントツナンバーワンの石炭生産国です。その生産量32.4億トンで、2位インドの7億トンの約4.5倍です。その旺盛な石炭需要は国内の石炭だけでは賄い切れず、2010年には輸出国から純輸入国に転じました。2013年には世界最大の石炭輸入国となり、2014年の中国の石炭輸入量は3位日本の1.5倍の量まで増えましたが、2015年には大気汚染や気候変動の問題から中央政府が石炭への依存度を低減する政策に乗り出し、輸入量は日本と同等まで減少。しかしその後輸入は増え2016年には再び日本の1.3倍ほどに上がりました。 (出所)IEA  中国が膨大な石炭を必要としている背景には、石炭を用いた火力発電の伸長があります。中国は現在、再生可能エネルギーや原子力発電の建設を推し進めていますが、火力発電、特に石炭火力にかなり依存しています。石炭は石油や天然ガスと比しても世界での埋蔵量が多く、今後も安定的なエネルギー源として用いられていく見込みですが、需給が逼迫すれば当然価格は高騰します。また、石炭は他のエネルギー源に比べ、燃焼による窒素加工物含有量や硫黄加工物含有量が多く、後処理をしなければ深刻な大気汚染を引き起こします。環境対策も今後の大きな課題です。大気汚染問題を重く見た中国は、エネルギー消費量全体は伸ばしつつも、石炭の消費量は2014年以降は減少に転じています。 天然ガス (出所)経済産業省エネルギー庁「エネルギー白書2018」  ガスと言うと、お風呂やガスコンロで用いられるガスのことを想像するかもしれません。確かにガスという燃料はそのまま家庭用や産業用に「ガス」という状態のままで使用されています。ところが、実際の日本での消費量を見てみると、都市ガスとして使われているのは全体の30%弱にすぎず、ほとんどのガス燃料は、火力発電のための燃料して使われています。 (出所)経済産業省エネルギー庁「エネルギー白書2018」  天然ガスには、ガス採掘所から気体のままパイプラインを通して流通させるものと、一度冷却し液体状態にしたLNG(液化天然ガス)の2種類があります。ヨーロッパや米国では一般的に天然ガスはパイプラインで輸送されています。日本でも国内で採掘させる天然ガスはパイプラインで輸送されています。しかし国内天然ガスの採掘量は非常に少なく、日本は海外からの輸入天然ガスに頼っています。日本が輸入している多くの天然ガス産地は日本から離れており、LNGの形でタンカーに載って国内に入ってきています。  冒頭で紹介したように、日本は現在電力の44.0%を天然ガスで調達しています。では、その天然ガスはどこから輸入しているのでしょうか。 (出所)経済産業省エネルギー庁「エネルギー白書2018」  過去の推移を眺めると、日本の電力会社や商社は、天然ガス調達のために次々と輸入元を開拓してきたことがわかります。特に、2000年代に入ってから依存度の高かったインドネシアからの輸入量が減少したこと、そして東日本大震災以後の原子力発電所の稼働停止に伴い、マレーシア、オーストラリア、カタール、赤道ギニアからの輸入量が増えています。また、近年、「サハリンⅡプロジェクト」等の進展によりロシアからのLNG輸入も始まっています。一方、米国からの天然ガス輸入が少ないことに疑問を持つ方もいるかもしれません。確かに米国では昨今シェールガス開発が急伸しています。米国から日本へのシェールガス輸入は2017年1月から始まりました。 (出所)CSIS  さて、ガスの価格はどうでしょうか。こちらは世界の主要市場である米国、ドイツ、英国、日本を比較したものです。この3本の線はそれぞれ違う動きを見せています。まず日本。東日本大震災後価格が急騰しているのがわかります。通常天然ガスは安定的な輸入供給を実現するため長期契約で価格を取り決めています。そして長期調達で融通しきれない場合は、スポットで取引されているものを買うことになります。日本は震災後、一気に購入量を増やしたためスポット市場でも取引を行い、需給バランスが売り手優位に動いた結果、価格が高騰しました。  一方、米国ではシェールガス革命が始まったおかげでリーマンショックからの経済回復後も価格は低位へと推移しました。また、欧州では安全保障リスクの観点からロシアからの天然ガス購入を控え、中東からの石油・天然ガス輸入を強化した結果、価格は下がってきています。日本でも2014年以降は、世界的なガス価格の低下の流れや、ガス供給者との価格交渉等により価格が下がってきています。 (出所)EIA  今後の注目はやはり米国でのシェールガス採掘の動きです。2015年時点での予測では、今後米国でのガスは大半がシェールガスとなっていく見込みで、全体のガス生産量も急増していくと言います。2014年後半のガス価格の下落以降、シェールガス開発の動きも少し緩慢になってきているといいますが、米国の潜在的なシェールガス産出規模は巨大です。膨大なガスが市場に出てきますし、2017年からは日本にも米国からのガス輸入が開始され、日本のガス輸入価格も下落していきています。また、日本政府やエネルギー各社、商社は協力して新たな天然ガスの調達先を開拓しています。米国では、中部電力・大阪ガスがフリーポートLNGプロジェクトに、住友商事がコーヴポイントLNGプロジェクトに、東芝がフリーポート(拡張)LNGプロジェクトに、三菱商事・三井物産がキャメロンLNGプロジェクトに関与しています。カナダでは、三菱商事がLNGカナダプロジェクトに、石油資源開発がパシフィック・ノースウエストLNGプロジェクトに、出光興産がトリトンLNGプロジェクトに、国際石油開発帝石がオーロラLNGプロジェクトに関与しています。オーストラリアでは北部準州のイクシスLNGプロジェクトに、国際石油開発帝石が関与しています。インドネシアでは、東部のアラフラ海海上のガス田開発プロジェクトに国際石油開発帝石が関与しています。 原子力発電  東日本大震災後に原子力発電所が全て稼働停止となりましたが、その後も2013年まで少量ながら原子力発電量が存在している理由は、関西電力の福井県大飯発電所の原子力発電所が一時的に再稼働されていたためです。もともと原子力発電は、日本の高度経済成長期に膨れ上がる電力需要を賄うため政府主導で進められてきました。1955年12月原子力基本法が成立し原子力利用の大枠が決定、1957年には原子力発電を行う事業者として日本原子力発電が発足します。1963年に日本初の原子力発電に成功し、1966年には日本初の原子力発電所・東海発電所が完成し、商用の営業運転を開始しました。「省資源・二酸化炭素排出量ゼロ・エネルギー安全保障の確立」という夢の技術として期待された原子力発電は、2011年の東日本大震災で社会の捉え方が大きく変化しました。その後全ての原子力発電所は全て活動を停止しましたが、2015年8月に九州電力の川内原子力発電所が運転を再開、2016年2月に関西電力の高浜原子力発電所が運転を再開しました。しかし同3月大津地方裁判所の仮処分を決定、高浜原子力発電所は運転を再び停止しました。 (出所)経済産業省エネルギー庁総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会原子力小委員会「参考資料(事務局提出資料)」  原子力発電の魅力的な点は発電コストの低さです。現在日本政府の検討会議で使われている比較データでも、原子力発電は最も発電コストの低い手法の一つとして扱われています。しかしこの発電コストの低さを強調する議論に対し、「原発事故が起こった場合の対策費用や社会的損失費用などがしっかり考慮されていない」という、原子力の発電コストの計算方法に異議を唱える人々も少なくありません。日本政府は2015年1月30日、経済産業省エネルギー庁総合資源エネルギー調査会基本政策分科会の下に「発電コスト検証ワーキンググループ」を設置し、最新のエネルギー市場を踏まえて再度エネルギーコストを試算することとしています。 (出所)経済産業省エネルギー庁総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会原子力小委員会「参考資料(事務局提出資料)」  また、日本政府が原子力発電を推進したいもう一つの要因は、日本の原子力発電産業の振興です。かつて原子力発電の将来の国内の主要電源として位置づけてきた日本は、原子力技術は言わば長期にわたって官民で投資してきた分野。これを海外に輸出することを産業振興の一つの柱としてきました。世界の主要原子力プラントメーカーは再編が進み、現在は3つのグループに分かれています。1つが三菱・アレバグループ、2つ目が東芝・ウエスチングハウスグループ、そして日立・GEグループで、いずれにも日の丸電機メーカーが入っています。しかしながら、東日本大震災以後、日本国内での原子力に対する期待が大きく下がる中、韓国・中国・ロシアの新興原子力プラントメーカーが台頭してきており、日本の産業界からは危機感が募っています。 (出所)日本原燃  原子力発電にはメルトダウンなどのリスク以外にも、放射性廃棄物の再処理・中間貯蔵・最終処分の問題があります。そのためもあり、日本政府が2014年4月に閣議決定した新しい「エネルギー計画」では、「原発依存度については、省エネルギー・再生可能エネルギーの導入や火力発電所の効率化などにより、可能な限り低減させる。」という方針が決まりました。しかしながら、全面廃止するという意味合いではなく、発電コストを下げるためにも、目下のところ経済産業省は原子力発電の再稼働に躍起になっています。 再生可能エネルギー(新エネルギー)  最後に、「未来のエネルギー」と呼ばれてきた再生可能エネルギーの状況を見ていきましょう。再生可能エネルギーと一言で言っても実は定義は曖昧です。経済産業省は、再生可能エネルギーと新エネルギーの用語を使い分けており、再生可能エネルギーは広義で、太陽光発電(PV)、太陽熱発電(CSP)、風力発電、地熱発電、潮力発電、バイオマス発電、水力発電などを全て含みます。一方で新エネルギーは、再生可能エネルギーから大規模水力発電、フラッシュ方式地熱発電、空気熱発電、地中熱発電を除いたものを指します。ですが、実態としては専門家の間でも定義は今でも揺り動いていますし、外国にいけばなおさら定義は異なります。  日本の2014年の電力事業者が行っている発電のうち、新エネルギーが占める割合は3.2%。震災前の2009年には1.1%でしたので多少は増えましたが、それでも微々たる数値です。期待されても期待されてもなかなか日本で導入が進んでこなかった理由はコスト面です。原子力発電所のコーナーでご紹介したように、再生可能エネルギーのコストは比較的高いと計算されているのです。しかしながら、近年諸外国では再生可能エネルギーは積極的に導入されてきており、技術革新が進展。結果として、コストはどんどん下がってきています。 (出所)IRENA  こちらは国際再生可能エネルギー機関(IRENA)が発表したデータです。再生可能エネルギーの発電コストについて、2010年と2017年を比べたものですが、特に太陽光(PV)、太陽熱(CSP)でコストが大きく下がり、風力もコストが低減していることが見て取れます。背景には、太陽光発電パネルメーカーも風力発電機メーカーもグローバル規模で熾烈な企業競争があります。とりわけ、中国やインドなどの新興国メーカーの台頭が目覚ましく、それらが発電コストをどんどん押し下げてくれています。日本政府も、固定価格買取制度を2012年に本格開始しました。その後、電力事業者各社から送電網の不安定さを理由に電力買取を拒否する動きも出てきましたが、経済産業省は送電網強化指導に乗り出しています。  再生可能エネルギーのシェア目標については、低く設定されたままです。2010年6月に改訂された日本政府の「第3次エネルギー基本計画」では、原子力発電と再生可能エネルギー(水力含む)の比率を、2020年までに50%、2030年までに70%とする計画を打ち上げました。さらに、その中で、再生可能エネルギーが占める割合を、2020年までに全体の10%に達するという計画も含まれました。しかし、東日本大震災によって計画は方向性を失い、2018年7月の「第5次エネルギー計画」では、2030年目標として水力と再生可能エネルギーで22%から24%、原子力を20%から22%としています。  では、再生可能エネルギーはやはり期待できない電力源なのでしょうか。世界に目を向けるとそうとも言えません。世界各国の電力統計をまとめている国際エネルギー機関(IEA)のデータによると、2015年時点で世界主要国は再生可能エネルギーを重点的に強化しています。定義が異なるため、こちらの統計では日本の発電における再生可能エネルギー割合は8.2%(バイオマス発電が3.3%で牽引)です。この数値で比較していきましょう。ドイツはそれぞれ27.1%、同じ島国英国は23.8%、デンマークはなんと68.0%です。また、各国では2018年までの間にさらに再生可能エネルギー投資を活発化させており、年々この差は開いていきそうです。 電力の行方  電力問題の課題には基本的に2つの大きなテーマがあります。 ピーク電力需要の削減(ピークシフト・ピークカット) 電力コストの削減(再生可能エネルギーの技術革新)  ピーク電力需要の削減とは、1年や1日の中で最も電気を必要とする時間帯の電気使用量を減らすということです。電気は1日中満遍なく使われているわけではありません。基本的には夏の昼間が最も電力需要が大きく、春秋の夜は電力需要が著しく低下します。すなわち1日をかけて電力消費量を減らす必要はなく、ピーク時の電力需要を削減できれば発電容量を大きくする必要がなくなるというわけです。そこでピークシフトとピークカットという考え方が出てきます。ピークシフトとはピーク時に節電しピーク時でないとき電気を使うという電力需要の差を平準化する試みです。その方策としては、ピークでないときに蓄電してピーク時に使用するという供給側の対策と、電気料金を時間帯ごとに変えピーク時に高くそれ以外に安くすることで利用者のピーク時以外利用を促すという需要側の対策の2つが大きく検討されています。ピークカットとは節電技術を開発・導入して常時電力を下げるという方法と、ピーク時に活用できる太陽光発電などを利用してピーク時の商用発電量を減らすという方法があります。  一方で、電力コスト削減の突破口は技術革新です。特に上述したように再生可能エネルギーのコストは年々大きく低下しており、これは全て開発している研究者やエンジニア、企業や研究機関の努力によるものです。当サイトでも、太陽光、洋上風力、バイオマスの技術革新の様子をご紹介しています。この分野の技術革新には海外ではESG投資として年々多くの資金が投じられており、ますますテクノロジーの進化は進んでいきそうです。従事する企業にとっては国際競争がより激化していくことも意味しています。事業会社にとってもエネルギーの安定供給を実現していくことは企業のサステナビリティを高めることにも繋がり、アメリカのIT業界では再生可能エネルギーでの発電を自社で推進しています(参考:【IT】Greenpeaceの巨大な影響力 〜Amazon, Appleがクリーンエネルギー推進へ転換〜)。エネルギーの分野はこれからますます多くの企業の関心と協力を必要としていきます。

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private 【国際】欧米機関投資家イニシアチブTPI、石油ガス大手3社の気候変動対応状況を分析発表

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 欧米主要機関投資家18機関が参加する低炭素経済推進イニシアチブ「Transition Pathway Initiative(TPI)」は3月19日、石油・ガス世界大手3社の気候変動対応状況を分析したディスカッション・ペーパーを発表した。今後本格的に調査を進める。同イニシアチブは2017年1月発足。英国環境保護庁年金基金と英国国教会National Investing Bodiesが主導し、運用資産総額は6.9兆米ドル(約740兆円)。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)のグランサム研究所がバックアップしている。 【参考】【ヨーロッパ・アメリカ】大手年金基金と運用会社、投資先企業の気候変動影響分析でイニシアチブ発足(2017年1月26日)  今回の調査では (more…)

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【エネルギー】世界各国の発電供給量割合[2017年版](火力・水力・原子力・再生可能エネルギー)

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世界の発電供給量割合  こちらの図は、国際エネルギー機関(IEA)が公表している最新データベース「Key World Energy Statistics 2017」をもとに、2015年のデータをまとめたものです。こちらのデータにより各国の状況を横並びで比較することができます。 (出所)IEA "Key World Energy Statistics 2017"をもとにニューラル作成 世界全体の発電手法(2015年) 石炭   :39.2% 石油   : 4.1% 天然ガス :22.8% 原子力  :10.6% 水力   :16.3% 地熱   : 0.3% 太陽光  : 1.0% 太陽熱  : 0.0% 風力   : 3.4% 潮力   : 0.0% バイオマス: 1.8% 廃棄物  : 0.4% その他  : 0.1%  世界の発電総量割合の全体傾向は、石炭が1.4ポイント減少し、天然ガスが1.2ポイント増加。太陽光と風力もそれぞれ0.2ポイント、0.4ポイント伸びました。それ以外はほぼ横ばいです。 北米:資源が豊富で選択肢が幅広い  経済大国米国、そしてカナダ。両国は電力消費量が「一流」なだけではなく、電力生産量も「一流」です。世界の電力生産量のうち、米国だけで約18%、カナダを合わせて約21%を占めています。北米は化石燃料が豊富な地域です。2015年時点で、石炭生産量は米国が世界第3位。石油生産量は米国が3位で、カナダが4位。天然ガス生産量は米国が1位で、カナダが4位です。北米では、シェールガスやシェールオイルの採掘が大規模に始まっており、資源生産量はまだまだ増加します。化石燃料以外も「一流」です。広大な大地を要する両国は、水力発電用地にも恵まれ、水力発電量は米国が世界第4位、カナダが2位です。また科学技術力の高い両国は原子力発電にも積極的で原子力発電量も米国が世界1位、カナダが6位です。 (出所)IEA "Key World Energy Statistics 2017"  このように資源が豊富な米国ですが、一方で再生可能エネルギーの導入も進んできています。2015年度は水力を除く再生可能エネルギーで7.6%、水力を含めると13.9%となります。米国は連邦政府レベルでは依然再生可能エネルギーのシェア目標(英語でRenewable Portfolio Standard。RPSが略称)は設定していませんが、州政府は自主的にRPSを設定を行っており、今日までにすでに30を超える州政府が公式に目標数値を発表しています。その中で特に有名なのはカリフォルニア州が掲げた2020年までに33%(水力発電含む・原子力は含まない)という目標です。2015年時点では、当時のオバマ政権の政策もあり、石炭火力発電が5.4ポイントと大幅に減少。天然ガスへのシフトも進みました。トランプ政権は、石炭への回帰を目指す政策を掲げていますが、州政府レベルではオバマ政権時代と変わらない、もしくはそれ以上の低炭素の動きを見せています。 西欧:原子力か、ロシア産天然ガスか、それとも再生可能エネルギーか  西欧諸国は国毎に原子力発電に対する考え方が大きく分かれています。イタリアは従来から原子力発電所を使用しない方針を堅持しており、現在も原子力発電所での発電はゼロ、フランスからの電力輸入で電力消費量の十数%を調達する道を選んできました。東日本大震災後には、ドイツ、ベルギー、スイスが原子力発電所を期限を決めて全廃する方針を決定。スペインもその流れに追随し、原発の新設中止を決めています。世界有数の原子力大国であったフランスでも原子力発電に対する考え方が大きく後退し、現在のマクロン政権は原子力依存度を大幅に下げる政策を展開しています。原子力を放棄しても西欧諸国が発電量を確保できるのは、ロシア産天然ガスがあるからです。ヨーロッパにはロシア産天然ガスを輸送するためパイプラインが縦横無尽に張り巡らされています。この天然ガスによる火力発電がヨーロッパにとっての安定的なエネルギー供給源となってきました。 (出所)一般財団法人高度情報科学技術研究機構  ところが、そのロシア産天然ガスにも依存できない状況が到来しました。それは政治的リスクです。ウクライナ情勢が不安定化する2000年代から、政治的に対立しやすいロシアに対しエネルギー源を大きく依存することは得策ではないという政治的な判断が生まれ、いくつかの国は原子力でもない、ロシア産天然ガスでもない道を選択しなければならなくなりました。そして登場するのが再生可能エネルギーです。  西欧諸国は世界の中で再生可能エネルギーを最も推進している地域だと言えます。政府は再生可能エネルギーの導入を推進する制度整備を行い、メガソーラーや大規模洋上風力発電所等への積極投資を呼び込みました。結果、スペインは太陽光・太陽熱・風力を合わせて23%、イタリアも太陽光・太陽熱・風力を合わせて13%、工業国ドイツも太陽光・風力合わせて18%、英国も太陽光・風力で14%を発電しています。この流れは2015年以降も続いておりIEAの次回データ発表の際には、各国の再生可能エネルギーによる発電のの割合はさらに高まっていると予想されます。  また特殊事情にあるのは資源保有国であるドイツと英国です。ドイツは世界第8位の石炭生産国、英国には北海油田・ガス田があります。その結果ドイツは石炭での発電割合が高く、英国は天然ガス(ロシア産ではなく自国産)の割合が高くなっています。ところが、その英国も北海油田には依存できない状態が到来しています。 (出所)JOGMEC「在来型・非在来型を共に追い求めるイギリスの石油・ガス動向」  英国の石油・天然ガス生産量は、2000年頃を境に急落しています。北海油田が成熟化し採掘コストが増加しているためです。英国は2004年に石油・天然ガスの純輸入国になり、2013年には石油製品も含めた純輸入国へ転換しました。それでも天然ガスはロシア産は購入せず、90%以上をカタールからの輸入LNGで賄っています。この状況下で、英国は自前のエネルギー源を確保するため、北海地域で天然ガスやシェールガスの開発を積極化していますが、一方で大規模洋上風力発電にも活路を見出そうとしています。 北欧:水力シェアが高い (出所)IEA "Key World Energy Statistics"  デンマークを除く北欧地域は一人当りの電力消費量が高い地域です。北極圏に近い寒冷地域のため、暖房での電力消費量が多いのです。同様のことは同じ北緯にあるカナダや、アルプス山脈地帯であるスイスにも言えます。このように燃費の悪い地域にはもう一つの特長があります。自然に恵まれた環境であるため、水力発電が盛んなのです。水力発電の割合は、アイスランド(73.3%)、ノルウェー(95.9%)、スウェーデン(46.6%)、フィンランド(24.4%)です。同じく地理的環境が似ているカナダ(56.8%)、スイス(58.%)です。  原子力発電所については北欧でも対応が分かれています。水力発電だけで電力をほぼ100%賄っているノルウェーや、アイスランド、デンマークは当初から原子力発電はゼロ。スウェーデンは現在34.8%を原子力発電に依存しており、一度は原発全廃の方針を掲げたものの、その後方針を撤回し、今後も原子力を継続することとなっています。フィンランドは原子力発電を今後も継続していく予定です。  北欧は西欧と並んで再生可能エネルギー意欲の高い地域です。地理的制約により水力発電が適さないデンマークは従来ロシアから輸入した石炭で火力発電を行ってきました。しかし、ロシア依存度の引き下げと気候変動への対応のため2025年までに石炭での発電をゼロにする検討を行っています。そこで目をつけたのが洋上風力。今では風力発電だけで48.8%を賄っており、世界の風力発電大国です。スウェーデンとフィンランドも同様に風力とバイオマスに力を入れており、2つを足したシェアはスウェーデンで15.6%、フィンランドで19.4%に達します。また、ホットプルームという特殊な地理的環境に恵まれたアイスランドは地熱発電で26.6%の発電を行っており、水力と地熱だけで100%の発電シェアを誇ります。  興味深いのはノルウェーです。ノルウェーは英国と同様に北海地区に油田・ガス田を有する資源大国です。天然ガスの生産量は世界第7位。しかしながら、水力発電が強く、石炭・石油・天然ガスを合わせた火力発電合計の割合はわずか1.3%です。ノルウェーは石油・天然ガスの多くを輸出しており、その半分は英国に輸出されています。 アジア・太平洋:火力発電への依存度が極めて高い  アジアは非常に火力発電割合の高い地域です。まずは資源保有国の状況。石炭生産量世界第1位の中国、同第2位のインド、同5位のインドネシアは石炭での火力発電が主力です。天然ガス生産量世界第3位のイラン、同9位のサウジアラビア、そして同じく産油国であるエジプトやマレーシアでは、天然ガスと石油が主力です。一方、日本、韓国、台湾、タイといった資源非保有国は輸入石炭や輸入天然ガスによる火力発電が主流です。特に、地理的環境や経済構造が日本と近い韓国や台湾では、かつての日本と同様、原子力発電によって自前のエネルギー源を確保する政策を採ってきています。しかし台湾は2016年に2025年までに原子力発電を全廃し、風力と太陽光をで補うことを決定しました。  経済成長著しい中国とインドは今後、大気汚染に苦しむ石炭火力発電の割合を大きく引下げ、太陽光発電と風力発電を大規模に展開していく計画をすでに立てています。  ここで特筆すべきは、インドネシアとフィリピンの地熱発電です。インドネシアは世界第2位の地熱資源保有国、フィリピンは同4位。両国は環太平洋造山帯に立地するという地の利を活かし、地熱発電の割合はインドネシア(4.3%)、フィリピン(13.4%)となっています。両国が地熱発電に踏み切った背景には、原子力発電計画の廃止がありました。フィリピンでは、もともと1976年に原子力発電所が着工し、1985年工事がほぼ終了したものの、1986年に発足したアキノ政権によって同発電所の安全性および経済性が疑問視され、運転認可が見送られた経緯がありました。その後、地熱発電に舵を切っています。また、インドネシアでも、一時検討されていた原子力発電所計画が、福島第一原子力発電所事故を契機に頓挫し、大規模な地熱発電の拡大計画を政府が打ち出すに至りました。今、両国では、海外の金融機関や商社が地熱発電プロジェクトに大規模に出資し、開発を展開しています。 (出所)JOGMEC  オセアニアの大国、オーストラリアも資源大国です。石炭生産量は世界第4位、石油・天然ガスも生産しています。そのため、化石燃料からの火力発電割合が86%(そのうち石炭が63%)と圧倒しています。人口当たりの二酸化炭素排出量が世界一とも言われるオーストラリアがその排出量を減らすため連邦政府は2006年に原子力発電の導入に踏み切ろうとしましたが、国民からの支持を得られず計画は頓挫しています。気候変動対策も迫られるオーストラリア政府は、脱石炭、太陽光・風力発電へと徐々にシフトしようとしています。 その他新興国  ロシア、南アフリカ、メキシコは、自国の資源を活用した火力発電に大きく依存しています。ロシアは天然ガス生産量世界第2位、石炭生産量6位。南アフリカは石炭生産量第7位、メキシコは天然ガス産出国。また、メキシコは地熱発電量世界第4位も誇り、今後は地熱発電プロジェクトへの投資も増えていく見込みです。一方ブラジルも国内で石炭や石油を生産している国ですが、火力発電の割合は高くはなく、電力の62%を水力発電で調達しています。世界最大の砂糖の生産・輸出国であるブラジルは、バイオエタノールによるバイオマス発電の割合が8.4%と高いのも特徴で、バイオマスでの再生可能エネルギー導入が進んでいます。

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2018/02/14 体系的に学ぶ

【アメリカ】エクソンモービル、2度シナリオ分析報告書公表。石油採掘投資は必要。リスクほぼない

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 エネルギー世界大手米エクソンモービルは2月2日、2040年までのエネルギー展望報告書「2018 Outlook for Energy: A View to 2040」を発表した。同報告書は毎年発表されている。同時に、気候変動による情報開示を求めた2017年の株主総会決議に基づき、2℃シナリオに関する分析報告書も発表した。分析報告書では、石油採掘分野への新規投資がなければ、2℃目標下でも必要となる石油ガス需要を満たせないと説明。気候変動への規制が強化されても同社ビジネスには「ほとんどリスクがない」と言明した。  同報告書では、通常のエネルギー需要予測とは別に、2℃シナリオ下でのエネルギー需要の変化を見通した。2040年までにエネルギー燃料需要は毎年0.5%増加する中、石炭は毎年2.4%減、石油は0.4%減、天然ガスは0.9%増、原子力は3%増、再生可能エネルギーは4.5%増と分析。減少幅の大きい石炭は累積で2040年までに需要が半減する。しかし、石油に関しては、石油の需要減以上に、現行の油田産油能力の自然減により、石油供給量は現在の日量9,500万バレルから、2040年に1,700万バレルに減少すると予測。2℃シナリオ下でも、最低でも5,300万バレルの石油需要があるため、石油採掘への新規投資は必要と見方を示した。そのため、同社の資源埋蔵量には「ほんんどリスクはない(face little risk)」とした。また、石油は、エネルギーミックス、輸送、化学産業の分野で引き続き主導的な役割を果たすとの見方も示した。  電気自動車市場の進展については、乗用車等の軽量車両を中心に台頭してくる可能性があるものの、車両数が増加するため石油需要は横ばいからやや減少と予測。一方、トラック等の重量車両、航空機、船舶での石油需要は増えるため、輸送分野の石油需要は2040年までに30%増と算出した。  同社のダレン・ウッズ会長兼CEOは、気候変動緩和に向けた今後の取組として、炭素回収・貯蔵(CCS)技術の開発、バイオ燃料の推進を挙げた。また報告書の中では、二酸化炭素排出量が比較的少ない天然ガスや石油化学製品の軽量化にも可能性を示した。    エクソンモービルは、2℃目標下においても石油採掘への投資は必要だとして同社のビジネスの正当性を示した。一方、通常のエネルギー展望報告書では、2℃シナリオとは異なる需要見通しを立てており、同社が2℃シナリオとは異なるシナリオを中心に据えていることも浮き彫りともなった。 【参照ページ】ExxonMobil Releases Energy & Carbon Summary and Outlook for Energy 【報告書】2018 Outlook for Energy: A View to 2040 【報告書】2018 Energy & Carbon Summary

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【国際】世界銀行グループ、石油ガスの採掘・生産に対する投融資を2019年から停止

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 世界銀行グループは12月12日、気候変動対応に向けた新たな施策を開始すると発表した。原油及びガスの探鉱、開発、生産までの上流事業への投融資を2019年から停止すること等が柱。発展途上国での原油やガス関連のプロジェクトには、世界銀行グループがファイナンスの一部を担うことが多く、今回の発表は世界的に大きな影響を与えそうだ。  原油・ガスの上流事業への投融資停止では、2019年以降、基本的に世界中全ての案件が対象となる。但し、エネルギー供給不足に苦しむ最貧国については例外的に投融資を認める可能性もある。  野心的な国別削減目標(NDC)を掲げた国におけ融資も増加する。世界銀行グループはパリ協定制定後に2020年までの大規模の融資目標を設定したが、すでに目標額の28%の融資を実施。今後、過去実績の評価をしつつ、2018年の気候変動枠組み条約ポーランド会議(COP24)の場で2020年以降の新たなコミットメントを発表する。  また、世界銀行グループが投資したプロジェクトからの二酸化炭素排出量の報告も来年から開始する。当面はエネルギー業界等の二酸化炭素排出量が多い業種で実施する。最初の報告は2018年後半に行い、以降は毎年報告する。さらに投融資の意思決定においてプロジェクトからの二酸化炭素排出量を考慮するため内部カーボンプライシングも、国際復興開発銀行(IBRD)と国際開発協会(IDA)の全案件に対し導入する。内部カーボンプライシングは、二酸化炭素排出量の多い業種ではすでに2017年1月から行われていが、2018年1月から対象を拡大する。  気候変動対応分野への投資も増やす。まず、民間向け投資を担う国際金融公社(IFC)は、アムンディと共同で立ち上げた「Green Cornerstone Bond Fund」に対し3億2,500万米ドルを投資。新興国市場のグリーンボンドを購入していく。同ファンドはすでに10億米ドルのグリーンボンドを購入しており、最終的に20億米ドルまで購入額を増やす。  世界銀行グループは、気候変動サミットで各国や各地域機関が表明した気候変動対応プログラムへの資金提供も担う。インドでの省エネ、エチオピア、パキスタン、セネガル等での太陽光発電拡大等の他、西アフリカ沿岸部の洪水対策のための投資プラットフォームを西アフリカ経済通貨同やアフリカ開発銀行と共同で発足。「気候変動政策に関する市長誓約」と共同で都市自治体向けの投資プラットフォーム「City Resilience Platform」も立ち上げた。  さらに先週、世界銀行グループは、エジプト政府に対し、化石燃料補助金を削減する代わりに低炭素エネルギー開発を推進するための政策ローンを11.5億米ドル提供することで合意したことも発表した。 【参照ページ】World Bank Group Announcements at One Planet Summit

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【フランス】マクロン新政権、新規石油・ガス採掘プロジェクトを停止する政策を表明

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 マクロン政権のニコラ・ユロ国務大臣兼環境連帯移行大臣は6月24日、気候変動への対応を進めるため、石油・ガス採掘プロジェクトへの新たな許認可発行を停止する法案を国会に提出する計画を公表した。これが実現すると、フランスでは新規の石油・ガス採掘を全面的に禁止されることになる。ユロ大臣によると同法案は今秋にも国会を通過する見通しだという。さらに同大臣は、新たなディーゼル課税を含めた大気汚染抑制政策を推進していく考えも見せた。ユロ大臣は、大臣就任前は環境活動家として活動。エマニュエル・マクロン新大統領の組閣人事で5月17日に環境連帯移行大臣に抜擢された。  今回発表された政策は、エマニュエル・マクロン大統領が大統領選挙中に公言した再生可能エネルギー推進政策の一環。英インディペンデント紙によると、マクロン大統領は、化石燃料から再生可能エネルギーへの早急な転換を測ろうとしているが、ユロ大臣は早急な転換には法廷闘争をもたらすリスクがあると現実路線を示し、政権内で段階的な転換を唱えているという。  フランスは、オランド前政権時代の昨年、原子力発電割合を2025年までに50%に引き下げる法律を制定おり、マクロン大統領も同様に原子力発電比率を引き下げることも決めている。さらにマクロン大統領は、最終的に全電源を再生可能エネルギーに転換させる構想も描いているが、具体的な時期についての明言は避けている。 【参考】【環境】フランスのエマニュエル・マクロン新大統領のエネルギー・環境政策の骨子(2017年5月12日) 【参照ページ】France to ban all new oil and gas exploration in renewable energy drive

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【アメリカ】 トランプ大統領、「キーストーンXLパイプライン建設計画」を承認する大統領令に署名

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 米トランプ大統領は3月24日、カナダのエネルギー大手トランスカナダによる長距離石油パイプライン「キーストーンXLパイプライン建設プロジェクト」を承認する大統領令に署名した。トランプ大統領は署名式の場で「米国エネルギー政策が新たな時代に入った」と述べた。同パイプライン建設プロジェクトでは、環境団体や米国先住民活動家からの反対を受け、前オバマ大統領は2012年1月から一貫してプロジェクト承認依頼の却下をしていた。  問題となっている「キーストーンXLパイプライン建設プロジェクト」とは、より巨大な計画である「キーストーンパイプライン建設プロジェクト」の第4計画区間プロジェクトの通称。名称に入っている「XL」とは、「Export Limited(輸出特急)」の意味。「キーストーンパイプライン建設プロジェクト」は、カナダ・アルバート州のオイルサンドから採掘された石油が集積する同州Hardistyから、米国テキサス州の石油輸出港ポート・アーサーや同州ヒューストンの石油化学コンビナートまでを総長4,500km以上のパイプラインで結ぶ壮大な計画。2005年に計画開始、2007年にはカナダ連邦政府が、2009年には米国政府が第1計画区間から第3計画区間までの計画を承認した。事業主はトランスカナダ1社。2008年には米コノコフィリップスが権益50%を獲得し参画したが、わずか1年半後にトランスカナダがコノコフィリップスの全権益を買い取り、トランスカナダが権益100%を保有している。 (出所)Wikipedia  「キーストーンパイプライン建設プロジェクト」のうち第1計画区間から第3計画区間まではすでに完成している。第1計画区間は、Hardistyからカナダと米国の国境を越え、米国Steele Cityを経由し、米イリノイ州Wood Riverの石油化学コンビナートや同州Pakotaの石油タンク集積地までを結ぶもので2010年6月に完成。第2計画区間は、米国Steele Cityから米国オクラホマ州の石油タンク集積地クッシングまでを結び2011年2月に完成。第3計画区間は、米クッシングからテキサス州ポート・アーサーの石油輸出港までを結び2014年1月に完成。また第3計画区間の支線で、テキサス州内で分岐し同州ヒューストンの石油化学コンビナートまで結ぶ76km区間は2017年中に完成する見込み。  一方、懸案となっている第4計画区間の「キーストーンXLパイプライン建設プロジェクト」は、第1計画区間の始点と同じカナダHardistyから東南方向に直進し、米モンタナ州の軽質油(Light crude)産地ベーカーを経由し、第2計画区間の始点Steele Cityまでを結ぶ総長1,897kmの区間。第1計画区間に比べ距離が短いため「Export Limited(輸出特急)」という名称が付けられた。カナダ政府は、同プロジェクトを2010年3月に承認。一方、米国環境保護庁(EPA)は、米国国務省(米加国境を跨ぐプロジェクトのため国務省が管轄)が実施した環境影響調査が不十分であると指摘し、国務省も2011年11月、希少動植物の生息地であるネブラスカ州サンドヒルズや米国の貴重な水源であるオガララ帯水層を跨ぐルート選定に難色を示し、トランスカナダに対しルートの再検討を指示した。その後トランスカナダはルートの再検討に同意したものの、2012年1月オバマ大統領が同プロジェクトを許可しない方針を表明し、プロジェクトそのものの再検討を求めた。  その後、同プロジェクトは米連邦政府の大きな政治論争を巻き起こしていく。2012年5月にはトランスカナダが国務省に対しプロジェクト案を再度提出し、2013年3月には国務省も環境影響調査の中で問題なしとの判断を下したが、ホワイトハウスの意向もあり翌2014年1月に「問題なし」とした判断を撤回。今度はネブラスカ州最高裁判所で、同パイプライン敷設ルートの承認を巡る裁判において、裁判官7名に対し承認却下判決に必要な裁判官3分の2の賛成5名に満たない4名の賛成しか得られず、「キーストーンXLパイプライン建設プロジェクト」原案のまま承認する判決を言明。同じく米国連邦議会でも同プロジェクトの承認権限をオバマ大統領から取り上げる法案を、下院270対152の賛成多数で、上院62対36で法案成立に実質必要な60票以上を獲得し法案は議会を通過した。しかし、オバマ大統領は対決姿勢を貫き、連邦議会を通過した法案に対する署名を拒否し、同法案は廃案となった。それに対し連邦上院は、大統領の拒否権発動を覆すのに必要な法案の再審議を行ったが、採決には3分の2の賛成が必要なのに対し、賛成62、反対37となり、採決できなかった。そして同年11月にオバマ大統領は、国務省が同プロジェクトを最終的に否認したことを発表し、この判断を支持することも示した。  トランプ大統領は、今回のプロジェクト承認について、パイプライン建設によりエネルギー価格と外国への原油依存の低下に加え、28,000人の雇用創出が可能になると主張した。しかし、2014年に米国務省が実施した調査によると、プロジェクトに必要な雇用は建設関連が3,900人、永続的雇用はわずか35人としており、トランプ大統領の数字の裏付けに疑問を呈す声も上がっている。 【参考】【エネルギー】石油産業の構造② ー原油価格と産油コストの世界ー(2016年2月10日)

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【アメリカ】環境保護庁、石油ガス業界に課していた情報報告義務制度を廃止

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 米環境保護庁(EPA)は3月2日、前オバマ政権時代の2016年11月に石油・ガス業界に対して制定した情報報告義務制度を廃止することを決定した。情報報告義務制度は、石油・ガス業界企業が保有する既存採掘施設に対して、メタンガスやVOC(揮発性有機化合物)、有害大気汚染物質の排出状況をEPAに対して報告する義務を課していた。 【参考】環境保護庁、シェールガス・シェールオイルのメタンガス規制発表(2016年5月27日)  同制度は、2016年3月に当時の米オバマ大統領とカナダ・トルドー首相の首脳会談で合意されたメタンガスの排出規制強化を具体化する制度で、2016年5月に方針が定められ、2011年11月10日に制度内容が決定していた。この制度に基づき、石油・ガス産業の15,000社に対し調査票が送付され、(1)米国内陸地にある石油・ガス採掘施設全ての概要、(2)サンプリングされた対象施設のメタンガス等排出状況と排出コントロール機器の使用に関する詳細情報、の提出が要求されていた。今回の同制度廃止決定により、企業は調査票に回答する義務がなくなる。  同制度に対しては、3月1日、ミシシッピ州、ケンタッキー州の2州の州知事、テキサス州、アラバマ州、アリゾナ州、カンザス州、ルイジアナ州、モンタナ州、オクラホマ州、ノースカロライナ州、ウェストバージニア州の9州の司法長官の、EPAのスコット・プリュット長官に対して共同書簡を送り、調査票への回答は企業に大きなコスト負担となるとともに、制度そのものが大気浄化法(Clean Air Act)の授権範囲を逸脱した越権行為であるとして、施行延期または廃止を求めていた。 【参照ページ】EPA Withdraws Information Request for the Oil and Gas Industry 【制度概要】Oil and Gas Industry Information Requests

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【アイルランド】下院、政府系ファンドで化石燃料100%ダイベストメントする法案が第二読会を通過

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 アイルランド下院は1月26日、アイルランド国債管理庁(NTMA)が管理する「アイルランド戦略投資基金」の運用から5年をかけて石炭、石油、天然ガスという全ての化石燃料から100%ダイベストメント(投資引揚げ)することを強制する法案の第二読会を開催し、90対53の賛成多数で通過した。法案は下院財政委員会に付託され、今夏に第三読会が開催される予定。第三読会で可決されると、法案が下院を通過し、実質的に法案が成立することになる。この法案が成立すると、アイルランドは公的年金や国富ファンドから化石燃料からの100%ダイベストメントを決定する世界初の国となる。  アイルランド国債管理庁は、1990年に設立された政府機関で、政府資産と政府負債を管理している。同庁は、2009年のアイルランド金融危機に対処するために設立された「国家資産管理公社(NAMA)」も管轄している。同庁管理の「アイルランド戦略投資基金(ISIF)」は2014年に設立され、アイルランド経済や雇用創出のための政府基金。現在は80億ユーロ(約9,700億円)の運用資産を保有している。  アイルランド国会は、日本や米国の国会が採用している委員会制ではなく、英国に代表される読会制を採用している。読会制の国会は「三読会制」と呼ばれるプロセスをとるのが一般的で、アイルランドでも、法律原案全文を本会議で読み上げる第一読解、実質的な法案審議と採決を本会議で行う第二読解、その後に委員会に付託し修正の要否を審議したのち、最終的な採決を本会議で行う第三読会が開催。第三読会を通過すると正式な可決となる。また、アイルランドは上院と下院の二院制を採っているが、アイルランド憲法は下院に大きな権限を与えており、法案を上院が否決しても下院の権限で「上院が可決したもの」とみなすことができるため、上院が法案を最終否決する権限がない。そのため、アイルランドでは下院可決が非常に重要な意味を持つ。   【参照ページ】Ireland votes in favour of law to become world's first country to fully divest from fossil fuels 【参照ページ】Ireland discussing bill to require fossil-fuel divestment by sovereign wealth fund

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