【国際】世界銀行グループ、気候関連融資を2020年までに290億米ドルまで増額へ

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 世界銀行グループ(以下、世銀)は10月9日、メンバー各国の支援を受けて2020年までに気候変動関連融資を年間290億米ドルに増額する可能性があると表明した。実現すれば、途上国をはじめとする各国の気候変動対策や低炭素社会への移行を大幅に進展させることにつながる。  現状では世銀の資金の21%が気候関連のものだが、総裁を務めるJim Yong Kim氏は同日、需要に応じて2020年には28%に増額する可能性があると発言した。世銀は平均して年間103億米ドルを直接的な気候関連資金として提供しており、このレベルが維持されれば2020年には160億米ドルまで増額することになる。  さらに世銀は気候関連プロジェクトへの共同出資も継続する計画で、その資金は2020年には130億米ドルとなる。そのため、直接的な資金と合わせると2020年までに気候関連融資は年間290億米ドルとなる見通しだ。  今回の表明は、ペルーのリマで開催された世銀とIMF(国際通貨基金)の年次会議において、各国大臣らが年末にパリで開催されるCPO21に先行して気候関連資金について協議する場の中で行われた。  COP21は気候変動対策における国際的な合意を目指しており、議題の中には発展途上国の気候関連資金として2020年までに年間1,000億米ドルを資金提供するという約束も含まれる。世銀の今回の発表は気候変動に対処するための新たな資金を求める途上国の要請に応じたものだ。  資金提供が実現した場合、再生可能エネルギー、エネルギー効率化、環境・交通システムのスマートソリューション、レジリエントな都市、悪化した森林と地勢の保全、水資源の安全確保そして持続可能な農業に向けた支援の強化などに投下される。 【参照リリース】World Bank Group Pledges One-Third Increase in Climate Financing 【団体サイト】World Bank Group (※写真提供:Mark Van Scyoc / Shutterstock.com)

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【中国】国連グローバルコンパクトが気候変動サミットを開催、中国大手10社らがコミットメントを発表

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 国連グローバルコンパクトの中国ネットワークは7月23日、北京で"2015 China Summit on Caring for Climate"を開催した。今年で3度目となる同サミットには政府関係者や中国大手企業の経営者、投資家などが一堂に集結し、炭素価格や水・グリーンテクノロジー、グリーンファイナンス、低炭素技術など、気候変動に立ち向かうために中国企業や地元政府、その他のステークホルダーがとるべきアクションについて広範に話し合われた。  同サミットはUNFFFC(国連気候変動枠組み条約)事務局、UNEP(国連環境計画)、国連グローバルコンパクトが主導している気候変動対策イニシアチブ、"Caring for Climate"の関連イベントだ。”Caring for Climate”には現在約400社の企業が参画しており、そのうちの約半数が発展途上や新興市場に拠点を置く企業となっている。  サミットの中では、既に風力や太陽光発電など再生可能エネルギー分野における世界最大の投資国家となっている中国を牽引する企業10社が、それぞれ自社の気候変動対策に向けた新たな取り組みを発表した。中国の鉄鋼大手、宝鋼集団(バオスチール・グループ)は、家の建築を車の製造と同様のスタイルにし、環境に配慮した建設や鉄骨造の推進を通じて建設プロセス全体におけるCO2排出量を20%削減するといったアイデアを発表した。  また、中国の商業銀行ビッグ4の一行、中国工商銀行はグリーン・クレジットという概念を様々な融資サービスに統合する取り組みを発表したほか、中国石油最大手の中国石油加工(シノペック)は2025年までにエネルギー効率を100%向上させる(CO2排出8100万トン分の削減、9億4千万本の植林に相当)というキャンペーンを紹介した。  その他にも、中国最大の送電会社、国家電網(ステート・グリッド・コーポレーション)は超高電圧やスマートグリッド、クリーンエネルギーの統合を進めるとともに「グローバル・エネルギーのインターネット」を推進する取り組みを、製紙大手のAPPは年間8万トンの石炭利用と3000万トンの炭素排出を削減する合計2億キロワット時規模のプラント8つを建設する歴史的な大規模太陽光発電プロジェクトについて、中国エネルギー・化学大手の中国中化集団(シノケム)は泉州における世界最先端の精錬廃棄物処理技術への230億元(約4620億円)の投資について、それぞれ発表した。さらに、上記以外にもオートデスク・ソフトウェア中国、海南航空、中国海洋石油総公司(CNOOC)がそれぞれ自社の気候変動対策に向けたコミットメントを示した。  世界電気自動車協会の初代代表で、中国の技術分野における最高機関、中国工程院の教授でもあるC.C. Chan氏は「電気自動車の急速な発展により、中国はこの分野において世界のリーダーとなれるかもしれない」と語った。  2011年の設立された国連グローバルコンパクト中国ネットワークには現在約300社の中国企業が加盟しており、中国における環境・サステナビリティを主導している。今回のサミットでは、世界でもますます影響力を高めつつある中国のトップ企業の多くが、続々と気候変動対策やサステナビリティを事業戦略の核に据えた取り組みを進めていることが改めて強調された。  世界的な気候変動目標達成のためには、世界最大のCO2排出国でもあり、かつ世界最大の再生可能エネルギー投資国でもある中国のリーダーシップ発揮が欠かせない。その鍵を握る中国大手企業らの取り組みには世界中から注目が集まっている。 【参考サイト】Caring for Climate 【参考サイト】2015 China Summit on Caring for Climate 【参照リリース】Top ten Chinese business responses to air quality, climate change, named at ‘Caring for Climate’ summit in Beijing 【団体サイト】UN Global Compact

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【スウェーデン】イケア、気候変動対策に10億ユーロを投資へ

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 家具大手のイケア・グループとイケア財団は6月4日、低炭素経済への転換および気候変動リスクの高い地域の支援を目的して、気候変動対策に合計10億ユーロを投資するという大胆な目標を発表した。イケア・グループは6億ユーロを再生可能エネルギーに投資し、イケア財団は気候変動の影響を最も受ける地域に4億ユーロを支援する。  イケア・グループは2009年以降、風力、太陽光発電に15億ユーロの投資を行ってきたが、今回発表された再生可能エネルギーへの6億ユーロの投資は更にそれに上乗せされるものだ。同社は、自社施設の消費エネルギーと同等の再生可能エネルギーを作り出すというエネルギー自立に向けて着実に歩みを進めている。  既に社外にある314基の風力タービンを稼働させ、70万枚のソーラーパネルを自社施設に設置している。さらに、2020年に向けた6億ユーロの新たな投資コミットメントのうち5億ユーロを風力発電に、1億ユーロを太陽光発電に投資する予定だ。  イケア・グループの社長兼CEO を務めるPeter Agnefjäll氏は「気候変動は世界最大の課題の一つであり、我々には解決策を見つけるための大胆なコミットメントとアクションが求められている。それこそが我々が事業を転換し、ポジティブなインパクトを生み出すことができる理由だ。その中には風力と太陽光への投資により再生可能エネルギー100%を実現することも含まれる。更に、我々の照明製品は全てを手頃な価格のLEDへと変え、多くの家庭が自宅でより持続可能な暮らしをできるように支援していきたい」と語る。  また、イケア財団はこれまで長きに渡って貧困地域の子供や家庭に対する支援を行ってきたが、今回新たに2020年までに気候変動の影響を最も受けやすい地域の人々に対して4億ユーロを支援することを発表した。イケア財団は2014年には46ヶ国、40以上のパートナー団体に対して1億ユーロ以上の寄付を行っており、2009年以降で世界中の1億7800万人以上の子供を支援している。今回の新たな支援金は、再生可能エネルギー技術を家庭や学校、企業などに適用することで気候変動に強いコミュニティを作るために使用される。  再生可能エネルギーへの多額の投資など、サステナビリティ分野の先進企業として知られるイケアが、また一つ大胆な目標を設定した。10億ユーロが今後どのように活用され、世界とイケアのサステナビリティを高めていくのか、今後のプロジェクトにも注目だ。 【参照リリース】IKEA Group and IKEA Foundation commit a total of EUR 1 billion for climate action 【企業サイト】IKEA Group 【団体サイト】IKEA Foundation (※写真提供:Vytautas Kielaitis / Shutterstock.com)

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【アメリカ】リーバイス、GAPら、カリフォルニアの気候変動対策規制SB350への支持を表明

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 米国カルフォルニア州で事業を展開している24の企業らは5月24日、深刻な水不足などに悩む同州が気候変動対策の一環として掲げた法規制、SB350に対する支持を表明した。"Golden State Standards 50-50-50"と呼ばれる同規制は、2030年までに再生可能エネルギー比率を現在の35%から50%に増加、石油の使用を50%削減、建造物のエネルギー効率を50%向上を目指すもので、今回支持を表明した企業の中にはリーバイス、GAP、オートデスク、ベン&ジェリーズ、ノースフェイスなどが含まれる。  今回支持を表明した24社のうち、ほとんどの企業は気候変動イニシアチブのBICEP(Business for Innovative Climate & Clean Energy Policy)会員企業か、カリフォルニア気候宣言(California Climate Declaration)への署名企業で、両者はいずれもサステナビリティに関するアドボカシーNGOが運営しているイニシアチブだ。  SB350への支持を表明した共同声明の中では、「2020年が近づくなか、カリフォルニアでは気候変動の影響がかつてないほど明確に見られるようになってきており、クリーンエネルギー経済や雇用の創出の促進に向けて次のステップを慎重にかつタイムリーに進む必要がある。我々のSB350への支持は経済的な現実に強固に基づくものだ。我々は気候変動対策が米国の21世紀おける最大の経済的機会の1つだと考えており、この機会を掴むために前進するカルフォルニア州の法規制を賞賛する」と述べられている。  今回署名を行った企業の多くは既にSB 350の内容よりも更に踏み込んだ再生可能エネルギー、エネルギー効率に関する目標を独自に設定している。例えばオートデスクは2009年以降、建造物のLEED認証取得、太陽光パネルの採用、データセンターにおけるエネルギー効率向上などの取り組みを通じて既にCO2使用量を38%削減している。  干ばつによる水不足など気候変動の影響が表面化しているカルフォルニアでは、企業、州政府共に気候変動対策に対する意識が高く、革新的な政策や取り組みが進んでいる。また、同州のSB350は気候変動対策だけではなく雇用創出も政策の目的として掲げている点も特徴だ。 【参照リリース】Levi Strauss & Co., Dignity Health, Gap Inc. & Autodesk Join 24 Companies Supporting California’s Sweeping Clean Energy Bill SB 350 【団体サイト】Ceres

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【国際】世界120の機関投資家CEOら、COP21での長期CO2排出削減目標の合意を呼びかけ

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 合計12兆米ドルの資産を運用している世界の機関投資家のCEOら120人は5月26日、各国の財務相宛に今年12月のCOP21で締結される気候協定に長期的なCO2排出削減目標を盛り込むよう強く求める公開書簡"For the attention of the Finance Ministers of the Group of Seven"を公表した。世界中の投資家が一丸となり、初めてCOP21における長期CO2排出削減目標の合意、および各国に対する短・中期排出削減目標およびアクションプランの提出を呼びかけた。  同書簡では「気候変動は投資家が直面する最も大きなシステミック・リスクの一つであり、政策関係者が適切なシグナルを発することで、低炭素・気候変動に強い投資の活性化が実現できる」としており、投資機関、政策関係者間における気候変動緩和に向けた調和の必要性に言及している。  また、気候変動緩和に向けた取り組みを後回しにすれば「より厳しい対策が後々に必要となる上、エネルギー関連投資に伴うリスクが膨らむ」と警鐘を鳴らしているほか、同書簡は平均温度上昇を2度以内に抑えるためにCOP21を重大な第一歩として位置づけており、「長期的排出削減目標を含めた協定により、我々は将来の低炭素社会に向かって軌道に乗ることができる」とCOP21の重要性を訴えた。  今回の投資機関による公開書簡は昨年9月に開催された国連気候変動サミットを前にして合計24兆米ドルの資産を運用する360以上の投資家が積極的な協定の策定を求めた"Global Investor Statement on Climate Change"に続くものだ。投資家、企業と市場からはCOP21での長期削減目標策定を切望する声が続々と上がってきている。COP21まで残り半年を切り、さらに各界から積極的な動きがありそうだ。 【参照リリース】120 CEOs Managing $12 Trillion Urge Finance Ministers to Support a Long-Term Emissions Reduction Goal in Global Climate Deal 【公開書簡】For the attention of the Finance Ministers of the Group of Seven 【団体サイト】Institutional Investors Group on Climate Change

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【北米】 アメリカ、カナダ、メキシコ、気候変動・エネルギー対策に向けたパートナーシップを締結

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 米国、カナダ、メキシコのエネルギー担当大臣らは5月25日、気候変動およびエネルギー政策の調整に向けたワーキンググループの設立およびパートナーシップを締結したと発表した。このパートナーシップは拘束力のある目標はないものの、三国間による気候変動政策のエネルギー政策への一体化に向けた議論を統合し、協調体制を構築するためのものだ。  今後、各国政府は気候変動・エネルギー政策に優先的に取り組み、配電網の効率化や新たなクリーンエネルギー技術の導入、オイルとガスからの温室効果ガス排出規制などに関して協調して取り組んでいく。  今回の同意は、パイプライン建設をめぐる米国とカナダの対立にも影響を及ぼす見込みだ。カナダ政府とオバマ政権は現在進行中のトランスカナダ社によるアルバータ州のオイルサンド地域からテキサス州湾岸までを接続するパイプライン、「キーストーンXL」建設に関する米国の検討状況をめぐって衝突していた。同パイプラインの建設には米国大統領の承認が必要だが、温室効果ガスの排出や建設が環境にもたらす悪影響などが懸念されており、環境保護グループらも激しい反対運動を展開していた。  カナダ政府はオバマ政権が決定を遅らせていると批判しており、一方のオバマ大統領はプロジェクトの有益性について疑問視し、地球温暖化を悪化させるのなら承認しない構えを見せている。また、カナダは繰り返し数年以内にオイル、ガス業界向けの排出規制を導入すると表明してはいるものの、昨年12月にはカナダのStephen Harper首相が、世界的にオイル価格が急落している時期に新たな規制を設定するのはおかしいと述べていた。  しかし、今回の同意の一環として、今後カナダは米国から提案されたメタンガス排出削減規制に関するルールに同調する見込みだ。そして、それはカナダのオイル・ガス関連企業に対する他の規制導入にもつながる可能性がある。  気候変動への一刻も早い取り組みが求められている中、気候変動と密接に関わるエネルギーの問題で国家間が足踏みしていた状況は、今回のパートナーシップ締結により大きく前進することが期待される。 【参考サイト】U.S., Canada and Mexico Create New Climate Change Partnership (写真提供:Rena Schild / Shutterstock.com)

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【国際】CDPら、科学的根拠に基づくCO2排出削減目標の設定を求めるキャンペーンを開始

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 CDP、国連グローバル・コンパクト、WRI(世界資源研究所)、WWF(世界自然保護基金)らによる、企業らに対して科学的根拠に基づき必要となるCO2排出量削減を求める国際イニシアチブのScience Based Targets Initiative(SBT)は5月20日、世界の気温上昇を2℃以内に抑制する上で科学的に必要とされているCO2排出削減量に沿った削減目標を掲げる企業100社を招集するキャンペーンを開始した。  今年の12月にパリで開催予定のCOP21を前に、各国の政策立案者らに対して産業界は低炭素経済の実現に向けて役割を果たすことにコミットしているということを明確に示すのが目的だ。  国連グローバル・コンパクトによると、現在世界の大手グローバル企業500社のうち80%がCO2排出削減目標を掲げているものの、国際的な合意に至っている2℃以下の気温上昇抑制という目標の実現に合わせた目標設定をしている企業は一部の先進企業に限られるという。  CDPの報告書"Mind the Science"によると、世界全体のCO2排出量の9%を占めているエネルギー集約型企業70社のうち、気候変動の科学的根拠に沿った目標を設定している企業は28社しかなかったとのことだ。同レポートは「科学的根拠に基づく目標設定は経済成長と両立可能だ。実際に、そのような目標はイノベーションを促進し、コスト削減、収益性強化にもつながると同時に、気候変動が株主価値や社会全体にもたらす深刻な脅威に立ち向かうための出発点でもある」としている。  更に、国連グローバル・コンパクトは科学的根拠に基づく目標設定は新たな市場への参入、気候変動関連の規制および政策への対応、製品移行のきっかけや企業レピュレーションの向上など、様々な潜在的メリットを企業にもたらすとしている。  2020年までに排出量を2005年比で60%削減すると表明したフランス化粧品大手、ロレアルのCSO(最高サステナビリティ責任者)を務めるAlexandra Palt氏は「野心的なCO2排出量削減目標は、我々のチームを低炭素に向けたイノベーションへと後押ししてくれる。もちろん、我々の目標の背景には気候変動に関する最新の研究があることを知ることは、あらゆる規模の企業のコミットメントを増加させる」と語った。  ロレアルの他に科学的根拠に基づくCO2削減目標を掲げている企業としては、米国最大の独立系電力会社のNRGエナジーは2050年までに90%削減という目標を掲げているほか、フランスのフードサービス大手ソデクソは2020年までに2012年比で34%削減という目標を掲げている。他にも、H&Mやネスレ、BTグループなども同様に2℃以内の温度上昇抑制を前提とした目標設定をしている。  Science Based Targets Initiativeは、科学的根拠に基づく目標を設定する際に多様なメソッドを活用するように企業に対して推奨している。例えば先ごろ公表されたSDA(Sectoral Decarbonization Approach)は、エネルギー集約型産業の企業に対し、予測される経済活動レベルおよび潜在的な排出削減量に基づき目標設定を支援するものだ。  多くの企業の短期的な排出削減目標は2015年に期限を迎える中、次の10年、数十年に向け、各社には気温上昇を2℃以下に抑制するという国際的目標に沿った新たなコミットメントが求められている。 【参照リリース】Campaign launches to close the gap between corporate GHG reduction goals and a 2°C scenario 【団体サイト】Global Compact 【参考サイト】CDP 【参考サイト】Science Based Targets

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【国際】グローバル企業ら、ゼロ・エミッションを実現するCOP21での気候協定を強く要求

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 フランス、パリで5月20~21日にわたり開催されていたBusiness & Climate Summit(企業・気候サミット)に、延べ130カ国、600万社以上の企業を代表する25の国際ビジネスネットワークが集い、低炭素かつ気候変動への対応力が高い経済への移行を牽引していくことを宣言した。同サミットでは、既に未来の豊かな低炭素経済に向けて主要な企業が動き出しているという認識が共有された。  当日は国連グローバル・コンパクトをはじめ、WBCSD、ICC、IIGCC、WE MEAN BUSINESS、CDP、BSRなどサステナビリティに関わる国際企業ネットワークが一堂に集結した。  科学者らは各国および国際機関に対し、2020年をピークとして2100年までに炭素排出量をゼロにすると同時に、IPCCが求めている「累計炭素排出量を1兆トン以内に抑える」という目標の実現に向けた気候協定を今年のCOP21で締結させることを呼びかけている。  一方のグローバル企業の間でも、ステークホルダーとの協働により継続的な経済成長を実現しながら上記の目標を達成することは可能だという認識が広がっており、企業らはとりわけ政策立案者に対して下記3つの方針を求めている。 健全で効果的な炭素価格制度の構築 化石燃料補助金をなくしクリーンエネルギーへの転換を促すことを含め、エネルギーの効率化を後押しするための仕組みを構築する。 民間企業・政府間の連携強化 国・世界レベルでの官民の対話を強化し、気候変動政策の経済への円滑な統合を図る。 民間資金を活用するための公的ファンド開設 とりわけ発展途上国では、低炭素アセットへの投資リスクを低減するための公的ファンドが必要となる。  国連事務総長のBan Ki-moon氏は開幕の演説で「このサミットは12月のCOP21に向けての重要な節目となっている。昨年9月にニューヨークで開催された気候サミット以降、民間セクターが継続的に気候変動対策に関与してきており、今後は確実に一連の動きをリードしていくということを示す機会だ」と語った。  低炭素社会の構築に向けて積極的に動き始めた民間企業の士気をさらに高める合意がなされるか。できる限りコストを抑えたゼロ・エミッションの実現に向け、官民の連携を促す協定がCOP21で締結されることへの期待は高まっている。 【参照リリース】Global Business Leaders at The Business & Climate Summit Send a Clear Message to National and International Policymakers 【団体サイト】Business and Climate Summit

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【ヨーロッパ】1億5300万トンのCO2排出を左右する意思決定を迫られるEU

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 現行のEU排出量取引制度における排出権の供給過剰の解消に向け、EU各国の政策立案者らはMSR(Market Stability Reserve、市場安定化リザーブ)の導入に向けた最終決定段階に入っている。しかしながら、今後10年間の温室効果ガス排出量に大いに影響を与えうるMSRの開始時期についての意見が加盟各国間で分かれているのが現状だ。  市場安定化リザーブとは、余剰排出権の一定量をリザーブ(積み立て枠)に出し入れすることで排出権価格を安定させるメカニズムのことを指す。エネルギー節約や低炭素技術への投資へのインセンティブ低下の要因となる排出権価格の低下を防ぐための施策として検討されている。  開始時期いかんによりカンボジアの年間エネルギー利用量、または石炭火力発電所50ヶ所分のCO2排出量に相当する1億5300万トンのCO2排出を回避できるかどうかが決まるとあり、政策立案者らは難しい決定を迫られている。欧州議会は2018年という開始時期で合意している一方で、欧州理事会の各国首脳は2021年で一致している。対する妥協案として、ラトビアが2019年を提言している。  Thomson Reutersのシニアアナリストを務めるEmil Dimantchev氏は「意見一致に苦戦している理事会が動きを速めない限り、意思決定には至らない。一方で、ポーランドをはじめとする東欧諸国が自国の重工業への打撃を理由に消極的な姿勢を示しており、さらに議論が過熱することが予想される。ただ、東欧諸国は気候変動対策を効率化することで享受できる中長期的な恩恵を念頭に置いていない。排出量取引制度を2021年よりも前倒しで改革すれば、炭素価格が上昇することからEU各国は費用対効果の高い形で排出量削減を実現できる」と語る。  EU排出量取引制度はEUの気候変動政策の要であり、世界最大の炭素市場でもある。産業界に対してエネルギーの節約と低炭素技術への投資を促すことを目的とする同制度によりCO2排出量の削減は一定の効果をあげてきたものの、現行の低すぎる炭素価格が低炭素技術へのさらなる投資を阻んでいることが指摘されている。排出量取引制度において世界をリードするEUの決定によるインパクトは、EU内のCO2排出量削減だけにとどまらない。最終的な判断の行方に、世界からの注目が集まる。 【参照リリース】EU to take carbon market decision the size of Cambodia 【団体サイト】Responding to Climate Change

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【国際】CDPサプライチェーンプログラム会員企業らの調達総額は2兆米ドルに到達

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 企業に対して気候変動対策の情報開示を求める機関投資家らによる国際イニシアチブのCDPは4月14日、CDPサプライチェーンプログラムの会員企業、団体らによる調達総額が2014年の1.3兆米ドルから2015年には2兆米ドルまでほぼ倍に拡大したと発表した。  同プログラムの会員となっているグローバル企業らは自社サプライヤーに対して温室効果がガスの排出量や水リスクなどの環境リスクの開示を求めており、それらの働きかけを通じてより気候変動対策に強いサプライチェーンを構築することを目指している。  会員の中にはウォルマートやトヨタ、コカコーラ、ユニリーバなど世界を代表する72のグローバル企業らのほか、米国連邦政府調達局や電子業界の業界団体EICC、WRI(世界資源研究所)なども含まれる。  CDPによれば、これらの会員がより気候変動や水リスクに強いサプライチェーンの構築に必要なデータの開示を要求した企業の数は2014年の6,500社から2015年には約8,000社まで増加したとのことだ。  CDPサプライチェーンプログラムの責任者を務めるDexter Galvin氏は「この大幅な上昇は、世界最大の調達企業らによるサプライチェーン上の気候変動リスクへの関心の高まりを示している。これらの企業は気候変動社会においてもしっかりと機能する頑強なサプライチェーンを維持することを望んでいる。我々は、調達の意思決定が変わりつつあるのを目の当たりにしており、CDPサプライチェーンプログラムに加盟している企業らがその変化を先導している。サプライチェーンが守られるとき、人々もまた守られるのだ」と語る。  会員企業らがサプライヤーに対して開示を要求しているデータの中には温室効果ガス排出量やその削減予定量だけではなく、気候変動によるリスクと機会のマネジメントに関する情報なども含まれる。これらの動きは、温室効果ガスの削減だけではなく入手可能な情報量も劇的に増加させている。  グローバル企業が自社のサプライチェーンを通じて気候変動対策に取り組む動きがさらに活発化すれば、今後は大企業だけではなくサプライチェーン上に存在する中小企業、ローカル企業らも気候変動という大きな問題に対してより敏感になる必要が出てくる。適切な情報開示ができないことはグローバル企業との取引機会の損失につながるという状況が当たり前になっていくことで、サプライチェーンの末端にいたるまで事業慣行は大きく変わっていくはずだ。CDPおよび会員企業らによる更なる取り組みに期待がかかる。 【参照リリース】US$2 trillion in combined spend request action from suppliers to protect against growing climate impacts 【団体サイト】CDP

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