【日本】経産省、総務省、公取委、デジタル・プラットフォーマー型ビジネスのルール整備基本原則を策定

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 経済産業省、総務省、公正取引委員会は12月18日、プラットフォーマー型ビジネスの規制方針骨格となる「デジタル・プラットフォーマー型ビジネスの台頭に対応したルール整備の基本原則」を策定した。3者は、今回の基本原則に則り、具体的措置を早急に進める方針。  デジタル・プラットフォーマーに関する法的評価の視点では、デジタル・プラットフォーマーが、「社会経済に不可欠な基盤を提供している」「多数の消費者(個人)や事業者が参加する場そのものを、設計し運営・管理する存在である」「そのような場は、本質的に操作性や技術的不透明性がある」ことを考慮すべきと前提を定めた。そのうえで、公正性確保のための透明性の実現に向け、「大規模かつ包括的な徹底した調査による取引実態の把握」「多様かつ高度な知見を有する専門組織等の創設」「透明性及び公正性確保の観点からの規律導入に向けた検討」を進めることとした。  また、競争法の分野でも、データやイノベーションを考慮したM&A審査や優越的地位の濫用規制の適用等において、独占禁止法の運用や関連する制度の在り方を検討する。国際的なルールとの整合性も鑑みた上で、日本法令の域外適用のあり方や、実効的な適用法令の執行の仕組みの在り方についても検討する。   【参照ページ】プラットフォーマー型ビジネスの台頭に対応したルール整備の基本原則を策定しました

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【日本】成田、関西、大阪の3国際空港、ACIの空港カーボン認証で上から2番目のレベル3獲得

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 成田国際空港は11月29日、国際空港評議会(ACI)の二酸化炭素排出量削減に取り組む国際空港に付与する認証制度「Airport Carbon Accreditation」で、上から2番目の「レベル3」を獲得したと発表した。1月に「レベル2」を獲得していた。また、関西エアポートも12月6日、関西国際空港と大阪国際空港が「レベル3」を獲得したと発表した。両空港は2016年に「レベル2」を獲得していた。同時に関西エアポートが運営する神戸空港も「レベル2」を獲得した。日本ではそれ以外の空港は認証を獲得していない。 【参考】【国際】国際空港評議会、加盟641社に気候変動適応整備要請。246社認証取得し日本の空港は3つ(2018年10月15日)  ACIの認証は4段階で構成。空港が管理を実施している内容によってレベル分けされる。レベル1は空港からの二酸化炭素排出量の測定。レベル2は空港からの二酸化炭素排出量の測定と削減。レベル3は航空会社等の空港以外からの二酸化炭素排出量の測定と削減計画の策定。最も高いレベル3+は空港からの二酸化炭素ネット排出量をゼロ化(オフセット活用も可)。現在世界49空港がレベル3+を獲得している。  レベル3+獲得空港は、40空港が欧州。英ロンドン・ガトウィック空港、ロンドン・スタンステッド空港、マンチェスター空港、仏ニース・コートダジュール空港、蘭スキポール空港、ベルギーのブリュッセル空港、イタリアのローマ・レオナルド・ダ・ヴィンチ国際空港、ヴェネツィア・マルコポーロ空港、ナポリ空港、ミラノ・マルペンサ空港、スイスのジュネーブ空港、ハンガリーのブダペスト空港、ノルウェーのベルゲン空港、スウェーデンのストックホルム・アーランダ空港、ストックホルム・ブロンマ空港、ギリシャのアテネ空港等がある。他には、インドのデリー国際空港、ラジブ・ガンジー国際空港、バンガロール国際空港、ムンバイ国際空港、ヨルダンのクィーンアリア国際空港、米ダラス・フォートワース国際空港等。   【参照ページ】空港カーボン認証レベル3を取得しました 【参照ページ】関西国際空港及び大阪国際空港が空港カーボン認証レベル3を取得 【機関サイト】Airport Carbon Accreditation

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【日本】三菱商事、オーストラリア炭鉱権益2つを売却。売り先の一つは、住友商事の出資先

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 三菱商事は12月18日、豪100%子会社の三菱デベロップメントが保有していたオーストラリアの2つの炭鉱(一般炭)権益を売却すると発表した。売却完了は2019年中を想定。売却対価は総額7.5億豪ドル(約600億円)。  売却対象資産は、クイーンズランド州クレアモント炭鉱の保有権益31.4%とニューサウスウェールズ州のユーラン炭鉱権益10%。前者は、グレンコアと住友商事が折半出資するジーエス・コールが売却先。後者は、グレンコアの豪100%子会社グレンコアコールが売却先。  総合商社では、三井物産も12月3日、オーストラリアのニューサウスウェルズ州で石炭(一般炭)採掘を行っていたベンガラ・ジョイント・ベンチャーの保有権益10%全てを、豪ニューホープに売却すると発表。三井物産に続いて、三菱商事も石炭(一般炭)ダイベストメントが進めてきた模様。 【参考】【日本】三井物産、豪州ニューサウスウェルズ州の石炭採掘合弁企業権益を全て売却(2018年12月6日) 【参照ページ】豪州クレアモント炭鉱及びユーラン炭鉱の売却合意

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【日本】日本生命、TCFDに賛同。国内生保で2社目。日本全体では40社・機関に到達

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 日本生命保険は12月18日、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言への賛同を表明した。日本企業ではすでに39社・機関が賛同を表明しており、今回の発表で40社に達した。生命保険では、すでに第一生命ホールディングスが賛同を表明していた。  すでに賛同していた39社・機関は、日本政策投資銀行、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ、三井住友トラストホールディングス、りそなホールディングス、滋賀銀行、日本取引所グループ、第一生命ホールディングス、東京海上ホールディングス、MS&ADインシュアランスグループホールディングス、SOMPOホールディングス、野村ホールディングス、大和証券グループ本社、日興アセットマネジメント、三菱商事、双日、日立製作所、NEC、リコー、コニカミノルタ、ニコン、三菱ケミカルホールディングス、住友化学、ジェイテクト、キリンホールディングス、マルイグループ、住友林業、大和ハウス工業、積水ハウス、日本郵船、商船三井、川崎汽船、国際航業、野村総合研究所、及び金融庁、環境省、全国銀行協会、日本公認会計士協会。  また日本生命保険は12月17日、英洋上風力発電プロジェクト運営Firebolt PB Holdingsに対し、2億ポンド(約286億円)のシンジケートローンを実行したと発表した。日本の生命保険会社のプロジェクトファイナンス額として最大。同プロジェクトは、ノーフォーク州沖合で設備容量は573.3MW。デンマーク電力大手アーステッドのグループ会社と共同運営している。すでに2018年2月に竣工しており、今回のシンジケートローンは安定運営のために資金を供給する。 【参照ページ】「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同について 【参照ページ】英国での洋上風力発電プロジェクトへの融資について

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【日本】公取委、サンリオに下請法違反の是正勧告。商品調達元に不当な要求実施

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 公正取引委員会は12月12日、サンリオに対し、下請代金支払遅延等防止法(下請法)違反があったとして是正勧告を行った。下請事業者から商品を受領した後、下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに、受領後6か月を経過した商品を引き取らせていた。また、納品する商品と同一の商品をサンプルとして無償で提供させることも行っていた。  下請法は、競争法の一部として扱われており、違反行為はESG評価におけるガバナンスに抵触する。  今回の調査は、公正取引委員会の調査により発覚したもの。納品商品の返品は2016年6月から2017年11月までに発生し、下請代金相当額は約1,100万円。サンプル品としての無償提供は、2016年7月から2018年8月まで発生し、下請代金相当額は約690万円。サンリオはこれまでに各々下請代金を支払う対応を採っている。  公正取引委員会は、今回の件に対し、上記2つの行為が違反行為であること及び今後行わないことを取締役会決議で確認することを要求。また、社内体制整備、社員教育での周知徹底、他の下請事業者への通知を要求するとともに、これら対応措置を速やかに公正取引委員会に報告するとも要求した。 【参照ページ】(平成30年12月12日)株式会社サンリオに対する勧告について

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【日本】政府、ファーウェイとZTE製通信機器を排除の方針。省庁だけでなくインフラ企業でも

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 日本政府は12月10日、金融、航空、鉄道、電力等重要インフラを担う14業種を対象に、企業や団体が情報通信機器を調達する際、情報漏洩や機能停止の懸念がある情報通信機器を調達しないよう促す方針を固めた。政府は同日、各省庁に対して情報通信機器の調達に際し、価格で判断する一般競争入札ではなく、総合評価する契約方式を採用する「IT調達に係る国の物品等又は役務の調達方針及び調達手続に関する申合せ」を決定している。実質的に、中国大手のファーウェイ(華為技術)と中興通訊(ZTE)の通信機器が、排除される見通し。  今回の件については、カナダ司法省が12月5日、ファーウェイ創業者の娘である孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)を逮捕したこととの関連を上げる声もあるが、ファーウェイやZTEについては、今年中頃から欧米諸国政府で急速にファーウェイ製品に対する安全保障上の懸念が大きくなっていた。 【参考】【イギリス】国家サイバーセキュリティ・センター、ファーウェイ製品の新たなリスク警告(2018年7月27日)  決定打となったのは、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの11月23日の報道で、米国政府が同盟国政府に対し、安全保障上の観点からファーウェイ製品の使用を避けるよう強く要請したという件。同紙の報道では、米国政府、ドイツ、イタリア、日本等の親しい同盟国の政府及び通信大手経営陣に対し、ファーウェイ製品の使用停止とともに、代替製品開発には資金援助をする考えも見せたという。  通信インフラ設備では、世界ではファーウェイ、エリクソン、ノキアの3社がしのぎを削っている。特にファーウェイはアジア太平洋地域で圧倒的に強く、欧州でも僅差で首位。一方、北米ではノキアとエリクソンが強い。米国政府は特に、米軍施設の安全保障のため、アジアや欧州の同盟国にもファーウェイ排除を要請したとみられている。  アジア太平洋地域では、オーストラリア政府が8月、ファーウェイとZTEに対し次世代高速通信「5G」への参入を禁止する措置を発表。ニュージーランド政府も11月、両社製の5G設備を用いる計画を却下した。  日本政府は今回、内閣の「高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)」の下に設置されたサイバーセキュリティ対策推進会議(CISO等連絡会議)で、各省庁での申し合わせを決定。2019年4月から適用する。また、企業や団体に対しては、それより早く2019年1月からファーウェイとZTEの危機を排除するよう求める見込み。対象となる14業種は、情報通信、金融、航空、空港、鉄道、電力、ガス、行政、医療、水道、物流、化学、クレジット、石油。但し、企業の調達に政府方針の強制はできないため、専門調査会にて注意喚起する形をとる。すでにNTTドコモ、ソフトバンク、auの3社は同日、5Gの基地局等の通信設備でファーウェイとZTEの製品を除外する方針を固めた模様。ソフトバンクは既存4Gでも除外し、他社製に置き換えるという。 【参照ページ】IT調達に係る国の物品等又は役務の調達方針及び調達手続に関する申合せ 【機関サイト】サイバーセキュリティ対策推進会議(CISO等連絡会議) 【参照ページ】Washington Asks Allies to Drop Huawei

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【日本】厚労省、DNA切断のゲノム編集技術は「組換えDNA技術」に該当せず安全審査不要と判断

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 厚生労働省の薬事・食品衛生審議会の下に設置された遺伝子組換え食品等調査会は12月5日、遺伝子を改変する「ゲノム編集技術」の中でも、目的の遺伝子だけを壊す方法を用いる手法は、食品衛生法により義務化されている安全審査の対象外とする方針を了承した。当該手法は、食品衛生法を基に厚生労働省が制定した規格基準における「組換えDNA技術」に該当しないと判断した。人工的に遺伝子を組み換えた食品への安全性を懸念する団体は、激しく反発している。  話題の対象になっている「ゲノム編集技術」は遺伝子組換えの中でも新しい技術。1960年頃から開発された遺伝子組換え技術は、主に細胞の外型で人工的に遺伝子を創り出し、細胞内に組み込み遺伝子を改変させる技術。他種の植物や微生物の遺伝子を組み込むことが多く、遺伝子を「創造」し、不自然な作用が起こる可能性があるとして忌避されることも多い。それに対しゲノム編集は、1990年以降に誕生した新たな技術。細胞内で編集したい遺伝子に作用する分子を人工的に送り込み、DNA配列を結合したり、切断したりしながら遺伝子を書き換える技術。従来型の遺伝子組み換え技術よりも、速く、低コスト、狙い通りに書き換えを行うことができるため、近年大きく注目されている。すでにマッシュルームやとうもろこし等でゲノム編集作物が生まれている。  厚生労働省の規格基準(昭和三十四年十二月厚生省告示第三百七十号、平成十二年五月厚生省告示第二百三十二号)では、 食品が組換えDNA技術(酵素等を用いた切断及び再結合の操作によって、DNAをつなぎ合わせた組換えDNA分子を作製し、それを生細胞に移入し、かつ、増殖させる技術をいう。以下同じ。)によって得られた生物の全部若しくは一部であり、又は当該生物の全部若しくは一部を含む場合は、当該生物は、厚生大臣が定める安全性審査の手続を経た旨の公表がなされたものでなければならない。  と定めており、「酵素等を用いて切断や再結合をしDNAをつなぎ合わせたもの」を「組換えDNA技術」と定義し、当該技術を用いた食品には安全性審査の義務を課している。一方、この規定は2000年に制定されてから改正されていない。  今回の調査会では、人工制限酵素による遺伝子の切断のみを行うものが、上記の適格基準の「組換えDNA技術」に相当するかが審議された。結果、その場合は、1個から数個の遺伝子塩基の変異を引き起こしたとしても、上記の定義には合致せず、「組換えDNA技術」ではないと判断された。それにより、食品衛生法に基づく安全性審査も不要と判断した。  厚生労働省で、ゲノム編集についての審議が急に進んだ背景には、6月15日に政府が閣議決定した「統合イノベーション戦略」の中で、「ゲノム編集技術を代表するCRISPR/Cas9のCRISPRのDNA配列はかつて我が国が発見したものであるが、こうした革新的な基盤技術につながる成果を持っていても、技術の確立まで至ったものが少なかったこと」と振り返り、国策として推進する姿勢を見たことにある。これにより、人体への安全性で厚生労働省が、生態系への影響で環境省が、ゲノム編集についての見解をまとめることとなった。環境省はすぐさま中央環境審議会遺伝子組換え生物等専門委員会にカルタヘナ法におけるゲノム編集技術等検討会を設置し、8月30日、人工制限酵素を用いた遺伝子の切断によるものは、遺伝子組換え生物等に該当しないため、カルタヘナ法の規制対象外とすることをまとめている。  今回の厚生労働省調査会の判断を受け、環境省と厚生労働省の双方がゲノム編集にゴーサインを出したこととなる。厚生労働省は今後、パブリックコメント等を実施した上で、2018年度内に方針を確定させる方針。その後、消費者庁が食品表示のあり方を検討する。  一方、EUでは、欧州司法裁判所(ECJ)が7月25日、種が元来持つ特定の遺伝子を科学的に改変させる「ゲノム編集」により開発した作物も、従来の遺伝子組換え作物(GMO)と同様に規制の対象とすべきと判断。日本とは異なり、従来の遺伝子組換え食品と同等に扱うことになっている。米国では農務省がゲノム編集作物にはGMO規制を適用しないとの考えを表明している。 【参考】【EU】欧州司法裁、ゲノム編集作物にもGMO規制適用と判断。農業関連企業は対応必須(2018年7月29日) 【厚生労働省調査会】薬事・食品衛生審議会 食品衛生分科会 新開発食品調査部会 遺伝子組換え食品等調査会資料 【資料】薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会新開発食品調査部会 遺伝子組換え食品等調査会報告書(案) 【厚生労働省規格基準】組換え食品安全性審査:規格基準告示 【環境省検討会】遺伝子組換え生物等専門委員会 【資料】ゲノム編集技術の利用により得られた生物のカルタヘナ法上の整理及び取扱方針について 【内閣】統合イノベーション戦略

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【日本】改正漁業法、成立。個別割当(IQ)方式による持続可能な漁業確立や漁業への企業参入促進が柱

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 参議院は12月8日、改正漁業法を可決。同法が成立した。衆議院は11月29日にすでに可決している。漁業権を地元漁業協同組合(漁協)に優先的に与える規定を廃止し、主に養殖業に企業参入を促すことや、個別割当(IQ)方式導入により水産資源量を回復させることが柱。運用の仕組み等を定め、公布から2年以内に施行する。  今回の法改正の背景には、日本の漁業・養殖業が壊滅的に減衰していることがある。日本の漁業生産量は1984年のピーク時に比べ3分の1にまで低下。それに伴い経営状況も厳しく、補助金分を除くと7割の漁協が赤字に陥っている。漁業生産量減少の背景には、海域での乱獲が主な原因とみられており、漁業者の高齢化や後継者不足も影響を与えている。その中で、天然漁から養殖へと活路を見出す動きもあるが、漁協単独で養殖を担うのは難しい現状もある。 【参考】【食糧】持続可能な漁業と水産資源管理 〜日本の食卓から魚はなくなるのか?〜(2015年8月4日) 【参考】【日本】政府、水産資源管理に最大持続生産量(MSY)概念導入。規制対象魚種を大幅拡大の方向(2018年6月7日)  政府は2017年から漁業改革に乗り出し、2017年4月に新たな「水産基本計画」を策定。2018年6月に「農林水産業・地域の活力創造プラン」を改訂し、漁業資源量の自然回復力の考え方を踏まえた最適な資源量として「最大持続生産量(MSY)」の概念を幅広い魚種に対して適用する方針を定めた。  今回の法改正をこれらの改革方針を法律に反映させたもの。まず、水産資源量回復のため、海洋生物資源の保存及び管理に関する法律(TAC法)を漁業法に統合し、農林水産相の判断で各魚種の漁獲可能量(TAC)を決定できるようにした。また、農林水産相または都道府県知事は、漁獲実績等を勘案して、船舶等ごとに漁獲割当て(IQ)を設定できるとした。IQ方式は欧米ですでに普及している手法で、日本もようやく追いついた形。IQは、船舶の譲渡等一定の場合に限り他者に移転できる。  もう一つの柱が、これまで漁協が漁業権をほぼ独占してきた状態にメスを入れ、企業が新規参入できるようにした点。従来の漁業法では、都道府県知事による漁業権付与に際し、漁協や地元漁民に対し優先的に漁業権を付与することを義務化していた。また養殖でも、企業は漁業権を持つ漁協の傘下に入り、漁業権行使料等を漁協に支払っていた。しかし、今回これらの規制を撤廃。既存の漁業権者が漁場を適切かつ有効に活用している場合は従来どおりその者に漁業権を付与するが、それ以外は地域水産業の発展に最も寄与する者に免許を付与すると規定した。これにより、企業参入の道が開けた。  漁業の適切な運営を確保するため、改正法では、都道府県が適切な資源管理遂行の監督責任を負うことが明確となった。また、漁業権を付与されたものは、適切な資源管理・生産性向上の責務や情報報告が義務付けられた。 【参照ページ】水産政策の改革について 【参照ページ】漁業法等の一部を改正する等の法律案 参考資料

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【日本】改正水道法、成立。都道府県の広域連携推進努力義務やコンセッション方式解禁を規定

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 衆議院は12月6日、水道施設に運営権を民間事業者に設定できる方式「コンセッション方式」の解禁や、都道府県に対し水道事業運営の広域連携推進を努力義務化する改正水道法を可決し、同法が成立した。参議院は12月5日に可決した。水道法の目的を「水道の計画的な整備」から「水道の基盤の強化」に変更するとともに、国、都道府県、市町村、水道事業者等に対し、「水道の基盤の強化」に関する責務を規定した。  同法案提出においては、理由として、「人口減少に伴う水の需要の減少、水道施設の老朽化等に対応」と説明している。厚生労働省によると、今後人口減少に伴い、水道料金収入の基礎となる水需要は約40年後には約4割減少していく。一方、水道事業は現在市町村経営が原則となっているが、約3割の水道事業体が赤字となっていることもあり、水道設備の老朽化は進行。すべての管路を更新するには130年以上かかる想定で、耐震適合率は37.2%にとどまっているため、大規模災害時には断水が長期化するリスクを負っているという。団塊の世代の退職による職員数の減少という課題も上げている。  これら経営難状態の水道事業に関し、同法の柱は2つ。まず、各市町村の単独経営だった水道事業を、都道府県のリーダーシップのもとに他の自治体と共同運営を行う広域連携の推進。これまでも広域連携検討は各市町村によって自主的に検討されてきたが、改正水道法では都道府県に推進努力義務を課した。  もう一つが、コンセッション方式の解禁。民間事業者の経営ノウハウを活用し、コスト効率の良い水道事業を実現しようというもの。民間事業者の活用については、これまでも水道事業運営の一部を外部委託する「個別・包括委託方式」、設計・建設・運営を民間委託する「DBO方式」、DBO方式に加え資金調達も委託する「PFI方式」の導入が進んでおり、PFI方式は浄水場排水処理施設の建設・運営ですでに採用されている。それに比べ、今回解禁となったコンセッション方式は、水道施設の所有権を公共が有しつつも、運営を民間事業者に委託する長期事業契約を締結するというもの。  改正水道法で認められるコンセッション方式では、水道事業の全体方針の決定及び全体管理についてはコンセッション事業者に委託はできない。新設工事、全面除却を伴う再整備も委託できない。一方、それ以外の水道事業の運営、施設更新、大規模災害時の対応等が委託できる。コンセッション事業者は、施設を保有する市町村等から施設を借り受け、水道事業を実施する。  コンセッション方式については、海外では「水道料金が高騰した」との指摘も多く、反対も根強い。公共事業の中でも、衛生面等で命に直結しやすい「上水道」については、公営を鉄足するという国や地域も多い。 【参照ページ】法案 【参照ページ】水道法改正に向けて~水道行政の現状と今後のあり方~

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【日本】経産省、未稼働事業用太陽光発電案件の買取減額・運転期限設定を決定。開発中案件は適用除外

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 経済産業省は12月5日、事業用太陽光発電の未稼働案件について、買取価格を「系統連系工事の着工申込」の受領時期によって減額したり、FIT認定取得時からの運転開始期限を設定する新たなFIT制度改正を決定した。同省の小委員会は10月15日、改正案を示したものの、未稼働だが開発が進められているプロジェクトも対象になることに対し海外からも批判があり、今回原案内容を一部修正し、最終決定した。  2012年7月のFIT制度開始以降、FIT認定を受け、系統容量を確保しているものの未稼働となっている事業用太陽光発電案件が数多くある。例えば、10kW以上と設定されている事業用太陽光発電のうち、2012年認定案件では23%が、2013年認定案件では49%が、2014年度認定案件では59%が未稼働。一方、事業用太陽光発電は急速にFIT買取価格が、2012年度の40円/kWhから2018年度は18円/kWhにまで大幅に下がっているものの、未稼働案件は現行制度上、稼働時に認定時のFIT買取価格が適用される。同省はこれを「国民負担」と位置づけ、買取価格を減額できるよう改正した。  今回の改正は、経済産業省の「総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会/電力・ガス事業分科会 再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会」が10月15日に開催した第9回会合の中で原案が示された。それに対し、在日米国商工会議所(ACCJ)、豪州・ニュージーランド商工会議所(ANZCCJ)、在日カナダ商工会議所(CCCJ)、在日フランス商工会議所(CCIFJ)、欧州商工会議所(EBC)の在日商工会議所が11月21日、共同声明を発表。「日本の市場ルールの安全性、安定性及び予見可能性に対する信頼を損なうおそれがあり、ひいては、日本への投資・日本経済の成長を阻害することにもなりかね」ないと厳しく批判。開発中の案件については、買取価格減額等の適用対象から除外するよう要求した。  最終発表された改正内容では、「開発工事に真に本格着手済みであることが公的手続によって確認できるものに限り、今回の措置(適用される調達価格の変更及び運転開始期限の設定)を適用しない」と言明。また猶予期間も設けた。また、今回新たに運転開始期限が設定される事業についても、系統連系工事着工申込み前であれば太陽光発電パネルの変更を行っても調達価格が変更されない仕組みとしコストダウンが図れるようにした。但し、太陽光発電パネルの変更を行うと、適用対象から除外されなくなる。 【参照ページ】FIT制度における太陽光発電の未稼働案件への新たな対応を決定しました 【参照ページ】第9回 総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会/電力・ガス事業分科会 再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会 【参照ページ】Joint Statement on Proposed Measures Regarding Renewable Power Project Development and Investment

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