【UAE・カタール】人権BHRRC、ホテル大手17社の移民労働者人権対応評価。フォーシーズンズ、ヒルトン等

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 国際人権NGOビジネスと人権リソースセンター(BHRRC)は1月、アラブ首長国連邦(UAE)・ドバイとカタールのホテル業界を対象とした人権対状況調査報告書を発表した。2020年にはドバイ国際博覧会が、2022年にはカタールで2022FIFAワールドカップが開催されるが、湾岸諸国の都市部では、南アジアの移民労働者に対する人権侵害が常態化している。今回、BHRRCは、人権侵害の震源地の一つであるホテルチェーン大手17社を対象に質問票を送付した。  17社のうち回答したのは、フォーシーズンズホテル、ヒルトン、ハイアット、インターコンチネンタル・ホテル・グループ(IHG)、マリオット、ラディソン、ウィットブレッドの7社。回答しかなかったアコーホテルズ、Deutsche Hospitality(旧シュタイゲンベルガー・ホテルズ)、ジュメイラ・グループ、ケンピンスキー、ミレニアム&コプトーン・ホテルズ、マイナー・インターナショナル、シャングリ・ラ・ホテルズ&リゾーツ、Rotana、Indian Hotels Company、ウィンダム・ホテルズ&リゾーツの10社についても、公開情報や移民労働者ヒアリングを通じて、評価を行った。  移民労働者からのヒアリングでは、採用費負担、移動の自由の制限、残業手当未払いの3つが主要な問題となっていることがわかった。このうち採用非負担及び移動の自由の制限は、国際的に「強制労働」と認識されている。BHRRCの分析では、フォーシーズンズホテル、ヒルトン、マリオット、ラディソンの4社は開示レベルが最も高く、ベストプラクティスな取組と評価できるとした。  個別には、17社のうちヒルトンだけが、UAEとカタールのホテルオーナーに対し、人権観点でのデューデリジェンスを実施していた。また、サプライヤーに対し、労働者のパスポートを雇用主側が保管することを禁止しているのはフォーシーズンズホテルだけだった。ラディソンは、UAEで労働者側の意思で契約が終了できる制度を整備しており、ラディソンとヒルトンは結社の自由に制限があるUAEとカタールのホテルオーナーに対し代替策を講じるよう求めていた。  17社のうち、サプライチェーン労働基準を公表しているのは12社。サプライヤーに対する基準コンプライアンスの手法までも公表しているのは、フォーシーズンズホテル、ヒルトン、ラディソンの3社だった。 【参照ページ】Press Release: Hotel chains in Qatar and UAE ‘failing’ to protect migrant workers ahead of World Expo and World Cup 【レポート】Inhospitable: How hotels in Qatar & the UAE are failing migrant workers 【参照ページ】Inhospitable: How hotels in Qatar & the UAE are failing migrant workers

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【インドネシア】インドフード子会社Lonsum、RSPOからの脱退表明。RAN等、取引停止呼びかけ

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 インドネシアのパーム油大手PT Perusahaan Perkebunan London Sumatra Indonesia(Lonsum)は1月17日、持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)からの脱退をRSPOに通知した。持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)は2018年11月2日、深刻な労働基準・人権違反が存在するとしてインドネシアのパーム油大手PT Perusahaan Perkebunan London Sumatra Indonesiaに対し是正勧告を通告していた。Lonsumの最大株主は、インドネシア食品最大手のインドフード。 【参考】【インドネシア】RSPO、インドフード子会社に労働是正勧告。NGOら融資実行3メガバンクを非難(2018年11月8日)  今回の脱退通知では、Lonsumは、RSPOへの不満を表明。自らは常にRSPO基準を遵守してきたが、不公平な監査により基準違反を認定された上、2018年12月10日にはRSPO事務局に対し、外部コンサルタントを探しており、RSPOに対しても推奨するコンサルタントがいればアドバイスするよう求めていた。しかしLonsum側の主張によると、1月15日にRSPO事務局側はLonsumに対し3営業日以内に対策をまとめたアクションプランを提出するよう指示。Lonsumは、不当に短い納期を設定され対応できないと判断し、今回の脱退表明に至った。今後は、インドネシアの事業者に義務化されているインドネシア持続可能なパーム油(ISPO)基準に基づく運用をしていくという。  今回の脱退表明を受け、環境NGOレインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)とインドネシア労働NGOのOPPUKはコメントを発表。Lonsumの親会社インドフードを批判するとともに、インドフードと取引を続けている企業に対し取引停止を呼びかけた。また、インドフードには、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)、みずほフィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が長期にわたって多額の融資をしていると言及し、暗に対応を求めた。  RANの発表によると、インドフードに対しては、2018年11月の決定前から、ネスレ、ムシムマス、カーギル、ハーシー、ケロッグ、ゼネラル・ミルズ、ユニリーバ、マース、不二製油等が取引を停止。一方、インドフードの合弁パートナーであるペプシコ、ウィルマー・インターナショナル、ヤム・ブランズ等は取引を続けている模様。 【参照ページ】プレスリリース:3メガ融資先のパーム油大手インドフード子会社、RSPO認証脱退を通知 (2019/1/28) 【参照ページ】脱退レター

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private 【EU】欧州議会とEU理事会、男性育休と介護休暇強化法案で暫定合意。同性間や親族の権利も保護

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 欧州議会と加盟国閣僚級のEU理事会は1月24日、親や介護者のワークライフバランス推進のため、両親や介護者に関する休暇制度のEU指令案で暫定合意した。同ルールは、2017年4月に欧州委員会が提案し、1年半をかけてついに下院の欧州議会と上院のEU理事会が妥結点に至った。今後、正式なEU指令の立法手続きに入る。  新ルールでは、子供が生まれた男性は、10日間以上のの育児休暇を取得できる権利を得る。これにより、母親に集中しがちな育児負担を父親が同様に負担できるようにする。また、正式な結婚前の異性パートナーでの子供や、同性パートナー間の子供の男性親についても同様の権利を保護する。EUでは、すでに、2010年育児休暇指令で両親にそれぞれ2カ月間の有給の育児休暇取得権利が認められているが、今回男性親にに関する規定を強化する。  また、介護休暇では (more…)

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【国際】ILO、労働大変化時代を前に、「人間中心アジェンダ」のための10の提言発表。AI、ジェンダー等

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 国際労働機関(ILO)の「仕事の未来世界委員会(Global Commission on the Future of Work)」は1月22日、各国政府に対し、前例のない労働市場の変化に対応するための施策展開を要求するレポート「Work for a brighter future」を発表した。内容には、デジタル革命、ジェンダー平等、労働慣行等、多様なテーマを盛り込み、「人間中心アジェンダ(Human-centred Agenda)」というスローガンを打ち立てた。 【参考】【国際】ILO、未来の仕事のあり方を検討するハイレベル委員会を発足。日本から清家篤慶大教授も参加(2017年8月29日)  今回のレポートは、2017年に発足した「仕事の未来世界委員会」の成果物。「人間中心アジェンダ」の推進のためには、「人間の能力開発への投資拡大」 「雇用に関連する諸機関への投資拡大」「ディーセントで持続可能な労働への投資拡大」の3つが必要と定義した。    さらに同レポートは、上記3つの必要分野に関連し、合計で10の提言をまとめた。 すべての人への生涯学習 雇用シフトが必要な人への支援 ジェンダー平等に向けた変革アジェンダ 社会保護の強化 「普遍的な労働保障(Universal Labor Guarantee)」の確立 労働時間での労働者の自己支配(Soverignty)の拡大 団体行動の活性化 ディーセント・ワークのためのテクノロジー 経済変革 人間中心のビジネスモデル及び経済モデル 【参照ページ】A human-centred agenda needed for a decent future of work 【参照ページ】Work for a brighter future 【レポート】Work for a brighter future

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private 【国際】ボストンコンサルティンググループ、企業のダイバーシティ推進の失敗原因と根本解決策を提示

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 コンサルティング世界大手ボストンコンサルティンググループ(BCG)は1月17日、企業のダイバーシティ&インクルージョン推進の失敗の根本原因と対策を分析したレポートを発表した。BCGは、米国を始め多くの企業経営者が、人材競争に勝つため社内のダイバーシティ推進に乗り出しているが、十分な成果が出ていないと指摘。対策の方向性に誤りがあると分析した。  今回の分析におけるダイバーシティは、男女だけでなく、エスニシティや性的指向(LGBTQ)も対象としている。調査は、米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、オーストラリア、ブラジル、インド、中国、日本の14ヶ国、合計16,500人から回答を得た。そのうち、女性が8,600人、LGBTQが1,650人、米国と英国、ブラジルでは非白人3,200人から回答を得た。  今回の調査では (more…)

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【カンボジア】労働大臣、省内官僚に労働組合保護規定の法律遵守通達。組合側は姿勢に懐疑的

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 カンボジアのイット・ソムヘーン労働・職業訓練相は1月15日、労働省官僚に対し、労働組合保護を規定する労働組合法を厳格に遵守するよう命じた。カンボジアでは労働争議が多発しており、社会問題となっている。労働問題等に対しては、EUは輸入優遇措置の停止もちらつかせており、政府も放置できなくなってきているが、労働団体側は、今回の大臣発言も単なる「ポーズ」ではないかと、徹底には懐疑的な見方を示している。 【参考】【カンボジア】アパレル大手工場、未払賃金要求ストライキ実施の従業員1200人を一斉解雇(2019年1月10日) 【参考】【カンボジア】NGO95団体、労働組合指導者への有罪判決を非難。EUは政府の土地収用で懸念表明(2019年1月3日) 【参考】【カンボジア】首相、労働組合相手の刑事訴追を全て取り下げ。EU経済制裁方針と大手企業協議の成果(2018年11月11日)  今回の通達は、12月14日付となっているが1月15日に発せられた。ソムヘーン大臣は、同省官僚に対し、労働組合指導者に家族や身内の情報の提出を要求指定はならないと命令。また、地方の労働組合が同省に出向かずとも、労働組合の連合体を通じて労働組合の行政登録ができるようにするよう命じた。これまで、労働組合の指導者に対しては、行政当局から心理的プレッシャーをかけられていたことが背景にはある。  労働組合の連合体「Collective Union of Movement of Workers」のパブ・シナ委員長は、今回の通達を歓迎する一方、12月14日付の通達が1月15日まで発せられていなかったことに対し、同省に対する不信感を顕にした。また、1月に入ってからもアパレル工場での大量一斉解雇が起きた際にも同省は会社側に好意的な姿勢を見せており、同委員長は、同省の姿勢を信用するには、まず企業に対し労働組合関係者への嫌がらせを止めさせなければならないと注文をつけた。

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【アメリカ】機関投資家8団体、投資先企業のセクハラや暴力撲滅で新イニシアチブ「Trustees United」発足

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 米機関投資家8機関は1月14日、投資先企業に対し、職場でのセクシャルハラスメントや暴力等の労働慣行違反を防止を促す新たなイニシアチブ「Trustees United」を発足した。8機関の運用資産総額は6,350億米ドル(約70兆円)。労働慣行や人材マネジメント等を改善しにいく。  今回のイニシアチブに参加したのは、カリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS)、カリフォルニア州教職員退職年金基金(CalSTRS)、ロサンゼルス郡職員退職年金基金(LACERA)、ロサンゼルス市職員退職年金基金(LACERS)、シカゴ市教職員退職年金基金、オハイオ州教職員退職年金基金、ロードアイランド州職員退職年金基金(ERSRI)、コネティカット州退職年金基金(CRPTF)。  今回のイニシアチブは、4つの原則を宣言。取締役がセクシャルハラスメントや暴力を撲滅するよう監督することや、あらゆる層での性別ダイバーシティ向上、団体交渉や調達方針に関する社内規定の強化、従業員への守秘義務や強制仲裁条項がハラスメントを永続化させることへの認識向上等を盛り込んだ。  同イニシアチブは、他の機関投資家にも参加を呼びかけている。 【参照ページ】Institutional Investor Trustees Representing $635 Billion in Assets Launch Principles Addressing Sexual Harassment and Workplace Misconduct

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【国際】ISO、人的資源マネジメントISO30414をリリース。初の人材マネジメント規格

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 国際標準化機構(ISO)は1月15日、ISO30414(人的資源マネジメント)をリリース。ISOとして初となる人材マネジメント基準を発行した。内容には、組織文化、採用、離職、生産性、安全衛生、リーダーシップ等は幅広い人事マネジメントを対象としている。  人事コストは、一般的にコストの70%を占めると言われており、人事マネジメントの重要性は高い。しかし、人事マネジメントには様々な手法があり、国際的にも統一されたガイドラインというものはなかった。そこで、今回ISOは、全世界、組織の大小を問わず活用できる国際規格を作り上げた。  ISO30414は、ISO/TC 260がテクニカルコミッティーとなり開発。米国のANSIが主導した。 【参照ページ】New ISO International Standard for human capital reporting

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【バングラデシュ】アパレル業界を中心に労働運動激化。政府は対策協議会設置も、解決の道のりは険しい

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 バングラデシュで1月9日、首都ダッカ近郊で労働運動を激化。数千人の労働者が、道路封鎖やタイヤを燃やす行為等をを引き起こした。治安部隊との衝突も発生し、死傷者も出ている。バングラデシュでは、主要産業のアパレル業界を中心に、労働条件に対する不満が高まっている。アパレル業界は、同国の輸出額の8割を占める。  同国政府は2018年9月、アパレル業界の最低賃金を51%以上引き上げ、月額8,000タカ(約10,500円)とする方針を打ち出した。実現すれば2013年以来初の引き上げとなるが、労働組合関係者は恩恵を受けるのは一部だけと否定的な見方を示している。  バングラデシュのTipu Munshi商業相は、今回の労働運動を受け、工場経営者、労働組合リーダー、政府関係者からなる協議会を設置。1ヶ月以内に方針をまとめる意気込みを見せた。労働組合側は、納得の行く対策が出るまでは、労働運動を続ける構えを見せている。

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【日本】「20歳から59歳までの日本人のうちLGBTは8.9%」電通調査。職場改善求める

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 電通は1月11日、20歳から59歳を対象にしたインターネット調査の結果、LGBT層に該当する人は8.9%いることがわかったと発表した。同様の調査は過去にも行われており、2012年で5.2%、2015年で7.6%と、自身をLGBTと認識する人が増えてきている。LGBTの内訳は公表していない。  今回の調査は、2018年10月に全国6万人を対象に調査を実施。電通は、今回LGBT層が増加した背景について、「LGBTに関する情報の増加による一般理解の進展、LGBTへの理解が深い若年層のアンケート対象構成比の増加にある」と推察している。  LGBTという用語の認知率では、2015年の37.6%から68.5%に大幅に上昇。特に女性の方が男性より高く、年齢が若くなるにつれ認知度が高かった。またLGBTではない層でも「LGBTの人に不快な思いをさせないよう正しい理解をしたい」と答えた人が76.0%と高かった。「同性婚」については78.4%の人が賛成した。  また、LGBT層の人にとって、「職場の同僚(上司・部下含む)へのカミングアウト」については、50.7%が抵抗あり、抵抗がない人は21.1%に留まった。「職場に十分なサポート制度がある」と考えるLGBT層は5.5%に留まり、「職場にサポート制度がない」と回答したLGBT層の54.5%を大きく下回った。 【参照ページ】電通ダイバーシティ・ラボが「LGBT調査2018」を実施

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