【EU】欧州議会、気候変動緩和関連4法案可決。2030年までに1次エネルギーの再エネ比率32.5%

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 EU下院の役割を果たす欧州議会は11月13日、気候変動緩和政策パッケージ「Clean Energy for All Europeans」の関連8EU法案のうち重要4法案を可決した。EUの再生可能エネルギー目標、省エネ目標、気候変動政策ガバナンス強化が主な内容。今後、EU上院の役割を果たす加盟国閣僚級のEU理事会での審議に移る。  今回の4法案では、まず、EUでの再生可能エネルギー比率を2030年までに32.5%にする目標を設定。さらに2023年までに上方修正する可能性も規定した。再生可能エネルギー普及に向けては、推進政策の導入、行政手続きの簡素化、電力自家消費を阻害する規制の見直し等を実施していく。また、この目標は電力だけでなく、ガソリン等も含む「エネルギー」のため、交通機関や熱エネルギー業界での再生可能エネルギー転換も図る。バイオエネルギーについては、持続可能な利用を掲げた。  同時に、省エネ目標を2030年までに32.5%と定めた。再生可能エネルギー目標と同じく2023年までに上方修正する可能性がある。再生可能エネルギー普及に向けては、電力価格の増加を懸念する声もあるが、同時に省エネ施策を打つことで電気料金の押し下げを期待し、不安を払拭する狙い。また、EUは今回2020年以降の省エネ目標を掲げたことで、民間投資に予見性を与える。集合住宅等の一般消費者向けにもスマートメーターを導入していき、使用エネルギー情報を得やすくする措置も展開する。さらに、集合住宅で、エネルギー消費を抑えた家庭のエネルギー料金が引き下がるよう、集合住宅での暖房、冷房、熱水消費料金体系の見直しも加盟国に義務化する。  気候変動政策ガバナンス強化では、EUとして一体となったエネルギー政策を打ち出せるよう「エネルギー連合」体制を整える。  今回のEU法案は、EU理事会を通過すると、官報に掲載され、その3日後に施行される。 【参照ページ】Commission welcomes European Parliament adoption of key files of the Clean Energy for All Europeans package

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【イギリス】ロンドン市、750億円省エネ支援ファンド新設。三井住友銀行等民間銀行も出資

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 英ロンドンのサディク・カーン市長は7月9日、都市部の省エネ推進に特化した英国最大のファンド「Mayor’s Energy Efficiency Fund(MEEF)」を新設したと発表した。ファンド規模は5億ポンド(約750億円)。ロンドン市内の中小企業及び病院、美術館、図書館、大学等の施設が省エネ設備を導入する際に資金を提供する。投資期間は最大20年。  今回のファンドは、ロンドン市内の二酸化炭素排出量を削減することが狙い。ファンドには、欧州地域開発ファンド(ERDF)とインフラ投資ファンドAmber Infrastructure Groupが出資。さらに、ロイズ銀行グループ、ナショナル・ウエストミンスター銀行、サンタンデール銀行UK、三井住友銀行、トリオドス銀行も出資する。  ファンドの資金提供対象となるのは、バッテリー(蓄電池)、電気自動車(EV)急速充電インフラ、分散型再生可能エネルギー、省エネ、低炭素データセンター等。  ロンドン市は、2050年までに二酸化炭素ネット排出量がゼロの「ゼロ・カーボン・シティ」を実現する考え。 【参照ページ】Mayor’s £500m energy fund to help cut carbon emissions

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【EU】2030年までに32.5%エネルギー消費削減。欧州委員会、欧州議会、EU理事会が政治的合意

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 欧州委員会、EU理事会、欧州議会の3者は6月25日、EUの新たな省エネ目標で政治的合意に達した。2030年までにエネルギー消費量を32.5%削減させることが柱。今後、正式にEU指令の制定審議を開始し、成立すればEU加盟国は新目標に沿った政策が義務化される。  ジャン=クロード・ユンケル欧州委員長は2016年11月、包括的再生可能エネルギー転換政策を発表し、現在8つのEU法改正に向け動いている。改正を目指すのは、「電力規則」「電力指令」「欧州エネルギー規制機関(ACER)規則」「電力セクターリスク準備規則」「エネルギー効率指令」「建築物エネルギーパフォーマンス指令」「再生可能エネルギー指令」「EUガバナンス規則」。今年に入り、5月14日に「建築物エネルギーパフォーマンス指令」、6月14日に「再生可能エネルギー指令」で政治的合意に達し、今回の合意が3つ目となる。  欧州委員会の包括的再生可能エネルギー転換政策では、まず省エネを進め電力需要を低減し、次に再生可能エネルギーで世界をリードし、最後に適正価格での電力供給という順序で計画を検討している。今回の「エネルギー効率指令」は、電力需要を低減するという最初のステップの要となる目標値。EUは従来、2030年までに30%省エネという目標を設定していたが、一層高め32.5%とする。さらに2023年には目標値を引き上げる検討をするという条項も盛り込んだ。電力消費量を抑えることで企業のコスト削減と競争力強化も狙う。  電力消費量削減の具体策では、加盟国に対し2020年以降の年間電力削減目標を設定を義務化し、民間設備投資を加速化させる。また、集合住宅や共同ビルの入居者に対し、個々の暖房システムの熱エネルギー料金を高頻度で見える化する制度を各国に義務化し、個人の熱エネルギー削減意識を高める。再生可能エネルギー転換への心理的障壁となっている電力供給安定、EU産業の競争力強化、電気・熱料金の低減を進め、障壁を取り払っていく。 【参照ページ】Energy efficiency first: Commission welcomes agreement on energy efficiency

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【EU】省エネ住宅への低金利ローン実証プログラムが開始。銀行大手37行が参加

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 世界グリーンビルディング協会(WorldGBC)は6月14日、欧州のグリーンビルディング協会と欧州の銀行37社が新たな省エネ住宅ローン・パイロット制度を発足したと発表した。EUのイニシアチブ「省エネ住宅ローン・アクションプラン(EeMAP)」が策定する省エネ不動産の統一基準を活用し、低金利ローンを開発する。  WorldGBCの欧州ネットワークに参加しているのは、英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オランダ、ポーランド、フィンランド、クロアチア、アイルランド。  また今回パイロット制度に参加する銀行は、BNPパリバ、ソシエテ・ジェネラル、クレディ・アグリコル、BPCEグループ、預金供託金庫、ABNアムロ、ING、ラボバンク、トリオドス銀行、BNPパリバ・フォルティス、ノルデア銀行等。  今回の制度では、省エネ性能の高いグリーンビルディングの資産価値が高く評価され、投資リスクが低くなっていることを背景に、省エネ住宅ローンへの低金利制度を開発する。  EUが進める「省エネ住宅ローン・アクションプラン(EeMAP)」は、2017年6月に発足。欧州住宅ローン連盟の欧州カバード・ボンド会議(EMF-ECBC)、英国王立チャータード・サベイヤーズ協会(RICS)、WorldGBCの欧州ネットワーク、英保険代理大手エーオン、ヴェネツィア大学等が主導している。 【参照ページ】Major European banks launch new green mortgage scheme

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【シンガポール】政府、次世代エネルギーシステム構築「グリッド2.0計画」を発表。R&D強化

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 シンガポール政府の内閣直下に設置されているR&D政策諮問機関「研究・イノベーション・企業会議(RIEC)」は7月21日、開催された第10回会合の中で、新たなエネルギーシステムの構築計画「グリッド2.0計画」を発表し、同分野に研究開発予算を多く割当てていくことを発表した。計画の中には、まだ世界で実現していない新たな技術分野が多く盛り込まれており、野心的な分野のR&Dに注目が集まっている。  対象となる研究開発予算は、シンガポール政府が昨年4月に制定した2016年から2020年までの「研究・イノベーション・企業2020年計画(RIE2020)」予算190億シンガポールドル(約1.5兆円)から拠出される。同予算は、シンガポールに技術開発及び雇用創出分野として、先進製造業・エンジニアリング、医療・生物医学、サービス・デジタル経済、都市ソリューション・サステナビリティの4つを定めている。今回の会合では、その中で、都市ソリューション・サステナビリティに着目し、同国のエネルギーシステムを再構築していくことを目指すことが明らかにされた。  「グリッド2.0計画」では、天然ガス、太陽光エネルギー、熱エネルギーを活用した発電、送電、蓄電、活用の手法を刷新し、効率的で持続可能で強靭なエネルギーシステムを目指す。同国は、パリ協定において、GDP1シンガポールドル当たりの二酸化炭素排出量を2030年までに2005年比で36%削減しなければならない。そのため同計画では、エネルギー源の研究開発に留まらず、空調等建物のの省エネでも新技術開発を進めていく。  同計画で研究開発が進められる技術には、極めて低温の液化天然ガス(LNG)を建物や自動車等の冷却材として活用する「Cold Energy」技術や、天然ガスの燃焼エネルギー効率化につながる「液化酸素」なども含まれている。研究開発強化分野には、再生可能エネルギーも含まれている。リー・シェンロン首相は会合の中で、政府が定めた分野に企業も積極的に投資していくことを要請した。  RIE2020では、その他、先端製造業・エンジニアリング分野では3Dプリンティングや先端ロボット工学、医療・生物医学では糖尿病の遺伝性素因、サービス・デジタル経済分野では国家AIプログラム「AI.SG」などに取り組んでいく。 【参照ページ】New energy grid plan unveiled 【参照ページ】New grid system to manage energy use in S’pore

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【国際】G20、省エネ分野に民間投資を促進するための政策提言レポートを発表

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 G20省エネ・ファイナンス・タスクグループ(Energy Efficiency Finance Task Group:EEFTG)は5月4日、省エネ分野への投資を加速させるための政府政策課題を整理し提言をまとめたレポート「G20 Energy Efficiency Investment Toolkit(G20省エネ投資ツールキット)」を発表。G20加盟各国に対して、喫緊の国際課題である気候変動問題に対処する投資を加速するための制度整備を訴えた。EEFTGは、2009年のG8ラクイラ・サミットで組成された「IPEEC(国際省エネ協力パートナーシップ)」のもと、2015年3月に立ち上がったG20内のタスクグループ。EEFTGは、IPEECが2014年に定めた「G20省エネ・アクションプラン」を複数年単位で実現していくための会議体としての役割を果たしている。  EEFTGの共同議長国はフランスとメキシコ。またEEFTGにはG20のほとんど国が参加しているが、日本、イタリア、ブラジルは参加していない。G20以外ではアルゼンチンが参加している。今回の報告書は、EEFTGの3年間の検討の成果としてまとめられ、EEFTG事務局の他、IPEEC事務局、国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)、国際エネルギー機関(IEA)も作成に加わった。  同レポートの中でIEAは、G20諸国の経済では、建設、産業、輸送のエネルギー効率改善に、毎年2,210億米ドル(約25兆円)以上が投資されており、そのうち建設分野が半分を占めていると報告。国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)は、銀行、機関投資家、保険会社のそれぞれの分野の資金を省エネに投じていくための提言部分を担当し、G20諸国政府が自発的に参照すべき4つの内容をまとめた。 業種や地域毎の省エネ投資の現状の評価 G20諸国の省エネ投資に関する制度設計の優良事例を紹介。2015年に制定された「自発的省エネ投資原則(Voluntary Energy Efficiency Investment Principles)の導入国事例の紹介 民間の省エネ投資に資する優良な金融商品事例を紹介 国際開発金融機関や政府系金融機関が果たすべき役割を紹介  同レポートは、省エネ分野向け民間投資について、「Core」「Integrated」「Inefficient」の3つに分けて議論を展開している。Coreとは、再生可能エネルギー向けの投融資などエネルギー効率改善に直接資するもの。Integratedは、直接的な投資ではないが、投融資の中で国際的なエネルギー効率改善を考慮しているもの。レポートは世界全体の投融資のうち、Coreは数%、Integratedが約30%と試算。エネルギー効率が考慮されていない残りの60%を「Inefficient」と呼び、これを課題として捉えている。  省エネ民間投資の分野では、UNEP FIの主導で、機関投資家向けの「G20 Energy Efficient Investor Statement(G20省エネ投資家声明)」と銀行向けの「G20 Bank Statement on Energy Efficiency(G20省エネ銀行声明)」への署名を呼びかけている。G20省エネ投資家声明には、CalSTRS、AP1、AP2、AP3、AP4、AP6、アムンディ、Mirova、AVIVA Investors、AXA Investment Managersなど39の機関投資家(総運用資産額4兆米ドル)が署名。G20省エネ銀行声明には、BNPパリバ、INGグループ、ABNアムロ、クレディ・アグリコル、中国工商銀行など42ヶ国122行(総資産額110兆ドル)が署名している。日本勢については、日本政府がEEFTGに参加していないためか、三井住友トラスト・ホールディングスが「G20省エネ銀行声明」に署名しているのみ。 【参照ページ】G20 ENERGY EFFICIENCY INVESTMENT TOOLKIT HIGHLIGHTS US$ 221 BILLION INVESTMENT OPPORTUNITIES 【報告書】G20 Energy Efficiency Investment Toolkit 【原則】G20 Voluntary Energy Efficiency Investment Principles 【参照ページ】G20 ENERGY EFFICIENCY INVESTOR STATEMENT

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【アメリカ】コカ・コーラの最大手独立系ボトラー、WWFとの共同省エネプロジェクトを完了

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 米独立系ボトラー最大手のコカ・コーラ・ボトリング・コンソリデーティッド(以下CCBCC)は9月8日、バージニア州にある同社のロアノーク工場が、コカ・コーラとWWF(世界自然保護基金)が共同で取り組んでいた省エネ推進プロジェクト、"Top 10 Energy-Saving Challenge"(10個の省エネチャレンジを完了したと発表した。  これは、コカ・コーラ・システム(メーカーからボトラーまでコカ・コーラのバリューチェーンを担う一連の企業群)全体におけるCO2排出削減目標を達成するための取り組みの一環で、CCBCCのロアノーク工場は省エネの実践により2004年から12%のCO2排出量削減に成功したという。  コカ・コーラとWWFは、世界中に存在する850以上の工場の運営効率向上に向けたボトリング会社の支援を目的として2011年1月にこのEnergy-Saving Challengeを開始した。このチャレンジはボトラーに環境負荷の低減とコスト削減を同時に実現できる省エネの実践を促すものだ。ボトリングパートナーは2008年に気候変動目標を発表していた。これは、コカ・コーラが製造オペレーションにおいてシステム全体におけるCO2排出量を安定化させ、2015年までに先進国において5%のCO2排出削減を達成するためのものだ。  Energy-Saving Challengeを通じて、コカ・コーラとWWFは優先順位の高い10のプラクティスを定めた。これらのプラクティスが全てのボトリング工場で実行されれば、コカ・コーラのCO2排出削減目標の60〜70%を達成することができるという。  コカ・コーラとWWFが定めた10のプラクティスは以下の通り。 圧縮空気の漏れに関する定期的な調査と修復 すべての蒸気漏れに関する定期的な調査と修復 バルブを含め、すべての温冷パイプ断熱材に関する定期的な調査と修復 最小許容レベルに圧縮空気の圧力を低減 可能な限り圧縮空気ナイフの使用を控える プラントの照明を高効率のものに変える すべての空調フィルターを確認、凝縮器・蒸発器コイルを少なくとも年に一度洗浄、プログラム可能なサーモスタットを使用 復水器の復帰率が少なくとも75%になるよう確認 全ての制御システムがエネルギー消費量を削減するようにプログラムされていることを確認 社員研修/参加プログラムを実施  Energy-Saving Challengeはコカ・コーラとWWFが水の保全をグローバルで推進するために2007年から開始した広範なパートナーシップの一部で、活動の中には製造工場における水使用効率の工場から持続可能な農業の推進なども含まれる。  コカ・コーラはボトラーまでを含めると世界全体において広範なネットワークを形成しているだけに、1%の削減だったとしても、その取り組みが環境にもたらすインパクトは非常に大きい。引き続き全ての工場において同チャレンジが完了することに期待したい。 【参照リリース】Coca-Cola Bottling Co. Consolidated Successfully Completes “Top 10” Energy-Saving Challenge 【参考サイト】Coca-Cola and WWF partnership 【企業サイト】Coca-Cola Bottling Co. Consolidated 【団体サイト】WWF (※写真提供:NeydtStock / Shutterstock.com)

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【ランキング】BrandZ「最も価値のあるグローバルブランド トップ100」に学ぶ業界別の代表的サステナビリティ

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 市場において競争に勝ち抜いていくための競争。マーケティングの権威と言われるマイケル・ポーター・ハーバードビジネススクール教授は、競争戦略の基本として、コストリーダーシップと差別化を提唱し、その概念は今や広くビジネス界に浸透しています。差別化とは、提供する財・サービスを他社のそれとにはない「付加価値」をつけるということ。企業が多種多様な「付加価値」を提供することで競争力を獲得しようとしています。この「付加価値」のあり方は様々です。価格や製品・サービス特性という付加価値もあれば、温室効果ガス排出量が少ないなどといった環境配慮型の経営方針も、一つの付加価値と言えます。  サステナビリティと付加価値。植林活動などがサステナビリティの代表事例だと思われていた時代には、両者は無関係だと思われていましたが、今やこの二つは密接に結びついてきています。事実、サステナビリティ戦略の目的を「付加価値の獲得」としている企業は多く、その戦略の策定に「クライアント・消費者」が最も影響を及ぼしていると認識されていることが、EY新日本サステナビリティ社とGreenzbiz社の合同調査によって明らかにされています。  「消費者」からの視点から、世界のブランドをランキングした代表的なものに、Millward Brown社が発表している“BrandZ Top100 Most Valuable Global Brands (最も価値のあるグローバルブランド トップ100)”があります。世界中の企業のブランド力を定量化しランキングにしたものであるため、マーケティング専門家の間では広く認知されています。今回はこのランキングで上位に入った企業がどのようにサステナビリティ戦略と「付加価値」を結びつけようとしているのか、その実態に迫ります。 (Millward Brown社の発表を元にニューラル作成) BrandZ 業界別上位企業とその対応 アパレル 自動車 ラグジュアリー トイレタリー 小売 ビール ファストフード ソフトドリンク 金融(銀行・保険) 石油・ガス テクノロジー 通信 アパレル (Millward Brown社の発表を元にニューラル作成)  消費者にとって情報を得るチャネルは、店舗だけでなくオンライン検索にまで拡大しました。消費者は、かつてないほどの膨大な情報を収集し、数ある商品の中から自分が最も価値を感じるものを選ぶようになってきています。上位を獲得した企業は、自らが選ばれるための付加価値のひとつとして、サステナビリティの分野でも凌ぎを削っています。  アパレル業界の主なサステナビリティ戦略は大きく分けて2つです。 サプライチェーンの改善 衣服に使われる資源のサステナビリティ向上  例えば、サプライチェーン改善のために、ナイキはサステナビリティの分野への関心が高く、長期的良好関係を築けるサプライヤーに調達先を限定しています。また、H&MはILO(国際労働機関)の定める国際労働基準および国連児童権利条約に基づいてCode of Conductを作成し、日々サプライヤー工場を訪問し、親密な関係を構築しています。(※1)さらに、これら2社だけでなくユニクロブランドを持つファーストリテイリングも2020年までに自社製品の製造工程すべてにおいて有害化科学物質を全廃することを約束しており、サプライチェーン改善に取り組んでいます。(※2)  資源のサステナビリティ向上の分野では、H&MはBetter Cotton Initiative(コットンのサステナビリティ向上に取り組む国際NPO)の活動に積極的に取り組んでいます。同社は2010年時点でオーガニックコットンを世界で最も多く利用した企業となり、2020年までに持続可能なコットンの調達を100%にするという目標を掲げています。2013年時点での進捗は15.8%で、毎年着実に比率を高めています。  ナイキのCSO(最高サステナビリティ責任者)・H&M担当社へのインタビューの詳細は以下をご覧ください 【アメリカ】ナイキが語る「サステナビリティ」と「イノベーション」 【スウェーデン】H&Mの考えるサステナビリティとファッション 自動車 (Millward Brown社の発表を元にニューラル作成)  自動車の売上高は、米国や中国では好調なものの、ヨーロッパの経済低迷が尾を引き、不況前の水準には戻っていません。また、各自動車の製品クオリティは全体的に向上している一方、ブランドとしての差別化は徐々に難しくなってきています。  自動車業界の主なサステナビリティ活動は大きく分けて2つです。 製品性能の改善 サプライチェーンの改善  現在、自動車メーカー各社は、エンジンの性能の向上に努めており、稼働効率や温室効果ガス排出量ともに以前と比べ改善されてきています。しかしながら、排ガス規制や燃費向上に関する規制は年々厳しくなっており、製造工程も含めたサプライチェーン全体での取組が求められるなど、社会からの要求レベルは上がっています。実際、気候変動対策の情報開示を求める機関投資家らによる国際イニシアチブのCDPが発表している報告書では、(1)自動車の走行中の温室効果ガス排出量、(2)次世代車両技術への取り組み、(3)製造時の温室効果ガス排出量 の3つの基準で各社が評価付けされています。(※3)  また、自動車メーカーにおけるサプライチェーン改善には、製造工程で発生する温室効果ガスの削減だけでなく、サプライチェーン上の人権問題も関わります。例えば、トヨタやフォードはガイドライン(The Automotive Industry Guiding Principles to Enhance Sustainability in the Supply Chain)を策定しています。同ガイドラインはサプライチェーン全体を通じて、社会、環境面の改善に取り組み、持続可能な形で成長を実現していくという高い基準のコミットメントを明確に示しており、特に倫理・環境・人権・労働に焦点が当てられています。(※4)  自動車業界各社が上記のような活動を行う中、特にBMWはBrandZの自動車業界で2位にランクインするだけでなく、ダボス会議で発表されている「世界で最も持続可能性のある企業100」でも総合6位を獲得するなど、サステナビリティの分野においても先進的企業だといえます。活動内容としては前述のものに加えて、ドイツのハンブルグ市の交通インフラに関するサステナビリティ向上プロジェクト(※5)や、アルミニウムのバリューチェーン全体におけるサステナビリティ向上を目的とする国際イニシアチブなどに参画しており(※6)、自社の事業に関わるサステナビリティ分野で広くリーダーシップを発揮していることが伺えます。 ラグジュアリー (Millward Brown社の発表を元にニューラル作成)  ラグジュアリー業界は中国やブラジル、ロシアなどの景気停滞を受けて、ほとんどのブランドがブランド価値を下げる結果となりました。特に中国の影響は大きく、売上の1/3をアジア・パシフィック地域が占めているプラダなどは前年比で大きく収益やブランド価値を下げています。  さらに、ミレニアル世代はラグジュアリーブランドを「高い」と感じており、謙虚でサステナブルな生活を望む彼らのニーズに合致しづらくもなっています。MSL Groupの調査結果によると、ミレニアル世代の多くは、企業に対し消費者が社会的な課題に関われるようにしてくれることを望んでいることがわかっています。  ラグジュアリーブランドが全ての客層をターゲットにしているわけではないとはいえ、ミレニアル世代の経済圏は決して無視できるものではなく、サステナビリティ活動が新たな活路になることも考えられます。  そのようなラグジュアリー業界において、中心となっているサステナビリティ活動はサプライチェーンの改善です。例えば、グッチを抱えるファッション・コングロマリットのケリングは、自社およびグループ全体のサプライチェーンにおける環境への影響を計測し、金銭的な価値に置き換える自然資本会計を導入しています。(※7)それにより事業活動に対する理解を深め、環境負荷を減らすだけでなく原材料の調達リスクを含めたサプライチェーンの変化に対応することを可能にしています。  他にもジュエリーを取り扱うティファニーは、CSO(最高サステナビリティ責任者)を設置するだけでなく(※8)、ダイヤモンド産出国への積極的な投資によりサプライチェーンの健全性を維持する傍らで現地雇用の創出、スキルトレーニングなどを通じて地域経済にも貢献しています。同社はジュエリー業界の中でも珍しくダイヤモンドや貴金属を供給する鉱山の多くと直接取引を行っており、2013年には100%のダイヤモンド原石の調達を自社の目が行き届く採掘場所から行うことを実現しました。(※9)  一方で、ルイヴィトンをはじめ数多くのラグジュアリーブランドを抱えるLVMHグループやエルメスは、大手アパレル企業がサプライチェーン上で講じている有害物質除去・水質汚染対策の取り組み状況を評価した、グリーンピース・イースト・アジア公表のオンラインプラットフォーム「Detox Catwalk」で、コミットメント不足という評価をされてしまっています。(※10) トイレタリー (Millward Brown社の発表を元にニューラル作成)  トイレタリー業界のグローバル大手は、製品性能そのものだけでなく、消費者および従業員の幸福といったサステナビリティ活動に本格的に取り組み始めています。  この理由は消費者の目が成熟してきていること、ミレニアル世代の存在、ソーシャルメディアの影響力の高まり等様々ですが、より崇高なビジョンを掲げることが製品の差別化に繋がっていると言えるでしょう。  そのためブランド各社、これまで理想像とされてきた美ではなく、健康やナチュラルさ、内なる美などを強調するようにもなってきています。消費者の選択性が強くなっていることや中国・ブラジルの成長鈍化などを受け、業界全体のブランド価値は昨年比2%しか伸びていませんが、消費者の目が成熟していることはサステナビリティ展開の追い風となると言えるでしょう。  トイレタリー業界は市場ニーズも相まってサステナビリティ活動が多岐にわたっています。 サプライチェーン改善 ダイバーシティの尊重 再生可能な原料の利用 再生可能エネルギーの利用 温室効果ガス削減 サーキュラーエコノミーの推進(廃棄物ゼロ&リサイクル) コミュニティ支援  例えば、ロレアルはSharing beauty with allというプロジェクトを実施し、全サプライヤーを社会・環境面での実績で評価することを宣言。結果として2014年末には2004年比で57%ものCO2削減に成功しています。また同プロジェクトでは再生可能エネルギーにも取り組んでおり、2020年の目標達成に向けて邁進しています。(※11)また、障がい者採用も積極的に行っており、社会に対して新たな機会を創出しています。(※12)CSR担当者向けITツールも積極導入しサステナビリティレポート作成に取り組んでいます。(※13)  「ダブ」ブランドの商品を持つユニリーバは、サステナビリティ戦略を積極展開していることで世界的に有名です。2010年にUnilever Sustainable Living Planというプロジェクトを開始、2020年までにビジネス規模を2倍にしながら環境負荷を減らし、社会にポジティブインパクトをもたらすことを目指しています。その達成に向けて同社は、サプライヤーやコミュニティの支援、貧困の撲滅に取り組むべくNGOと協力し気候変動への対応を呼びかけるキャンペーンや、リサイクル促進のために消費者家族に向けたキャンペーンを展開しています。  2015年現在、ユニリーバが調達する農作物原材料の55%以上は持続可能な形で調達されており、2020年までに100%持続可能な調達を実現するという目標を半分以上到達しています。さらに、同社は工場ネットワーク全体で非有害廃棄物の埋め立てをゼロにするという目標を達成したほか、2008年と比較して製造時にエネルギーから生まれるCO2排出量と水消費量をそれぞれ1トンあたり37%、32%削減することにも成功しています。(※14)  こうした試みもあって、サステナビリティ分野のアドボカシーNPOのセリーズが5月に発表した大手食品会社らの水リスク対応力を評価したランキングでユニリーバは1位を獲得したほか(※15)、国際NGOのオックスファムが3月に公表した大手食品・飲料企業10社の食糧課題・サステナビリティへの取り組み状況を評価したランキングにおいても1位、サステナビリティ分野のコンサルティング企業のSustainly社に公表した「ソーシャルメディア・サステナビリティ・インデックス」でも1位を獲得しています。(※16)  ユニリーバが全業界的に先進的であるために、同業者でサステナビリティ活動に遅れをとっている企業は何から始めればいいかを戸惑うかもしれません。そういった場合、まずはサプライチェーンの改善から取り組むべきだと言えます。サプライチェーンの見直しは、リスク管理になるだけでなく業務効率の向上も期待できるため、部門を超えて理解が得やすく、また数値的な効果も比較的見えやすいからです。  ユニリーバCEO、副社長そして、「ニベア」ブランドを持つバイヤスドルフ社のCorporate Communications & Sustainabilityを統括する副社長へのインタビューの詳細は以下をご覧ください 【イギリス】ユニリーバのCEOが語るサステナビリティへのコミットメント 【イギリス】サステナビリティ目標の達成に向けてユニリーバが導入した新たな仕組みとは? 【ドイツ】世界を代表するスキンケアブランド「NIVEA(ニベア)」を支えるサステナビリティ戦略 小売 (Millward Brown社の発表を元にニューラル作成)  Alibabaの登場により、業界全体のブランド価値が急成長しているのが小売業界です。興味深いことに業界トップを走る二社はどちらもeコマースであり、実店舗を持っている企業ではありません。以前は価格、選択の幅、利便性のそれぞれがトレードオフであったものの、現在はこれらのeコマースを通し全ての便益を享受できるようになりました。来る高齢社会に向けてeコマースの存在は必要不可欠なものとなっていくでしょう。  小売業界の主なサステナビリティ活動は次の3つです。 再生可能エネルギーの利用 再生可能な材料の利用 サプライチェーン改善  たとえば、アマゾンは国際NGOのGreenpeaceによる抗議活動を受けて、昨年11月にクラウドサービス部門、AWS(Amazon Web Service:アマゾン・ウェブ・サービス)に使用する電力を100%再生可能エネルギーで調達するという誓約を発表し、大きな一歩を踏み出しました。(※17)しかし、その透明性については疑問視されており、風力発電によって生み出された100メガワットの電力を購入する計画を発表したものの、AWSがいまだ再生可能エネルギー比率が2%しかなく、これからの取組みに期待が寄せられます。(※18)  他にも、サステナビリティ先進企業として知られるIKEAは、自社および自社製品のサステナビリティ向上を通じて消費者の毎日の生活をより持続可能なものにするというビジョンの下、再生可能エネルギー投資を加速しており、その具現化が進んでいます。(※19) また同社は、LED技術を活用した省エネの追求やリサイクル可能な材料を利用することで、自社製品のサステナビリティを担保しつつ、手頃な価格を維持しています。(※20)  同じく実店舗を保有するウォルマートも、サプライヤーと協働によりサステナブル素材でできた商品の開発をしています。(※21)それだけにとどまらず、3月にサステナブルな商品だけを集めたオンラインショップを開設し、より一層の意気込みを見せています。(※22) ウォルマート会長へのインタビューの詳細は以下をご覧ください 【アメリカ】「消費者はサステナビリティのためにより多くを支払うか?」に対するウォルマート会長の答え ビール (Millward Brown社の発表を元にニューラル作成)  中国と南米の消費量の増大により、消費者からのブランド価値が向上しています。ミレニアル世代はビールの味において、間違いのないものよりも新感覚を欲しており、ビールメーカー各社はブランド内の商品ラインナップの拡充や、他社買収・ブランド開発による新ブランドの確立などの対応を迫られています。  それぞれのビールブランドには固有のアイデンティティーがありますが、時折クラフトビールの方がメジャーブランド以上に巧みなストーリーテリングでアイデンティティーの確立に成功しています。  そういったストーリーテリングとしての役割をも果たすのがサステナビリティ活動です。ビール業界が主に展開しているのは次の2つです。 サプライチェーンの改善 水の利用効率の改善  例えばハイネケンはストーリーテリングを通して同社のサステナビリティに対する取り組みをより多くの消費者に知ってもらおうと、ソーシャルメディアなどを活用したユニークなデジタルキャンペーンを展開しています。同社は2020年までに主要な原材料の50%を持続可能な調達にすることを宣言しているほか、新興国の水のサステナビリティに向けてUNIDO(国連工業開発機関)と協働で解決に取り組んでいます。(※23) 実際にハイネケンが行っているストーリーテリングの詳細は以下をご覧ください 【オランダ】ハイネケンが仕掛けるユニークなデジタル・サステナビリティ・ストーリーテリング ファストフード (Millward Brown社の発表を元にニューラル作成)  マクドナルドの事件を受け、食の安全への関心が一層の高まりを見せています。ヘルシーかどうか、サプライチェーンは倫理的か、環境への責任を考えているか、そういった関心ある消費者にとってファストフードは不充分だと感じられてきています。  消費者の期待に応えるため、ファストフード企業各社も材料の調達からメニュー、店舗での経験価値を検討し直しています。ファストフード業界の主なサステナビリティ活動は次の3つです。 サプライチェーンの改善 コミュニティ支援 ダイバーシティ  例えば、食の安全性に関する事件に揺れたマクドナルドは、今年3月に抗生物質を使用していない鶏肉のみの調達、rbSTと呼ばれる人工成長ホルモンが投与されていない牛の低脂肪ホワイトミルクと無脂肪チョコレートミルクを提供など、原材調達に関する新たな方針を発表しています。(※24)  他にもスターバックスは、CSRを単独の行動ではなく企業のDNAそのものとしており、水不足に対処するため水の供給源をカリフォルニア州からペンシルヴァニア州に変更するなど節水に取り組んでいます。(※25)また恵まれない若者を対象に就業プログラムを提供するなど地域コミュニティにも貢献しています。  ダイバーシティに関しても退役軍人を採用するだけでなく、アメリカ国内で白人警官による黒人射殺事件が発生した際には、顧客に手渡すカップに “Race Together”というメッセージを書き、消費者間における人種問題についての会話を促すキャンペーンも実施しています。(※26)  さらに、対内的には従業員の学位取得プログラムの学費の全額をスターバックス社が負担するなど従業員にも細やかな対応が見られます。(※27) ソフトドリンク (Millward Brown社の発表を元にニューラル作成)  消費者が人工甘味料を避けるようになり、ダイエットコークやエナジードリンクの消費量はあまり増えていません。長きにわたりコーラが人気であった中国やインド、メキシコ市場にも健康や肥満への問題認識が高まってきています。市場ニーズに応え、メジャーブランドは商品ラインナップの拡充や製品工場の見直し、生産工程におけるカーボンニュートラルなどに取り組み始めています。  ソフトドリンク業界が主に行っているサステナビリティ活動は次の2つです。 水の利用効率の改善 コミュニティ支援  たとえば最大手のコカ・コーラは2020年までの水資源保護目標を掲げ、進捗状況を公開しています。(※28)同社は世界自然保護基金(WWF)とパートナーシップを締結し、この水資源保護にグローバルに取り組んでいます。(※29)  また同社の持つロジスティクスを活かし、「100万人の就学児童に安全な飲料水を届ける」というプロジェクトも展開。(※30)それだけでなく医療インフラが整っていない地域に住む人々に対して、自社の物流やサプライチェーンを活用して医薬品や医療用品を届ける「ラストマイル・プロジェクト」をも展開し地域コミュニティの支援にも貢献しています。  さらに技術革新により世界初の100%植物性由来のペットボトルを開発することにも成功し、環境・社会面への正の影響の向上、食品の安全性に対する悪影響の回避というコカ・コーラの基本原則の下、強固なブランドを築き上げています。(※31)  コカ・コーラの地域コミュニティ支援の詳細は以下をご覧ください 【アフリカ】コカ・コーラ、アフリカで医薬品を供給する「ラストマイル・プロジェクト」を10ヶ国へ拡大 【アラブ首長国連邦】1ヶ月で200万人が視聴。コカコーラが始めた新キャンペーン”Hello Happiness” 金融(銀行・保険) (Millward Brown社の発表を元にニューラル作成)  グローバルに展開する銀行は、世界を不況に陥れたことが明らかになり、依然として社会から厳しい目で見られています。他方、ローカルに展開する銀行は、世界的な金融危機の際に、悪事に加担していないとみられたことからグローバルバンクと比べて社会的信用力が高いとされており、現在業界全体での成長性はローカル銀行の方が高くなっています。  また、保険業界は、提供するサービスのコモディティ化を避ける取り組みを展開しています。また、中国では生命保険は急成長している業態で、中国の保険会社らが牽引し業界全体での成長率は高くなっています。  金融業界が長期的な視点に基づく投資として主に取り組んでいるサステナビリティ活動は以下の3つです。 ESG投資 グリーンボンド リスク管理  ESG投資としてはUNPRI(国連投資原則)に署名し、今まで特殊な資産運形態とみなされていたESGを、通常のアセット運用でもリスク管理のひとつに加えていく動きが加速しています。また、気候変動の原因となる温室効果ガスの主たる排出元セクターに対する投資を長期的な観点からリスクと認識し、再生可能エネルギーファンドへの出資も大きなトレンドです。  グリーンボンドの発行分野では、例えば、モルガン・スタンレーは昨年10億円規模のグリーンボンド案件に関わるなどで貢献しています。(※32)  またリスク管理としては、ERP(統合リスク管理)やバーゼルⅢで検討されている銀行の資産健全性の強化などが挙げられます。  ESG投資に関する詳細は以下をご覧ください。 【金融】世界と日本のSRI・ESG投資最前線 石油・ガス (Millward Brown社の発表を元にニューラル作成)  アメリカのシェールガス革命や中国の景気の減速を受けて原油価格が低下したため、上流ビジネスである石油の採掘は控えられるようになっています。このような事態を受けて業界各社は、比較的利益率の低い下流ビジネスの製油所やガソリンスタンドの見直しに注力する結果となりました。  資源が直接収益に繋がる石油・ガス業界が主に取り組んでいるサステナビリティ活動は温室効果ガス排出量の削減です。  たとえば英国エネルギー大手のBPは4月の年次総会で低炭素経済の実現に向けた事業の変革を促すための株主提案であるResolution 25を可決しました。この決議案の中には、温室効果ガス排出削減マネジメントによりCDPのパフォーマンスバンドでA評価を獲得することや、ポスト2035シナリオに向けたアセットポートフォリオのレジリエンス強化、低炭素エネルギーのR&Dや投資戦略策定などが含まれています。(※33) テクノロジー(消費者・法人向け) (Millward Brown社の発表を元にニューラル作成)  テクノロジー業界は、競争と移り変わりが激しく、それぞれのブランドにとって消費者を安心させロイヤリティを高めることがより重要となってきます。BrandZ総合ランキングのトップ4は全てテクノロジー企業が占めており、その影響力の高さが伺えます。  テクノロジー業界はそれぞれの企業の提供しているサービスが多岐にわたりそれぞれの企業が強みを活かしたサステナビリティ活動を展開していますが、主なものは次の3つです。 サプライチェーン改善 再生可能エネルギー ビッグデータを活用したサステナビリティ活動のサポート  例えば、アップルはサプライヤー19カ国633施設での監査及び3万人の従業員に電話インタビューを実施し、サプライヤー規範に則したサプライヤーのみと契約を継続しています。実際2014年時点で規範に違反する18社との契約を解除しています。(※34)それだけでなく、同社は初めて有害物質のポリ塩化ビニル(PVC)と臭素化難燃剤(BFRs)を外部ケーブルも含む全製品から取り除いた企業でもあります。(※35)  また、同社は国際NGOのGreenpeaceの抗議活動を受けて再生可能エネルギーへの投資も行っており、太陽光発電所や再生可能エネルギー100%のデータセンターの建設などが進められています。(※36)アップルに並び業界を代表するグーグルも風力発電ファンドを組成し、再生可能エネルギーへの投資を進めており、グリーンインターネット化が推進されています。(※37)  SAPはToyota Info Technology Center USA、VeriFoneと共同でドライバーのガソリンスタンド探しをシンプルにするプロジェクトを推進し、無駄なエネルギー消費の削減に取り組んでいます。これら3社はそれぞれの技術を活かし、車両の位置やルート、燃料レベルなどの情報収集、POSソリューション、テレマティックスデータを統合しソリューションを提供しています。(※38)  IBMは食品大手のMarsと提携しグローバルサプライチェーンにおける食の安全の確保に取り組んでいます。(※39)同じく食に関わるものとしては農業のサステナビリティ向上のためにビッグデータ解析ソリューションを提供もしています。(※40)さらには、市民一人一人から寄付されたコンピュータの空き容量を集め、仮想スーパーコンピュータを創りだし、科学者に気候変動関連オープンデータ分析のために無料で提供するといったプロジェクトのコーディネートも行っており、自社の強みをサステナビリティに活かす好事例といえるでしょう。(※41)  これらテクノロジー企業を代表するアップルの環境イニシアチブ担当副社長、SAPのサステナビリティ責任者へのインタビューおよびオラクルのサステナビリティ戦略に興味のある方は以下をご覧ください。 【アメリカ】アップルはどのようにサステナビリティ先進企業になったのか? 【アメリカ】SAPのサステナビリティ責任者が語る、統合報告とサステナビリティ戦略 【アメリカ】オラクルのサステナビリティ戦略 通信 (Millward Brown社の発表を元にニューラル作成)  中国やインドでのスマートフォン利用者の拡大を受けて、通信業界では巨大市場を押さえるためのM&A等が進んでいます。またIoTへのインフラ投資といった将来への投資機会にも恵まれています。一方でインターネット・プロバイダーがネット回線での通話を可能にするなど新たな競合の参入という事態にも直面しています。  そのような通信業界が主に取り組んでいるサステナビリティ活動はエネルギー利用効率の改善です。  たとえばAT&Tはエネルギー効率化や省エネを目指しIoTを推進しています。しかし一方でIoTの進展は、電子廃棄物の増加という新たな問題を生むことを危惧されてもいるのも事実です。(※42)また同社は、ダイバーシティの促進に積極的なことでも知られ、ダイバーシティがビジネスにもたらす利益について周知することを目的とする組織DiversityIncからも、ダイバーシティへの取り組みに積極的な上位50社に選ばれ、見事トップ10入りを果たしています。(※43)  他にもVerizonはアメリカ国内において教育水準の低い24の地域の教師に対し、モバイル通信記述を活用した教育メソッドを提供し、地域コミュニティに貢献しています。(※44) 総論  今回のBrandZのランキングは中国の景気減速を示しつつも、中国企業の台頭を明確に示すものとなりました。市場のグローバル化に伴い、新興国企業がグローバル市場での新たなプレーヤーとして登場するなど、今後製品性能や価格戦略による差別化はますます厳しさを増していきます。  その中、BrandZに選定されている企業の投資パフォーマンスは2006年からの10年間で102.6%上昇しています。これはS&P 500の63%、MSCIの30.3%よりはるかに高く、消費者視点でのブランドがいかに企業にとって重要なものかを物語っています。  そのBrandZにランクインする各業界トップ企業のサステナビリティ戦略を参考にすることで、より現実的な路線でそれぞれの企業が自社の事業領域の中でどのように責任を負い、またその責任を全うするためにどのような行動をしていくべきかが見えてくるでしょう。

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2015/06/18 体系的に学ぶ

【中国】CNPC、2014年度社会責任報告を発表。エコ企業を目指す

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 中国石油天然気集団(CNPC)は4月27日、2014年度の社会責任報告を発表した。CNPCは、2014年度において資産総額が39,384億元に達し、規模として世界の石油企業ランキングの中で第3位となり、フォーチュン500でも4位に位置する巨大企業。同社の周吉平・会長は、報告書の中で「CNPCは経済、環境、社会の三つの責任の上に立ち、グリーン企業へと転換し、さらに富の創造力、ブランド影響力、社会感化力において高次元の企業を目指している」と語った。 環境負荷の少ない天然ガス開発に注力  化石燃料が当面の主力エネルギー源となる中、CNPCは汚染物質の少ない天然ガスの開発を強化する。CNPCは中国の最大手の天然ガス供給企業として、今後中国大陸に広く天然ガスを供給していけるようパイプライン網をさらに整備していく。また、採掘が比較的容易な在来型天然ガスの採掘量が減少してくのに伴い、シェールガス、タイトガス、コールベッドメタン(炭層ガス)などの非在来型天然ガスの採掘を進めていく。すでにタイトガスの採掘はCNPCが生産する天然ガス量の28%に及んでいるが、さらに今回四川省長寧市に「タイトオイルR&Dセンター」を設立し体制を強化する。低ランク炭層のコールベッドメタンの探査・開発技術もブレイクスルーを迎え、2014年には5億立方メートル規模のプラントも順調に建設が進んでいる。 省エネと排出削減によって、生態環境保護を推進  CNPCは、中石油は、グリーン企業へと転換していく中でとりわけ省エネと環境保護に注力している。2014年には、大規模な生産プロセスの見直しを行い、重大な環境汚染や生態系破壊事故をゼロとし、エネルギー消費量を標準炭126万トン削減、水の削減量も2,462万立方メートルにのぼった。環境保護の分野では、中国の環境法の根幹をなす概念「三同時制度」(設計、施工、運用の全ての面において環境アセスメントや環境モニタリングを実施する制度)を全ての生産工程について導入した。 水資源管理がテーマとして独立  2014年の報告書からは、水資源管理が重要テーマとして項目が独立化した。水資源管理の分野では、水消費量削減と水汚染の防止、特に水循環サイクルの維持と淡水消費量削減を重点的に実施した。具体的な施策としては、採掘時に飛散する原油、油井洗浄時の油汚染水、採掘汚染水などを水と油に分離し、油は回収、水は地層に戻すプロセスを徹底することで、地下水や地表水の汚染防止を行った。結果、油汚染水の処理率は97.7%、地層への戻し率は93.8%にも達した。中には、汚染水処理率100%を達成したプラントもあった。  中国の膨大なエネルギー需要の伸びは今後も大きく続く見込みの中、サステナビリティに向けた中国エネルギー企業の自助努力は社会にとって欠かせない。再生可能エネルギーを推進する立場の方々から見ると、CNPCが石炭から天然ガスにシフトしようとしている姿は生ぬるいと映るかもしれないが、大気汚染物質の少ない天然ガスへの移行は、中国や周辺諸国の公害対策としては一歩前進といえる。エネルギー消費量や水の消費量の削減にも積極的に取り組む姿勢は、むしろ高評価と言えるだろう。 【企業サイト】CNPC

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【アメリカ】Colgate-Palmolive、環境保護庁からEnergy Star大賞を受賞

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米環境保護庁が推進している環境保護プログラム「Energy Star」。温室効果ガス削減のためにエネルギー効率を上げる取り組みを進めるための認証制度や情報交換を行っており、加盟企業・団体は16,000にも及ぶ。米環境保護庁は、毎年最も「Energy Star」に貢献した企業を表彰しており、2014年の受賞者となったのは、消費財メーカー大手のColgate-Palmolive社だ。Colgate-Palmoliveは日本ではあまり知名度がないかもしれないが、日本国外のスーパーマーケットで歯磨き粉のコーナーに行くと、Colgateブランドの歯磨き粉がすぐに目に飛び込んでくるはずだ。ColgateはJohnson&JohnsonやP&Gと並ぶ、アメリカを代表する消費財メーカー。同社が、今回の受賞に至った背景には、2003年から進めてきたエネルギー効率向上プログラムがある。グローバル・エネルギー削減チームを立ち上げ、Energy Starが提唱するガイドラインに基づき、製造ラインで使用されるエネルギー量を26%も削減させてきた。日本やヨーロッパが法整備によって環境規制を強める中、アメリカ政府は市場メカニズムを使って企業の自発的な取り組みを評価する手法をとっている。【団体サイト】The U.S. Environmental Protection Agency

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