【アメリカ】General Mills、Ceresの気候変動に関する政策提言グループBICEPに加盟

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Ceresは7月28日、世界最大の食料品企業General Millsが、BICEP(Business for Innovative Climate & Energy Policy)に加盟したと発表した。BICEPはCeresがStarbucks、Nike、Timberlandら5社と共に2008年に開始した気候変動に関する政策提言グループだ。 BICEPはこれまで再生可能エネルギー、グリーン輸送、発電所における汚染制御の推進に向けた政策提言や支持を表明してきた。加盟社数は現在31社まで拡大しており、eBay、Symantec、Jones Lang LaSalleなど各業界を代表するリーディングカンパニーが加盟している。 General Millsは世界全体で179億ドルの売上を誇り、CheeriosやGreen Giant、Nature Valley、Old El Paso、Pillsburyなど100以上のブランドを製造する世界最大の食料品会社で、2020年までのサステナビリティ目標を掲げ、特に持続可能な調達、温室効果ガス排出量の削減に向けて熱心に取り組んでいる。 同社は2005年に、2015年までに直接排出における温室効果ガス排出量を20%削減すると公約しており、さらに2009年には2015年までに輸送用の燃料使用を35%削減することを公約している。 また、同社は温室効果ガス排出量の3分の2および、バリューチェーンにおける水消費量の99%が自社のサプライチェーン上流に位置する農業セクターから発生していることを考慮して、農業のサステナビリティ向上にも集中して取り組んできた。2020年までに優先順位の高い10の原材料について100%持続可能な調達を実現することにコミットしている。これらの原材料は同社の全体の原材料購入のうち50%を占めている。 そして、森林破壊に伴う温室効果ガス排出量を減らすために、同社は2015年までにパーム油を100%持続可能な調達にすることにもコミットしている。既にパーム油の50%以上を持続可能な調達に置き換えており、2014年末までには75%に到達すると見込まれている。森林破壊はグローバルな気候変動の主たる原因となっており、温室効果ガス排出量のうち15%は森林破壊に起因するものだと推定されている。 今回のBICEPへの加盟にあたり、General Millsの会長兼CEOは「General Millsは長年に渡り、地球、企業、そして私たち一人一人に大きな影響をもたらす気候変動というリスクを減らすことの必要性を認識してきた。行動を起こし、より効果的かつ効率的な気候・エネルギー政策を作る緊急性を示す科学的根拠は既に揃っている。BICEPは我々にとって重要なパートナーとなるだろう」と語った。 また、Ceresの代表を務めるMindy Lubber氏は「General Millsは気候変動対策におけるリーダーシップを強めており、我々は同社をBICEPの新たな会員に迎えられることを誇りに思う」としたうえで、「General Millsの持続可能な調達に向けたグローバルなコミットメントと温室効果ガス排出量削減に向けた取り組みとともに、多くの貢献をしてくれるだろう。我々は、General Millsがより強力な気候・エネルギー政策の制定に向けて大きく力を発揮すると確信している。」と語り、同社への期待を寄せた。 BICEPへの加盟により、General Millsは今後、他の加盟企業や政策立案者らと協働しながら、より効果的なエネルギー・気候変動政策の実現に向けて取り組んでいくことになる。 【企業サイト】General Mills 【団体サイト】Ceres

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【国際】PRI、WWF、PwCらと共同で水リスクに関する調査レポートを公表

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PRI(The Principles for Responsible Investment:責任投資原則)は7月29日、企業が農業サプライチェーンにおいて直面している、水リスクに関する調査レポートを公開した。このレポートはWWF(World Wildlife Fund:世界自然保護基金)、PwC Germanyとの共同で作成されており、投資家およびその投資先企業に対して企業が抱える水リスクを明らかにした上で、課題解決に取り組む際の指針も示している。 今回の調査により明らかになった点は下記の通りだ。 水不足が深刻な地域における、企業の売上と水の消費量との間には強い相関関係がある 調査対象企業の水消費量は、平均値と中央値で大きな差がある 農業製品、食料品・飲料・食品小売業界は、アパレル・ラグジュアリー業界、醸造業、酒造業・ワイン製造業よりもはるかにサプライチェーンにおける水フットプリントが高い いくつかの有名ブランド企業は自社およびサプライチェーン双方における水リスク管理に長けているものの、全体のパフォーマンスは総じて低い 調査によれば、企業の売上と水の消費量には相関があり、売上が多くなればなるほど、水の消費量も多いことが分かった。また、企業の水消費量は平均値と中央値で大きく異なり、水不足が深刻化している地域における企業の平均水消費量は売上1,000ドルあたり127.5?なのに対して、中央値では1,000ドルあたり81.1?だった。 業界別に見ると、農業製品の企業は売上1,000ドルあたり約330?の水を消費しているのに対して、アパレル小売企業は売上1,000ドルあたり約40?となっており、世界の淡水の約70%を利用していると言われる農業セクターの水リスクが高いことが示されている。 また、PRIによる本研究および調査レポートは、米国政府が進めるClimate Data Initiativeのフード・レジリエンスに関するテーマもサポートしている。Climate Data Initiativeとは米国政府が保有するサステナビリティ関連の膨大なデータを広く民間やNGOセクターに公開し、気候変動対策に向けたイノベーションを促進するというオープンデータ活用プロジェクトだ。 PRIのマネジメントディレクターを務めるFiona Reynolds氏は、「企業が彼らのサプライチェーンにおいて抱えている水リスクを示すために、このプロジェクトを開始できたことを誇りに思う。我々は、透明性やリスクマネジメントの改善を促し、ますます水不足が深刻化しつつあるこの世界において食糧生産におけるレジリエンスを高めるために、投資家と企業が積極的に対話をすることを望んでいる。」と語った。 本レポートでは水不足地域における水リスクの現状および、水リスクマネジメントの体系的なベストプラクティスなどが分かりやすくまとめられているので、興味がある方はぜひ見て頂きたい。レポートは下記からダウンロード可能。 【レポートダウンロード】PRI Collaborative Engagement on Water Risks in Agricultural Supply Chain Investor Guidance Document 【団体サイト】PRI

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【オランダ】GRI、新たな代表をMichael Meehan氏に決定

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Global Reporting Initiative(以下、GRI)は7月22日、GRIの新たな代表をMichael Meehan氏に決定したと発表した。Meehan氏はこれまでに数々のクリーンテックビジネスを立ち上げ、世界中の政府機関や多国籍企業のサステナビリティ報告の促進に大きく貢献してきた人物だ。 Meehan氏は、持続可能なサプライチェーンやカーボン・エネルギーに関するテクノロジー分野を中心に約20年間に渡りサステナビリティ分野に携わってきた人物だ。Carbonetworks(2004~2010)やiVeridis Corporatio(2010~2013)など数カ国の企業のCEOを務め、ビジョナリーなリーダーとしてイノベーションやサステナビリティの分野に従事、多国籍企業が抱える課題解決への支援に従事してきた実績を持つ。 GRIの委員長を務めるChristianna Wood氏は、Meehan氏について「Michaelは、特にテクノロジーやビジネスの分野におけるサステナビリティについて長い間コミットをしてきた。我々GRI委員会は、その素晴らしいマネジメント能力、並びに起業家リーダーシップと戦略的なビジョンを持ち合わせるMichaelが時期の代表に最も相応しいと判断をした」と語った。 Meehan氏本人は、「GRIの役割であるサステナビリティ報告書のグローバルスタンダードへの挑戦をますます加速させるべく、組織全体を率いることを楽しみにしている。全ての組織のサステナビリティ戦略においてイノベーションやコラボレーションが重要な要素となりつつある今、サステナビリティ報告にとっても重要な時期を迎えている。GRIは、これまで推進してきた各社のサステナビリティ活動の開示を促進し続けることにより、世界中の企業や組織のグローバルかつ持続可能な発展に貢献したい」と今後の抱負を語った。 GRIはこれまで12年間代表を務めてきたErnst Ligteringen氏の傑出したリーダーシップにより、サステナビリティ報告における象徴的なブランドとしてその名を築いてきた。 今回のMeehan氏の就任はGRIにとって重大な転機となる。IIRCが推進する統合報告の流れに見られるように、GRIが他のフレームワークと連携しながらどのようにグローバルのサステナビリティ報告基準をまとめ上げていくのか、今後の同氏のリーダーシップに期待がかかる。 【団体サイト】Global Reporting Initiative

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【アメリカ】The North Face、新たなサステナビリティ目標を公表

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アウトドア用品大手のThe North Faceは7月21日、最新版のCorporate Responsibility Reportを公表した。今回の報告書の主なポイントとしては、下記の4つが挙げられる。 リサイクル素材の使用増加 衣類の回収プログラム”Cloths the Loop”を通じた製品ライフサイクルの延長 環境への影響の削減 ダウン製品のサプライチェーンを通じた動物保護に関する基準 Responsible Down Standard(RDS)の開始 同社のサステナビリティ担当役員を務めるAdam Mott氏は「サステナビリティへの我々のアプローチの進化は製品のデザインの中に見ることができる。サステナビリティをデザインの主要な構成要素とすることで、我々は環境と社会に良い影響を与える革新的な製品を生み出すことができる」と語り、製品開発におけるサステナビリティの重要性を強調する。 今回の報告書で言及されている上記4つのポイントの概要は下記の通りだ。 リサイクル素材の使用増加 同社は2016年までに全てのポリエステル製品を100%リサイクル素材にすることを目指して取り組んでいる。現状では同社の織物製品の約80%はポリエステル製なので、この目標はとても大きな目標だ。また、同社は既存素材を再利用する際の化石燃料依存からの脱却も進めている。 Clothes-the-Loopによる製品ライフサイクルの延長 2013年にパイロット・プログラムとして開始されたThe Clothes the Loop programは、消費者は使用しなくなった衣服や靴(他ブランドも含む)を同社の店舗に持っていくと回収してもらえるというプログラムだ。回収された製品はリサイクルセンターに運ばれ、400以上のカテゴリーに分類され、再利用のため新たに加工される。2013年は10店舗でスタートし、3か月半で1,350ポンドの衣類などが集まった。現在は27店舗までプログラムが拡大されている。 環境への影響の削減 同社は製造過程における化学物質や水、エネルギーや廃棄物の削減に向けてサプライヤーと協力して取り組んでおり、2010年以降、タンカートラック100台分以上の化学物質、オリンピックの水泳プール230個分以上の水、自動車3,000台分以上のエネルギーの節約に成功している。 The Responsible Down Standard (RDS) 同社は動物保護および、ガチョウのダウンや羽毛のサプライチェーンにおけるトレーサビリティを向上させることにコミットメントしている。同社はResponsible Down Standard(RDS)を設立し、同社ブランドのダウンは動物に対して不当な手段を使って作られたものではないことを証明するとともに、トレーサビリティシステムを提供している。RDSはアパレル・繊維産業のサステナビリティに関するグローバルな業界団体のTextile Exchangeに引き継がれている。同社では2017年秋までにダウン製品の100%をRDS認証済とする予定だ。 The North Faceは言わずと知れた世界を代表するアウトドアブランドの一つだが、製品を通じて消費者に「アウトドアを楽しんでもらう」ことを提供価値としている同社にとって、環境問題をはじめとするサステナビリティ課題は自社の事業環境に直結する問題だ。自社の事業や製品を通じて環境を保全し、豊かなアウトドア環境を創出していくことは、社会のみならず同社のサステナビリティにもつながっている。 【企業サイト】The North Face 【レポートダウンロード】Corporate Responsibility Report 【参考ページ】Responsible Down Standard (※写真提供:testing / Shutterstock.com)

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【アメリカ】テクノロジー×サステナビリティに取り組むスタートアップ、サンフランシスコへ集結

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いよいよ今年の秋、「テクノロジー×サステナビリティ」をテーマとするスタートアップ企業のピッチイベント、VERGE Accelerateがサンフランシスコに帰ってくる。 今年で3度目となるVERGE San Francisco 2014は10月27日から30日まで米国サンフランシスコで開催される予定で、当日は新たなテクノロジーでサステナブルな世界の実現に取り組むテック系スタートアップ企業16社が集結し、世界を代表するグローバル企業や投資家、行政関係者らを前にプレゼンテーションを行う予定だ。 主催するのはサステナビリティ専門のニュースサイト「GreenBiz」で有名なGreenBiz Groupで、当日は1200以上の企業経営者や政府・行政関係者、投資家らが参加する予定で、オンライン参加者も含めると数千人規模となる想定だ。 対象となるのは建築、エネルギー、水、食糧、都市、交通、物流、サプライチェーン、製造など幅広い分野のサステナビリティ課題を解決する最先端の革新的なテクノロジー、サービス、アプリなどで、当日は各スタートアップ企業が取り組んでいる問題とその解決策、そして彼らの製品、サービスが現状のものよりどのように優れているのかについてピッチプレゼンテーションを実施する予定だ。 VERGEの選考担当者Shana Rappaport氏は「革新的な技術や新しいビジネスモデルを市場へ送り出すことがVERGEの使命であり、新たな起業家をそのステージへ上げ、世界を変える彼らの新たなアイデアを発信する機会を提供できることに喜びを感じている」は語る。 また、昨年行われた2013 VERGEの参加者でOwlizedのCEOを務めるAaron Selverston氏は、このステージにより初めて世界を舞台にそのアイデアを発信することができ、このたった一度を機に自社のプロダクトが加速的な展開を見せたという。 今年のVERGE Accelerateのプログラムは、アーリーステージのベンチャー企業を支援する数々の機関と提携をしていることで更にその魅力を増している。 提携企業のひとつ、TummlのCEOを務める Clara Brenner氏は、「Tummlのミッションは、我々の都市の抱える緊急の課題に対する新たな解決策を提案する起業家を支援することであり、VERGE Accelerate が彼等の素晴らしいアイデアを世界へ広げるきっかけとなることを楽しみにしている」と語った。 サステナビリティというと大企業を中心とした取り組みのように思われがちだが、実際には最先端のIT・テクノロジーを活用してサステナビリティ課題の解決に取り組むスタートアップ、ベンチャー企業も増えてきている。 最近ではサステナビリティの分野とテクノロジーの分野は徐々に融合しつつあり、「社会を豊かにするためのテクノロジー」から「社会を良くするためのテクノロジー」へとIT・テクノロジー業界のトレンドも変わってきている。 今回のピッチイベントではどのようなアイデア、ソリューションが発表されるのか、今からとても楽しみだ。 【イベントサイト】VERGE San Francisco 2014 【企業サイト】GreenBiz Group (※写真提供:Pius Lee / Shutterstock.com)

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【インド】マークス&スペンサー、南アジアの大手サプライヤー9社にISO26000を導入

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CSRコンサルティング大手のCSR Company International社は6月16日、イギリスの大手小売マークス&スペンサーおよび、インド、スリランカ、バングラディシュにある同社の最大手サプライヤー9社と共に、マークス&スペンサーが昨年11月に発表した「サステナビリティ・マネジメント・フレームワーク」プロジェクトのキックオフイベントをインドのニューデリーで開催したと発表した。 マークス&スペンサーは先進的なサステナビリティ戦略「プランA」で有名なイギリスの大手小売企業だ。「サステナビリティ・マネジメント・フレームワーク」は同社のサプライチェーンマネジメントにおけるマイルストーンで、同社がプランAで掲げたコミットメントを達成するためのツールとして今後は社会的責任に関する国際ガイドラインの一つ、ISO26000を活用してサプライヤーのサステナビリティ活動を強化していく予定だ。 ISO26000に基づく「サステナビリティ・マネジメント・フレームワーク」は世界で初めてとなり、今回のプロジェクトはISO26000が持続可能な開発に向けてどのような役割を果たしうるのかを示す絶好の機会となる。 そしてこのマークス&スペンサーの「サステナビリティ・マネジメント・フレームワーク」プロジェクトを牽引しているのが、CSR Company International社だ。同社はオーストリアを本拠とする世界を代表するCSRコンサルティング会社の一つで、マークス&スペンサー社のプランA戦略の実行を支援している。同社の代表を務めるMartin Neureiter氏は、ISO 26000が発行される2010年まで、同基準の作成に携わるISOのワーキンググループでトップを務めていた人物だ。 今回ニューデリーで開催されたキックオフイベントでは、Martin Neureiter氏によりマークス&スペンサーおよび同社のサプライヤー大手9社の経営陣に対してISO26000を活用した企業事例を共有され、ISO26000をどのように企業活動に組み込んでいくかについてのキャパシティ・ビルディングが行われた。今回のキックオフを機に、同社のサプライヤー各社はISO26000に基づいて本格的に社会・環境面のインパクトを理解・測定・管理し、自社の事業へのサステナビリティ戦略の統合を進めていく予定だ。 今回のキックオフをきっかけに、南アジアにおけるマークス&スペンサーのサプライヤー各社の事業慣行がどのように変化していくのか、ぜひ同プロジェクトの今後の動きに期待したい。 【企業サイト】Marks & Spencer 【企業サイト】CSR Company International (※写真提供:Vytautas Kielaitis / Shutterstock.com)

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【ベトナム】コーヒー農家の支援を通じてベトナムの水問題解決を目指すネスレ

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今回ご紹介するのは、ネスレが SDC(Swiss Agency of Development and Cooperation)らと共同で実施した、ベトナムにおけるコーヒー豆生産に関する研究とその成果に関する動画だ。ネスレは現在ベトナムで農家支援プログラムを展開しており、技術支援や生産性向上トレーニングなどを通じて現在12,000以上のコーヒー農家を支援している。 ベトナムは世界最大のロブスタコーヒー豆の輸出国であり、輸出総額は年間10億USドルを超え、ネスレにとっての最大の調達国でもある。ロブスタ種は日本でも最も流通しているコーヒー豆の品種だ。ベトナムのコーヒー産業は雇用の増加に貢献しており、国内最大の産地となっているベトナム中央の高地に位置するDak Lak 地方もその恩恵を受けている。 しかし、それと同時にいくつかの課題にも直面している。その中でも最も懸念されているのが、過度な灌漑による水資源の酷使だ。ベトナムの高地では水資源の96.3%が農業用水として使用されており、その中でも30%以上をコーヒー農家が占めている。そのため、水不足はコーヒー豆を栽培している地域で特に深刻な問題になっているのだ。 Dak Lakでは地下水の水位の低下に加え、乾季には地下水がひどく枯渇し給水制限が実施されるなど、家庭にも悪影響を及ぼしている。 また、 ベトナムでは過去50年間で平均気温が0.7度も上昇している。Dak Lakに40年以上住んでいるある農家は、「昔は温暖な天候に恵まれて、豊作だったが、近年は不安定な風雨や長い干ばつが農家に大きな損失を与えている」と語る。 さらに、Dak Lakの全ての地下水資源のうち71%は既に開発されていると予想されており、現在急激に経済成長しているベトナムだが、水資源の酷使と気候変動による農業への損害のため、将来が不安視されている。 ベトナムのロブスタコーヒーは他のコーヒー生産国とは違い、1月から4月までの間に3回灌漑が行われる。従来、コーヒー農家は「水を多く撒けば収穫量も増える」という考え方から、各植木につき1回に1,000リットルもの水を撒いていた。 しかし、今回ネスレと共同でプロジェクトを実施したWASI(Western Highlands of Agriculture and Forestry Science Institute)、IWMI(International Water Management Institute:国際水管理研究所)、持続可能なコーヒー専門のコンサルティング会社EDE(Epping Consulting)らの研究により、各植木につき1回に400リットルの水さえあれば、少なくとも同程度の生産量が見込めることが判明した。 もし、全てのコーヒー農家が従来の1,000リットルではなく400リットルの水を撒くことにすれば、50%もの真水を節約できると予想されている。これにより水不足が解消されるだけではなく、飲用水の確保、そして環境保護にも貢献する。また、エネルギーコストと人件費も削減することができる。 ベトナムでは現在、コーヒー栽培の発展のため、この新しい灌漑法を基にした持続的なコーヒー栽培法を導入しており、官民共同でコーヒー農家の灌漑慣行改善に取り組んでいる。現在のところ、初期の成果はとても良好とのことだ。 ネスレにとって、コーヒー豆の持続可能な調達は自社の事業を大きく左右する重要な問題だ。 そして、コーヒー豆の持続可能な調達を実現するためには、サプライヤーの持続可能な農業慣行と水利用が鍵を握る。 実際にネスレが掲げるCSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)においても「水資源」「農業・地域開発」は「栄養」と並んで三大注力分野に指定されている。 水資源については、農家などのサプライヤーと協力して「ネスレ持続可能な農業イニシアチブ(SAIN)」を展開しており、2012年にはベトナム以外にもオーストラリアや中国、インドなどで水の利用効率を上げるためのプロジェクトを実行している。 また、現在ネスレの製品に使用されている原料の生産を直接契約している農家は約69万軒あり、工場の73%は農村部に立地しているため、同社は農業・地域開発についても積極的に取り組んでおり、地域開発のマネジメントから財政面の支援、人権の尊重、責任調達にいたるまで取り組みは幅広い。 今回ご紹介したベトナムのコーヒー農家における灌漑慣行の改善プロジェクトもその中の好事例の一つだが、自社のバリューチェーンを通じて社会課題の解決に取り組んでいる同社の姿勢から学べる点はとても多い。 【企業サイト】ネスレ

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2014/07/25 最新ニュース

【アメリカ】ネスレ、米国内のサステナビリティ活動をまとめたCSVレポートを発表

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ネスレは6月30日、米国内で展開するグループ7社のCreating Shared Value(CSV)レポートを発表した。同レポートではネスレのグローバルにおけるサステナビリティ基準とコミットメントに関連する形で作成されているが、米国内に特化した進捗・達成状況を報告するレポートとしては今回が初となる。 ネスレは米国の家庭の97%に商品を提供する世界最大の食品・飲料メーカーとして、世界の栄養と健康を推進し、より持続可能な未来を作り出すことを使命に掲げている。今回の報告書では同社の米国内におけるグローバル・コミットメントに対する最新の進捗状況に加えて同社のこれまでの栄養・社会・環境における取り組みも紹介されている。 Nestlé USAのCEOを務めるPaul Grimwood氏は「ネスレが長期に渡り成功し続けるためには、我々は自社の事業のためだけではなく、消費者やそのペット、従業員、事業を展開する地域のコミュニティ、そして社会全体も含めて我々と関わる全ての人々のために価値を創造していかなければならない。」と語る。 今回の報告書では特に栄養、環境負荷、水の利用、社会的影響、地域開発、責任調達の領域におけるサステナビリティ目標の進捗状況が共有されている。詳細は以下の通り。 Nutrition, Health and Wellness(栄養と健康) ポーション・ガイダンス(1食分の摂取量表示):Dietary Guidelines for Americans(米国の食事ガイドライン)に合った栄養満点で手軽でおいしい食事のサポートのために新たなポーション・ガイダンスおよび教育キャンペーン、Balance Your Plateを展開 ナトリウムカット:Stouffer やDiGiornoなど多くの人気商品からナトリウムを削減。さらにNestlé Nutritional Foundationの基準にそぐわない製品のナトリウムを2016年までに10%カットする方針 糖分カット:現在、96%の子供用商品がNestlé Nutritional Foundationの糖分基準に準拠しているが、これを2014年中に100%にする トランス脂肪酸0へ:トランス脂肪酸を使った商品を2016年までに0にする Environmental Impact(環境への影響) 廃棄物削減:2010年と比較して製品1トンあたりの廃棄物を44%削減 責任あるパッケージ: Nestlé Waters North America が500mlボトルに含まれるプラスチックを1994年と比較して60%軽減。2003年以降、単体で15億kg以上のプラスチックを節約 責任ある調達:Nestlé Purina PetCareはNestléのグローバルなResponsible Sourcing Guidelines(責任調達ガイドライン)に従い、シーフードにおける責任調達ガイドラインを施行。また2013年には調達するパーム油のRoundtable on Sustainable Palm Oil(RSPO)認証を100%達成 Social Impact in 2013(社会への影響) 地元コミュニティ支援:地元のUnited Way organizationに230万ドル以上を寄付 災害対策: Nestlé Waterは685,000本の水ペットボトルを、Nestlé Purinaは2,700kg以上のペットフードおよび1,850kg以上の敷き藁を全米のシェルターに寄付 サプライヤーのダイバーシティ:女性・シニアなど 4,100以上のマイノリティ中心の企業と提携 現在ネスレは米国47州で120以上の事業所を展開し、51,000人以上の従業員を雇用している。米国市場はネスレにとって最大の市場であり、2013年の米国における合計売上は250億ドル以上にも及ぶ。 米国においては特に肥満や栄養など食に関わる健康問題が重要な社会課題の一つとなっており、同社の米国市場における社会的責任および影響力は決して少なくない。今回のCSVレポート発行を皮切りに、ぜひ今後の同社の米国におけるCSVの取り組みにも注目していきたいところだ。 尚、レポートの詳細は下記から確認可能だ。CEOコメント、ネスレのCSVについて、グローバルにおけるサステナビリティ進捗状況、マテリアリティマップ、各重点分野の進捗状況などが非常に分かりやすくまとめられているので、興味がある方はぜひ見て頂きたい。 【CSVレポート】Nestlé’s 2013 Creating Shared Value report 【企業サイト】Nestlé USA

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【イギリス】コカ・コーラ・エンタープライズ、持続的な成長への鍵はサプライヤーとの協働

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2014年6月26日に公表されたCCE(Coca Cola Enterprise:コカ・コーラ・エンタープライズ)のサプライヤーに関する調査によると、同社のサプライヤー企業はサステナブル・イノベーションのためのアイデアを追求する最善の方法として、サプライヤーの協働(87%)、消費者の協働(86%)、従業員の貢献(84%)を挙げていることが明らかになった。CCEはThe Coca Cola Company(コカ・コーラ)系列の最大手ボトラーだ。 この調査結果については6月下旬に開かれたCCEの年次サプライヤー・サステナビリティ・ウェビナーで議論された。同ウェビナーはCCEと150を超える同社のサプライヤーが、より効率的かつサステナブルな形で協働する方法について意見交換をする機会となっている。同ウェビナー内では、サプライヤーから持続可能な農業に向けたコラボレーションやサーキュラーエコノミー(循環型経済)を追求する働き方についての事例もいくつか共有された。 2014年、CCEはカーボン・フットプリントを18%削減することに成功したと発表したが、これは「飲料のカーボン・フットプリントを2020年までに3分の1にする」という同社の目標にまだ道半ばであり、目標達成のためにはサプライヤーの密接な協力のもと、バリューチェーン全体で取り組む必要がある。 CCEでサプライチェーン副責任者を務めるBill Douglas氏は「今回、我々のビジネスのコアとも言えるサステナビリティ上の重要課題について議論するウェビナーに、150ものサプライヤーが参加してくれたことは非常に嬉しいことだ。サプライヤーは我々のサステナビリティへの挑戦における重大なパートナーであり、バリューチェーン全体を通じたコラボレーションとイノベーションが持続可能な成長に必要不可欠だと信じている。」と述べた。 CCEは同ウェビナー内で2013年度の最優秀サプライヤーも発表した。この賞は品質、サービス、価値、企業責任、サステナビリティなどが考慮されたもので、CSI(Closure System International)社に贈られた。また、「最も成長したサプライヤー」にはAdare 社が、「最も持続可能で責任のあるサプライヤー」にはElectrabel GDF SUEZ社がそれぞれ受賞している。 CSIのCEOを務めるMarshall White氏は「我々はこの変化の激しい外部環境の中においても製品を維持し続けるうえで重要となるフレキシビリティを生み出すために、CCEと非常に親密に協力してきた。CCEの掲げるサステナビリティ目標を達成するためのサポートをしつつ、できる限り高いサービスレベルを維持していくことが我々の2014年の目標の一つだ。この賞が、消費者と強く協力しながら、サプライヤーとしてトップの質を保っていくという我々の使命を示してくれた。」と受賞の喜びを語った。 CCE社のように、サステナビリティ目標を達成するためにはサプライヤーも含めた自社のバリューチェーン全体における事業慣行の変革が欠かせない。そのためにはサプライヤーとうまく協働するための仕組みが重要となるが、Awardなどを通じて自社がサプライヤーに対してどのような行動を望んでいるかを示し、賞賛するという仕組みも有効な方法の一つだ。 【企業サイト】Coca Cola Enterprise (※写真提供:Sue Burton Photography / Shutterstock.com)

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【アフリカ】NOTS Impact Enterprises、アフリカのオフグリッド・ソリューションを拡大へ

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アフリカにはまだ送電系統が行き届いていない地域が多く存在する。こうした地域に再生可能エネルギーを活用した革新的なオフグリッド・ソリューションを提供しているのが、NOTS Impact Enterprises(以下、NOTS)社だ。オフグリッドとは送電系統とつながっていない自給型電力システムのことで、太陽光エネルギーなどを活用して発電する。 NOTSはマッキンゼー・アンド・カンパニー出身の起業家、Bart Hartman氏が2003年に設立した企業で、現在はアフリカで再生可能エネルギーを中心にインクルーシブ・ビジネスを展開している。インクルーシブ・ビジネスとは、開発途上国に暮らすBOP層の人々を、消費者や生産者、従業員、サプライヤーなどとして事業のバリューチェーンに取り込み(インクルードし)ながら、コミュニティ開発とビジネスが両立する形で進めていくビジネスの形態を指す。 同社は6月23日、企業のインクルーシブ・ビジネス・モデルの開発を支援しているグローバルイニシアティブ、Business Call to Action(以下、BCtA)への参加を発表した。NOTSはアフリカのオフグリッドエリアにおける照明の確保と木炭製造を2025年までに持続可能なものとすることを目指して既にマリとルワンダで活動を始めているが、今後はBCtAの会員としてサハラ以南の地域にもその活動を広げていく予定だ。 アフリカの僻地エリアにも電力を供給するという壮大な目標にチャレンジするために同社が提供しているのは、「Blue Power」と「Blue Charcoal」という2つの革新的なソリューションだ。「Blue Power」は太陽光を活用したソーラーランプで、2011年に、最初にオフィスが開設されたマリから販売が始まった。また、「Blue Charcoal」はADAM resortという高効率で持続可能なオーブンを利用して製造される木炭で、Blue Powerの販売開始後すぐに、地元コミュニティの協力のもと、製造がスタートした。 NOTSは2014年の初めには同社の2つ目となるオフィスをルワンダに開設しており、現在までに既に同国内においてソーラーランプおよびサステナブルな木炭を提供する最大手企業へと成長している。2016年までにアフリカ大陸においてBlue Powerを20万個、Blue Charcoalを1500パッケージ販売することを目指している。 BCtAで活動プログラムマネジャーを務めるSahba Sobhani氏は、「NOTSのような企業がBCtAに参画してくれることはとても重要だ。特に彼らのユニークなビジョンやアプローチは、今まで手が届かなかった地域に対して持続可能かつリーズナブルなエネルギーへのアクセスを提供することになる」と語り、同社の事業を高く評価する。 また、NOTSの創設者、Bart Hartman氏は「NOTSはBOP層の人々が最も必要とするエネルギーへのアクセスを提供することを目標としており、人々の生活に変化をもたらし、環境を改善し、さらに投資家を魅了する商品を提供することにコミットしている」と語る。 同社は現在までに40万人近くの人々の生活を改善させると同時に、30トン以上の炭素排出削減にも成功しているが、今後も、政府やNGO、民間企業との協力を強化しながら他の地域においてもBOPビジネスを展開していく予定だ。ぜひ今後の動きに期待したい。 【企業サイト】NOTS Impact Enterprises 【参考サイト】Business Call to Action

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