【国際】英シンクタンクIPPR、人為環境破壊が人間社会に危機的な影響及ぼすと警鐘

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 英シンクタンクInstitute for Public Policy Research(IPPR)は2月12日、人間による環境破壊が急速に進んでいることに警鐘を鳴らし、政府に対応を求めるレポート「This is a crisis: Facing up to the Age of Environmental Breakdown」を発表した。環境破壊により、社会紛争、移民・難民、飢餓等、数多くの問題を引き起こしているという。  同レポートによると、1970年以降、脊椎動物の個体数は60%以上減少し、表土も自然現象の10倍から40倍の速度で消失してきている。20世紀中旬には、侵食により、地球上の耕作可能地の30%は生産性が低下する見込み。しかし、これらの危機を政府及び政策決定者は十分に理解しておらず、必要な手が打たれてきていない。  現在、世界の二酸化炭素排出量のうち、所得の高い10%の人口が半分の排出量の占めており、低所得の世界の人口の半数からはわずか10%しか排出されていない。同レポートは、この状態は「非正義」だとし、持続可能で正義のある対策を政府に要請した。 【参照ページ】This is a crisis: Facing up to the age of environmental breakdown

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private 【イギリス】ShareAction、企業年金大手25団体の気候変動リスク対応状況調査。優秀はHSBCのみ

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 英ESG投資推進NGOのShareActionは2月12日、英大手企業に対し、企業年金基金の気候変動リスク対応を促すレポートを発表した。FTSE100採用のうち確定拠出型(DC)年金での運用資産の大きい25社の状況を分析したところ、デフォルトの運用ファンドを気候変動リスクの少ないファンドに設定している企業は、HSBC銀行企業年金基金とRBS退職年金基金の2つしなかった。  今回の調査では、25社に調査票を送付したところ、回答があったのは、HSBC、AVIVA、バークレイズ、RBS(ロイヤルバンク・オブ・スコットランド)、テスコ、ユニリーバ、グラクソ・スミスクライン、ロイズ・バンキング・グループ、ロールスロイス、セインズベリー、マークス&スペンサー、ブリティッシュ・エアウェイズ、ディアジオ、ナショナル・グリッド、ロイヤルメールの15の各企業年金基金のみ。ブリティッシュフード、BAE、BP、BT、セントリカ、コンパス、ネクスト・グループ、プルーデンシャル、ロイヤル・ダッチ・シェル、ウィットブレッドの各企業年金基金10団体は回答しなかった。  回答した15の企業年金基金の (more…)

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【EU】2017年の最終エネルギー消費に占める再エネ・風力割合が17.5%に上昇。2020年目標は20%

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 ユーロスタット(EU統計局)は2月12日、最終エネルギー消費量に占める風力を含む再生可能エネルギーの割合が2017年に17.5%に達したと発表した。統計発表を開始した2004年の8.5%からは2倍以上となり、前年比でも0.5ポイント増えた。EUは、同割合を、2020年までに20%、2030年までに32%以上を目標としている。 (出所)ユーロスタット  最終エネルギー消費量は、電力だけでなく、ガソリンや重油等の輸送燃料、ガス、木材焚き火等も含めた全エネルギーでの統計。各加盟国での割合は、水力発電の活用に適した立地等の問題もあり、スウェーデンの54.5%からルクセンブルクの6.4%まで大きな差がある。  EU加盟28ヶ国のうち、自身が掲げた2020年目標をすでに達成した国は、スウェーデン、フィンランド、デンマーク、エストニア、クロアチア、リトアニア、ルーマニア、ベルギー、イタリア、チェコ、ハンガリーの11ヶ国。目標と2017年現状との開きが大きい国は、フランス、オランダ、アイルランド、英国、ポーランド等。 【参照ページ】Share of renewable energy in the EU up to 17.5% in 2017

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【EU】欧州委、森林破壊を伴うバイオ発電燃料を「再エネ」とは認めない方針。委託法令案公表

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 欧州委員会は2月8日、2018年12月に制定された改正EU再生可能エネルギー指令に基づき、バイオマス発電の燃料基準を定めた委託法令案を発表した。土地利用の大きい燃料を用いたバイオマス発電は、再生可能エネルギーと見なさない内容となっている。同委託法令が施行されると、パーム油やパーム椰子殻(PKS)等を用いたバイオマス発電やバイオ燃料では、森林破壊を伴っていないことを保証する認証取得等が義務付けられることになる。3月8日までパブリックコメントを募集する。  改正再生可能エネルギー指令は、EUでの再生可能エネルギー推進に関する方針を定めたEU法。加盟国政府に対し、2020年までに発電を含むエネルギー需要の20%以上を再生可能エネルギーで供給することを義務化した。また輸送燃料に限定しても2020年までに再生可能エネルギー比率を10%以上とすることも義務付けた。同法では、再生可能エネルギーは、太陽光、太陽熱、風力、地熱、潮力、バイオマス、水力、下水消化ガス、埋立処分場ガス、バイオガス等が含まれる。同法では、加盟国政府に対し、達成に向けたアクション設定及び毎年に進捗報告も義務付けている。同時に、バイオマス発電、バイオ燃料の燃料生産では森林破壊も懸念されているため、燃料について基準を定めることも盛り込まれた。  今回公表された委託法令案では、主に、高炭素貯留(HCS)地帯を大規模に開拓して生産される「間接的土地利用変化(ILUC)」リスクの高い燃料と判断される基準と、「間接的土地利用変化(ILUC)」リスクが低いと認証される燃料の基準を規定している。基準をクリアしない燃料を用いた発電やバイオ燃料は、改正再生可能エネルギー指令で定められた再生可能エネルギー比率算出ではカウントされない。  委託法令(Delegated Act)とは、欧州議会が欧州委員会に対して細則設定権限を委託した形で制定されるEU規則。通常の立法手続を踏む立法行為ではないが、「非立法行為」と言われ、法的拘束力がある。 【参照ページ】Sustainability criteria 【EU法】改正EU再生可能エネルギー指令 【委託法令案】High and low Indirect Land-Use Change (ILUC) - risks biofuels, bioliquids and biomass fuels

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【アメリカ】シェブロン、気候関連対応開示を更新。経営陣と従業員の給与評価をCO2削減を導入

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 エネルギー世界大手米シェブロンは2月7日、2018年3月に発表した気候変動対応の内容を更新したと発表した。背景には、機関投資家や他のステークホルダーとの対話があったことを明らかにした。経営陣とほぼ全従業員の人事評価の一つとして二酸化炭素排出量削減に関する指標を導入し、給与と連動させること等が柱。  シェブロンが2018年3月に公表した気候変動対応フレームワーク「Climate Change Resilience: a framework for decision making」では、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の内容に則り、「指標と目標 c)」の「組織が気候関連リスク及び機会を管理するために用いる目標、及び目標に対する実績について説明する」を除いた全項目について情報開示している。シナリオ分析についても、国際エネルギー機関(IEA)の「New Policies Scenario(NPS)」と「Sustainable Development Scenario(SDS)」を用い、化石燃料需要のや価格への影響を分析した。  今回の更新では、ガバナンス、アクション・投資、指標の3つについての変更した。ガバナンスでは、2018年発表のフレームワークでは、同社の取締役会に設置された4つの委員会のうち、監査委員会、指名委員会、パブリックポリシー委員会の3つについては気候変動ガバナンスの観点で果たす役割を記載していたが、今回は残りの一つ報酬委員会についても役割を明確にした。その上で、報酬委員会の場で、「シェブロン・インセンティブ・プラン(CIP)」スコアカードを改定し、二酸化炭素排出量削減に関する指標を経営陣とほぼ全従業員の人事評価の一つに組み込むことを決定したことを明らかにした。指標に用いる目標としては、2023年までに2016年比でガスフレア排出量を25%から30%削減及びメタンガス排出量を20%から25%削減。  またガバナンス改革では、経営会議の下部委員会である「Enterprise Leadership Team(ELT)」と「Global Issues Committee (GIC)」に加え、新たに「ESG engagement team」を設置したことを発表。同委員会は、TCFD、SASB、及びESG評価機関のESGスコアに関連する内容を投資家及び他のステークホルダーと対話するための部署。年間で50以上の投資家及びステークホルダーと協議することを目指す。  アクション・投資改革では、2018年に加盟した「石油・ガス気候変動イニシアチブ(OGCI)」に加え、同機関の投資イニシアチブ「OGCI気候投資」にも 加盟し、1億米ドル(約110億円)を出資すると明かした。同社はそれとは別に、同社の「シェブロン未来エネルギー・ファンド」を2018年に発足し、1億米ドル(約110億円)を投資しており、今回の発表で合計の投資額が2倍となる。 【参考】【国際】石油・ガス大手気候変動対応推進OGCI、米系3社が初加盟し合計13社に(2018年9月25日) 【参照ページ】Chevron Issues Update to Climate Report for Investors 【レポート】Climate Change Resilience: a framework for decision making 【レポート】Update to Climate Change Resilience: a framework for decision making

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【国際】MSCI、2019年不動産投資の5大重要トレンドを発表。ESGリスクも入る

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 インデックス開発世界大手米MSCIは2月5日、不動産投資の2019年の5大重要トレンドを発表した。地政学リスクや、テクノロジーによる顧客ニーズ変化に加え、ESGリスクも入った。 ESGリスク  ESG投資の中でも、気候変動が不動産投資に与える影響は大きいと位置づけた。2018年11月に米政府が発表した「全米気候評価報告書(National Climate Assessment)」の第4次報告書(NCA4)第2版では、気候変動は今後、1929年の世界大恐慌の2倍以上の経済インパクトを起こす可能性があると言及。今後洪水リスクの高い沿岸部では、今後数年のうちに不動産価値に反映されてくる可能性がある。 【参考】【アメリカ】連邦政府直下USGCRP、気候変動は全米の社会・経済に大きな損失と警告。トランプ大統領に反旗か(2018年11月28日) 地政学リスク  不動産投資家は、これまで国内市場に集中してきたが、最近では海外市場にも投資をするようになっている。しかし、2018年は、ブレグジットに揺れる英国、「黄色いベスト運動」が続くフランス、政府機関が活動停止に陥った米国、懸念される米中経済紛争等、地政学リスクの影響で市況が不安定になっている。   テクノロジーリスク  ワークスタイルの多様化によって、オフィスに求められる機能は以前とは変わってきている。従来は、テナント企業を探してくるだけでよかったが、現在はニーズの変化に対応し、オフィスの機能、コスト感、追加サービス、契約内容等の新たなアイデアが求められるようになってきた。 透明性  株式市場では発行体の透明性向上により、アルファが狙いにくくなったこともあり、不動産市場にマネーが流れてきている。一方で、株式市場と同様に、透明性や流動性の向上が求められるトレンドが生まれてくる。 サイクルの寿命  過去10年間、不動産投資市場は活況を呈してきたが、いつまでもこの好調が続くわけではない。不動産投資会社には、生き残りをかけた各々の戦略が求められる時代に入ってきた。 【参照ページ】2019 EMERGING REAL ESTATE TRENDS

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【イギリス】空間ファイナンス・イニシアチブ発足。衛星データと金融サービスの融合目指す

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 英シティ・オブ・ロンドン自治体(シティ・オブ・ロンドン・コーポレーション)のグリーンファイナンス・イニシアチブ(GFI)は2月5日、空間データを活用したファイナンスを推進する新イニシアチブ「空間ファイナンス・イニシアチブ(Spatial Finance Initiative)」を発足した。オックスフォード大学、アラン・チューリング研究所、英Satellite Applications Catapult、GFIの4社が創設メンバーとなった。  今後、人工衛星を活用した地球観測データやリモートセンシング・データの取得が進むにつれ、気候変動や環境変化がもたらす金融市場への影響を考慮することが可能になっていく。今回のイニシアチブは、地理空間データ、データサイエンス、金融サービスの3つを結びつけ、リスクやインパクトを見出し、新たな金融サービスの構築を目指す。 【参照ページ】Spatial Finance Initiative launch

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【アメリカ】民主党、グリーン・ニューディール下院決議案発表。再エネ100%転換等の気候変動対策

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 米民主党は2月7日、環境政策で米経済を成長させる「グリーン・ニューディール(Green New Deal)」下院決議案を発表した。アレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員と、エド・マーキー連邦上院議員が2018年11月に起草を開始し、民主党の連邦下院議員64名、連邦上院議員9名の支持を取り付けた。次期大統領選挙民主党予備選に出馬予定のエリザベス・ウォーレン、カーマラ・ハリス、カーステン・ギリブランド、コリー・ブッカーの各連邦上院議員も支持した。連邦下院は、民主党が多数派。  発表された「グリーン・ニューディール」決議案は、今後10年以内に国内電源を風力発電や太陽光発電のような二酸化炭素排出量ゼロの再生可能エネルギーに100%切り替えることや、交通手段の近代化、製造業及び農業での二酸化炭素排出量削減、住宅及び建物のグリーンビルディング化、土地保全の拡大等を通じた気候変動政策を大きく掲げた。  また、気候変動によって被害を受ける市民や、エネルギー政策の転換により失業のおそれのある労働者向けの経済保護政策も盛り込み、医療サービス保障、雇用創出、就業訓練等を強化する考え。  ニューディールは、フランクリン・ルーズベルト元大統領が世界恐慌から米国を救った経済政策に因んでいる。決議案は、法案ではないが、連邦議会の意思を示す「決議」での採択を目指すもの。  今回のグリーン・ニューディール政策は、もともとは連邦議会で議席ゼロの米緑の党が提唱したものだったが、2018年11月の米中間選挙の1週間後に、米環境NGOのSunrise Movementが民主党のナンシー・ペロシ連邦下院議長事務所に押しかけ、グリーン・ニューディールへの支持を要求。同日、29歳と議会内最年少のアレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員が、中間選挙で民主党が多数派となった連邦下院議会にグリーン・ニューディール特別委員会を設置する考えを表明。これにより、グリーン・ニューディール政策の存在が一気に米国中に伝わった。その後、民主党議員から相次いで支持が表明されていく。  これら民主党の動きには、国際環境NGOのグリーンピース、シエラクラブ、Friends of the Earth(FoE)、350.orgも賛同。12月10日には、Sunrise Movementが、ナンシー・ペロシ連邦下院議長、ステニー・ホイヤー連邦下院院内総務の事務所に詰めかけ、再度支持を訴えた。1月10日には、環境NGOを中心に600団体が連邦議会上下院に対し、気候変動対応のアクションを求める共同書簡を送付していた。 【決議案】Green New Deal Resolution 【共同書簡】Legislation to Address the Urgent Threat of Climate Change

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【オーストラリア】OECD、2030年CO2目標達成は厳しいと指摘。カーボンプライシング等を提言

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 経済協力開発機構(OECD)は1月30日、オーストラリアを対象とした3回目の「環境パフォーマンス・レビュー」を発行した。石炭火力発電から天然ガス火力発電や再生可能エネルギーに転換し始めたことは評価したが、依然としてOECD諸国の中で炭素依存度が高く、二酸化炭素排出量が増加している国と指摘し、改善策を促した。  OECDの環境パフォーマンス・レビューは、加盟国の決議を経て1992年から開始。加盟国の環境監督当局が「ピア・レビュー」の形で相互にチェックし合う方式を取っている。オーストラリアは前回2回目は2007年にレビュー。日本は、1994年、2002年、2010年の3回実施された。  オーストラリア政府は、2030年までに二酸化炭素排出量を2005年比26%から28%削減する目標を掲げている。しかし、同レポートは、このままのペースでは、同目標を達成することは不可能と言及。カーボンプライシング(炭素価格)や再生可能エネルギー推進を含め、2030年や2050年を見据えた長期的な二酸化炭素排出量戦略を打ち出すべきだと提言した。 (出所)OECD  生物多様性についても、オーストラリアは、陸上及び海洋で大幅に保護区を拡大してきており、2020年の国際ターゲットを上回っているものの、同国は種の多様性の宝庫であり、都市部やインフラの急速の拡大がリスクとなっているとし、進捗状況を測る統計設定や保護のための投資拡大も提言した。 【参照ページ】Australia needs to intensify efforts to meet its 2030 emissions goal 【参照ページ】Environmental country reviews

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【イギリス】政府、森林会計計画を決定。森林CO2吸収量算定のための参照レベル設定

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 英ビジネス・エネルギー・産業戦略省は2月5日、2021年から2025年の間、森林での二酸化炭素吸収量を測定するための参照レベル(RL)を決定した。同5年間の経過後に、参照レベルを基準とし吸収量を算出する。  今回の決定は、EUが2018年5月に制定した「土地利用、土地利用変化及び林業(LULUCF)規則」に基づくもの。同規則では、LULUCF分野での算定ルールを提示したのと同時に、同分野での二酸化炭素排出量をゼロまたはマイナスにする目標期間を定めた。EU加盟国は、同EU指令により、国家森林会計計画(NFAP)の策定が義務化されている。欧州委員会は2018年7月、参照レベルの設定方法等を規定した「FRLガイダンス」を発行していた。  参照レベル(RL)とは、森林での二酸化炭素吸収量算出の基準となるベースラインのこと。森林では、植物が成長すれば炭素が固定され、大気中の二酸化炭素が吸収される。同様に荒地等を森林地に転換すれば固定量が増える。一方、森林を伐採し燃焼すれば大気中に二酸化炭素は排出される。森林での二酸化炭素排出量を算出するためのベースラインは、参照排出レベル(REL)と別の名で呼ばれることもある。  今回、英政府は、参照レベルを16,657.1kt-CO2eと設定。その中には、IPCCガイダンスを基に算出した伐採木材製品(HWP)による変化量も含まれる。一方、HMP変化量を除いた参照レベルは、14,174.6kt-CO2eとした。また、バイオマス燃焼での排出量も前提に含めたが、肥料による窒素化合物(NOx)排出や排水でのメタンガス排出については、今回は推計しなかった。  森林転換については、耕作地、草原、湿地、開拓地、その他の5区分を設け、森林転換から30年が経過した森林地の変化量を算出対象とする。 【参照ページ】UK National Forestry Accounting Plan, 2021 to 2025

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