【国際】パーム油RSPO総会、加盟機関が遵守義務を負うRSPO基準改定。環境・人権基準強化

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 持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)は11月15日、年次総会を開催し、RSPO基準「RSPO Principles & Criteria(P&C)」の強化改定を採択した。同基準は、RSPO加盟企業が遵守義務を負う環境基準や人権等の社会基準を定めたもの。今回の改定では特に、森林破壊の防止、泥炭地保護、人権・労働権基準が強化された。新RSPO基準は即日発効したが、パーム油生産者には1年間の移行猶予期間が設けられている。  RSPOは、パーム油の持続可能性推進団体として世界最大。パーム油生産企業、消費財・食品メーカー、小売企業、商社、機関投資家、銀行NGO等が自主的に加盟し、日本企業も多く加盟している。加盟機関はすでに4,000を超えるが、一方でRSPO基準が「緩い」という批判の声も近年上がっていた。機関投資家90機関以上も2018年夏、人権基準を強化するよう求める共同書簡を送付していた。 【参考】【国際】機関投資家90以上、パーム油RSPOに対し環境・人権基準強化を要請。運用総額740兆円(2018年8月18日)  同基準の改定は2013年以来、5年ぶり。2017年3月に改定作業に着手し、2018年10月までパブリックコメント募集等の手続を行っていた。今回の改定ではまず、高保護価値(HCV)の森林地帯ではパーム油プランテーションを行わない「高炭素貯留アプローチ(HCSA:High Carbon Stock Approach)」を導入強化した。また、最近、泥炭地の定義を国連食糧農業機関(FAO)が1998年に定めた「ヒストソル(Histsol)」とすることを決定したことに伴い、泥炭地保護強化も盛り込んだ。人権・労働基準でも、指摘される強制労働慣行を撲滅するためのデューデリジェンス等が導入された。  今回の改定では、独立した小規模パーム油農家にのみ適用される「Small Holder Standard」が設定され、小規模パーム油農家に不必要な確認項目等を削除した緩和版を導入することも決定。小規模パーム油農家が、RSPOに加盟しやすい環境も創出した。 【参照ページ】RSPO MEMBERS AGREE ON NEW PALM OIL STANDARD TO HALT DEFORESTATION AND IMPROVE HUMAN RIGHTS PROTECTION

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【国際】国際海事機関IMO、海洋プラスチック対策アクションプラン採択。2019年5月に詳細検討

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 海運分野の国連機関、国際海事機関(IMO)は10月26日、海洋環境保護委員会(MEPC)第73回会合の中で、海洋プラスチック問題対策アクションプランを採択した。海洋プラスチックでは、漁具や運行途中のプラスチック廃棄物投棄も大きな原因となっている。  船舶運航による環境汚染を防止するマルポール条約は、締約国に対し、廃棄物を港湾で適切に処理することを義務付けている。また、1972年の廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約(ロンドン条約)と1996年の議定書(ロンドン議定書)でも、海洋不法投棄を禁止しており、例外として認められる浚渫でも、汚染防止アセスメントが要求される。  MEPCは今回、実効性と測定可能な手法でのアクション確立を目指し、複数のプランの検討を開始。次回第74会合で詳細を協議する。今回採択されたアクションには、「船舶からの海洋プラスチック廃棄物に関する研究」「廃棄物受入港湾施設の現状調査」「国連食糧農業機関(FAO)と協働した漁具登録制度の義務化」「紛失漁具報告制度の導入」「紛失コンテナ報告制度の導入」「漂着漁具の回収フロー」「漁業関係者の認識向上」等の検討が含まれている。 MEPC第74回会合は、2019年5月に開催される。 【参照ページ】Addressing marine plastic litter from ships – action plan adopted

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【国際】国際海事機関、船舶用燃料油の硫黄含有量上限を3.5%から0.5%に引き下げ。大気汚染対策

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 海運分野の国連機関、国際海事機関(IMO)は10月26日、海洋環境保護委員会(MEPC)第73回会合の中で、大気汚染対策のため、船舶用燃料油の硫黄含有量基準を強化し、2020年1月1日から、現行の3.5%から0.5%に引き下げることを採択した。2017年7月の第71回会合で大筋合意に達しており、今回正式に採択。マルポール条約の下で、IMO加盟国に徹底が義務付けられる。 【参考】【国際】国際海事機関(IMO)締約国、バラスト水管理スケジュールや硫黄規制強化日程で合意(2017年7月27日)  今回の採択にでは、気体洗浄装置(スクラバー)を設置していない船体では、硫黄含有量基準値を超える船舶燃料目的の燃料油の積載は禁止される。スクラバーの設置有無については、船籍国が判断する。こちらの規定は2020年3月1日に発効する予定。多くの船舶は、新基準導入後に基準値を満たすと考えられているが、一部移行措置としてスクラバー設置の代替案を認めた形。 【参照ページ】Implementation of sulphur 2020 limit - carriage ban adopted

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【日本】三井物産、火力燃料用石炭鉱山の新規開発から撤退。原料炭は継続

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 三井物産の安永竜夫社長は10月31日、決算説明会のQ&Aの中で、火力燃料用の石炭(一般炭)鉱山の新規開発から撤退する方針を発表した。「新規の一般炭についてはやらない(投資しない)のは明確にしている」と答えた。同社は現在、オーストラリア等で年間350万t生産の一般炭鉱山を保有しているが、売却も視野に入れる。石炭はエネルギー産出当たりの二酸化炭素や大気汚染物質の排出量が多く、気候変動や大気汚染に悪影響が大きい。但し、「座礁資産化するかについては、必ずしも、中進国での需要もあることから」と否定した。  一方、鉄鋼原料の石炭(原料炭)は投資を継続する。モザンビーク等で原料炭を年間930万t生産しており、1,200万tから1,800万tまで拡大する。また、副産物として産出される一般炭の販売は続ける。一般炭については機関投資家や銀行によるダイベストメントの動きがあるが、原料炭については問題視していないことが多い。  石炭火力発電については、高効率火力発電に限定し継続する考え。石炭火力発電をやらないと言うのはクリアだが、日本は超々臨界圧石炭火力発電(USC)や石炭ガス化複合発電(IGCC)は国策として推進してきた経緯があるため、これら「クリーンコール」は続けると明言した。同社が保有する設備容量約900万kWの発電事業のうち、石炭火力発電が占める約2割のうちほとんどがUSC以上となっている。インドネシア等で一部残っているUSC未満については、どうするかは今後検討する。  再生可能エネルギーの投資を加速させる考えも示した。再生可能エネルギーは一つ一つが小さいため、時間をかけて少しずつ増やしたいとした。 【参考ページ】2019年3月期 第2四半期 決算説明会 【参照ページ】2019年3月期第2四半期決算説明会資料

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【ドイツ】インテルとSimacan、トラック隊列走行を2020年までに実現。CO2削減、渋滞緩和に期待

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 半導体世界大手米インテルと蘭交通情報ベンチャーSimacanは10月15日、複数台のトラックを近接車間距離で車群走行させる「隊列走行」実現に向け協働すると発表した。隊列走行は、エネルギー消費量削減、二酸化炭素排出量削減、トラックの事故防止、交通渋滞緩和等の効果があり、期待されている次世代技術。各国政府や企業も実用化に向け取り組んでいる。  インテルとSimacanが導入を目指すのは、ドイツのルール工業地帯と北海沿岸の港を結ぶ主要幹線道路「チューリップ回廊」。チューリップ回廊は近年、交通量増加に伴い、渋滞が深刻な課題となっている。両社は、すでに初期実証実験を行い、交通渋滞を10%から17%緩和させることに成功した。またトラック寿命の17.5万km走行で隊列走行を実現した場合、トラック1台当たり6klのディーゼル燃料を節約できることもわかった。両社は2019年から2023年まで本格的な導入テストを行い、2020年までに毎日100隊列の走行実現を目指す。  隊列走行技術では、インテルの半導体「Xeon」が組み込まれたSimacaon製「Simacan Control Tower」ソフトウェアを用いる。これにより、トラックの走行状態、到着予定時刻、自動的な地理情報等の大量データを収集、解析し、走行経路や到着時刻をリアルタイムで提示できる。異なるトラックメーカーのものでも組み合わせて導入できる特徴がある。  隊列走行は、日本でも10年以上前から検討が進めらている。現在、隊列走行技術に自動運転技術を組み合わせたモデルを用いた「自動隊列走行」の実現が期待されている。2017年は、内閣府、経済産業省、国土交通省、産業技術総合研究所(NEDO)、豊田通商、先進モビリティ、SBドライブが関わるプロジェクトが、石川県輪島市でトラックの無人自動走行実験が、新東名高速道路で隊列走行実験を実施した。   【参照ページ】Intel and Simacan Combine in Effort to Ease Congestion Caused by Freight Traffic 【参照ページ】今年度実証の成果と次年度実証について 【参照ページ】研究開発項目①「自動運転・隊列走行技術の研究開発」

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【国際】国際空港評議会、加盟641社に気候変動適応整備要請。246社認証取得し日本の空港は3つ

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 国際空港評議会(ACI)は10月3日、気候変動によるインフラ及び運営に関するリスクアセスメント、気候変動緩和及び適応施策の実施を各国際空港に促す方針文書を発表した。国際空港協議会は、1991年設で本部はカナダ・モントリオール。現在176ヶ国・地域合計1,957空港を運営している641社が加盟しており、日本からは成田国際空港、東京国際空港(羽田空港)を運営する日本空港ビルデング、関西国際空港・大阪国際空港(伊丹空港)・神戸空港を運営する関西エアポート、中部国際空港が加盟している。  ACI加盟機関は2018年6月、ブリュッセルで開催された年次総会の中で気候変動適応を進める決議を採択。今回の方針文書は、決議内容の実施提言を具体化させたもの。今回の方針文書は、加盟している国際空港に対し、気候変動の見通しや的確な適応計画を整備するためのリスクアセスメント指針をまとめたもの。国際空港を運営する各部門向けに実施すべき内容を整理した。先進事例としては、ノルウェー、オーストラリア、香港、イスタンブール、アムステルダム、シンガポールの取組も紹介した。  ACIは、二酸化炭素排出量削減に取り組む国際空港に付与する認証制度「Airport Carbon Accreditation」を実施しており、現在の取得機関は246社。地域別では、欧州が137社、北米39社、中南米17社、アフリカ10社、アジア・太平洋が47社取得している。日本のACI加盟4社は、成田国際空港、関西国際空港、大阪国際空港の3空港が4段階で上から3番目の「レベル2」を取得している(*1)。Airport Carbon Accreditation事務局は10月2日、取得246社の昨年の成果を公表し、二酸化炭素排出量を1年間で34.7万t削減した。二酸化炭素ネット排出量ゼロの空港もすでに48誕生している。 [2018.12.21修正] *1: 内容を訂正した。 【参照ページ】New ACI policy brief stresses importance of airport resilience and encourages airports to develop climate change adaptation plans 【参照ページ】Global climate action by airports up 25% in the past year

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private 【オランダ】中央銀行、金融機関への気候変動ストレステスト実施。大規模財務損失発生と算出

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 オランダ中央銀行のオランダ銀行(DNB)は10月8日、オランダ国内にある銀行、保険会社、年金基金を対象とした気候変動ストレステストの結果を発表した。気候変動は、金融機関の財務状況に影響を与える懸念が高まっており、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)も金融機関にシステミックリスクを調査するよう求めている。オランダ銀行は、今回のストレステストの結果として、気候変動によるエネルギー転換がもたらす財務影響を大きいが、金融機関が早めに考慮に入れた経営を行うことで管理可能だと結論づけた。  今回のストレステストの対象となったのは、同国内の銀行、保険会社、年金基金。運用資産は、銀行が9,700億ユーロ(約126兆円)、保険会社が2,190億ユーロ(約28兆円)、年金基金が1兆670億ユーロ(約138兆円)で、合計2兆2,560億ユーロ(約293兆円)。中央銀行は、すでに各アセットオーナーの投資運用ポートフォリオの個別構成銘柄まで把握しており、今回、株式と債券、融資について各セクターへのエクスポージャーを全て分析した。  オランダ銀行が、今回ストリステストに用いたシナリオは全部で4つ。まず、 (more…)

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【イギリス】食品関連大手90社、NGO策定の食品廃棄物削減ロードマップに賛同。テスコ、ユニリーバ等

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 英サーキュラーエコノミー推進NGOのWaste & Resources Action Programme(WRAP)は9月25日、国連持続可能な開発目標(SDGs)のターゲット12.3「2030年までに食品廃棄物を50%削減」を達成するためのロードマップ「Food Waste Reduction Roadmap」を発表した。英大手企業を中心とした90社が同ロードマップへの賛同を示した。  WRAPは、同目標達成への中間目標として2025年までに40%削減する「Courtauld Commitment 2025」を表明しており、これもロードマップの中に組み込まれている。 (出所)WRAP  今回のロードマップは、小売企業と食品関連企業の双方を対象としており、自社だけでなくサプライチェーンでも削減を求めていくことが大きな特徴。さらに企業が進捗状況を情報開示を行うことも求めている。  すでに賛同を表明した企業は、小売企業では、テスコ、セインズベリー、ウェイトローズ、マークス&スペンサー、リドル、アルディ、アイスランド、Co-op、モリソンズ、アズダ等大手企業は全て。食品メーカーでは、ネスレ英国・アイルランド、P&G英国、ユニリーバ英国、クラフト・ハインツ英国、コカ・コーラ・ヨーロピアン・パートナーズ等。食品商社や外食企業も入っている。 【参照ページ】A world first: UK food industry commits to a landmark roadmap to halve food waste 【ロードマップ】Food Waste Reduction Roadmap

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private 【オランダ】ING、気候変動対応融資戦略「Terra approach」発表。融資先企業に変化迫る

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 金融世界大手蘭INGは9月14日、パリ協定の2℃目標に合わせ、気候変動に対応するための新たな融資戦略「Terra approach」を発表した。気候変動を前に事業変化が迫られるセクターをシナリオ分析を基に特定。自社の融資事業が低炭素社会への必要なシフトに適合しているかを確認するとともに、融資先企業に対しても技術変化を迫る。Terra approachの設計及び実行では、気候変動分野NGOの2˚ Investing Initiative(2˚ii)が支援する。  INGは、「Terra approach」で焦点を当てるセクターとして、 (more…)

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【日本】丸紅、新規石炭火力発電事業を原則禁止。既存事業も縮小し、新規発電事業の再エネ化を実施

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 丸紅は9月18日、気候変動対策として、石炭火力発電事業及び再生可能エネルギー発電事業に関する取組み方針を発表した。石炭火力発電事業による純設備容量を半減させるとともに、新規石炭火力発電事業も原則禁止する。丸紅は、国内での石炭火力発電所建設や、海外での石炭火力発電事業について国内外から非難が上がっていたが、ついに方針を発表し、全体的な縮小を決めた。  既存の石炭火力発電については、2018年度末見通しの約3GWから2030年までに半減。それにより発電事業からの二酸化炭素排出量を低減する。また、新技術の導入等による効率化や環境負荷削減を推進する。  新規石炭火力発電事業については原則禁止だが、日本政府が推進する海外での事業については、案件実施国の国家政策(電力安定供給、貧困・雇用対策、経済成長策)に合致した案件については例外的に検討する場合もあるとした。しかしその場合でも、BAT(Best Available Technology)として現時点では超々臨界圧発電方式と言及し、超々臨界圧発電方式を採用することにコミット。同時に、「低炭素社会の実現、効率的な電力システムの構築、エネルギー源の多様化などに向けた提案を行い、当該国・地域の課題解決に貢献」するとした。  また再生可能エネルギー発電事業に関する方針では、同社の発電事業に占める再生可能エネルギー電源の割合を、ネット設備容量ベースで現在の約10%から2023年までに約20%へ拡大することを目指す。また、全設備容量約3GWの内、再生可能エネルギー電源比率が約80%を占める英国連結子会社SmartestEnergy等で再生可能エネルギー電源の取扱を拡充する。  丸紅は、今回発表した方針実行の透明性についても表明。目標に対する進捗状況についても、積極的に開示すると宣言した。また、今後の動向を見据え、方針の見直しを今後実施していくとした。 【参照ページ】サステナビリティへの取組み方針に関するお知らせ(石炭火力発電事業及び再生可能エネルギー発電事業について)

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