private 【日本】環境省、カーボンプライシングのあり方に関する検討会の最終報告書公表

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 環境省は3月15日、2017年6月に設置した「カーボンプライシングのあり方に関する検討会」の取りまとめ報告書を公表した。二酸化炭素排出量の長期的な大幅削減は、現行施策の延長線上では極めて難しく、カーボンプライシング(炭素価格)を導入すべきと結論付けた。今回の検討会報告を受け、環境省はカーボンプライシング導入に向け省内外での調整に入る。  カーボンプライシングは、炭素税や二酸化炭素排出権取引制度を通じ、二酸化炭素排出に課税し削減に経済的メリットを付与する制度。同報告書によると、カーボンプライシング導入国はすでに42ヶ国あり、今後導入を計画している国は88ヶ国と世界の半数に達する勢い。日本政府も (more…)

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【シンガポール】政府、大規模温室効果ガス事業者に炭素税を課す計画発表。化学メーカーが主な対象

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 シンガポールのヘン・スイキャット財相は2月20日、国会での2017年度予算案報告の中で、2019年から炭素税を導入する計画を明らかにした。炭素税は、発電所や化学メーカーなど大規模排出者である企業を対象に課税される予定。シンガポールには多くの化学メーカーが立地しており、シンガポールは同国の二酸化炭素排出量削減目標である2030年までに2005年比36%削減のため、産業界に対して排出量削減圧力をかける考えだ。  シンガポールは1960年代に税優遇制度を設け、欧米や日本の石油関連企業の誘致に成功しており、各製油所合計で1日あたり150万バレルの原油処理能力を持つ。炭素税は、温室効果ガス排出量1t当たり10シンガポールドル(約800円)から20シンガポールドル(約1,600円)の見込み。政府は、炭素税課税により製油所運営費用は1バレル当たり5シンガポールドル(約400円)から10シンガポールドル(約800円)上昇すると見立てている。  財相の発表によると、年間25,000t以上の温室効果ガスを排出している企業が課税対象となる。これによりシンガポールに拠点を置く40社が対象となると見られている。シンガポールの石油関連産業は、中国企業との激しい価格競争にさらされているが、今回シンガポール政府は、産業政策よりも気候変動対策を最優先する構えだ。炭素税計画についてのパブリックコメントの募集は3月に実施する。  さらにヘン財相は、気候変動対策として、自動車分野の新たな税制についても明らかにした。まず、ディーゼル税の仕組みを改める。従来のディーゼル税は、ディーゼル車の購入時に一括課税されていたが、ディーゼル燃料購入時の重量課税方式に変える。税額はディーゼル1リットル当たり0.1シンガポールドル(約8円)で、自動車ディーゼル、工業ディーゼル、バイオディーゼル燃料のディーゼル分など全てが対象。2月20日から即日発効した。従来のディーゼル車両税は同時に廃止される。車両税から燃料税に改めることで、ディーゼル車所持者に消費量削減インセンティブを与える。  また2013年に導入された、自動車の温室効果ガス排出量の少なさに応じ自動車税を払い戻す「排ガス量に基づく車両計画(CEVS)」を2017年12月31日まで延長するとともに、2018年1月1日からはさらに温室効果ガス排出物質として4物質を追加する新制度「車両排出計画(VES)」に切り替える。  同じく2013年に導入された、旧式ディーゼル商用車保有者の新型車両への買い換え時に登録料の割引や車両購入件(COE)の入札免除などの特典が受けられる制度「Early Turnover Scheme(ETS)」の適用期限が2017年7月31日に切れるが、EU基準のユーロ2及びユーロ3車両からユーロ4車両に切り替える保有者に対しては適用を2019年7月31日まで2年間延長する。これにより27,000台が適用延長対象となる見込みだ。 【参考ページ】Singapore Budget 2017: 6 things to know about the new carbon tax, tweaked vehicle emissions schemes 【参考ページ】Singapore carbon tax set to squeeze oil groups

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【カナダ】アルバータ州政府、石炭火力発電所停止を電力会社3社との間で合意

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 カナダのアルバータ州政府は11月24日、同州に石炭火力発電所を有する電力会社Capital Power Corp、TransAlta、ATCOの3社との間で、石炭火力発電所を早期停止させるとともに、その補償として来年から2030年まで毎年9,700万カナダドル(約83億円)を支払うことで合意に至ったと発表した。これにより、同州で現在稼働中の石炭火力発電所18基のうち6基が早期に停止することが決まった。  アルバート州政府は昨年、気候変動対策として、同州内で稼働する全ての石炭火力発電所に対し、2030年までの運転停止もしくは天然ガス火力発電所へ転換を義務化した。電力会社はこれに一斉に反発し裁判所へ提訴。アルバート州政府は、根気強く説得を続け、今回3社との間で補償金額と訴訟の取り下げで合意に達した。同州にはこれ以外にも他の電力会社が運営する石炭火力発電所が12基あるが、政府は交渉を続けている。  アルバート州は補償金額の財源として、州政府として新たに導入した炭素税(カーボンプライシング)を活用する方針。 【参照ページ】Alberta to pay three power companies $1.36 billion to shut their coal-fired plants early 【政府サイト】Phasing out coal pollution

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【カナダ】トルドー首相、2018年にカナダ全土で炭素税を導入すると宣言

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 カナダのトルドー首相は10月3日、2018年にカナダ全土で炭素税を導入するとカナダ国会での答弁で宣言した。複数紙が一斉に報じた。炭素税とは、気候変動を引き起こす二酸化炭素の排出に課税する税。現在カナダ国会では、気候変動枠組条約(COP21)パリ協定の批准審議が行われており、カナダ国会は間もなく批准する見込み。トルドー首相は国会審議の場で、カナダの全州及び全準州の地方政府は、二酸化炭素排出者に対し1トン当たり最低でも10カナダドル(約770円)の直接税を課しか、もしくは「キャップ・アンド・トレード」型の排出権取引制度を開始することになると言明した。トルドー首相は背景について、気候変動抑止が国際合意であり、すぐにでも対処しなければならないことだと説明した。 【参考】トルドー首相、カーボンプライシング導入の意向を発表。複数州は導入に反対(2016年8月8日)  炭素税の導入については、州政府から反対の意見も出ているが、トルドー首相は連邦政府主導で強行突破する構えだ。首相は、炭素税導入もしくは「キャップ・アンド・トレード」型排出権取引制度のいずれも導入しない州及び準州に対しては、連邦政府が替わって1トン当たり10カナダドル(約770円)の炭素税を課し、2022年まで毎年10カナダドルずつ増税していく考えを示した。人口の多いオンタリオ州やケベック州ではキャップ・アンド・トレード」型の排出権取引制度を整備する考えで、ブリティッシュ・コロンビア州はすでに炭素税を導入している。一方、化石燃料生産地のアルバータ州は、すでに炭素税を導入する計画を進めているが、トルドー首相が宣言する価格は高すぎると反発している。同じく化石燃料生産地であるサスカチュワン州の州首相は、今回の発表は連邦政府の一方的な決定であり、州政府との協力を蔑ろにしていると大きく非難の声を上げている。 【参照ページ】Trudeau says Canada to implement carbon tax    

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【国際】炭素価格の設定に向け、国家や企業リーダーらが過去大規模の連携へ

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 世界銀行は10月19日、気候変動対策の肝となる世界規模の適正なカーボン・プライシング(炭素価格付け)に向けて、国家や都市・州、大手企業のリーダーらによる史上最大規模の連携が実現したと発表した。連携を呼びかけたのは世界銀行のカーボン・プライシング・パネルで、各国や企業のリーダーらはパリで行われる国際気候変動会議に先立ち更なる迅速な行動が取られることを要望するとともに、温暖化を招く炭素が危険な水準に達しないよう炭素に価格を設定し、生産的で競争力のある低炭素型のグローバル経済の実現を目指すよう呼びかけている。  本パネルはOECD事務総長アンヘル・グリア氏の協力の元、世界銀行総裁ジム・ヨン・キム氏、世界通貨基金専務理事クリスティーヌ・ラガルド氏により招集されたもので、ドイツ首相アンゲラ・メルケル氏、チリ大統領ミチェル・バチェレ氏、フランス大統領、フランソワ・ホランド氏、エチオピア首相ハイレマリアム・デサレン氏、フィリピン大統領ベニグノ・アキノ3世、メキシコ大統領エンリケ・ペニャ・ニエト氏、カリフォルニア州知事ジェリー・ブラウン氏、リオデジャネイロ市長エドゥアルド・パエ ス氏が参加している。  また、民間企業からは米国機関投資家のCalPERS、フランスのENGIE、インドのマヒンドラ・グループ、オランダの化学メーカーロイヤルDMSが参加している。これらの企業は11月末に発足予定のCarbon Pricing Leadership Coalition(炭素価格リーダーシップ連合)を通じ、産業界と政策レベルの連携を支援する。  世界銀行総裁のジム・ヨン・キム氏は「炭素の価格設定に向けてこれほどまでの世界的な動きがなされたことはない。低炭素型成長に必要な経済システムに関する議論から、雇用創出やクリーンな成長、繁栄のために政策や価格メカニズムの実行段階へと移る転換点となる」と語る。  また、国際通貨基金の専務理事クリスティーヌ・ラガルド氏は「各国財務省は、労働や資本に対する課税から炭素燃料に対する課税に切りけることを考える必要があり、炭素税導入に向けた評価を実施してほしい」としている。  現在世界では約40か国と23の都市が排出量取引制度や炭素税などカーボン・プライシングを実施しており、世界の排出量の約12%をカバーしている。既に実行されているもしくは計画中のカーボン・プライシング制度の数は2012年以降約倍増しており、その市場規模はおよそ500億米ドルに達する。  日本でも東京都をはじめ低炭素社会に向けた制度が整いつつある一方、ドイツの環境NGO、Germanwatchが毎年発表しているClimate Change Performance Indexでは、日本の温暖化対策の取り組みは61ヶ国の中53位 となっており、非常に厳しい状況だ。日本がこの分野におけるリーダーシップを発揮できるよう期待したい。 【参考サイト】Carbon Pricing Panel 【参照リリース】Leaders Unite in Calling for a Price on Carbon Ahead of Paris Climate Talks 【団体サイト】World Bank 【団体サイト】IMF

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【国際】CDPら、効果的なカーボン・プライシングの設計に向けたツールキットを公表

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 企業に対して気候変動対策の情報開示を求める機関投資家らによる国際イニシアチブのCDPと、低炭素経済への移行を推進する企業・投資家らによる団体のWe Mean Businessは9月24日、カーボン・プライシング(炭素価格付け)制度に関する政府や企業、投資家らの対話の質を向上させ、効果的なカーボン・プライシングの実現を支援するためのツールキット、"The Carbon Pricing Pathways Toolkit"を公開した。  同ツールキットは、世界のCO2排出量を削減し、脱炭素化に向けた新技術のイノベーションを促進し、各国にクリーンエネルギーへの移行インセンティブを提供する上で必要かつ適正となる炭素価格水準に関する知見を提供するものだ。  カーボン・プライシングは脱炭素社会の実現に向けてグローバル経済の構造的な変化を促すための重要な政策フレームワークの一部だという認識は既に多くの政策立案者や企業、政府指導者らの間で一致しているものの、現状では多くの国が効果的な炭素価格制度を構築できていないのが現状だ。  その一因はカーボン・プライシング制度が内包する複雑性にある。国際合意と国内法との整合や、規制と産業界主導の取り組みとの相互作用、炭素税とキャップ・アンド・トレード制度との関係など様々な要因を考慮する必要があるうえ、現状の不透明な市場環境や政府のCO2排出削減に向けたコミットメントの曖昧性を考慮すると、将来の炭素価格を適切な形で設定するのは非常に困難が伴う。  今回CDPらが公表したツールキットは、それらの課題を乗り越え、地球の気温上昇を2℃未満に抑える上で必要となる炭素価格水準とタイムフレームに焦点をあてて関係者間のより質の高い対話を促すことを目的として作られている。  同ツールキットは、低炭素経済に向けた理想的な道筋として国内の取り組みと国際的な取り組みを均衡させる補完的な気候変動政策パッケージの重要性を挙げており、その道筋の中心に、時間軸に沿った段階的な炭素価格水準の設定を含む強固な枠組みを据えている。  具体的には、カーボン・プライシング制度の導入、運用、移行の各段階において、異なる経済状況の国家がそれぞれ実行するべき炭素価格水準を提示しており、例えば「石炭からガスによる発電への移行を促すためにはどの程度の価格設定が必要か」といった議論を促すための具体的な価格レンジを提示している。  炭素価格制度が上手く機能するためには、低炭素化に向けた取り組みやイノベーションが各プレイヤーにとって経済インセンティブとなる状況を創り出す必要がある。その上で何より重要となるのが、いかに適切な炭素価格水準を設定するかという点だ。同ツールキットを参考に、各国にてより質の高い議論が行われることに期待したい。 【ツールキットダウンロード】The Carbon Pricing Pathways Toolkit 【参照リリース】CDP and We Mean Business Unveil Toolkit to Unlock Large-scale Decarbonization 【団体サイト】CDP 【団体サイト】We Mean Business

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【国際】炭素価格制度の市場規模、約500億米ドルに到達

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 世界銀行グループおよびEcofysは5月26日、世界の炭素価格制度の現状についてまとめた報告書、"Carbon Pricing Watch 2015"を公表した。同報告書によると、排出される炭素量に応じて排出価格を設定する炭素価格制度の市場規模は全世界で500億米ドル近くに達したという。  これは、世界各地で実施されている既存の炭素税制度の140億米ドルに加え、新たに韓国で始まった排出権取引制度や米国カリフォルニア州、カナダのケベック州のキャップ・アンド・トレード制度の拡大により、世界の排出権取引制度の市場が2014年の320億米ドルから2015年には340億米ドルまで増えたことが起因しているとのことだ。  世界銀行グループの副頭取を務めるRachel Kyte氏は「チリやメキシコなどの国々が炭素税を導入するなど、炭素価格制度は明らかに勢いを増している。炭素価格はもはや導入するかしないか、いつ始めるかといったことは問題ではなくなっている。12月にパリで開催予定の気候変動サミットに向け、企業と政府はこれまで平行線を辿ってきたが、現在となっては、どのように、そしてどれだけ早く正しい炭素価格を設定できるかを協同で模索している。もはや炭素に価格を設定することは避けられなくなってきている」と語る。  同報告書は、ここ10年間で炭素価格制度の市場規模は着実に拡大していると指摘しており、2014年の年初以降の広まりを肯定的に評価している。炭素税の仕組みはフランス、ポルトガル、メキシコで始まり、チリでも法案が通過した。また、韓国では排出権取引制度が実施されたほか、中国では湖北省、重慶市においてキャップ・アンド・トレード制度の試験的運用が始まっており、2016年には国全体の排出権取引制度が開始する予定だ。さらに、カナダのオンタリオ州も炭素税制度の導入を計画しており、カリフォルニア州やケベック州の制度と連携していく予定だ。  この動きは世界中で広まっており、2015年には世界の温室効果ガス排出量の約4分の1を担っている約40ヶ国と20以上の都市、州、地域が炭素価格制度の導入を進めているとのことだ。  なお、同報告書は今年公表予定の詳細な報告書”State and Trends of Carbon Pricing 2015”の簡易版で、他にも民間セクターによる炭素税の取り組みも紹介されている。興味がある方は下記からダウンロード可能。 【参照リリース】Carbon Pricing Initiatives Valued at Close to US$50 billion 【レポートダウンロード】Carbon Pricing Watch 2015 【機関サイト】World Bank Group 【企業サイト】Ecofys

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【アメリカ】ベン&ジェリーズ、自社のCO2排出に対して自主的に炭素税を導入

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 環境・社会に配慮した事業展開を行うBコーポレーションとしても知られる米アイスクリームメーカーのベン&ジェリーズが、また新たにユニークな取り組みを始めている。ベン&ジェリーズは5月12日、自社製品の製造・販売工程において生じるCO2に対し、その排出量に応じて自社に対して自主的に課税を行うと公式ウェブサイト上で発表した。  同社は気候変動を「個人から企業、そして国家にいたるまで我々が解決すべき最も大きな問題」としており、その問題解決策の一環として今回のCO2排出に対する自主課税制度の導入に踏み切った。  ベン&ジェリーズは、自社に対する炭素税の導入により、化石燃料の使用量を削減できるだけではなく、そこから得られる歳入をエネルギー効率化やグリーンテクノロジーのための投資に活用することができるとしている。課税額は1トンあたり10米ドル(もしくは10ユーロ)で、農場からごみ処理に至るまで同社の製造・販売工程における温室効果ガス排出量の全てを対象にしている。  同社が実施しているLyfecycle Analysis(自社製品ライフサイクル全体におけるカーボンフットプリントを特定するための分析)によれば、同社の製造・販売工程全体におけるCO2排出量の大半を占めているのは農場で、その割合は42%にも及ぶという。そのため、今後は農園主と協働してCO2削減戦略の策定と実行を進めていくとしている。ベン&ジェリーズはこれを「とても野心的な計画だ」としており、この取り組みを成功させるために顧客や行政に対する協力を呼び掛けている。  一般的に炭素税というと国家や行政が導入するものだが、ベン&ジェリーズのように自主的に自社のCO2排出量に対して課税を行う取り組みは一部の先進企業の間で徐々に広まりつつある。米国では既にディズニーリゾートやマイクロソフトなどが同様の自主課税制度を導入しており、集まった歳入を活用して環境保護プロジェクトへの投資などを行っている。 【リリース原文】Ben & Jerry’s Puts a Price on its Carbon 【企業サイト】Ben & Jerry’s (※写真提供:ChameleonsEye / Shutterstock.com)

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【国際】2014年の世界におけるサステナビリティを象徴する10の出来事

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ユニリーバやヒューレット・パッカード、PwCなど世界の名だたる企業のサステナビリティ担当顧問・アドバイザーを務め、環境経営戦略に関するベストセラー“Green to Gold”の共著者としても知られるAndrew Winston氏が、2014年のサステナビリティ業界を振り返って特に象徴的だった10の出来事をHarvard Business Reviewに寄稿している。 2014年はサステナビリティの世界でも本当に多くのニュースが飛び交ったが、その中でも今後の世界全体の動きを考えるうえで特に重要だと思われる出来事をWinston氏が包括してまとめてくれているので、各ポイントを簡単にご紹介したい。 1. 悪いニュース:気候変動は今、実際に起きている 2014年は気候変動の現状やリスクを科学的に分析したレポートが数多く公表されたが、Winston氏はIPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change:気候変動に関する政府間パネル)が発表した最新の第5次評価報告書統合報告書に加え、The American Association for the Advancement of Science(AAAS)のレポート”What we know”、米国内の気候変動の現状やリスクを業界別・地域別などにまとめたU.S. National Climate Assessmentのレポート、米国内の各地域における気候変動リスクを示し、既に米国の地域レベルでは気候変動が深刻な経済損失をもたらしていると警鐘を鳴らしたレポート、”Risky Business Report”などを紹介している。 中でもAAASのレポートが示している下記3つのポイントはとてもシンプルで分かりやすい。 気候変動は今、地球上で実際に起こっている 気候変動が不可逆的な負の影響をもたらすリスクは高い 対策が早ければ早いほど、コストは少なくて済む 2. 良いニュース:気候変動対策のコストは大きく低下している 上記のように2014年は気候変動という現実を科学的な根拠とともに改めて突きつけられた年でもあったが、それと同時に気候変動対策に向けた明るい話題もいくつか提供された。Winston氏は良いニュースとして2つの分析報告書を紹介している。 1つ目は、グローバル企業のCEOや経済学者らがマクロ経済のレベルでクリーンエコノミーに移行する経済的合理性についてまとめた”New Climate Economy”レポートで、2つ目は、BSRやCDP、Ceres、WBCSDなど世界を代表するサステナビリティ推進機関らによる共同プロジェクト、We Mean Businessが公表したレポート”The Climate Has Changed”だ。 両者とも再生可能エネルギーの利用やエネルギー効率化など低炭素社会に向けた投資が結果としてコスト削減および利益創出につながり、事業上の価値をもたらすことを明らかにしている。 さらに、Winston氏はWe Mean Businessから派生したプロジェクトRE100 Group(2020年までに再生可能エネルギー100%を目指すプロジェクト)において、Philips、Mars、Nestle、IKEAなど世界の名だたる大企業が再生可能エネルギーへの完全シフトにコミットした事例などを紹介している。 これらの事例が示す通り、既に世界では気候変動対策は「コスト」ではなく「利益」を生み出す新たな機会だという認識が一般化しつつある。再生可能エネルギーへの投資はもちろん、最近ではIoT(Internet of Things)やビッグデータ分析など最先端テクノロジーを活用したエネルギー効率化プロジェクトなども増えつつあり、ITとサステナビリティの融合も著しい。気候変動対策は業界の垣根を超えたビッグビジネスとなりつつあるのだ。 3. 電力・エネルギー業界が変わってきた 上記のような流れを受けて早急にビジネスの転換を迫られているのが電力・エネルギー業界だ。Winston氏は5月にバークレイズ銀行が米国の電力業界の債券格付けを下げたというニュースや、ドイツの電力大手、E.Onが化石燃料から再生可能エネルギーへのシフトを発表した事例などを挙げている。 今や化石燃料に依存した事業を展開している企業は投資家からリスクと認識されつつあり、化石燃料銘柄を除いたインデックスなども生まれつつある。(※参考記事:【国際】MSCI社、化石燃料銘柄を除いた新インデックスを発表) 4. 炭素税のような厳しい規制の実現可能性が高まってきた 気候変動に対する企業のインセンティブを高めるうえでは、自主的な取り組みだけではなく規制による後押しも有効だ。 Winston氏は、その一例としてサステナビリティ分野で多大な影響力を持つアドボカシーNGOのCeresの取り組みを挙げており、Ceresのグループの中でも特に積極的に炭素税などのより厳しい規制の導入を推進しているBICEPが、General MillsやKellogg、Nestleなどの企業を新たに加盟団体に迎えたニュースを紹介している。(※関連記事:【アメリカ】General Mills、Ceresの気候変動に関する政策提言グループBICEPに加盟」) 5. 気候変動に対する社会的な機運が盛り上がっている 政府や企業らの動きに加え、市民らによるソーシャル・アクションも活発化しつつある。9月には米国ニューヨークで、気候変動に対する国際的な行動を呼びかける”Climate March”が実施され、世界162ヶ国で2646のイベントが開催される過去最大規模のムーブメントとなった。 6. サステナビリティ戦略やミッションが短期志向より優位に立ちつつある 変化の波は企業経営の現場にも確実にやってきている。グローバル企業の多くがサステナビリティを経営戦略・事業戦略に統合し、長期的な競争優位を実現しようと積極的に取り組んでいる。そうした動きの象徴としてWinston氏が取り上げているのが、CVSとAppleの事例だ。 米国大手ドラッグストアチェーンのCVS は9月に名称をCVS Healthに変更し、店頭からタバコを取り除いた。タバコが生み出す利益よりも消費者の健康や生活を重視した優れた決断として取り上げられた。 また、3月にはAppleのCEOとして有名なTim Cook氏が株主総会でAppleの環境を重視した経営姿勢を批判した株主に対して自社の株を手放すように糾弾し、話題になったことも記憶に新しい。 CVS HealthやAppleだけでなく、既に多くの企業は短期志向を乗り越えて長期的視点に立った経営戦略へのシフトを進めており、投資家らもSRIを通じてその流れを積極的に後押ししている。今後もこの流れは更に加速していくはずだ。 7. 競争から協働へ 様々なサステナビリティ課題に対し、企業が「競争」するのではなく「協働」することで競争力を失うことなく成果を挙げるといった事例も増えてきている。Winston氏がその事例として挙げているのが、米国小売大手2社、WalmartとTargetによる取り組みだ。 両社は9月にPersonal Care Products Sustainability Summitを共同で主催し、自社のバリューチェーン上におけるパーソナル・ケア製品から、健康に害を及ぼす可能性がある化学物質などを取り除くために協働することを発表した。 両社とも消費者からのよりサステナブルな製品に対するニーズが高まってきていることを受け、競合企業という立場を乗り越えて一つのテーブルで議論することを決めたのだ。バリューチェーン全体のサステナビリティを推進するのは1企業の力だけでは難しい。今後もこうした競合企業同士の協働プロジェクトはさらに増えていきそうだ。 8. 食の浪費への関心が高まりつつある 2050年には人口が90億人に到達すると予想されている中、食糧問題は深刻なサステナビリティ課題の一つだ。しかし現実は理想とは程遠く、今も世界では大量の食料品が消費されることもなく毎日廃棄されている。Winston氏が紹介しているUN’s Food and Agriculture Organizationの推定によれば、世界では年間 1.3億トンの食料品が廃棄されており、7500億ドルのコストに相当するという。食料品の30~40%を廃棄している現在の状況はとてもサステナブルとは言えない。 しかし、こうした問題に取り組む新たな動きも出始めつつある。Winston氏はその優れた一例としてフランスの大手スーパーマーケットチェーン、Intermarcheの取り組みを紹介している。同社は7月に、見た目が美しくない点を理由に廃棄されてしまうフルーツや野菜を、ジュースや30%オフとして販売するキャンペーンを展開し、見事に成功を収めた。 こうした廃棄の問題は食料品だけにとどまらない。例えばSustainable Brandsは昨年末に、IoT(Internet of Things)の進化により更にElectronic Waste(電子廃棄物)が増える懸念があるという記事を紹介している。 こうした廃棄物を活用して製品をつくり、新たな付加価値をつけて販売するアップサイクルやエシカルプロダクツなども最近はトレンドの一つとなりつつあるが、食に限らず、いかに「浪費を減らすか」という点は企業・個人を問わず今後も重要なテーマであり続けるだろう。 9. 10代の若者が飲料メーカーの行動を変えた ソーシャルメディアの普及などを通じて、消費者がかつてないほどにパワーを持ち始めているのも昨今のトレンドだ。消費者からの圧力が企業の行動を変えた事例としてWinston氏が紹介しているのが、5月にニューヨーク・タイムズ紙で取り上げられた、ある10代の若者によるCoca ColaとPepsiに対するキャンペーンだ。 ミシシッピ出身の10代女性、Sarah Kavanagh氏はChange.orgというソーシャルキャンペーン・プラットフォームを活用して数年間をかけて20万もの署名を集め、Coca Cola、Pepsiという世界を代表する飲料メーカーに対し、同社らが販売する清涼飲料などから健康に害を及ぼす恐れがある成分の使用を止めるように働きかけ、見事キャンペーンの成功を勝ち取った。 今や、消費者は、企業自体はもちろん製品の一つ一つに対しても高い透明性を求めるようになってきており、企業は「この製品は何でできているのか」「どこから来ているのか」といった質問に対して一点の曇りもなく説明できることが求められている。 10. 格差への戦いが新たな企業の流れを生みつつある Winston氏が最後に挙げているのが、格差の解消に向けた企業の自主的な取り組みだ。 同氏は、アパレル大手のGAPが2月に最低時給を9ドルに上げると発表し、6月には家具大手のIKEAが最低賃金を17%引き上げると発表するなど、従業員の生活を第一に考えて法規制よりも先に自主的にアクションを起こす企業が増えてきた点を指摘している。 現在、米国では国内の所得格差が非常に問題視されており、10月にはFRBが「米国では上位5%の富裕層が全体の63%の資産を保有しており、金融危機以降で格差は拡大の一途を辿っている」として警鐘を鳴らした。 また、格差問題は米国だけにとどまらず世界全体でも問題視されており、12月にはOECDが「格差が経済成長を阻害する」という報告書を公表したばかりだ。格差が拡大すれば社会、経済は不安定な状況に陥り、対応コストも増加して結果として持続可能な経済成長モデルの実現が難しくなる。 こうした大きな問題に各企業がどのように対応していくのか、現在OECDが進めているグローバル大企業によるタックスヘイブンを活用した租税回避の動きに対する国際的な規制作りなども含め、富の配分に対する問題は2015年も引き続きホットトピックの一つとなりそうだ。 まとめ いかがだろうか。こうして振り返ってみると、2014年は世界全体がサステナビリティの向上に向けてさらに大きく前進したことがよく分かる。迫りくる気候変動の危機などを考えれば現在の変化スピードは決して十分とは言えないものの、政府、企業、NGO、市民など各セクターにおいて確実に世界の潮流が変わり始めていることを感じとることができるのではないだろうか? 2015年はどのような企業、人物がサステナビリティの世界に明るい話題をもたらすのか、この1年の動きに期待したい。時間のある方はぜひ下記からWinston氏の記事の詳細を読んで頂きたい。 【参考サイト】Harvard Business Review “The 10 Most Important Sustainable Business Stories from 2014” 【参考サイト】Andrew Winston

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