private 【EU】英カーボントラッカー、EU-ETSの取引価格の上昇を予測。2030年までには4倍にも

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 英シンクタンクのカーボントラッカーは4月26日、EUの二酸化炭素排出権取引制度(EU-ETS)での取引価格の予測を分析したレポートを発表した。欧州委員会がパリ協定目標の達成に本腰を入れた場合、二酸化炭素排出枠(EUA)の取引価格は、2021年に現状の13ユーロ程度から2倍の30ユーロ程度に、2030年までに4倍の55ユーロにまで上昇すると見通した。  EU加盟国政府は先月、 (more…)

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【EU】EU理事会、2021年から2030年までのEU二酸化排出権取引制度改革案承認、成立

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 EU理事会(上院に相当)は2月27日、2021年から2030年までのEU二酸化炭素排出権取引制度(EU-ETS)改革法案を正式に承認した。2030年までに二酸化炭素排出量40%以上削減を掲げるEUにとって、2030年までのEU-ETSは大きな政策の柱。欧州委員会は2015年7月に初めて改革案を示していたが調整が難航。2017年11月にEU理事会と欧州議会(下院に相当)がようやく暫定合意に達し、2月6日は同改革法案は下院を通過。今回、EU理事会が承認したことで、正式に成立した。同改正法は官報掲載の20日に施行される。 【参考】【EU】欧州議会とEU理事会、EU排出権取引制度強化で合意。法改正手続開始(2017年11月25日)  今回の制度改革では、排出削減を加速化し、排出権市場における中央銀行のような役割を果たす「市場安定化リザーブ」を強化し排出権価格の低水準を解消するための大規模な制度改革が導入された。 排出権割当総量(キャップ)を毎年2.2%ずつ削減 排出権市場における中央銀行の役割を果たす「市場安定化リザーブ(MSR)」の行使可能額を2023年まで暫定的に倍増 「市場安定化リザーブ(MSR)」に一定以上吸収された排出権の権能を制限する新メカニズムを2023年に導入  また、炭素リーケージリスク(EU以外の地域に炭素消費がシフトするリスク)等に対する経済保護措置等も同時に改正した。 オークションされる排出権割合を57%とし、セクター間是正ファクターが適用される場合には同割合は54%に引下げられる 排出権の無償割当制度を改定。企業の実生産レベルに沿うものにし、割当量決定に算出方法も更新する 生産活動がEU域外に流出するリスクが高いセクターは排出権の無償割当を受ける。リスクがより少ないセクターの無償割当率は30%に設定し、2026年以降徐々に削減する。但し、地区暖房セクターは除く EU加盟国は引き続き炭素コスト等の助成政策を展開できるが、報告の透明性は強化される  EU-ETSは、EU加盟国、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーを対象とし、重化学工業と電力事業者の11,000事業所及び対象国間の航空便に対して適用。毎年、排出枠が設定され、排出枠を下回った余剰分は売却でき、反対に上回った分は購入しなければならない。対象事業所と航空便の排出量は、EU全体の45%を占めており、2020年までに2005年比で21%の削減を目指している。 【参照ページ】EU Emissions Trading System reform: Council approves new rules for the period 2021 to 2030

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【中国】発改委、全国統一の二酸化炭素排出権取引制度設立。まず電力事業者1,700社が対象

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 中国国務院国家発展改革委員会は12月19日、全国統一のキャップ・アンド・トレード型二酸化炭素排出権取引制度(ETS)設立を正式に表明した。これにより世界最大の二酸化炭素排出権取引市場が誕生する。第一段階は、中国の排出量の3分の1を占める石炭火力発電と天然ガス火力発電の電力事業者を対象とし、年間エネルギー消費量が二酸化炭素換算2.6万tを超える約1,700社が対象となる。合計の二酸化炭素排出量は30億t。中国は今後、製造業にも対象を拡大していく。  中国政府は、2011年から2015年までの政策計画「第12次5カ年計画」の中で、主要地方都市レベルで実験的な二酸化炭素排出権取引市場を設立すると表明した。それを受け、国家発展改革委員会は、2011年10月末、北京市、天津市、上海市、重慶市、深圳市、湖北省、広東省の7つの省市で排出権取引モデル事業を許可。深圳ETSが2013年6月に最初に運営を開始し、11月に上海市と北京市、12月に広東省と天津市、2014年4月に湖北省、同6月に重慶市がモデル事業を開始した。対象となった7省・市は、中国の人口の19%、GDP33%、二酸化炭素排出量16%を占める。  モデル事業では、7省・市が独自に二酸化炭素排出権を割当、二酸化炭素排出権取引を義務化する対象企業を選定した。パイロット事業の対象となった企業は約2,000社だが、深圳ETSが約800社を対象刷る一方、天津ETSは約100のみと大きな差があった。二酸化炭素排出量の割当量総計は約12億tで域内の排出量のカバー率は約50%。3年間の排出量取引総量は、2016年9月時点で約8,000万t。取引総額は19.1億元(約330億円)だった。 このモデル事業の成功を受け、国家発展改革委員会は2016年2月、全国規模の二酸化炭素排出権取引市場を2017年にもスタートさせる考えを表明。だが、その後、対象企業の選定基準で難航し、2017年中には立ち上がらないかもしれないとの観測も出ていた。中央政府は対象企業基準として、年間エネルギー消費量が二酸化炭素換算2.6万t以上の事業者に決定。直轄市・省・自治区政府に対象候補企業リストの提出を指示したが、中央政府直轄企業提出分と合わせても約4,000社に留まった。そのため2016年5月に対象業種に化学と鉄鋼のサブセクターも追加し、最終的には7,000から8,000社に落ち着くという見通しが立っていた。 【参考】【中国】政府、2017年までに全国的な二酸化炭素排出権取引市場を開始する考え(2017年3月16日)  しかし、今回の発表では、第一弾として電力事業者のみに対象を絞ることが明確にされた。背景には、対象企業選定に難航することで制度全体の立ち上げを遅らせるより、対策が急がれる電力事業者のみで先行発進させ、2017年中の制度発足を宣言した政府コミットメントの順守を優先させたと考えることができる。今回対象となった電力事業者約1,700社の二酸化炭素排出量合計は30億t。現在世界最大のEUの排出権取引制度(EU-ETS)の対象二酸化炭素排出量合計は14億tで、中国のETSはこれを上回り世界最大となる。  対象となる各電力事業者の排出権基準と実際の割当は、今後、国家発展改革委員会が決定する。対象企業は、毎年、該当の省や市政府に対し、二酸化炭素排出量を報告し、余剰分は市場で売却できる。不足がある企業は市場で不足分を購入しなければならない。また、排出量実績を削減できる「クレジット制度」として「中国認証排出削減量(CCER)」制度も確立する。  全国統一の排出権取引制度が開始する日はまだ未定。今回発表された計画の中では、3段階で制度を強化していく方針を示した。まず約1年を「基盤設立期間」、次の約1年を「モデル運用期間」、その後を「深化完成期間」とした。 【参照ページ】全国碳排放交易体系启动 【計画】全国碳排放权交易市场建设方案(发电行业)

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【EU】欧州議会とEU理事会、EU排出権取引制度強化で合意。法改正手続開始

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 EU行政府の欧州委員会は11月9日、EU上院の役割を果たすEU理事会とEU下院の役割を果たす欧州議会が2030年までに二酸化炭素排出量を40%以上削減するというEUの約束草案(INDC)を実現するため2020年以降のEU二酸化炭素排出権取引制度(EU-ETS)を改正することで暫定的に合意したと発表した。現在EU-ETSは、電力会社やエネルギー消費量の多い業界の事業所1万1,000以上に対しキャップ・アンド・トレード型の排出権取引制度を適用している。欧州委員会は、2015年からEU-ETSの改正に向けて交渉を進めていた。  主な改正点は、 排出削減を加速化し、排出権市場における中央銀行のような役割を果たす「市場安定化リザーブ」を強化し排出権価格の低水準を解消するための大規模な制度改革 炭素漏出リスク等に対する欧州経済保護を強化する安全策の追加 電力や経済界が低炭素型に移行するためのイノベーションや投資支援  今回の改正が成立すると、現在、売買価格が低迷し機能不全に陥っている排出権取引市場が活性化し、企業の自主的削減努力が向上することが期待される。欧州委員会は今後、欧州議会とEU理事会での正式なEU-ETS指令の改正手続に入る。両者での可決後はEU官報で公開され、20日後に発効する予定。 【参照ページ】EU Emissions Trading System: landmark agreement between Parliament and Council delivers on EU's commitment to turn Paris Agreement into reality

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【中国】北京環境取引所と欧州エネルギー取引所、中国の全国排出権取引制度発展で提携

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 欧州エネルギー取引所(EEX)と北京環境取引所(CBEEX)は10月23日、戦略的パートナーシップを締結したと発表した。両社は中国の二酸化炭素排出権取引制度発展で協力する。  EEXはドイツ・ライプチヒに本社を置く電力先物取引所。ライプチヒエネルギー取引所とフランクフルトに本社を置く旧EEXが合併し誕生。2011年にドイツ取引所グループがEEX株式の約4分の3を買収し同社の傘下に入った。EEXは、EUの二酸化炭素排出権取引制度(EU-ETS)の主要取引所の一つでもあり、排出権はEEXの主力商品。排出権先物商品も売買されている。EU-ETS取引価格の参照価格インデックス「European Carbon Index(ECarbix)」も発表している。  一方、北京環境取引所は、二酸化炭素排出権取引市場として2008年に設立。2013年から排出権売買を開始した。中国では北京市の他、天津市、上海市、重慶市、深圳市、湖北省、広東省の5市2省が、中央政府の許可の下で排出権取引市場実証実験を2013年から2015年まで実施。7取引所の取引総量は8,000万tを超え、排出権価格も1t当たり平均30元(約500円)で推移。大半の企業が削減義務を達成した模様。これを受け、国家発展改革委員会は2016年4月、2017年中に全国統一の排出権取引市場制度(ETS)を開始すると表明。第一段として、化学、建材、鉄鋼、非鉄金属、製紙、電力、航空等重点業種の大企業に対し排出権取引義務化を行う意向を発表した。また、国家発展改革委員会は、全国統一取引市場の開始時点では、参加対象企業は約1万社、排出権割当枠は30億から40億tと予測した。  しかし、全国統一排出権取引制度(ETS)の立ち上がりは遅れており、は2017年中には立ち上がらないかもしれないとの観測も出ている。また、中央政府は対象企業の選定のため、直轄市・省・自治区政府に対象候補企業リストの提出を指示したが、中央政府直轄企業提出分と合わせても約4,000社に留まった。そのため2016年5月に対象業種に化学と鉄鋼のサブセクターも追加し、最終的には7,000から8,000社になる見込み。  今回の戦略的パートナーシップは、この世界最大の取引市場を国際的に機能させていくためのもの。両社は、グローバル企業が中国の全国統一排出権取引制度を活用しやすくなるようにしていく。 【参照ページ】EEX and CBEEX enter into strategic partnership for carbon market development in China

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【環境】東京都のキャップ・アンド・トレード型二酸化炭素排出権取引制度(概要と解説)

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 1997年の京都議定書に盛り込まれた「排出権取引」という概念。発表当時は大きな話題を呼び、メディア報道でも取り上げられたものの、最近ではあまり話を聞かなくなったと感じる人も少なくないと思います。「排出権取引」という言葉は、今年発効したパリ協定にも入りませんでしたが、実際にはすでに世界の各地で誕生しています。  世界的に有名なのは、EUの排出権取引制度「EU ETS」。まずEU加盟国が国別の排出量制限枠で合意し、次に国が事業者等に排出許容量を割り当てます。排出量が許容量を上回った事業者は、排出量が許容量を下回り余剰分がある事業者から排出権を購入しなければなりません。排出権の購入は、同一企業グループの他国法人から購入、ブローカーを通じた二者間の相対売買、取引市場を通じた売買の3通りがあります。このように、排出枠を設定し、余剰分と不足分を売買によって調整する排出権取引制度のことを「キャップ・アンド・トレード型」と呼びます。  では日本ではどうでしょうか。日本ではまだ全国レベルの排出権取引制度は確立されていません。しかし、地方自治体レベルで排出権取引制度を開始している都道府県があります。東京都と埼玉県です。東京都は2010年4月から、埼玉県は2011年4月から、都県内の事業者に対してキャップ・アンド・トレード型排出権取引を義務化しています。あまり知られていないこの東京都と埼玉県の排出権取引制度。今回は東京都の排出権取引制度を解説していきます。 東京都が排出権取引制度を開始した背景  東京都は2007年、「東京都気候変動対策方針」の中で「カーボンマイナス東京10年プロジェクト基本方針」を発表し、2020年までに2000年比で温室効果ガスを20%削減することを表明。さらに2014年、2030年までに2000年比で30%削減する目標を設定しました。都内の部門別排出量では、業務部門(オフィスビルなど)が約40%と大きな割合を占めています。  東京都は2002年4月から大規模事業所を対象に温室効果ガスの排出量の目標設定、算定、報告を求める「地球温暖化対策計画書制度」を導入、さらに2005年からは事業者に自主的かつ計画的な削減対策を求めてきました。そして2008年7月、東京都の環境確保条例を改正し、「温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度」を導入、事業者に対して排出削減と排出取引制度への参加を義務付けました。そしてこの条例に基づき、2010年4月から東京都のキャップ・アンド・トレード型排出権取引制度がスタートしました。 対象事業所  東京都は、排出権取引を義務化する対象事業所を 3か年度(年度の途中から使用開始された年度を除く)連続して、 燃料、熱、電気の使用量が原油換算で年間合計1,500kL以上となった事業所 と定義しています。すなわち常に排出量の多い大規模事業所をターゲットとしています。東京都はこの対象事業所を「特定地球温暖化対策事業所」と呼んでいます。さらに、排出権取引の義務は特定地球温暖化対策事業所の所有者が負うことと定められています。つまり、賃貸ビルの場合は、テナントではなく物件のオーナーが義務を履行する責任を有しています。物件を信託している場合などには例外措置があります。  ここで言う「事業所」とは、基本的には建物や施設をひとつの事業所と考えますが、エネルギー供給事業者からの受電点やガス供給点が同一の場合、地域冷暖房施設について導管が連結している場合、共通の所有者が存在する建物・施設が隣接している場合、対象となる規模の事業所が道路や水路等を挟んで近接し主たる使用者が同一の場合は、複数の建物や施設をまとめて一つの事業所とみなされます。  また例外措置として、中小企業等が2分の1以上所有する大規模事業所は、排出権取引義務が免除されています。ここでいう「中小企業等」とは、(1)中小企業基本法に定める中小企業者(大企業等が1/2以上出資などの場合を除く)、(2)協業組合等、(3)事業協同組合等、(4)商店街振興組合等、(5)生活衛生同業組合等、(6)個人、を指します。   実施が義務化された内容  特定地球温暖化対策事業所に課されている義務は、 前年度の原油換算エネルギー使用量・特定温室効果ガス排出量の算定(検証が必須) 前年度のその他ガス排出量の算定(検証不要) 削減目標と削減計画の設定 統括管理者・技術管理者の選任 テナント事業者との協力推進体制 上記を記した計画書の提出・公表 自らの事業所における削減 削減義務量不足分の取引による調達(再生可能エネルギーの活用、他の事業所の削減量の調達ほか) 基準排出量の申請  このうち、緑字の内容が2008年の条例改正で定められた排出権取引義務の内容。一方の黒字の内容は以前から定められたていた温室効果ガス排出量の目標設定、算定、報告義務を指しています。そのため、中小企業等が2分の1以上所有する大規模事業所は、黒字の義務のみを負い、緑字の義務は免除されています。 削減対象の温室効果ガス  燃料、熱、電気の使用に伴い排出されるエネルギー起源の二酸化炭素(住居用の使用を除く)が削減義務化対象となります。東京都はこれを「特定温室効果ガス」と呼んでいます。  一方、非エネルギー起源の二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、ハイドロフルオロカーボン類、パーフルオロカーボン類、六ふっ化硫黄、三ふっ化窒素のいわゆる「6.5ガス」は、算定・報告義務はありますが、総量削減義務はありません。「6.5ガス」を削減した場合は、「特定温室効果ガス」の総量削減の削減分としてカウントできますが、排出権取引の対象にすることはできません。 削減目標設定  排出総量削減義務は、事業所タイプによって3つの区分に分けられ、第一計画期間、第二計画期間それぞれに削減義務率が定められています。基準年度排出量は、原則として2002年度から2007年度の5年の間の連続する3か年度の平均によって算出されます。どの連続する3か年度の平均にするかは事業所が自由に選択できます。 (出所)東京都環境局  第一計画期間の削減義務は、オフィスでは平均8%、工場では平均6%。第二計画期間では、第一計画期間を大きく上回る17%、15%と設定されています。各計画期間の終了後約1年半の間は「整理期間」として未達成分を排出権取引を通じて補わなければならず、1年半を経過した日が義務履行期限となっています。  削減義務は、第一、第二のそれぞれ5年間平均で削減目標を達成できればよく、毎年常に削減目標を達成しなければいけないわけではありません。そのため、例えば計画期間初年度に削減目標を超過してしまったとしても残りの4年間で挽回できるということです。  また、医療施設、情報処理システムに係る需要設備、水道、産業廃棄物処理施設、低温倉庫、中央卸売市場など「電気事業法第27条の使用制限の緩和対象事業所」は、第二計画期間の削減義務目標が緩和されることがあります。東京都が優良企業と認める「トップレベル事業所」に認定された場合にも、削減義務が緩和されます。 事業所での削減目標方法  特定温室効果ガスの削減方法は大きく2つの方法があります。一つは省エネ機器の導入や節電等を通じて電力消費量を減らすこと。もう一つは消費する電力や熱を低炭素電力や低炭素熱に変更することです。東京都は、二酸化炭素排出係数が小さくかつ再生可能エネルギー割合の高い電力、また二酸化炭素排出係数が小さい熱を消費する場合には削減量として算出できる仕組みを整備しています。 排出権取引を通じた削減量の補完  自らの事業所での削減量が削減義務量に達しない場合は、排出権取引を通じて削減量を補完する必要があります。具体的には、削減義務を上回る削減量を達成し「クレジット」を獲得した事業所から、「クレジット」を購入することを指します。  東京都が許可しているクレジットには5種類あります。 (1)超過削減量クレジット  最も一般的な形式で、義務を越えて削減した量がそのままクレジットとなります。削減義務量を計画期間の各年度に按分し、その超過削減分を計画期間2年度目から移転することが可能です。すなわち一定の実績をあげた事業所は計画期間終了前でもクレジットを売却することができます。クレジットの売却上限額については、過大な削減量売却益がでないよう、基準排出量の半分が売却上限に設定されています。また、超過削減を達成した事業所は、自ずとクレジットが獲得できるわけではなく、東京都が定める報告をして初めてクレジットとして認められます。 (2)都内中小クレジット  都内の中小規模事業所において、認定基準に基づいた対策による削減量がクレジットとなります。東京都が対策項目を指定することで手続きを簡素化し、中小規模事業に対して排出量取引への参加や削減対策へのインセンティブを与えています。 (3)再エネクレジット  再生可能エネルギー環境価値がクレジットとなります。具体的には、太陽光や風力、地熱、バイオマスなどを対象とし、グリーンエネルギー証書又はRPS法における新エネルギー相当量などの他制度による環境価値、環境価値換算量や、東京都が認定する設備により創出された環境価値がクレジットとなります。 (4)都外クレジット  東京都以外の大規模事業所の省エネ対策による削減量がクレジットとなります。これは、計画的な省エネ投資を全国的に進める企業の対策の効率性を考慮したものです。しかし、あくまで東京都の目的は都内の二酸化炭素排出総量削減であるため、大規模事業所のみを対象とし、推計削減率が東京都の指定を上回る場合に限り、削減義務量の3分の1までを上限として利用できる仕組みとなっています。 (5)埼玉連携クレジット  埼玉県内にある事業所が保有するクレジットを購入することができます。 排出権取引価格  排出権取引価格は、売買双方の交渉と合意によって決定され、東京都として上限価格や下限価格は設定されていません。また、東京都自身がクレジットを売却する場合は東京都が取引価格を設定、公表します。 罰則規定  事業所が義務履行期間内に目標を達成できなかった場合、措置命令として不足量の1.3倍の削減量が課されます。この削減量は、次期の削減目標に上乗せされる形となります。さらに、この措置命令に違反した場合、すなわちこの1.3倍の目標をも達成できなかった場合には、東京都は事業所に対し、違反事実の公表、上限50万円の罰金、その上東京都知事が不足分排出権を購入した代行取引の費用請求を出します。 第一計画期間の実績  2010年から2014年までの第一計画期間は、2016年9月末に義務履行期限を迎え、東京都は同11月に第一計画期間の実績を公表しました。結果は、すべての対象事業所が削減義務を達成。2010年から2014年の間に全体で二酸化炭素排出量が約1,400万トン削減されました。 (出所)東京都環境局  義務達成方法の割合では、自らの事業所での削減だけで達成した事業者が1,262で全体の91%。排出権取引をして義務を達成した事業所が124で全体の9%でした。 (出所)東京都環境局 排出権取引でのクレジット活用は、超過削減量クレジットが大半を占め83.4%、次に再エネクレジットが12.3%でした。また取引相手では、同一法人・グループ企業内での取引が55%と過半数を占め、グループや企業内でやりくりできたところがほとんどでした。グループ・企業外を取引相手とした場合の取引手法は直接取引が14%、仲介事業者の活用が31%でした。取引価格は:二酸化炭素トン当たり1,000円から2,000円でした。  第一計画期間が全事業所で達成された背景には、2011年に東日本大震災が発生し節電が大きく進展したことが挙げられています。より高い義務が課される第二計画期間では、自らの対策のみで義務を達成できるとした事業所が77%に留まり、残り23%は排出権取引を活用するだろうとしています。第二計画期間では排出権取引量の需給が逼迫し、価格が上がるかもしれません。各事業所にはより効果的な削減対策が求められます。  現在、埼玉県でも同様の排出量取引制度が導入されており、制度設計や運営では東京都との連携も行われています。東京都と埼玉県は他の自治体にもキャップ・アンド・トレード型の排出権取引制度を推進していくことを表明しており、今後他の自治体に拡大していくことが期待されています。 【参照ページ】東京都環境局「大規模事業所への温室効果ガス排出総量 削減義務と排出量取引制度(概要)」(2016年5月) 【参照ページ】東京都「都のキャップ&トレード制度について」 【参照ページ】東京都環境局「全ての対象事業所が第一計画期間のCO2総量削減義務を達成しました」(2016年11月4日)

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【国際】炭素価格制度の市場規模、約500億米ドルに到達

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 世界銀行グループおよびEcofysは5月26日、世界の炭素価格制度の現状についてまとめた報告書、"Carbon Pricing Watch 2015"を公表した。同報告書によると、排出される炭素量に応じて排出価格を設定する炭素価格制度の市場規模は全世界で500億米ドル近くに達したという。  これは、世界各地で実施されている既存の炭素税制度の140億米ドルに加え、新たに韓国で始まった排出権取引制度や米国カリフォルニア州、カナダのケベック州のキャップ・アンド・トレード制度の拡大により、世界の排出権取引制度の市場が2014年の320億米ドルから2015年には340億米ドルまで増えたことが起因しているとのことだ。  世界銀行グループの副頭取を務めるRachel Kyte氏は「チリやメキシコなどの国々が炭素税を導入するなど、炭素価格制度は明らかに勢いを増している。炭素価格はもはや導入するかしないか、いつ始めるかといったことは問題ではなくなっている。12月にパリで開催予定の気候変動サミットに向け、企業と政府はこれまで平行線を辿ってきたが、現在となっては、どのように、そしてどれだけ早く正しい炭素価格を設定できるかを協同で模索している。もはや炭素に価格を設定することは避けられなくなってきている」と語る。  同報告書は、ここ10年間で炭素価格制度の市場規模は着実に拡大していると指摘しており、2014年の年初以降の広まりを肯定的に評価している。炭素税の仕組みはフランス、ポルトガル、メキシコで始まり、チリでも法案が通過した。また、韓国では排出権取引制度が実施されたほか、中国では湖北省、重慶市においてキャップ・アンド・トレード制度の試験的運用が始まっており、2016年には国全体の排出権取引制度が開始する予定だ。さらに、カナダのオンタリオ州も炭素税制度の導入を計画しており、カリフォルニア州やケベック州の制度と連携していく予定だ。  この動きは世界中で広まっており、2015年には世界の温室効果ガス排出量の約4分の1を担っている約40ヶ国と20以上の都市、州、地域が炭素価格制度の導入を進めているとのことだ。  なお、同報告書は今年公表予定の詳細な報告書”State and Trends of Carbon Pricing 2015”の簡易版で、他にも民間セクターによる炭素税の取り組みも紹介されている。興味がある方は下記からダウンロード可能。 【参照リリース】Carbon Pricing Initiatives Valued at Close to US$50 billion 【レポートダウンロード】Carbon Pricing Watch 2015 【機関サイト】World Bank Group 【企業サイト】Ecofys

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