【EU】欧州委、カンボジアへの輸入関税撤廃優遇措置の一時停止手続開始。1年後に最終判断決定

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 欧州委員会は2月11日、カンボジアに対し、武器以外の全品目で数量制限なしにEU域内への輸入関税を撤廃する「EBA制度」を一時的に停止する手続きに入った。政治参加、団結権、結社の自由、表現の自由等で深刻な人権侵害や労働権侵害が確認されたため。欧州委員会は2018年7月に、今回の決定の是非を判断するための情報収集を開始していた。 【参考】【カンボジア】NGO95団体、労働組合指導者への有罪判決を非難。EUは政府の土地収用で懸念表明(2019年1月3日) 【参考】【カンボジア】アパレル大手工場、未払賃金要求ストライキ実施の従業員1200人を一斉解雇(2019年1月10日) 【参考】【カンボジア】労働大臣、省内官僚に労働組合保護規定の法律遵守通達。組合側は姿勢に懐疑的(2019年1月26日)  今回開始された「EBA制度」の暫定撤回手続きでは、直ちに輸入関税が課せられるわけではないが、カンボジア政府に対するモニタリングやエンゲージメントが今後6ヶ月間、集中的に実施され、場合によっては輸入関税復活の判断も最終的に下されることもある。今回の決定は、2月12日に官報に掲載され、正式に発動した。集中モニタリングの後、最長3ヶ月間かけ作成された報告書が欧州委員会に提出される。官報掲載の1年後に、輸入関税復活の最終判断が発表され、6ヶ月後に施行される。  今回の決定は、欧州委員会が2018年10月4日に起案し、加盟国政府が2019年1月末に承認した。 【参照ページ】Cambodia: EU launches procedure to temporarily suspend trade preferences

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【EU】欧州委、森林破壊を伴うバイオ発電燃料を「再エネ」とは認めない方針。委託法令案公表

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 欧州委員会は2月8日、2018年12月に制定された改正EU再生可能エネルギー指令に基づき、バイオマス発電の燃料基準を定めた委託法令案を発表した。土地利用の大きい燃料を用いたバイオマス発電は、再生可能エネルギーと見なさない内容となっている。同委託法令が施行されると、パーム油やパーム椰子殻(PKS)等を用いたバイオマス発電やバイオ燃料では、森林破壊を伴っていないことを保証する認証取得等が義務付けられることになる。3月8日までパブリックコメントを募集する。  改正再生可能エネルギー指令は、EUでの再生可能エネルギー推進に関する方針を定めたEU法。加盟国政府に対し、2020年までに発電を含むエネルギー需要の20%以上を再生可能エネルギーで供給することを義務化した。また輸送燃料に限定しても2020年までに再生可能エネルギー比率を10%以上とすることも義務付けた。同法では、再生可能エネルギーは、太陽光、太陽熱、風力、地熱、潮力、バイオマス、水力、下水消化ガス、埋立処分場ガス、バイオガス等が含まれる。同法では、加盟国政府に対し、達成に向けたアクション設定及び毎年に進捗報告も義務付けている。同時に、バイオマス発電、バイオ燃料の燃料生産では森林破壊も懸念されているため、燃料について基準を定めることも盛り込まれた。  今回公表された委託法令案では、主に、高炭素貯留(HCS)地帯を大規模に開拓して生産される「間接的土地利用変化(ILUC)」リスクの高い燃料と判断される基準と、「間接的土地利用変化(ILUC)」リスクが低いと認証される燃料の基準を規定している。基準をクリアしない燃料を用いた発電やバイオ燃料は、改正再生可能エネルギー指令で定められた再生可能エネルギー比率算出ではカウントされない。  委託法令(Delegated Act)とは、欧州議会が欧州委員会に対して細則設定権限を委託した形で制定されるEU規則。通常の立法手続を踏む立法行為ではないが、「非立法行為」と言われ、法的拘束力がある。 【参照ページ】Sustainability criteria 【EU法】改正EU再生可能エネルギー指令 【委託法令案】High and low Indirect Land-Use Change (ILUC) - risks biofuels, bioliquids and biomass fuels

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【EU】欧州委、ヘイトスピーチ撲滅アクション評価報告書発表。フェイスブック、ツイッター、YouTube等

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 欧州委員会は2月4日、IT大手6サービスを対象に実施しているヘイトスピーチ撲滅アクションの第4次評価報告書を公表した。対象企業は、フェイスブック、マイクロソフト、ツイッター、YouTube、インスタグラム、G+。2016年の「オンライン上の違法ヘイトスピーチに対抗する行動規範(Code of Conduct on countering illegal hate speech online)」導入後、大きな成果が上がったことがわかった。  同報告書は、違法ヘイトスピーチの疑いがあるコンテンツの24時間以内の分析実施率は2016年の40%から2018年には89%に上昇。当該コンテンツの削除実施率も2016年の28%から2018年には72%に上昇した。しかし、欧州委員会はユーザーへのフィードバックには改善の必要があるとした。  EUの「人種差別および外国人嫌悪に対抗するフレームワーク決議」では、違法ヘイトスピーチを「人種、肌の色、宗教、血統、国籍、エスニシティを基に特定のグループやグループメンバーに対する暴力や憎悪を公の場で扇動する行為」と定義している。EUでは、違法をヘイトスピーチへの対応は、EU、加盟国、ソーシャルメディア運営事業者、その他プラットフォーム運営事業者の共同責任と位置づけており、欧州委員会とフェイスブック、マイクロソフト、ツイッター、YouTubeの4サービスは、共同で同行動規範を策定した。今回の報告書からは、インスタグラム、G+も評価に加わった。  他にも、スナップチャット、Dailymotion、仏Webedia(jeuxvideo.com)の3サービスも参加を表明した。発表されいてる各サービスの対応状況のチェックはNGOが実施している。今回の報告書では、2018年11月5日から12月14日までの間、NGO35団体と4カ国の公的機関が違法ヘイトスピーチ・コンテンツのサンプル調査と各サービスへの通報を行い、対応状況を集計した。 【参照ページ】Countering illegal hate speech online – EU Code of Conduct ensures swift response 【参照ページ】Code of Conduct on countering illegal hate speech online: Questions and answers on the fourth evaluation 【報告書】Code of Conduct on countering illegal hate speech online

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【EU】欧州委、偽情報に関する行動規範の対応状況発表。フェイスブック、グーグル、ツイッター、Mozilla

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 欧州委員会は1月29日、IT企業に遵守を求めていた「偽情報に関する行動規範(Code of Practice on Disinformation)」に関し、企業から提出された第1回報告書の状況を発表した。偽アカウント対策や偽情報発信サイトの蓋然性を落とす対策では一定の成果が見られたが、政治広告の透明性の観点では改善道半ばとした。  今回の報告書は、2018年末までの企業対応をまとめたもの。EUは、「偽情報」を、「虚偽または誤解を招くと検証されうる情報のうち、経済的利益のために作成、表示、頒布されたもの、あるいは一般大衆を意図的に欺く上に公益を損なうもの」と定義しており、意図された偽情報という側面を強調している。「偽情報に関する行動規範」は、2018年4月に策定され、政治広告等のスポンサードコンテンツ、アルゴリズムの第三者検証、多様な意見へのアクセス強化、偽アカウント対策、偽情報の監督推進等の内容を含んでいる。  今回は、フェイスブック、グーグル、ツイッター、Mozillaの4社・団体が、同行動規範に基づく対応状況を報告した。それに対し欧州委員会は、各社について評価できる点と改善点を示した。 【参照ページ】Code of Practice against disinformation: Commission calls on signatories to intensify their efforts

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【EU】欧州委、マスターカードに競争法違反で約712億円の罰金命令。国際決済の単一市場ルール違反

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 欧州委員会は1月22日、決済世界大手米マスターカードに対し、EU競争法違反で5億7,056万6,000ユーロ(約712億円)の罰金支払を命じた。2015年12月以前の決済銀行の国際決済において、単一市場ルールへの違法があったと判断した。  マスターカードは、クレジットカード決済額で世界第2位。カード決済では、小売企業側の銀行が購入者側の銀行に対し仲介手数料を支払っており、マスターカードのルールでは、仲介手数料率は小売側の立地国の料率を適用することになっている。しかし、2015年12月9日に施行されたEU仲介手数料規則で上限決済手数料率がクレジットカードで0.3%、デビットカードで0.2%に設定される前は、マスターカードのルール上の料率が立地国毎に異なっていた。EUのルールでは、欧州経済領域(EEA)内では競争上の条件を一律にしなければならず、高料率国に立地する企業が悪条件で決済手数料を払わさせられていたと判断された。  欧州委員会は2013年にマスターカードへの競争法上の調査を公式に開始。2015年に7月にはマスターカードに対し、違法性を示す「異義告知書(Statement of Objections )」を発していた。一方、マスターカードは、欧州委員会の調査に協力。その結果、最終的な罰金額は10%減額された。  不利な条件で高い決済手数料を支払った個人または法人は、各EU加盟国の裁判所に対し、賠償請求を求めることができる。 【参照ページ】Antitrust: Commission fines Mastercard €570 million for obstructing merchants' access to cross-border card payment services

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private 【EU】欧州委専門家グループ、気候関連企業報告の答申書公表。非財務情報開示ガイダンスにTCFD反映

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 欧州委員会のサステナブルファイナンスに関するテクニカル専門家グループ(TEG)は1月10日、気候変動関連情報に関する企業の情報開示について初の答申をまとめた。欧州委員会に対し、EU非財務情報開示指令(NFRD)に即して作成されたガイドラインを改正し、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言内容や、現在別途欧州委員会で検討中の「サステナブル」定義に基づく内容を導入するよう提言した。 【参考】【EU】欧州委、サステナブルファイナンス・アクションプラン発表。金融・企業報告のEU法改正も視野(2018年3月12日) 【参考】【EU】欧州委員会、サステナブルファイナンスの「サステナブル」定義案発表。フィードバック募集(2018年12月10日) 【参考】【EU】欧州連合理事会、大企業の透明性向上に向け、非財務情報開示義務指令を承認(2014年10月5日)  今回のTEGの答申書は (more…)

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【EU】欧州委、運用会社や保険販売会社に顧客のESG嗜好考慮を義務化するEU規則案発表

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 欧州委員会は1月4日、金融機関が投資商品や保険商品を販売する際に、顧客のESG嗜好を考慮することを義務付けるEU規則案を発表した。欧州委員会は2018年3月、サステナブルファイナンス・アクションプランを発表しており、今回のEU規則改正はその一環。 【参考】【EU】欧州委、サステナブルファイナンス・アクションプラン発表。金融・企業報告のEU法改正も視野(2018年3月12日)  今回の改正案は、第2次金融商品市場指令(MiFID2)と保険販売業務指令(IDD)を改正するもの。金融機関が、顧客に投資アドバイスする際や投資運用を行う際に、顧客のESG嗜好を反映させることを義務付ける。そのため、顧客のESG嗜好を把握することが求められることになる。  今回のEU規則案は、現在欧州委員会が別途進めている「ESG考慮」や「サステナブル」の定義が確立した後に、導入する考え。   【参照ページ】Commission publishes draft rules to ensure investment firms and insurance distributors consider sustainability topics when advising clients 【規則案】Commission delegated regulation amending Delegated Regulation (EU) 2017/565 as regards the integration of Environmental, Social and Governance (ESG) considerations and preferences into the investment advice and portfolio management

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【EU】欧州委、タイのIUU漁業対策を評価し輸入「イエローカード」解除。時期尚早との批判も

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 欧州委員会は1月8日、タイ政府が違法・未報告・未規制(IUU)漁業対策に非協力的として2015年4月から発動していた「イエローカード」措置を解除した。タイ政府が、漁業労働者への人権侵害や現代奴隷扱いを防止するための法規制や行政制度を整備したことに一定の評価をした。これによりタイからEUへの水産物輸出禁止警告が解かれた。  漁業のサステナビリティを脅かすIUU漁業は、世界全体で年間1,100万tから2,600万t水揚げされていると推定されている。市場規模にすると100億から200億ユーロ(約1.25兆円から約2.5兆円)で世界市場の15%に相当する。そのうちEUは世界最大の水産物輸入国であり、2010年に施行したEUのIUU規則により、輸出国政府のIUU漁業対策度合いを基に、輸出許可措置を「グリーンカード」「イエローカード」「レッドカード」の3つに分類している。  欧州委員会が、当該国をIUU漁業対策に非協力的と認定すると「イエローカード」が発動され、欧州委員会と当該国政府との間で公式協議が開始される。それでも非協力的と判断されると、「レッドリスト」が発動され、当該国からEUへの水産物輸入が禁止される。一方、公式協議を通じて、対策を開始したと判定されれば「グリーンカード」扱いとなり、警告が解かれる。  タイ政府は、2015年4月に「イエローカード」が発動されて以降、欧州委員会との協議に建設的に臨んで来た。その中で、国際法に即した国内法の整備、国家としての義務遵守の強化、漁船統制強化、漁業活動の遠隔監視、港湾での検査計画の改善等を整備してきた。  タイは、漁業国として世界有数で、太平洋とインド洋で操業を行っている。水産加工産業も発展しており、タイがIUU漁業に本腰を上げることは国際的に大きな意味を持つ。またタイは、国連食糧農業機関(FAO)の港湾国対策協定の締約国として、港での外国漁船上陸に対する規制を強化し、インド洋および太平洋海域の国々との協力も強化してきた。 また、EUは、タイ政府が最近、国際労働機関(ILO)漁業労働条約(第188号)を批准したことも評価した。  一方、今回のタイの「イエローカード」解除は時期尚早との批判もある。環境NGOのEnvironmental Justice Foundationは、タイでの対策は不十分との見方を示した。またタイが結社の自由を保障する他のILO条約を批准していないことも問題視されている。  欧州委員会は現在、カンボジア、コモロ諸島、セント ビンセント及びグレナディーン諸島の3カ国に対し「レッドカード」を発動している。また、キリバス、シエラレオネ、セントクリストファー・ネイビス、台湾、トリニダード・トバゴ、ベトナムには「イエローカード」が出ている。一方、かつて「レッドリスト」が発動されたが解除された国は、ベリーズ、ギニア、スリランカの3ヶ国。 【参照ページ】Commission lifts “yellow card” from Thailand for its actions against illegal fishing 【参照ページ】Questions and Answers - Illegal, Unreported and Unregulated (IUU) fishing in general and in Thailand

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【EU】欧州委、ESGインデックス含む政府主導インデックス開発に着手。新興国や中小上場企業を包含

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 欧州委員会の金融安定・金融サービス・資本市場同盟総局(DG FISMA)は12月22日、EUとしての投資インデックスの開発に着手し、開発受託者の公募を開始した。公募額は35万ユーロ(約4,400万円)。公募締切は2019年2月18日。EUは、サステナブルファイナンス・アクションプランの中でESGインデックスの開発も盛り込んでいたが、今回DG FISMAは、ESGインデックスを含め、EUが掲げる戦略推進のために幅広いインデックスを開発する考え。  今回開発予定のインデックス・ファミリーには「CMUインデックス・ファミリー」という名称が付けられている。CMUは、EUの主要政策の一つ「資本市場同盟(CMU)」のこと。今回、EU主導で新たなESGインデックス開発を進める背景には、主要インデックスに組み込まれる企業が、特定のEU加盟国の大企業に偏っていることを問題視したため。そのため、新たに開発するインデックスでは、北欧や中東欧の企業や、中小型上場企業(SME)も包括したインデックスとする。  今回の公募要綱の中では、具体的な「CMUインデックス・ファミリー」のインデックス例として、中小型成長企業を対象とした「CMU SME Growth Market Index」、環境関連企業を対象とした「CMU Green Index」、ESGインデックスの「CMU Sustainability/ESG Index」、フィンテック企業を対象とした「CMU FinTech Index」を挙げた。公募のプロジェクト期間は1年間で、「CMUインデックス・ファミリー」のフレームワーク設計及び市場ポテンシャル調査の2つを実施する。  公募の選定基準は、フレームワーク設計の概要が40%、開発するインデックス・ファミリーの市場ポテンシャル調査の概要が30%、プロジェクトチーム構成が15%、品質管理手法が15%。公募者には、EU加盟国のうち3ヶ国以上でのプロジェクト経験がある等の必須条件も設定されている。また開発するインデックスは全て、EU全加盟国をカバーしなければならない。 【参照ページ】Feasibility Study for the Creation of a CMU Equity Market Index Family

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【EU】欧州委、サーキュラー・プラスチック・アライアンス発足。関係企業集め行動設定。自動車・建設も

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 欧州委員会は12月11日、プラスチック廃棄物を削減し、再生プラスチックの活用を拡大するため、幅広い関係企業を集めた新アライアンス「サーキュラー・プラスチック・アライアンス」を発足した。今後、プラスチック使用量の多い容器・包装、建設、自動車業界を含め幅広い企業に参加を呼びかける。2019年2月に初会合を開催し、2019年5月までに集中してアクションをまとめる。  今回のアライアンスは、「欧州プラスチック戦略」の中に掲げた2025年までに欧州市場に1,000万tの再生プラスチックを投入するという目標達成に向けた一環。そのため、アライアンスには、プラスチック回収業者、リサイクル業者、プラスチック消費企業、製品メーカー、小売企業等を集め、プラスチックのマテリアル・リサイクルやケミカル・リサイクルを進めるためのアクションを協議する。  同アライアンスのゴールとしては、主要な関係企業の自主的な短期アクション・投資内容の設定等を掲げた。プラスチックの分別回収、共通の報告フォーマット、リサイクル施設への投資、リサイクルしやすいプラスチック製品設計の自主規格策定等が想定されている。また、2025年目標達成への阻害要因の特定や進捗状況モニタリング・報告についても議論する。 【参照ページ】Commission launches Circular Plastics Alliance to foster the market of recycled plastics in Europe

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